かつ丼一覧

かつ丼(国語辞典より)・・・

「豚カツを、タマネギの薄切りなどを加え、甘辛い汁で煮つけて卵でとじ、どんぶり飯の上にのせた料理」。

私は「卵とじ」のもののみを「かつ丼」としております(一部例外あり)。

私が食べ巡った「かつ丼」の記録です。

      ※掲載情報は、私が訪れた時点でのものです。

       閉店・移転、価格変更、かつ丼がメニューから消えた…などの可能性が御座いますことを

            ご了承ください。

533丼   一茶庵

恵比寿    850円   2024年12月

好み:★★★★★

駅から北に歩いて5分ほど、東三丁目の交差点付近にある町のお蕎麦屋さんです。丼物にはお味噌汁が付いているのですが、ミニそばに変更可能。肉はサイズは小ぶりも割り箸二本を合わせた幅を少し超える厚さ。やや硬めで適度な噛み応えの肉質。わずかに筋張っている所があるもののスッと歯が通り、丁寧な仕込みぶりが窺えました。蕎麦屋特有の「かえし」の効いた割下の強い風味を突き抜けて豚肉の旨味が舌に伝わってきました。衣はしっかり卵でとじられている部分でもサクサク食感。これは間違いなくお蕎麦屋さんのかつ丼で出会えるとんかつの上位クラス。卵はトロトロの半熟具合。玉ねぎは染み込み深め。割下はパワー充分の塩気と嫌味のない甘さ。かえしの風味も加わって飽きの来ない濃味。お米も割下と卵が相まって最後の一粒まで堪能できました。ミニそばを間に挟みながらいただこうと思っていたのに、気付けば夢中でかつ丼だけ一気に完食してしまいました。本当にこのお値段でいいのですか?と感じる逸品でした。

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532丼   田舎そば 須坂

中井     680円   2024年12月

好み:★★☆☆☆

駅近にある食券制のお蕎麦屋さんです。定休日なしの通し営業は本当にありがたい。でも、食券を受け取った瞬間にため息をついたり、調理中に大きな音で痰を切ったりしないほうが良いですね。。。小ぶりな丼にびっしりと大きなカツが敷き詰められていました。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。歯がいらないほど柔らかいけど豚肉の旨味はほぼ感じない。衣はヌメヌメっとした食感。お馴染みの業務用量産型冷凍物のグレードが少し高い方のヤツですね。卵はカツとお米の間に少し生が残り、表面はしっかり熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み浅め。割下は卵そのものの味が分かるくらい薄口。あっさりと言えば聞こえは良いですがメリハリやパワーが皆無といった印象でした。

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531丼   とんかつ三太

新井薬師前  900円   2024年12月

好み:★★★★★

北口からすぐのとんかつ屋さんです。ランチメニューに「ヒレカツ丼」がありました。サイコロ状に一口サイズにカットされたヒレカツが10個ほど。とても柔らかく歯切れも良好。口に入れると「これこれ!」と思わずにいられない強めの甘辛さがブワッと広がりました。薄い衣は卵がかかっていない所はサクサク食感でした。若干、揚げ過ぎかなぁと感じる風味があり、そこだけがちょっと残念。卵は少なめで熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深め。割下はハッキリした強い塩気と全体を下支えする甘さ。後で喉が渇くな~と思いつつも、私の好みのド真ん中でした。お新香は優しい薄味。ワカメと豆腐のお味噌汁はかつ丼同様にアッツアツで寒いこの時期には嬉しい限り。このレベルのヒレで千円未満は頭が下がる思いです。

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530丼   虎

武蔵新田   950円   2024年11月

好み:★★★★☆

駅前の黄色い大きな看板が目立つ町中華屋さんです。ドラマのロケなどメディア露出が多く、店内にはサイン色紙がたくさん飾られていました。メニュー名は「かつ丼(中華風)」。カウンター席から調理工程がよく見えました。タレにつけた豚バラ肉に片栗粉をまぶして中華鍋で揚げていたので、とんかつではなく竜田揚げですね。6個の一口サイズにカットされて出てきました。齧り付くと焦げの香りと独特な甘い風味が広がりました。この味わいは初遭遇かもしれません。1センチ四方の立方体の肉はとても脂身が多い、と言うか大部分が脂身。卵はほぼ生の状態。玉ねぎは染み込み深めでニンジンとワカメも入っているのが独創的。量が少なめなので食感のアクセントになってるとまでは言えませんでした。ラーメンスープがベースの割下は塩気よりも甘さが際立っていました。小皿で搾菜が付いてきましたが、こちらを挟みつつでちょうど中和される印象。そして、過去最高レベルでツユダク。もう雑炊。お米は白いままでって人には無理でしょうが、私的にはウェルカム。丼に溜まる割下からお米を一粒残らず掬い出して完食。確かに、卵とじのかつ丼であることに間違いはありませんでしたが、一般的なかつ丼とは明らかに別物。楽しい一杯でした。

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529丼   相馬屋

月島     950円   2024年11月

好み:★★★★★

駅から北に3分ほど、住宅地にある町のお蕎麦屋さんです。それほど待たずに早めの提供。メニュー名は「かつ丼(並)」ですがお重で出てきました。大きく4つにカットされたカツ。ブロック状の色の濃い肉は正方形に近く、サイズ自体は小振りですが厚さは1センチ以上ありました。噛み切るのに一苦労するほどの弾力。ただ、一度噛み切ってしまえば硬いことも筋張っていることもなく、脂身はないものの咀嚼するほどに旨味を感じました。かつ丼ではあまりお見掛けしたことのない肉質で、揚げ油と出汁(かえし)の風味を纏ったポークソテーのような食感でした。衣は薄めで肉付きはやや弱め。肉質がしっかりしているのでちょうどいいバランスでした。卵は熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深めで素材の甘さが活きていました。卵も玉ねぎも割下をたっぷりと吸っていて香ばしいの一言。割下は塩気充分で甘さは平均的。これぞ、東京の蕎麦屋かつ丼の王道と言える味わいだと思います。王道でも個性的な逸品でした。ここでかつ丼を食べちゃったら他では食べられない・・・という地元民もいらっしゃることでしょう。

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528丼   たかはし

中井     1200円   2024年11月

好み:★★★★☆

駅から住宅地の中を歩くこと5分弱のとんかつ屋さんです。先客は2組だけでしたが25分ほど待っての提供でした。トッピングは三つ葉と刻み海苔と紅生姜。紅生姜は入れるか入れないかを女将さんに聞かれます。せっかくなので「入れてください」とお願いしましたが、結果としては紅生姜の味が強すぎるので食材の協和感を崩してしまっている印象でした。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。ギュッギュッとした噛み応えで、そこまで高クオリティとは思えませんでしたが、しっかりと豚肉の旨味は感じました。衣は薄めで滑らかしっとり。卵は白身にほんのわずか生が残る仕上げ。玉ねぎは染み込み度浅め。割下は塩気も甘さも優しく、それでも物足りなさはまったく感じさせない味付け。丼底に溜まるほどたっぷりかかっていて、カツの衣も柔らかいので、丼全体が優しい口当たりの一杯でした。写真にはありませんが、半分くらい食べた時に豆腐のお味噌汁が出てきました。女将さんの人懐こい接客もとても心地良かったです。

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527丼   山城屋

八丁堀    1150円   2024年11月

好み:★★★☆☆

二八通りにある老舗とんかつ屋さんです。蓋をあけると三角形にカットされたカツが綺麗に並んでいました。ロース肉の厚さは割り箸二本とちょうど同じくらいの幅。シャクッと歯が入る肉質で、決して硬くはないものの脂身がなく「ジューシー」の真逆とも言える淡泊であっさりした味わいでした。筋張っていて噛み切れない所も一箇所だけありました。薄めの衣はわずかにパン粉の食感が感じ取れましたが、全体的にしっとり。卵は熱の通った仕上がり。そして特徴的だったのが、カツとお米の間には玉ねぎではなくキャベツの千切りが敷かれてありました。とんかつとキャベツですから当然の如く相性はピッタリ。ただ、一面にびっしりと敷き詰められているわけではないので、そこまで歯触りの変化を楽しめるものではありませんでした。割下は至って薄口。塩気も甘さもマイルドといえばマイルド、弱いといえば弱い。かかっている量も少ないので、カツやお米をまとめあげるパワーは感じませんでした。

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526丼   五郎のとんかつ

大森     900円   2024年10月

好み:★★★☆☆

東口ロータリー近くのとんかつ屋さんです。ランチメニューではかつ丼がいただけます。肉は割り箸一本より厚くて二本合わせた幅には届かないくらいの厚さ。やや硬めの肉質でしたが箸で簡単に切れる所も。脂身は極めて少なく、端の一切れは筋張っていて、味わいとしては今一歩の印象でした。衣は全体的にしっとりしていて、揚げ過ぎなのか若干の焦げ臭さが気になりました。卵は完全に熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み中程度。割下は薄口で塩気弱めの甘さほぼなし。それだけに食べ飽きることはありませんでしたが、柔らかめに炊けているお米を昇華させるほどのパワーは感じず、終始、衣の焦げ風味が気になる一因にもなっているかと思いました。カツとお米のボリュームは控えめなものの、このお値段でマカロニサラダの小鉢と熱々のお味噌汁がついているのは嬉しいポイントでした。

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525丼   おそめ

新丸子    800円   2024年10月

好み:★★★★★

神奈川県川崎市、東急東横線の新丸子駅から綱島街道に向かって3分ほどにあるとんかつ屋さんです。小さめの四角いお重で出てきました。肉はギリギリ割り箸二本を合わせた幅に届くかなといった厚さ。適度な噛み応えがあり、脂身はほとんど存在せずあっさりとした味わい。薄めの衣は完全にしっとりしていて肉付きが弱いものの、揚げ油を吸い込んで実に薫り高い。卵は熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深めでたっぷり。これだけでもお米が進みました。割下は穏やかな塩気とほんのりとした甘さで濃すぎず薄すぎない絶妙な塩梅。子どもの頃から食べてきた「王道のかつ丼」の味でした。筍のお味噌汁は初めて遭遇したかも。新丸子駅は各駅停車しか停まらず、駅前商店街も小規模、言っちゃえば地味な土地なのですが、かつ丼を食べられるお店が不思議なくらい多い地域。私は「かつ丼天国」と呼んでおります。

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524丼   丸栄

自由が丘   1200円   2024年08月

好み:★★☆☆☆

「フライパンとラードで揚げる」とんかつ屋さんです。平日のランチメニューにのみカツ丼が出現します。肉は割り箸一本分と同じ幅の薄さ。それなりに旨味を感じ、それなりに脂身も存在するものの、やや硬めの肉質。黄色に近い衣はしっとりしていて肉付きは弱め。ラードと割下から来る独特な甘さを纏っていました。卵はほぼ完全に熱を通した仕上がりで、玉ねぎは染み込み浅め。割下は甘さが強めで塩気もしっかりなのですが、如何せん量が少ないので丼内をまとめ上げるパワーがなく、ボリューム良く盛られているお米が浮いてしまっている印象でした。老舗のとんかつ屋さんで1200円出してコレでは少々寂しいなというのが正直な感想でした。

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523丼   日本橋 宇田川

水天宮前   2200円   2024年08月

好み:★★★★★

カツサンドが人気のとんかつの名店が日本橋から水天宮前に移転。右手がサンドや弁当のテイクアウト専門、左手の扉を開けると小さなとんかつ屋さんになっています。注文から5分ほどという驚きのスピードで、揚げ立てカツのかつ丼がやってきました。肉は割り箸二本を合わせた幅にギリギリ届くくらいの厚さで、サイズもやや小ぶり。二千二百円でこれか・・・と思いましたが、断面にピンク色を残したロース肉は柔らかいのに噛み応えもあり、しっかりと旨味を感じ、脂身にはさすがの深い甘みがありました。衣は薄くて基本的にしっとり、たまにサクッといった食感。卵はトロトロの半熟。玉ねぎは染み込み浅め。割下は強めでも上品な塩気と至ってマイルドな甘さで出汁の風味も効いた味付け。私好みのお米が止まらないヤツでした。お米はボリューム良く盛られていて、途中でカツがなくなってしまいましたが、割下が丼底に溜まるほどたっぷりかかっているお陰で最後の一口まで堪能。しじみのお味噌汁とキャベツの酢漬けも優しい味わいでした。

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522丼   豊年屋

鷺ノ宮    1050円   2024年07月

好み:★★☆☆☆

北口からほど近く、お店の脇からはホームも見える町のお蕎麦屋さんです。ご飯ものにはミニ蕎麦が付くという嬉しいサービスあり。なるとの入ったお吸い物と一緒に蓋付きのかつ丼が出てきました。揚げ立てのカツ。割り箸一本の幅と同じくらいの厚さの薄めの肉で、風味は貧弱と言わざるを得ず、モッタリとした味わいの脂身が多い部分は噛み切れませんでした。衣は肉付きが弱く、下側はお米に貼り付いて剥がれていきました。卵は完全に熱の通った仕上がり。玉ねぎなどは一切入っておらず、まさに卵とじのカツと割下とお米の真っ向勝負なのですが、全てが少しずつパワー不足の印象が否めませんでした。その最大の理由が割下の味付けかと。蕎麦屋ならではの「かえし」を使っているのでしょうが、独特な甘さが前に出て塩気にもクセがあり、他ではあまり味わったことのないもので、私の好みとは大きく離れてしまっていました。

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521丼   真そば 尾崎庵

上石神井   1300円   2024年07月

好み:★★★★★

駅からは徒歩10分ほど、青梅街道沿いにあるお蕎麦屋さんです。メニュー表には蕎麦のこだわりが詳しく書かれていましたが私は一貫して「かつ丼・単品」。サイズは小ぶりの範疇であるものの、厚さは割り箸二本を合わせた幅を遥かに超える立派な肉。サクッと歯が通って旨味豊かな味わい。脂身には上品でコクのある甘さを感じました。衣は薄くてサクサク。やや焦げ臭いのが残念でしたが、楽しい食感。卵は極少量で熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深めで甘い風味がありました。割下は塩気も甘さもしっかりとした濃口で、私の好みのドンズバストライク。お米のボリュームも充分。具だくさんの豚汁も優しい味付け。もう少し卵に色気があればなぁとは思いましたが、衣の焦げ臭さを差し引いても満足度の高い逸品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1321/A132105/13076585/


520丼   ロケ弁 和木

小台     864円   2024年07月

好み:★★★★☆

荒川区東尾久にある天ぷら老舗が展開する「ロケ弁」屋さんのお弁当です。仕事現場の差し入れで頂きました。お店のHPを確認しましたところ「かつ丼」(756円)というシンプルなメニューも存在しましたが、こちらは「かつ丼サラダボックス」という名のお弁当。持ち運んだ際にちょっと崩れてしまったため、実際はこの写真より見栄え良しです。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さでカツのサイズ的にもボリューム充分。とても歯切れの良い肉質。衣は柔らかくて、しっとりしんなり。口内にピリピリ来る感じのストレートな強い塩気を持つ濃い味付けの割下がカツ全体を食べ応えのあるものへと昇華させていました。卵はお弁当なので完全に熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深めで、これだけでもおかずになる味わい。お米はお弁当らしく若干パサついているくらいの炊き加減。カツの下にあたる右半分には濃茶色の割下がかかっていましたが、左半分はただの白米プラス梅干し状態でした。カレー風味マカロニサラダの香りの主張が強すぎるのが難点に感じたものの、しっかりパワーチャージできる、ありがたい一品でした。

https://rokebenwaki.com/


519丼   朝日屋

緑が丘    800円   2024年06月

好み:★★★★☆

至る地でよく見掛ける蕎麦屋の屋号「朝日屋」。こちらは東急各線の緑が丘駅・大岡山駅・都立大学駅から徒歩10分ほど、住宅街の中にポツンとある町のお蕎麦屋さんです。かつ丼の評判が良いとの情報を得て伺いました。揚げ立てのカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅を超える立派な厚さ。歯応えがあり、ややパサパサ気味ではあるものの、割下の甘さと油の香りと下味の黒胡椒の風味をほんのりと纏っているので淡泊さはありませんでした。薄めの衣は肉付きが弱めで、所によりクリスピー食感が残っていました。卵はほぼ熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み中程度でたっぷりと入っていました。割下は優しい甘さが前面に出ていて「かえし」の塩気も不足なし。それがお米全体を染め上げるほどたくさんかかっていて見事にお米を昇華していました。何も奇をてらわない、豚肉の質も揚げ方も割下の調合も何も手を抜かない良品と出会えました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131711/13068512/


518丼   長野屋

戸越公園   850円   2024年05月

好み:★★★★☆

駅から北へ徒歩数分、おでんがメインの昔ながらな佇まいの定食屋さんです。客は私1人でしたが提供まで20分ほど待ちました。見た目では完全に熱が通ったような卵は、なんと箸を入れるとカツの間から生の黄身と白身が溢れ出てきました。肉は割り箸一本分の幅を少しだけ超えるくらいの厚さ。さっぱりとした味わいで肉々しさはないものの驚くほど柔らかい代物でした。薄めの衣は所によってクリスピーな食感が残っていました。玉ねぎの割下染み込み度はかなり深め。そして一番のポイントは割下の強烈な塩味。相当な塩気が、肉の風味の弱さや衣から来る雑多な香りや割下の持つ甘さなど、すべてを凌駕していました。甘~いかつ丼やお出汁の効いたかつ丼がお好みの方には決してお薦めはできませんが、これぞ「東京のかつ丼」の味付け。私にとっては嬉しい限り。柔らかめに炊けたお米も私好みでしたし、お味噌汁・お新香と一緒に、里芋と舞茸の天ぷらが付いてくるのもお得感がありました。

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517丼   蔵乃家

奥沢     1000円   2024年05月

好み:★★★★☆

駅から南に数分のところにある町のお蕎麦屋さんです。カツが細めにカットされていて、断面を横に寝かせる形で並べられていました。肉は割り箸二本を合わせた幅とほぼ同じ厚さ。お蕎麦屋さんのかつ丼にありがちな薄茶色の汎用の豚肉ではありましたが、完全にしっとりしなしなになった薄めの衣と相まって歯がいらないくらいの柔らかさを感じました。口に入れるたびに割下の塩気と「かえし」の風味がフワッと広がる、まさに蕎麦屋かつ丼の王道の味付け。卵はしっかりと熱の通った仕上がりでフワフワ、玉ねぎは割下の染み込み度は中程度でシャキシャキ食感。割下は塩気が前面に出て、甘さは奥に潜んでいるといった印象。味わいは鋭く、口当たりは優しい一杯。大根と鶏肉の煮物・油揚げたっぷりのお味噌汁・深めに漬けられたお新香でカツがなくなった後の余ったお米も進みました。

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516丼   三好弥

大森町    800円   2024年05月

好み:★★★★★

JR大森駅と蒲田駅の中間地点くらいの川沿い、住宅地の中で周囲には飲食店はまったく存在しない、まさに地元に愛されている老舗といった雰囲気のとんかつ屋さんです。暖簾分けにより昭和の時代には130店舗ほどにまで隆盛を極めた「三好弥」ですが、現在では20店舗ほどとのこと。「三好弥」の面白いところは同じ創業者のもとで修行を積んだ弟子・孫弟子が営んでいるものの、とんかつ屋・洋食屋・居酒屋などなど店舗ごとに業態が異なっている点。こちらは092丼目に掲載した神保町の三好弥さんと同じくとんかつ屋。先に述べておきますが、同じ屋号で同じとんかつ屋でも味付けから何からまるで別物でした。たっぷりと使われた卵は見事なまでのトロトロ加減で光沢を放ちつつ丼を覆い尽くしていました。肉の厚さは割り箸一本の幅と同じくらいで薄め。ボリューム的には若干物足りませんでしたが、柔らかくて赤身と脂身のバランスが抜群。衣は肉付きが弱くすぐに剥がれていきますが、なんとこれがプラスに働いていました。ラードのほんのりとした香りと濃いめの塩気を吸ったしっとり滑らかな衣がお米と混ざることにより実に味わい深いものに。割下は力強い濃口で塩気充分、甘さはわずかに感じる程度で、これぞ食欲を駆り立てまくる味付け。もうメモを取るのも面倒に感じるくらいに箸が止まりませんでした。玉ねぎは少量で染み込みは中程度。さらに、めっちゃ細切りなので正体は分かりませんでしたが緑の葉物も入っていました。お味噌汁も具だくさん。お値段を鑑みると贅沢は言っちゃいけませんが、もう少しだけカツに食べ応えがあったら・・・もう少しだけ割下の量が多ければ・・・人生最高レベルかも・・・と思うほど私好みの絶品でした。ご主人と女将さんの接客も「心がこもった」という表現がピッタリで心地良かったです。

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515丼   中華料理ひろし

下板橋    930円   2024年04月

好み:★★★★★

東武東上線の線路脇を歩くこと数分、住宅地の中にある町中華屋さんです。店内は綺麗に整頓されていて、夜営業のオープン直後に伺いましたが既に盛況でまさに近隣住民の台所といった雰囲気でした。20分ほど待つと蓋付きで登場。肉は割り箸二本を合わせた幅を少し超えるほどの厚さでサイズも充分。柔らかくてスーッと歯が入っていきました。ちょっと厚めの衣はしっとり滑らかな舌触り。町中華かつ丼特有の雑多な風味は感じず、クセのない代物。卵は表面は熱の通っていてカツの下に僅かに生を残した仕上がり。玉ねぎは染み込み深めで素材の味が活きていました。割下は塩気も甘さもガッチリと強く、塩気のほうが前に出た私好みの味付け。トッピングの刻み海苔は良いアクセントになっていました。このお値段以上の価値があるのは間違いなしの逸品でした。

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514丼   うえ竹

板橋     950円   2024年04月

好み:★★★★☆

駅前ロータリーの目の前にあるお蕎麦屋さんです。引っ切りなしに来客があり常に満席状態でした。女将さんから「いまお料理は時間がかかります」とのアナウンスがございましたが、15分ほどで提供いただきました。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さ。柔らかく、申し分のない肉質でした。薄めの衣は肉付きが弱く、下側はお米に貼り付いて剥がれていきました。きちんと卵とじにされていますがパン粉の食感はしっかり感じ取ることが出来ました。卵は熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深め。割下は少量。しかし割下を吸った卵はかなり強めの塩気と甘さを纏っていました。全体のボリュームはやや控えめもなかなかのパンチ力がある味付け。かつ丼の最大の魅力である「丼内の各素材の協和感を楽しむ」一杯というよりは「濃く味付けされたカツと卵と玉ねぎを白米で楽しむ」一杯といったところでしょうか。玉ねぎがたっぷり入ったお味噌汁は優しい味わいでした。

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513丼   だし焼肉はし田

中目黒    1100円   2024年04月

好み:★★★★☆

目黒銀座商店街から横道に入ったところにある「だし焼肉と博多うどん」屋さんです。店先の立て看板のかつ丼の写真に惹かれて入店してみました。メニュー表をちゃんと見たら「かけカツ丼」とのこと。私は「卵とじ」至上主義ですが、せっかく入ったのだから頂くことにしました。特に混雑はしていませんでしたが、席の案内まで10分、注文から提供まで20分ほど掛かりました。蓋がカツの上で半分開いた流行りのスタイルで登場。噛み応えの強めな肉質で、厚さは割り箸一本から二本の幅と同じくらい。肝心の衣は確かに卵がかかっていない部分はサクサク、しっかりとかかっている中央部分はわずかにサクサクが残っているかなぁといった食感。卵とじにしてもこのくらいの食感を残したかつ丼を幾つもいただいて来たので、特段の印象は受けませんでした。ふわトロの卵はお店の売りである「だし」をたっぷりと吸って実に深い味わい。卵黄がさらにひとつ乗っているので崩すとハイクオリティな卵かけご飯が爆誕。カツそっちのけでこちらを堪能してしまいました。玉ねぎ等は一切入っていませんでした。メニュー表には「東京でははし田でしか食べられない唯一無二のカツ丼ご賞味ください」と銘打たれていましたが、479丼:びんちょろさん・432丼:さくりさんなどと見た目も味も同じ系統で、どのあたりが「唯一無二」なのか私には見抜けませんでした。

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512丼   そば新

小菅     890円   2024年04月

好み:★★★★★

東武伊勢崎線の小菅駅と五反野駅の中間くらい、下町の住宅地の中にある店舗住居一体型のご家族経営と見受けられるお蕎麦屋さんです。ボリューム感のある大きなかつ丼が出てきました。衣でかさ増しされているとはいえ、揚げ立てのカツは大判サイズで肉の厚さは割り箸一本の幅と同じで薄めの部類。それでも赤身の旨味と脂身のコッテリ感をしっかりと楽しめました。一般的な厚さの衣は口に入れた時の舌触りはしっとり滑らかで、噛んでいるとサクサク感がありました。卵は熱の通った仕上がり。玉ねぎは少量ですが割下の染み込み度は深く素材の甘い風味が活きていました。割下は塩気も甘さもハッキリバッチリ。お米をガッシリと味わい深いものへと昇華させていました。お米の量は見た目よりは多くありませんでした。丼全体を通して変なクセなども一切なく、夢中で完食。決して高クオリティとは言えない豚肉でも味付けと調理術によって素晴らしい料理に大躍進させることが出来る、これもかつ丼の魅力のひとつであるなぁと改めて痛感させてくださいました。きゅうりのお新香も、これぞ東京下町の庶民の味と言える塩辛さ。これでもかとお米が進んでしまいました。私自身、訪れることが珍しい地域でしたので、食後の散歩を兼ねて荒川の土手と橋を歩いて北千住まで出ようと思い、女将さんに荒川土手へ出る道をお尋ねしたところ、店外まで出て細かく最短ルートを教えてくださいました。お腹も心も満たされました。ネット上では営業時間などの情報が掴めませんでしたので追記しておきますと、水曜日定休とのお札が店内に置かれていました。私が退店したのは14時過ぎでしたが、まだ暖簾は出たままでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132404/13067241/


511丼   日東

梅島     900円   2024年04月

好み:★★★☆☆

駅の目の前にある町中華屋さんです。清潔感がありテーブル席も多く、油でベタベタのカウンターと床という町中華のイメージとは一線を画していました。店名を刻した誂え物の蓋付き丼でやって来ました。全体的にややミニサイズ、なるとにグリーンピースという何とも可愛らしい見た目。カツは揚げ立て。肉は割り箸二本を合わせた幅に少し届かない厚さ。柔らかくてそれなりに良質な豚肉であることが窺えました。しかし、薄めで肉付きが良くてしっとりとした衣から感じる甘さとチラつく酸味が上回ってしまい豚肉の旨味は楽しめませんでした。卵はわずかに生の部分を残す仕上がり。玉ねぎは染み込み深め。見た目に反してお米はたっぷり盛られていました。割下はとにかくマイルドな味付け。ガツンと来る塩気もなければ、モタつく甘さもない、さっぱりといただけますが私としましてはパンチ力不足が否めない印象の一杯でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132404/13062994/


510丼   とんかつ穂久斗

大門     1300円   2024年04月

好み:★★★★☆

芝大神宮のすぐ近くの細道にある年季の入ったとんかつ屋さんです。夜営業だけメニューに「かつ丼」が登場します。実際には「かつ重」が出てきました。カツのサイズも大きく、肉の厚さは割り箸二本を合わせた幅をやや超えていました。一口目からいきなり筋張っていて噛み切れずで驚きましたが、全体的には強めの噛み応えと豚肉の風味を感じる代物。薄くてしっとりしている衣はラードの芳醇な香りと若干の焦げ臭さが同居していました。卵は一部分にだけ生が残る仕上がり。玉ねぎはお米のどこを箸で掬っても入ってくるほどたっぷりと使われていました。割下の染み込み度は浅めで素材の甘さが活きていました。割下はとてもまろやかな塩気と甘さ。それでいて物足りなさを感じない絶妙な味付け。それがお米全部に浸透していました。そんなかつ丼より印象に残ったのがお味噌汁。わかめが少しだけ入ったシンプルなお味噌汁なのですが、濃口で個人的に大好きな味わいでした。

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509丼   だるま屋食堂

池上     750円   2024年04月

好み:★★★★☆

駅から北へ歩いて10分弱、低層マンションや工房が建ち並ぶ中にある食堂です。長机2本に丸イス10個だけ、店内には雑然と荷物が積まれ、オシャレな方々は抵抗を感じるに違いない、なんとも味のある歴史を感じる空間。高齢のご夫婦で切り盛りされていました。ちなみに喫煙可。先にも後にも客は私一人でしたが出てくるまでに20分ほどを要しました。カツを一口頬張ると、ほんのりとした甘さと豚肉の優しい風味を感じました。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さでサイズも立派な部類。左端の一切れは筋張っていましたが他は柔らかい噛み応え。衣は薄くてしっとり。卵は半熟仕上がり。玉ねぎは薄茶色の割下が深く染み込んでいました。割下はたっぷりかかっていて塩気も甘さも至ってマイルド。お米のボリュームも良く満腹。そしてなんと、お味噌汁はおかわり可能。会計時にブラックサンダーまで頂いちゃいました、それでいてこのお値段。驚愕&感謝しかありませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131714/13092320/


508丼   つねや

西馬込    1000円   2024年04月

好み:★★★☆☆

駅から西へ、呑川を越えた先にあるお蕎麦屋さんです。夕方の時間帯にふらっと入店したところ女将さんに「予約の人?」「ボトルキープしてる?」と聞かれましたので、夜は地元の方々が宴を開く居酒屋のようになるのでしょう。わずかに生を残す美しい仕上がりの卵に包まれた姿にグッと期待値が高まります。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さ。柔らかいのですが、豚肉本来ではない風味を感じました。衣は完全にしっとりとしていて肉と同じ厚さ。これは、量産型冷凍物ですな。玉ねぎはたっぷりと使われていて染み込みは中程度、シャキシャキ食感でした。割下は多めにかかっていて、塩気も甘さも充分あるもののマイルドな味わい。カツは残念でも割下の味わいは素晴らしいと感じました。また、お米が柔らか過ぎるというか水分が多すぎてモッチリしていました。個人的には硬いお米より柔らかいほうが好みなのですが行き過ぎな印象。お値段と照らし合わせると少々厳しめの評価にならざるを得ませんでした。

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507丼   中華一光

高井戸    900円   2024年04月

好み:★★★★☆

駅から環八を北上して徒歩5分ほど、カウンター3席と4人掛けテーブル2つだけの小さな町中華さんです。巧みな卵の白身使いとグリーンピース、お手本のようなビジュアルのかつ丼が出てきました。肉は割り箸二本を合わせた幅とちょうど同じ厚さ。程良い噛み応えがありました。衣はとても薄くてしっとり食感。赤身と脂身で味の変化があったり、衣からは町中華ならではの雑多な風味を感じたりと、なんだか食べていて楽しい気分になる一杯でした。割下は甘さより塩気が優った濃口な味付けでお米が進む進む。卵は完全に熱の通った仕上がり。細切りの玉ねぎは割下の染み込みが深く、小さめサイズのカツがなくなってからは、余ったお米の良いおかずになりました。お新香のきゅうりが浅漬けでなく糠漬けなのは何気に珍しく、中華スープは優しい味わいでした。

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506丼   亀印食堂

月島     750円   2024年03月

好み:★★☆☆☆

「昔ながらの」という表現がピッタリな雰囲気の大衆食堂さんです。女将さんがワンオペで回されておりました。料理提供待ちの先客が3名いたので、時間がかかるかなぁと思っていたら、ものの5分もせずに提供いただきました。お値段からしてみれば致し方ないですが、とても小ぶりな作り置きのカツ。肉の厚さは割り箸二本を合わせた幅に少し届かないくらい。硬いことも筋張っていることもないけど、旨味を持ち合わせていることもない代物でした。衣は主張なくヌルヌルとした食感。肉からなのか油からなのか何だか獣っぽい風味がありました。卵は完全に熱の通った仕上がり。玉ねぎはたっぷりと入っていて染み込みは浅め。割下は塩気がしっかりしていて、それに遜色ない甘さ。お米を昇華させるだけのパワーは感じました。お新香は芯のところが多め、中華スープも特色なし。お店の空気感や価格設定はめちゃめちゃ良いけど、かつ丼に関してはすべてがちょっとずつ残念な印象でした。

※残念ながら閉店されたそうです(2024年)


505丼   スナックYUMI

茗荷谷    800円   2024年03月

好み:★★★★★

駅前から茗荷坂を少し下ったところにあるスナックです。ランチタイムには店内にて「かつ重」「親子重」「開化重」が頂けます。小さなスナックのカウンターで昼食という不思議な空間ですが、居心地は悪くありません。卵は華麗な半熟加減。カツを一口頬張ると優しい甘さがフワーッと広がりました。肉のサイズ自体はやや小ぶりなものの、中央部分は割り箸二本を合わせた幅を僅かに超えるほどの厚さ。柔らかく、筋張っている所もまったくナシ。旨味すら感じました。衣も厚めで完全にしっとり滑らかな舌触り。玉ねぎは染み込み深め。割下は塩気も充分でも、甘さが優った味わい。個人的に甘いかつ丼はあまり好みではないのですが、これはすんなり受け入れられて、食べ進めるごとに食欲をそそられる感覚でした。突き出しの茄子のお浸し・お新香・豆腐と葱のお味噌汁も含めて瞬く間に完食。店頭の立て看板によると、茗荷谷で60年に渡り商いをしてきた日本蕎麦店「浅野屋」、後継者がおらずに残念ながら閉店に。浅野屋の店主が「かつ丼だけでも皆様にまだまだ食べて頂きたいとの想い」で、こちらのお店で真心を込めて作っていらっしゃるとのことでした。まさかこんな上玉がスナックで頂けるなんて。恐れ入りました。

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504丼   生蕎麦 山中屋

高津     920円   2024年03月

好み:★★★★☆

神奈川県川崎市、田園都市線の高津駅の駅前にある老舗の蕎麦屋さんです。ネット情報でとにかく「かつ丼」の評価が高かったので伺ってみました。注文から5分と掛からずに蓋付きでやって来ました。肉は蕎麦屋のかつ丼ではあまりお目に掛かったことがないレベルのブ厚さ。割り箸二本を合わせた幅をはるかに超えていました。適度な歯応えがありつつも柔らかく、淡泊さをまったく感じさせないこの豚肉が、熱の通った仕上がりの卵と染み込み深めでもシャキシャキ食感の残った玉ねぎと塩気も甘さも過不足なく優しい味付けの割下で煮込まれているわけですから、そりゃ評判が良いのも頷けました。だからこその粗探しのようになってしまいますが、カツがぬるいのが残念。そして厚めの衣が所によってガリガリと硬く、過剰な主張を感じてしまいました。また、割下の量が少ない。やや硬めに炊かれたお米が割下により昇華されていないので丼の中で浮いてしまっている印象を受けました。食べて損の無い一杯であることは間違いありませんでした。

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503丼   三丁目のお弁当屋 すまいる

目黒     750円   2024年03月

好み:★★★★☆

山手通り沿い、ラーメン二郎目黒店の大行列のすぐ近くにある小さくてかわいいお弁当屋さんです。注文・会計をして丸椅子に座って待つこと5分ほど。卵は当然、熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み浅めでシャッキシャキ。肉は割り箸二本を合わせた幅を超える厚さ。柔らかく、脂身も豊潤。さすがに揚げ立てではないものの、こう言っては失礼かもですが、お弁当屋さんの一品としては十二分のレベルでした。衣は卵と割下がかかっている所はしっとり、かかっていない所はサクサク食感が残っていました。割下は少量で穏やかな味付け。塩気も甘さもそれなりにありますが至ってマイルドな部類。全体のボリューム的にもこのお値段分の価値は充分にありました。

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502丼   ラッキー飯店

春日     1200円   2024年02月

好み:★★★★☆

ご主人のご病気により長期休業と再開を繰り返している状況の町中華屋さんです。店内はとても綺麗で清潔感あり。女性従業員4名がテキパキと動き、見ている限りではご主人もお元気そうでした。カツはかなり斜めに包丁が入れられていて薄めで幅広くカットされていました。肉の厚さは推測できませんでしたが、しっかりしたボリューム感。我流に従い右から2つめのカツから食べ始めたところ、いきなり肉が噛み切れない・・・という困惑はあったものの、そこ以外は大丈夫。ジューシーさを持った部分、さっぱりした味わいの赤身部分、柔らかく適度な甘さを纏った脂身部分を一口ごとに楽しめました。衣は薄くてしっとり。肉に添えられたちょっとしたアクセントといった印象でした。卵は熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み度やや浅めでシャキシャキ食感。割下は塩気もそれなりに効いていましたが甘さが深い。割下を含んだお米だけを食べると、それが特に感じられました。まさに「甘めのかつ丼」と言える一杯。お値段的にはこのかつ丼に出せるギリギリと感じる設定でしたが、後客から次々と「かつ丼」の注文が入っているのも納得出来ました。

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501丼   森の茶屋

京成上野   850円   2024年02月

好み:★★★★☆

アメ横にある食堂です。並でも大盛りのようなボリューム。アツアツのカツと同じくアツアツのお米を口に入れると甘い風味がブワッと広がりました。肉は所により割り箸二本を合わせた幅を超える厚さ。所により噛み応えが強かったり、筋張っていたり、柔らかくスーッと歯が入ったり、味わいがコッテリしていたり、サッパリしていたりで面白い。衣は基本はしっとりしていましたが所によりカリッと来る部分も。とても肉付きが弱く、カツを箸で持ち上げると下側の衣はお米に貼り付いて剥がれていきました。卵は所により生が残る仕上がり。玉ねぎは少量で染み込み浅め。割下は甘さが前に出ているけれど塩気も充分。やや柔らかめに炊かれたお米が気前よく盛られていましたが割下によって良い塩梅に味付けられていてあっという間に完食。実に食べ応えのある一杯でした。

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500丼   Katsuプリポー  

西武新宿   6700円   2024年01月

好み:★★★★★

日本最高峰クラスのひとつと呼ばれるとんかつ屋さんです。高名な揚げ士さんが店主で予約困難店ですが、節目である500丼目はこのお店にしようと以前より目論んでおりました。上記のお値段は桁を間違えているわけではございません。全国の銘柄豚から選び抜かれた珠玉の豚肉が数種類取り揃えられていて、一番お安くても4000円台、お高いものは1万円を超えます。「かつ丼」は500円引きとなります。まだ開業してから日が浅く、営業曜日や時間が変更となったり、仕入れ値によって不定期にお値段がやや激しめに上下しています。今後さらに評価を上げていくことでしょう。店員さんにオススメを伺いましたが、予想通りに「それは本当にお客様のお好みによります」とのことでしたので、下調べした末に心に決めていた「サドルバッグ」を選択。欧州で「幻の豚」と呼ばれる鹿児島産の希少品種。肩ロース・リブロース・ロースから選ぶのですが、目星を付けていたリブロースは残念ながら売り切れ。サドルバッグのロースにしました。先に出てきた2種のお漬物は壺から取り放題。25分ほど気持ちを落ち着けて待ちますと、刻み海苔・白胡麻・山葵・赤だしのお味噌汁と共に大きな器でかつ丼が登場。クローシュパフォーマンスよろしく女性店員さんが蓋を開けると見目麗しいお姿が。卵はお見事な半熟仕上げ。玉ねぎは入っておらず白髪ネギがトッピングされていました。肉は2センチ超えのさすがの厚さ。口に入れやすいように細めにカットされていました。白みがかったサドルバッグのロースは柔らかいのに適度な歯応えがあり、噛むごとにホンワカとした豚肉の旨味を感じました。脂身は老化著しい私の胃腸でもすんなりと受け入れられるまろやかな甘さ。脂身の強い部分は白髪ネギの辛さと中和すると良い塩梅の味わいになりました。衣は極薄めで全体的にしっとりしていて滑らか。そして、お米が素晴らしい。釜炊きのミルキークイーンだそうですが、熱々具合といい、炊き加減といい、カツや割下との一体感を生み出している風味といい、まさにパーフェクト。割下は塩気と甘さをお出汁で包み込んでいる印象。ラー油も使われており、まったく飽きの来ない味付けでした。こういった最高級豚肉を食して、逸品だ!絶品だ!と絶賛しないとバカ舌がバレてしまうとは思いますが、正直申し上げて、これまで1000円~2000円弱くらいで頂いてきた人気店のかつ丼の豚肉と何がどう違うのかまったく分かりませんでした。なんでこんなにお高いの??確かに上品な味わいであることは間違いがないですし、マイナス面も一切見当たらないですし、食後の軽やかさも驚きでしたので敬意を表し、72丼目の「大満足(★5)」とさせていただきます。お金に余裕が出来たら、今度は千葉産の希少品種「ダイヤモンド」のかつ丼を頂くためにまた予約しようと思っている自分がいます。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13264309/


499丼   田むら銀かつ亭 HaRuNe小田原店

小田原    1485円   2024年01月

好み:★★★☆☆

箱根強羅にある本店は大行列の大人気店として知られるとんかつ屋さんです。こちらは小田原駅の駅ビル地下街にある支店。開店直後に3組待ちで入れました。「豆腐かつ煮」が名物ですが、私は「ロースかつ重」一択。突き出しは塩ナムルとお味噌汁とお新香。蓋を開けると熱の通った仕上がりの卵と緑の三つ葉の美しい見た目。カツのサイズは思ったよりずっと小振りで、肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。少々歯応えのある肉質で、脂身の甘さは芳醇でしたが、そこまでの旨味は感じませんでした。衣はあまり主張がなく、しっとり具合。玉ねぎは染み込み深め。全体的にコレと言った特徴はありませんでした。強いて特徴的な面を挙げるなら、割下のダクダクっぷり。優しい甘さがちょっと前に出ていて上品な塩気の割下がたっぷりとかかっていました。パンチ力不足が否めず、さすが人気のとんかつ屋さん!とは言い難い豚肉という印象でした。同行者が注文した「豆腐かつ煮」も一口頂きましたが私にはさっぱりあっさりしすぎていました。全メニューが本店より数百円お安いので本店とはお味にも違いがあるのかもしれません。

http://ginkatsutei.jp/


498丼   伊東食堂

東池袋四丁目 1000円   2023年12月

好み:★★★★☆

デカ盛りカレーが名物でメディアでもよく紹介されている老舗の食堂(夜は居酒屋)です。アツアツのカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。柔らかくて脂身がなくあっさりした味わいでした。やや厚めの衣はサクサクカリカリで、同じ油で様々な揚げ物メニューを作っているせいなのか独特な甘めの風味を感じました。卵はほぼ熱の通った仕上がり。玉ねぎは割下が充分に染み込んでいて甘くシャキシャキ食感。たっぷり入っているので良いおかずになっていました。割下は甘さは平均的、塩気は控えめで、お米を昇華するほどのパワーはない印象。大盛りにしなければ至って一般的なボリュームの一杯でした。

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497丼   とんかつ家庭

門前仲町   1400円   2023年12月

好み:★★★★☆

駅近くの高速道路の下を抜けるとすぐに右にあるとんかつ屋さんです。外国産肉使用の「サービスかつ丼」800円と国産肉使用の「かつ丼」1400円があるとのこと。せっかくなので国産肉でお願いしました。15分ほどで提供。卵は少量で半熟仕上げ。玉ねぎではなく長ネギが入っていました。厚さ1センチを超え重量感のある国産肉。柔らかいけれど弾力もあり、食べ応えがありました。脂身も過剰な甘さがなく味わいとしてはあっさりしている部類。肉の旨味よりも下味の胡椒のほうが強く感じる部分もありました。衣は薄めで全体的にしっとりしていて、余計な主張がなく軽めの衣でした。カツとお米の間に刻み海苔が敷かれていました。たっぷりとかかった割下は塩気も甘さも濃いめで甘さが塩気を包み込んでいる印象。この味付けであれば半値近い「サービスかつ丼」の肉質でも水準以上の一品になっていることでしょう。ひじきの煮物・切干し大根・香の物・お味噌汁は無いよりはあったほうがいいくらいのレベル。おひとりで切り盛りされているご主人は厨房でアレクサを使いこなしていらっしゃいました。

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496丼   とんかつ こころ

天王町    800円   2023年12月

好み:★★★★★

神奈川県横浜市は相鉄線の天王町駅から歩いてすぐの場所にある人気のとんかつ屋さんです。丼の縁ピッタリに敷き詰められた大きなカツ。一口頂いた瞬間に「あ、これは大当たり」と確信が持てました。肉は割り箸二本を合わせた幅とちょうど同じ厚さ。とても柔らかくて芳醇でした。衣はやや厚めでしっとり滑らか。卵はほぼ完全に熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み中程度でシャキシャキとして甘い素材の味が活きていました。割下は塩気の優ったしっかりとしたパンチ力を有した味付け。カツにスッと歯が入り、衣と卵の滑らかな舌触りを堪能して、肉の旨味と甘辛い割下の風味が鼻腔を抜けていくのを楽しんだ直後に、割下で色付いたアツアツのお米をシャキシャキ食感の玉ねぎと共に噛み締めていく。あ~~幸せ。素晴らしいかつ丼をありがとうございました。

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495丼   やまだや

成増     780円   2023年12月

好み:★★★★☆

駅近くの地元の常連客で賑わっている歴史ある食堂です。17時前に入店しましたが酔客でほぼ満席。厨房前にあるガラスケースには数々の肴が陳列されていました。まずカツを頬張ると、なんだか魚のフライのような風味。肉は割り箸二本を合わせた幅とちょうど同じ厚さ。噛み応えが強く、味わいはあっさりしていましたがサイズも大きめで、このお値段なら充分な代物。衣は数カ所ガリッと来る所もありましたが全体的にしっとり。卵は半熟仕上げ。玉ねぎは染み込み浅めでシャキシャキ食感。割下は塩気も甘さも強すぎず弱からずのバランスの取れた味付け。お米の量は少なめで、これなら飲んだ後のシメにもピッタリだと思います。冷奴と沢庵とコク深い鮭のあら汁も付いていてお得感満載でした。

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494丼   奥州軒

地下鉄成増  830円   2023年12月

好み:★★★☆☆

成増といえば「とんねるず」。そのくらいのイメージしか持ってないほど縁の無い土地で遅めの昼食。調べたところ、石橋貴明氏が行きつけだったという老舗の町中華屋さんを発見。駅から南に5分ほど歩いた住宅地の中にありました。かつ丼を注文すると心地良い揚げ音が店内に響きます。冷たいお水と温かいお茶、タッパーに入ったキムチとお漬物、そして大きな器に入ったスープに続いて、かつ丼到着。熱の通った仕上がりの卵。カツの上にまではみ出た染み込み深めの玉ねぎ。肉の中央部は割り箸二本を合わせた幅より厚い。噛み切るのに少々労力を費やす肉質でパサパサ気味でした。下味の黒胡椒が強め。衣はカリカリ感が残っていましたが、とても剥がれやすくてお米の上で肉と衣がバラバラになっていきました。町中華のカツは様々な風味を纏うモノが多いのですが、こちらは特にこれといった風味は感じませんでした。割下は塩気も甘さもしっかりしつつも、優しい味わい。食後にはアイスコーヒーのサービスまでありました。ご主人と女将さんの接客ぶりも温かく親切。これは愛されるお店であることに間違いはないでしょう。

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493丼   かつ半

伊勢佐木長者町  950円  2023年12月

好み:★★★★☆

神奈川県横浜市は伊勢佐木長者町駅から歩くこと数分、ラーメン二郎の行列の先にある老舗とんかつ屋さんです。実は、かつ丼の食べ巡りを開始した当初から機会があればとリストアップしていた有名店。肉は割り箸一本分の幅を少しだけ超える厚さ。サイズも小さめで有名とんかつ屋の代物としてはややガッカリ。それでも歯応えは柔らかく、それなりの旨味も感じますし、脂身には上品な甘さもありました。衣は完全にしっとりしていて滑らかな舌触り。卵は熱の通った仕上がり。染み込み深めの玉ねぎがたっぷり入っていて良いおかずになっていました。割下は塩気も甘さもしっかりしていて甘さがちょっと前に出ている味付け。これがアツアツのお米全体を染め上げるほどかかっていました。汁だく否定派の方には決してお薦めできませんが、私のような汁だく歓迎民には嬉しい限り。カツは過度な期待をしてしまっていたので少々残念でしたが、かつ丼としての総合点は充分な高さを持った一杯でした。

https://www.katsuhan.jp/


492丼   萬来軒

戸越銀座   750円   2023年12月

好み:★★★★☆

駅の北側、桐ヶ谷通り沿いにある町中華屋さんです。昭和時代の一大屋号だった「萬来軒」も都内では希少な存在に(208丼に掲載した荏原中延の萬来軒も閉店してしまいました)。メニューにかつ丼があるのは当店くらいかもしれません。カウンターに着席するとメモ紙とボールペンが置かれたので、何となく推測して「カツ丼」と記入してお渡しするとスムーズに注文が通った様子でした。厨房で年配のご夫婦ともう1人の男性がテキパキと動いているのがよく見えました。女将さんと男性が給仕して会計して洗い物を捌いていき、ご主人が熟練の技で次々と鍋を振るっています。カツは中華鍋で煮込み&卵とじにされていました。ツヤツヤした茶色と黄色、まさに食欲をそそるビジュアル。卵は美しい半熟仕上げ。玉ねぎは染み込み深め。肉はちょうど割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さ。正直、ジューシーさには欠け、端のほうは噛み切るのに一苦労な部分も。スーパーで売っている安いロース肉そのものといった印象でした。ラードでカリカリに揚げられた衣は、割下と煮込まれ卵で閉じられてもしっかりとした食感が残っていました。ただ、肉付きはかなり弱く、すぐに剥がれていきます。割下はハッキリとした強い塩気と甘さ。それでいて、塩辛いこともなく甘ったるいこともなく、町中華にありがちな雑味はまるで感じない真っ直ぐで濃いめの味付け。この割下が丼全体を見事にまとめ上げていました。高品質の食材を使っていないのに箸が止まらない一杯に仕上げてしまう匠の調理術に感服。高級豚肉・高級ラード・高級卵使用を謳い文句に、この倍以上のお値段で半分以下の満足度・・・というかつ丼にも出会ってきましたから、かつ丼という料理の奥深さを改めて感じる今日この頃。店内は喫煙可。時間帯によるのかも知れませんが煙臭さはほとんど気になりませんでした。調理が一段落ついた所で厨房の隅にて店内を見回しながら一服するご主人の姿が粋に見えました。

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491丼   ゴロ八

戸越銀座   600円   2023年12月

好み:★★★☆☆

旧中原街道にある、入るのにはちょっと勇気がいる外観の定食屋さんです。店外に掲示されたメニュー表の恐ろしいほどの安値に驚き。年配のご夫婦が切り盛りされていました。出入り口横にある給水器とカウンターの上にある薬缶(温かい麦茶)はセルフサービス。油で揚げる音ではなく電子レンジが稼働する音を聞きながら(笑)しばし待つと、白菜・えのき・油揚げがたっぷり入ったTHE家庭的なお味噌汁とお新香とともにかつ丼登場。卵はしっかり熱が通った仕上がり。玉ねぎが実にたっぷりで、染み込み度は浅く、甘い素材の風味が活きていました。割り箸一本の幅と同じくらいの薄く平たい肉。噛み切る時は柔らかく、噛み締めているとゴロゴロした食感がありました。衣は完全にしっとり。割下はトッピングの刻み海苔の味がはっきり感じ取れるほどの薄口で、塩気も甘さも至ってマイルド。お米がまだ半分残っているのにカツがなくなってしまいました。先客も後客もなく私1人だけで、なんとなく食べ残して席を立つのが申し訳ない雰囲気でしたので、玉ねぎとお新香でお米を完食。結論、これは玉ねぎでお米を食べる丼「卵とじ玉ねぎ丼~カツを添えて~」って感じでした。それにしても、この安さでこのクオリティであれば充分の一言。若い胃袋を持っていたらラーメンとカレーライスもいただきたかったです。

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490丼   サミットストア

駒沢公園   537円   2023年11月

好み:★★★☆☆

首都圏に展開しているスーパーマーケットのお惣菜弁当です。現時点の商品名は「だしと玉子にこだわったロースかつ重」。日高昆布と煮干しとかつおぶしで風味豊かに仕上げているそうです。スーパーのかつ丼弁当の定番である斜め切りのカツ。割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さで、しっかりと噛み応えのあるちゃんと肉々しいロース肉。多くを求めること自体が間違っていますが、旨味は乏しいと言わざるを得ませんでした。衣は惣菜かつ丼弁当にしては珍しく肉付きが弱め。部分によってはサクサクとした歯触りが残っている所もありました。当然ながら完全に熱が通った玉子焼きのような卵。玉ねぎは染み込み中程度でシャキシャキ食感あり。商品名の通り、出汁の風味を押し出すために割下の塩気と甘さはかなり控えめで薄口。これはこれで良いのかもしれませんが、ジャンキーなハイカロリー爆弾であるかつ丼を食べているという背徳感がまったくなく、私にしてみれば寂しい限り。お米がやや硬めで、かつ煮と馴染んでいないため丼内の一体感には物足りなさがありました。

https://www.summitstore.co.jp/


489丼   天龍

北綾瀬    850円   2023年11月

好み:★★★★☆

駅から歩くこと5分少々、環七から一本横に入った道沿いにある町中華屋さんです。高齢のご夫婦で営んでいらっしゃいまして、実にメニューが豊富。ラーメンだけで40種類以上ありました。グリーンピースとツヤツヤの卵の白身による見目麗しいかつ丼が出てきました。卵は半熟仕上げ。玉ねぎはたっぷり入って染み込み度は中程度でシャキシャキ食感が残っていました。揚げ立てのカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。薄めの衣はしっとりとサクサクの中間というか、しっとりの中にもキメ細かさを感じる舌触り。割下は塩気も甘さもトゲがなく、とてもマイルド。それでいて物足りなさを覚えることもない深みのある味わいでした。肉のしっかりとした歯応え、ほんのりと来る赤身の旨味、衣の食感、半熟卵のトロみ、玉ねぎのシャキシャキ具合、そしてお蕎麦屋さんやとんかつ屋さんのかつ丼からは決して感じることのない町中華ならではの複雑な風味、ヘンな主張によってバランスを崩すものが存在しないため、それらのマリアージュが素晴らしいの一言。一心不乱に食べ進めてしまいました。お米のボリュームも充分。しかし、割下の量が少ないので丼の中でお米だけ浮いてしまっている印象が否めませんでした。小振りなカツがなくなった後は、絶妙な塩加減の中華スープとお新香をおかずに一粒残さず瞬間完食となりました。

https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132404/13062887/


488丼   ポールライト 荏原病院店

洗足池    920円   2023年11月

好み:★★★☆☆

病院や官公庁内を中心に展開しているレストランチェーン店です。荏原病院の広い待合スペースの脇を抜けるとショーケースが見えてきます。食券を購入して着席。いかにもカウンターに取りに行って食後は食器を下げてといった雰囲気でしたが座っていれば配膳してくれるし、食後もそのまま退店すればOKというスタイルでした。卵は熱の通った仕上がりで、たったいまレンチンしてきました!といったビジュアル。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。めちゃめちゃ柔らかくて歯がいらない、モチモチとした食感。これはよくありがちな量産型冷凍物ですね。でも、薄めの衣には僅かにサクッとした歯触りがありました。玉ねぎは少量で染み込み深め。お米のボリュームは控えめでした。割下はほとんどかかっていませんでしたが、カツからはかなり強い塩気を感じました。甘さもそれなりにあるのでしょうが、塩気で消されている印象。カツはカツ、卵は卵、お米はお米の味で丼内の協和感はカケラも無し。とは言いつつ、こういったジャンキーなかつ丼も好きなので味わい的には特に文句もないのですが、病院内施設とはいえ、これがこのお値段なのは冗談がキツいと思わざるを得ませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131714/13191489/


487丼   高砂

洗足池    800円   2023年11月

好み:★★☆☆☆

駅からやや離れた住宅地の中にある町の小さなお蕎麦屋さんです。満席につき外で少々待ってから入店。空いた席に座るも、厨房はお忙しい様子で放置状態。しばらくして正面のテーブルの翁が女将さんのお名前を呼んで「あそこ、注文取ってやんな!」と。お冷をいただき、かつ丼単品をお願いしましたが、なんと・・・その女性は女将ではなく翁のお連れさん。お耳の遠いご主人がワンオペで回し、常連客で助け合う昔ながらの下町のスタイル。15分ほどで提供。割り箸一本の幅と同じ薄めの肉で、硬かったり筋張っていたり。衣は見た目通りに焦げ臭さがプンプン。ただ、嫌な臭みではなく、これはこれで風味深いと言える範疇。完全にしっとりしていて、「肉から剥がれるスピード選手権」で優勝候補。ちょっと箸を入れただけでカツはぐっちゃぐちゃに。卵は半熟仕上げ。玉ねぎは染み込み浅めでシャキシャキ食感。割下は塩気も甘さもそれなりで、わずかに塩気が前に出ている、とてもバランスの良い味付け。アッツアツのお米が半熟の卵とこの割下を纏うことにより立派なお料理になっていました。

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486丼   きそば たらふく

新丸子    800円   2023年11月

好み:★★★★☆

神奈川県川崎市は東急東横線の新丸子駅と武蔵小杉駅の中間付近、住宅地の中にある町のお蕎麦屋さんです。蓋を取ると、グリーンピースに白身が生で残る卵の素晴らしきビジュアル。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さ。何の抵抗もなくスッと歯が通っていく柔らかさで作り置きとは思えないクオリティ。脂身も豊富で割下の甘さと相まって、濃厚な甘味が口の中いっぱいに広がりました。やや剥がれやすい衣は平均的な厚さで、たまにガリッとする所はあるもののしっとりとして、脇役に徹している印象。玉ねぎは極少量で染み込み深め。割下は塩気も甘さも「かえし」の風味もしっかりと強く申し分のないパンチ力を持っていました。柔らかめに炊かれたお米との相性もバッチリ。全体に渡って主張してくる甘さと、モチッとしたカツの食感が私の好みとは少しズレていましたが、これは多くのファンを抱えているに違いない一杯。年配のご夫婦が営んでいらっしゃいましたが「うちの名物はかつ丼」と打ち出してもよろしいのではないでしょうか。そう思わせる掘り出し物に出会えました。

https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140504/14018946/


485丼   一福

中野新橋   1250円   2023年10月

好み:★★★★☆

駅の改札口を出てすぐ右にある、短いカウンターと奥座敷に2テーブルの小さなとんかつ屋さんです。元気な女将さんのタメ口を聞く限り、地元の常連客に愛されているお店であることが窺い知れます。肉の中央部分は割り箸二本を合わせた幅をはるかに超える厚さ。ウネウネとした形状をしていました。噛み切るのに一苦労する部分とサクーっとした噛み心地の柔らかい部分が共存していました。しっかりと噛み締めていると旨味も感じました。衣はとても肉付きが弱く、全体的にしっとり。卵はカツの間に少し生を残した仕上がり。玉ねぎは染み込み浅め。割下は塩気も甘さもマイルドで、肉の風味とはぶつかりませんが、お米を昇華するまでのパワーはありませんでした。それもあってか、丼全体の中でお米の味わいだけが浮いているように感じてしまいました。酸味が少なく私好みの胡麻ドレッシングがかかったミニサラダが口の中をサッパリさせてくれました。

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484丼   とんかつ丸福

新中野    1000円   2023年10月

好み:★★★☆☆

すぐ近くに同じ屋号のお蕎麦屋さんもありますが、こちらは老舗のとんかつ屋さん。様々な和食の一品料理メニューを取り揃えたとんかつ居酒屋といった雰囲気。夕方でもすべて常連と思われるお客さんがお酒を嗜んでいる中、明らかに一見である私が飲み物も頼まずにかつ丼のみを注文しましたが、快く接客いただきました。冷奴、一口玉子焼き、きゅうりのお新香、豆腐のお味噌汁に続いて出てきたかつ丼。肉は割り箸一本の幅より厚く、二本を合わせた幅より薄く、箸で掴むとバラバラになっていきました。硬いことはないですが、多少筋張っている部分も。衣は肉付きが弱く、ゴロゴロザラザラした舌触り。カツのサイズも小振りでとんかつ屋さんで出てくるにはちょっと寂しいレベルでした。卵はほんのわずかに生が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み浅く、ほぼ生で辛さがありました。特徴的なのはキャベツの千切りが敷かれている所。割下は色は薄いものの少しピリピリと来る塩気で、まろやかな甘さ。余ったお米は良い塩梅に味付けされていました。玉ねぎとキャベツの歯応えも楽しい一杯でした。

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483丼   中華 幸軒

築地     850円   2023年10月

好み:★★★★☆

築地周辺には「幸軒」というお店が2軒あり、どちらもシューマイが名物なのですが、こちらは築地本願寺の近くにあるほうの町中華屋さんです。テーブル6個だけの狭い店内で、ランチ時はガンガンに相席となります。カツを一口いただくと、油の香ばしさと若干の焦げくささ、そして深みのある風味をフワッと感じました。これぞまさに町中華かつ丼の王道の味わい。肉は所により割り箸一本から二本の幅と同じ厚さ。正直、ジューシーさには欠けるものの歯応え具合良し。肉付きが弱い衣は薄くてカリカリ食感でした。卵は少量でほんのわずかに生が残る仕上がり。玉ねぎはたっぷり入っていて飴色に色付いていますが割下の染み込み度は中程度。充分に「良いおかず」になっていました。割下は甘さが前に出て、塩気は角が取れてまろやかながらしっかりしたパンチ力。特筆すべきはその量。お米がびっしゃびしゃに浸かるほどかかっていました。お米を見事に昇華していて最後の一粒まで堪能。カツと卵・割下・お米の一体感がそこまで感じられなかったため「大満足」とまではいきませんでしたが、もし自宅や職場が近くにあったらしょっちゅう食べに来ているだろうなぁと思わずにはいられませんでした。

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482丼   蕎麦や はないち

有楽町    680円   2023年10月

好み:★★☆☆☆

JRのガード下にある食券制の立ち食い蕎麦風の蕎麦・うどん屋さんです。お隣は「酒や はないち」という居酒屋さん。肉は割り箸一本の幅より少しだけ厚い。やや硬めでありながらモチッとした歯応えでパサパサ感あり。衣は厚いのに完全にしっとりしていて何の存在感もなし。はい、これまで数え切れないほど相見えてきた量産型冷凍物でした。卵はほぼ全体に熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込みは浅めでシャキシャキ食感が残っていました。割下は醤油のストレートな味付けではなくお出汁的な風味で、塩気は弱く甘さはぼんやり。カツやお米を昇華できるパワーは持ち合わせていませんでした。ジャンキー好きな私からすると決して嫌いな味わいではありませんが、これがワンコインであれば空腹満たしにはありがたいけど、このお値段までの価値は・・・なくらいのレベルの一杯。お値段は土地代ですね。場所が場所だけに外国人観光客が日本食を楽しむために訪れるケースが多いお店のようですが、これが「Japanese KATSUDON」であるとは勘違いして欲しくない一心です。

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481丼   しまだ

表参道    1390円   2023年09月

好み:★★★☆☆

青山通りから一本横道に入ったところにある手打うどん・そば屋さんです。夜営業では豊富な肴メニューで居酒屋のように使われていました。メニュー表の「かつ重」の横には「お肉が柔らかくて美味しくなりました」との表記が。細くカットされたカツのサイズは小振りも、肉は割り箸二本を合わせた幅を少し超える厚さ。以前を存じ上げないので比較することは出来ませんが、確かに肉は柔らかい部類に入る歯応え。脂身が多めに存在していてコッテリした甘さがズシンと来る味わいでした。衣は薄めで卵も割下も量が控えめなのでサクサク感が残っていました。卵は少量で熱の通った仕上がり。玉ねぎの割下染み込み度は中程度。割下は塩気も甘さも平均的で「かえし」の出汁風味のほうが前に出ている味付け。お米のボリュームがとても良いので「ツユダクあり派」の私にとっては、もっと割下のかかったお米を掻き込みたいところでした。決して悪くはないですが、お値段を鑑みるともう一段上を求めてしまいました。

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480丼   庄太郎

原宿     980円   2023年09月

好み:★★☆☆☆

竹下通りの賑わいの中にある老舗のとんかつ屋さんです。平日の夕食どき、お客さんゼロ。後客もゼロ。ご主人と私の2人きり。外は若者と外国人でごった返しているのに何だか不思議な空間でした。注文から20分ちょっと待ち、現れた「ロースかつ重」からは酸っぱい香りが漂っていました。肉は割り箸一本分の幅と同じくらいの厚さで、どちらかというとペラペラの域でしたが柔らかく潤いがありました。衣は標準的な厚さでしっとり食感。油の香ばしさを纏っていました。卵はほぼ熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深め。割下は色濃く、キュッとした強めの塩気と鼻に抜ける酸味が。酸味がパワフルなので甘さはあまり感じませんでした。私としては、この酸味がどうも苦手で箸が進まず。カツはボリューム的にも味わい的にもお値段に見合う代物でしたが割下の味付けでで割り引きという一杯でした。

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479丼   うまいもんと里の酒 びんちょろ

虎ノ門ヒルズ 900円   2023年09月

好み:★★★★☆

ビジネス街にある古風な外観・内装の居酒屋さんです。夜営業での「かつ丼」は1300円ですが、ランチだと「特選かつ丼」という名前で、このお値段でいただけます。外で10分ほど行列に並んでから入店。男性2名が愛想を振りまく暇もなくテキパキと調理・給仕をされていました。カツの上からトロトロの半熟卵がかかっている、いわゆる「かけかつ丼」でした。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。歯を立てると衣のサクッとした食感、続いて肉のシャクッとした歯切れ、そして豊富な脂身からのジューシーで甘い旨味が口の中に一気に広がりました。薄めの衣は煮込まれていないので初めのうちはサクサク感がありますが、時間経過と共に少しずつしっとりしてくるので、途中からは通常の卵とじのかつ丼とさほど変わらない印象でした。玉ねぎは入っておらず、他はトッピングの刻み海苔のみ。丼底に溜まるほどかかっている割下は甘さが主導権を握りつつ角の取れた塩気とうまくバランスを保っている上に出汁のコクと風味が効いていて、なんとも深い味わい。割下に浸かったお米がそれだけで立派な料理になっていました。ボリューム的にはカツのサイズやお米の量がもうちょっと欲しいところ。プラス100円でカツもお米も1.5倍(中盛り)にできるので、そうしておけば良かったと後悔しながらお店を後にしました。

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478丼   三朝

三軒茶屋   1200円   2023年09月

好み:★★★★☆

駅からちょっと歩いた住宅地の中にある町のとんかつ屋さんです。かつ丼だけでもロースかつ丼・ヒレかつ丼・ソースかつ丼などメニューの種類が豊富。ノーマルな「かつ丼」をお願いしました。肉は部分により割り箸一本から二本分の幅くらいの厚さ。衣は薄めで完全にしっとり滑らか。箸で持ち上げているうちに千切れてしまうほど脆いカツでしたが、歯応えは柔らかく、筋張っている所は一切なし。しっかりと存在する脂身の甘さと割下の甘さがフワッと来て、すぐに肉自体の旨味と割下の塩気と卵の風味が、最後に肉の下味である黒胡椒の味わいが追いかけてきました。これぞかつ丼の醍醐味といえる味のマリアージュ。卵はわずかに生の状態を残す仕上げ。玉ねぎはどちらかというと染み込み浅め。割下は甘さが前に出ていますが嫌味のない甘さなのでスイスイ食べ進められました。最初のうちは丼全体の中でお米の香りだけが浮いているように感じましたが途中からはまったく気にならず。お米のボリュームも充分。とんかつ定食などに使われる肉より薄く肉質も落ちているのでしょうが、かつ丼にすることにより見事に昇華されていました。

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477丼   日の出更科

糀谷     800円   2023年08月

好み:★★★★★

日の出銀座商店街にある町のお蕎麦屋さんです。お客さんの大半がかつ丼を注文するという情報のあったお店。京急線代をケチってJR蒲田駅から20分ほど歩いて到着。猛暑日でしたのでかなり汗をかいてしまったのですが、女将さんが心配してタオルを持って来てくれる昔ながらの温かい接客ぶり。卵は熱の通った仕上がり。玉ねぎは割下の染み込み度深め。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。カツに歯を立てると、やや厚めの衣がサクサク~、肉がスーッと噛み切れ、ほんのりと油の香ばしさが広がりました。すぐに褐色に染まったお米を口に放り込むと割下のハッキリした強い塩気と僅かな甘み。そんな割下をたっぷりと纏った卵と玉ねぎには自身の素材の味もきちんと感じられました。まさに、かつ丼という料理の魅力である丼全体の協和感・一体感がお見事。脂身の過度な主張がなくあっさりとしているし、衣には卵がかかっているところでも程良いサクサク感が残っているので、もう箸が止まらない。お吸い物と、そのつど女将さんが盛り合わせている4種のお新香もホッコリする味わい。こりゃ、かつ丼を頼む人ばっかりなのが大納得の逸品。なんだか幸せな気分になれました。しかも、本来820円のところ「現金払いの方は20円引き」でした。

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476丼   むさし屋

糀谷     880円   2023年08月

好み:★★★☆☆

ひらがなだったり漢字違いだったりで至る所で見掛ける屋号「むさしや」。こちらは京急糀谷駅から少し歩いたところにある町のお蕎麦屋「むさし屋」さんです。数年前に駅前から移転したそうで老舗感はなく今時な雰囲気。お冷やが紙コップで出てきたのは珍しい光景でした。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ充分な厚さ。とても歯切れが良く柔らかく、肉自体の甘さが立っていました。衣は完全にしっとり滑らかで、肉付きが弱く下の方はお米に貼り付いて剥がれていってしまいました。全体的に二チャッとネチャッとした食感のカツ。卵はしっかり熱の通った仕上がりで割下の風味を吸い込んで芳醇な味わい。玉ねぎは染み込みやや浅め。割下は甘さが勝った味付けで塩気はマイルド。シャープさに欠けた印象のモッタリした一杯でした。

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475丼   立ち喰い雑賀屋

京成関屋   550円   2023年08月

好み:★★☆☆☆

隣接している京成関屋駅と牛田駅の間にある、TV番組などでも多く取り上げられている立ち食い蕎麦屋さんです。店内には過去の取材時の写真がたくさん貼り出されていました。券売機で買った食券をお渡しして厨房を覗いていると、言っちゃ失礼ですが店構えや地域密着型立ち食い蕎麦屋の典型的な店内の雰囲気に反して、実に丁寧にじっくりと調理されていました。しばらく待ってから受け取り。カツはこのお値段とは思えないビッグサイズで丼を覆い尽くしていました。肉の厚さは割り箸一本分と同じくらいで薄め。硬いことはなく、なんだか不思議な風味のある肉でした。私のバカ舌の誤認だとは思うのですが、もしかして・・・このカツ、チーズが入ってる??「チーズかつ丼」を目玉としているお店も散見される昨今ですが、店内のメニュー表や貼り紙を確認しても、その打ち出しはナシ。デフォルトでチーズが入ってるの?混ざっちゃったの??ずっと頭を傾げながら食べ進めました。衣は卵がかかっている所はしっとり、かかっていない所はザクザクした食感が残っていました。鶏唐揚げや天ぷらなども提供しているお店なので、衣からは油の雑多な風味がビシビシ。飽きの来ない面白さはありますが味わいとしてはブレブレ。卵はキレイな半生仕上げ、玉ねぎは染み込み深めでシャキシャキ食感が残っていました。割下は全体的にかなり薄口で少量。塩気はあまり感じず、甘さはややモタッとした印象でした。それにしても食後もチーズを食べた時の後味。。。ネット上では年数の古い口コミしか見つけられませんでしたが、提供時間やトッピングが全然違いましたので、どこかのタイミングで試行錯誤・変化・改良があったと思われます。最近、こちらのかつ丼を召し上がったことのある識者がいらっしゃればご見解をお聞かせ願いたい所存でございます。

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474丼   千秋庵

東尾久三丁目 1300円   2023年08月

好み:★★★★☆

知人から「最強のかつ丼らしいよ」との情報をもらい、自分の生活圏内から遠く足を伸ばしてみました。東京さくらトラム(都電荒川線)の駅から住宅が密集する中をしばらく歩くと目当てのお蕎麦屋さんを発見。かつ丼980円・ヒレカツ丼1050円もありますが、こちらで必食なのは「イベリコかつ丼」とのこと。その名の通りイベリコ豚を使ったかつ丼で、即完売してしまう日もあるらしいです。普段、数種類のかつ丼がメニューに存在するお店の場合は一番ノーマルな「かつ丼」を「並盛り」でいただくのが我がポリシーなのですが、せっかく伺ったのだからここは名物を注文しました。5分少々という早さでの提供。卵はわずかに生が残る仕上がりで、さらに黄身が1つ上に乗っている堪らないビジュアル。カツは縦にも横にも包丁が入って10切れほどの一口サイズにカットされていました。肉は割り箸二本を合わせた幅とほぼ同じ申し分のない厚さ。かなりしっかりした歯応えがありましたが、噛み切れないなんてことはまったくありませんでした。赤身と脂身が明確に分かれているのでなく、霜降りのような状態。肉全体から赤身の旨味と脂身の甘さをふんだんに感じてとても芳醇。弾力が強いのでじっくりと噛み締めていると、若干サクサク感が残っている標準的な厚さの衣の香ばしさと相まり、良質な味わい深さを堪能できました。玉ねぎは染み込み中程度。割下は一転して穏やかな味付け。塩気はほんのり、甘さは肉の甘さと重なっても過剰にならない程度のまろやかさ。これは肉の風味を打ち消さないためにも大正解だと思いました。確かに「最強」の称号にも頷けるクオリティー。ただ、シュッとした塩気で調和されない分、私にとってはコッテリしすぎな印象が残りました。うん、こうなるとこのお店のノーマルな「かつ丼」も是非試してみたくなりました。またの機会に恵まれますよう願っております。

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473丼   いさみ庵

新丸子    600円   2023年08月

好み:★★★☆☆

多摩川にかかる丸子橋の神奈川県側のたもとから歩いて数分、川崎市の住宅地の中にあるお蕎麦屋さんです。このお値段ですから期待していませんでしたが揚げ立てカツのアツアツかつ丼が出てきました。肉は割り箸一本分と同じ厚さ。やや硬め、だからと言ってそこまでボソボソとしているわけではないので箸は進みます。肉とほぼ同じ厚さの衣は肉付きが激弱で齧り付くと肉だけがスポッと抜ける仕様。食感はクリスピーでした。卵は熱の通った仕上がり。小さめにカットされた玉ねぎは染み込み浅め。割下は、色付いたお米を食べるとお米自体の味を感じ取れるくらいの薄い味付け。塩気も甘さも確かにあるのですが、それが一体となってカツやお米を昇華するまでには至っていない印象でした。白ネギと微量のワカメが入ったお味噌汁がぬるかったのも惜しいポイントでした。しかし、揚げ立てのお蕎麦屋さんのかつ丼がこのお値段なら有り難い限りでした。

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472丼   味奈登庵 武蔵小杉店

武蔵小杉   730円   2023年08月

好み:★★★★☆ 

神奈川県内に広く展開するチェーンのお蕎麦屋さんです。川崎市はJR武蔵小杉駅の線路沿いにある店舗に伺いました。肉は割り箸二本を合わせた幅にギリギリ届かない厚さ。サイズは大きく存在感がありました。とても歯切れが良く柔らかい。私にとっては多すぎると感じてしまうほどの脂身にはコクもありました。薄めの衣は完全にしっとりしていますが、肉付きもしっかり。天ぷらが名物のお店なので一抹の不安が。と言うのも、同様のお蕎麦屋さんや様々な揚げ物を提供している食堂などで全てを同じ油で一緒に揚げている場合に、カツから雑多な風味を感じるケースが多いから(もちろん、それが功を奏して香ばしく仕上がっていることもあります)。しかし、そんな心配は杞憂に終わり、まったくクセのない代物でした。卵は熱の通った仕上がりでプルプル。玉ねぎは染み込み深く、強めの塩気を纏っていました。割下はパンチ力のある塩気で、優しい甘さが奥に潜んでいるという私好みの味付け。酷暑でガンガンに汗をかいた体に染み渡る一杯でした。

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471丼   とんかつ二矢

池袋     1300円   2023年07月

好み:★★★★★

東口から大通りを北上、六ツ又交差点の近くにある様々な種類のかつ丼を提供しているとんかつ屋さんです。メニュー表の先頭にあるノーマルな卵とじタイプの、その名も「ふみやかつ丼」の食券を購入。券売機や客席から調理場が見えない店内レイアウトがチェーン店みたいですが、神保町の「とんかつ一矢」、千駄木の「とんかつ三矢」の姉妹店だそうです。秋田県産の「桃豚」を使用。大きな器で登場しました。肉の厚さを調べようとカツを一切れ持ち上げてビックリ。一枚肉を揚げてからカットするのではなく、4つにカットした肉1つ1つに衣を付けて揚げているようで、ヒレカツみたいに全方向が衣に包まれていました。厚さは余裕の1センチ超え。一口囓ると、脳内で「なんだこれは!」と叫んでしまうほど柔らかくジューシーで風味豊かな肉。肉自体の甘みが存分に感じ取れました。現れた断面は綺麗なピンク色。脂身はさらに芳醇な甘さがありました。衣は薄く繊細で全体がしっとり滑らか。卵は半熟仕上げ。玉ねぎは染み込み浅めですが柔らかく煮込まれていました。割下は塩気も甘さもカツの風味とぶつからない程度の優しい味付け。それでいて物足りなさなど微塵も感じさせない味わいでした。私の好みはもっとストレートな塩気ではありますが、マイルドな味付けがお好きな方には猛烈にオススメ。具だくさんの塩豚汁も含めて賛辞が止まらない逸品に出会えました。

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470丼   やぶ澄

京急蒲田   900円   2023年07月

好み:★★★★☆

JR蒲田駅と京急蒲田駅の間にあるお蕎麦屋さんです。肉は割り箸二本を合わせた幅にわずかに届かないくらいの厚さ。噛んでいると、ぎゅっぎゅっという食感がありました。衣はしっとり滑らかで、なんとも気持ちの良い舌触り。とても香ばしく、割下の塩気を吸っていて、これだけで立派なおかずになっていました。カツの表面をキレイに覆い尽くしている卵は、カツの間や下に生が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み深く、こちらもキレイな飴色。割下はしっかりしたストレートな塩気で、甘さは抑えめ。お蕎麦屋さんのかつ丼らしいコクも少し感じました。サイズ的にも品質的にもお手頃な豚肉を見事に昇華させている「王道かつ丼」といえる一杯でした。

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469丼   とんかつマルミ

雑色     800円   2023年07月

好み:★★☆☆☆

雑色商店街にある1階がお肉屋さん、2階がとんかつをメインとした食堂というお店です。厚さは割り箸一本の幅ほどの小さな小さな肉。歯応えは柔らかいのですが、パサパサ感が否めないといった印象。衣はしっとりタイプ。箸で持つと衣と肉がすぐにバラバラになり、完全に熱が通った仕上がりの卵で覆われていることもあり、カツがどういう形にカットされているのかも分かりませんでした。良いとか悪いとかではなく、寂しい気持ちにさせられるカツだなぁという感想が正直なところ。いろんな揚げ物を提供しているお店だからなのか、油の独特で複雑な風味が気になりました。玉ねぎは染み込み浅く、シャキシャキ食感。お米は硬からず柔らか過ぎずの炊き加減でアツアツ。そのお米全体が色付くほど割下がかかっていますが、なんとも薄味。塩気も甘さもぼんやり。ただ、ここ連日の猛暑の折、大量に汗をかいて味覚も鈍った状態だったからそう感じただけなのかもしれません。通常は800円ですが、この日は日替わりランチBが「かつ丼」になっていて、なんと650円でいただけました。神コスパであることは断言できます。

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468丼   梅佶

三軒茶屋   1650円   2023年07月

好み:★★★☆☆

世田谷観音通り沿いにある和食・うなぎ屋さんです。かつ重はメニュー表に「お時間がかかります」とありましたので覚悟はしていましたが、30分近く待ちました。肉は1センチ以上の立派な厚さ。歯応えがあり、ジューシーさに欠けたやや淡泊な代物でした。端の方の脂身の強い部分は筋張っていて噛み切れないものの、優しい甘みを感じました。薄い衣は肉付きがとても弱く、すぐに剥がれていき、微かにサクサク食感が残っていました。卵はしっかり熱の通った仕上がり。玉ねぎはたっぷり入っていて染み込みは中程度、素材の風味が活きていました。お米の上に刻み海苔が敷かれているのが特徴的。割下は角の取れた塩気で、まろやかな甘さ。もっとも味を強く感じるのが海苔と玉ねぎ、続いて衣から来る油の風味、そして割下の風味と卵、最後に肉の味わいという順番の一杯でした。お新香3種にゴボウの小鉢に豆腐のお味噌汁が付いているとはいえ、お値段に見合う肉質とは思えませんでした。

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467丼   ほてい家

菊名     1050円   2023年07月

好み:★★★☆☆

神奈川県横浜市、JR菊名駅の西口から少し歩いたところにある町のお蕎麦屋さんです。土地勘もなく、日曜日の昼過ぎに昼食難民に。スマホで軽く調べると、かつ丼が人気という当店を発見しました。四人掛けのテーブルが四つだけのこぢんまりとした店内。メニュー表を見ると、かつ丼には「当店人気NO2!」の文字が。早速、単品でお願いして、揚げ音を聞きながらしばし待ちます。肉は割り箸一本の幅とほぼ同じ厚さ。薄いけれど箸で持ち上げてもヘニャッとならずにしっかりとしていました。見た目は明らかに「残念な」肉なのですが、ところがどっこい筋っぽいこともまるでなく歯応えも心地良い。わずかに脂身の芳醇さも感じました。衣は薄めでもパン粉がガッチリしていて、割下や卵がかかっている所でもカリカリザクザクした食感がありました。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深め。割下は塩気も甘さも至って穏やかで薄口の部類。それだけに衣から漂う雑多な風味と少々の焦げ臭さが前面に出ていて気になってしまいました。お新香はキュウリとタクワンが2切れずつ。そして、溶き卵とワカメのお味噌汁。カツとお米のボリュームが釣り合っていないので、最後のほうはお米をお新香で食べることになりましたが、すべての中で一番濃味だったのはお新香でした。 

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466丼   とん将

浅草     1550円   2023年06月

好み:★★★☆☆

浅草寺の北側、観音裏柳通りにあるとんかつ屋さんです。珍しく「ヒレかつ重」と「ロースかつ重」が同じお値段でしたので「ヒレ」を選択。店内にいくつも飾られた「三社祭」のお写真などを眺めながら20分ちょっと待ちました。私以外のお客さんは昼酒を嗜んでいるお1人だけでしたので、他の注文をさばいているわけではなく、私のためのカツを低温でゆっくり揚げているご様子。給仕役のフィリピン人の女性(ご主人との「永住権はいつ取れるの?」みたいな込み入った会話が聞こえてきたもので・・・)が運んできてくれたお重からはモクモクと湯気が立ちのぼっていました。平均的な大きさのヒレカツ3つを半分に切って6切れ。私がこれまで食べてきたヒレからすると硬めのほうで、もちろん旨味もありましたが「今一歩」というのが正直なところでした。白色寄りの衣はとても薄くてパン粉が立っているのがよく分かり、ラードの甘い香りを感じました。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎはかなり大きめにカットされていて染み込み浅く、たっぷり入っていてシャキシャキ食感。割下は物足りなさが否めない味付け。甘さが控えめなのは私好みですが、塩気もボンヤリしてしまっていて、丼全体の協和感・一体感が生まれていない印象でした。かと言って食べて損などということは全くなく、お値段的に私が期待しすぎてしまっただけだと思われます。

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465丼   とん久

浅草     950円   2023年06月

好み:★★☆☆☆

雷門の横にあるとんかつ&洋食屋さんです。メニュー表にはヒレかつ重1370円・ロースかつ重1150円もありますが、ノーマルな「かつ重」を注文しました。どんなお肉が使われているのかな?バラ肉かな?なんて思いながら待ちました。出てきた肉は割り箸一本分と同じ幅の薄さ。黒ずんだ色合いで歯応えがかなり強く、ジューシーさはありませんでした。衣はやや薄めでフニャフニャしっとりで、如何せん肉が小さいせいもあり、どこもすぐに剥がれてしまいました。衣単体で食べてみると甘い油の風味を纏っていました。卵はほぼほぼ熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深めで綺麗な飴色をしていました。割下はしっかり濃味で、それだけに食べ応えは感じるのですが、お米からは塩気を、カツや卵や玉ねぎからは甘さをより強く感じる味わいでした。「かつ丼を食べた気」になるにはこれで充分かもしれませんが、満足感を得るためには「ヒレかつ重」か「ロースかつ重」にしたほうが無難なのかもしれません。

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464丼   蕎麦いまゐ 自由が丘店

自由が丘   850円   2023年06月

好み:★☆☆☆☆

様々な業態を展開している日本レストランシステムが経営する立ち食い蕎麦チェーン店です。かつ丼の無いチェーン店という認識でしたが、2023年4月から登場していたようです。丼物の単品は存在せず、温冷そば・うどんとのセットのみ。若い男女カップルを中心に店外まで行列が出来ていて、食券の券売機のお釣りがなくなったとかで店長さんが銀行に走ったりとテンヤワンヤの中で食券を渡してから10分ちょっと待ちました。うわ、ちっちぇえ・・・。お茶碗クラスのかつ丼。卵はわずかに半熟部分が残る熱の通し方で、最近の流行りを意識してか閉じずに卵の上にカツを乗せたタイプでした。肉は割り箸一本の幅と同じ厚さで寂しいボリューム感。旨味などは一切感じ取れませんでした。衣は上下合わせると肉より厚く、サクサクカリカリ食感。玉ねぎは少量で染み込みは中程度。割下は甘さがとても強く、塩気は後から追いかけてくるイメージ。それなりにしっかりとした塩気なのですが、それを隠してしまうほどの甘さがありました。肉質・衣の食感・割下の風味などから、とんかつというより施設などの売店で売られている何の肉だか分からない安い揚げスナックのような味わいでした。このかつ丼がお好みの方もいらっしゃるでしょうから、あくまでも、かつ丼を愛して止まない人間のひとりとしての個人的な(下品な)感想ではありますが、新しいレギュラーメニューを開発するにあたり、試作試食や試行錯誤を重ねた末で、なぜゆえに「よし、このかつ丼でGO!」となったのかを知りたくなりました。もちろん、コストと価格のバランスやチェーン店で味を揃えるための工夫を施した結果であることへの敬意は払った上での感想です。口直しにいただいた蕎麦は私好みのコシと風味でした。

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463丼   とんかつ 大丸

落合南長崎  900円   2023年06月

好み:★★★★★

南長崎通り沿いの住宅地の中にあるとんかつ屋さんです。特ロース定食でも1000円という都心では考えられないお値段設定。場所柄、「トキワ荘」関連のポスターが壁一面に貼られていました。丼にびっしりと敷き詰められたカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅とぴったり同じ厚さ。赤身と脂身が9:1くらいのバランスで、ずっと噛んでいたいと思うほどの優しい旨味と甘味を有していました。端の部分も筋張っている所など一切なく、どこを食べても楽しめる肉でした。衣は薄めでしっとり。自己主張の強い衣は時に、かつ丼には邪魔になってしまうことがありますが、こちらの衣は見事に丼内に馴染んでいました。卵はほんのわずかに生が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み中程度で歯応え良し。割下は強めの塩気に抑えめの甘さ。私の好みのド真ん中ストライク。熱々でボリューム豊かなお米を秀逸な料理に昇華させるだけのパンチ力を擁していました。メモを取る間も惜しいくらいに箸が進み、一気に完食。現時点までのTOP10に間違いなく入ってくるであろう逸品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1321/A132101/13104393/


462丼   天々来

戸越銀座   880円   2023年06月

好み:★★★☆☆

平塚橋交差点の近くにある年季の入った町中華屋さんです。カツを揚げるところからご主人がじっくりと調理。珍しくホウレン草がトッピングされたかつ丼が出てきました。沢庵2切れと見事な半熟具合の卵によるビジュアルに思わず食欲をそそられました。小振りなサイズの肉は割り箸二本を合わせた幅と同じぐらいの厚さ。脂身はなく、しっかりとした歯応えで、ほんのりと甘い味わいでした。衣は薄くしっとり。町中華特有と言いますか、いろんな食材を揚げている油を使っているので様々な風味を同時に感じ取ることができて、且つ少しだけ焦げ臭いですが、それもまた「町中華かつ丼」の一興。玉ねぎは染み込み浅め。半熟の卵がお米全体を柔らかく包み込んでいました。割下はラーメンスープの素となる中華出汁だけで味付けしているのでは?と思ったほど塩気も甘さも至ってマイルド。スープも沢庵も塩分控えめ。食べている途中で照明やテレビが突然一斉に消えて店内が真っ暗に。どうやら電子レンジを使うタイミングを誤り、ブレーカーが落ちてしまった模様。叱責する女将さんを華麗にスルーしながら調理・接客をこなしているご主人の姿が微笑ましくもありました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131712/13147197/


461丼   日本ばし やぶ久

日本橋    1250円   2023年06月

好み:★★★★☆

明治三十五年創業の大老舗のお蕎麦屋さんです。丼ものは蕎麦とのセットメニューとなります。「せいろそばとかつ丼のセット」を注文。まずは熱いうちに「かつ丼」に集中。肉は割り箸二本を合わせた幅を超える厚さ。多少筋張っている所はあるものの、しっかりとした歯応えや脂身の風味からそれなりの良質であることが窺えました。衣は薄くてしっとり。卵は熱が通った仕上がりで、玉ねぎの染み込み度は中程度。そして、割下の過不足のない塩気と甘さと「かえし」の風味が三位一体となった味付けバランスが絶妙。お米のボリュームは控えめでしたが瞬く間に消えてなくなりました。この割下があれば、おかずがなくても米何杯でもいける。かつ丼を完食してからの「せいろそば」は当然ながら薫り高く、口をさっぱりとしてくれました。

https://www.yabukyu.com/


460丼   昇月庵

恵比寿    1200円   2023年06月

好み:★★★★★

恵比寿西一丁目の交差点の角にあるお蕎麦屋さんです。一大屋号「松月庵」と読みは同じでも、こちらは「昇月庵」。蓋を開けるとキラキラとした半熟卵、キレイに映える白身の仕上げ。これだけでテンションがあがってしまいます。見た目はボリューム感がないものの、肉は割り箸二本を合わせた幅を超える厚さでどっしりとした存在感。柔らかく雑味のない味わいでした。端のほうには強めの甘さを持った脂身もありました。衣はしっとりしていて滑らかな舌触りと思いきや、卵や割下のかかってない所にはサクサク感が残っていました。玉ねぎはしっかり染み込み深め。割下はお蕎麦屋さん特有の「かえし」の風味を消さないレベルの塩気と前に出ずに奥行きの深さを感じさせる甘さ。丼全体のトータルバランスが素晴らしいの一言。どこを取っても抜け目なし。ズバッと来る塩気が私の好みなのですが、それでも「蕎麦屋のかつ丼」としては過去最高クラスの一杯と言っても過言ではありませんでした。お米の量も控えめ。お味噌汁は珍しく「あさり」の味噌汁。土地柄もあってか「おハイソ」な印象でした。このボリュームであっても間違いなく「お値段以上」だと感じました。

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459丼   七福

菊川     720円   2023年05月

好み:★★★☆☆

清澄白河駅から清洲橋通りを進み、三ツ目通りとの交差点にある「実用洋食」屋さんです。夜営業の開店を待って入ると、あっという間に満席。地元人気の高さが窺えました。卵はわずかに生を残す仕上げ。玉ねぎは染み込み深め。カツは色の濃い、波打った形状の薄い豚肉。厚さは割り箸一本分の幅と同じくらい。どこをとっても噛み切れる箇所を見つけるのに一苦労。仕方なく一切れそのまま口に放り込みます。噛んでいるとゴリッとしたりグニュッとしたり・・・なんだかジビエ肉を食べているような風味がありました。薄めの衣は完全にしっとりしていて箸が少しでも触れると肉から剥がれて行き、お米の上でぐちゃぐちゃになっていきました。割下の味付けは、それこそ万人に通用するのではないかと思うほど至って平均的な塩気と甘さで絶妙。丼内の見た目がどんどん汚くなっていくし、肉からは強い動物臭が漂うし、でも箸は止まらない。ヘンな表現ですが、欲望に取り憑かれ邪悪なモノを無我夢中で一心不乱に喰らっているような感覚でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13018045/


458丼   YAMAKOSHI

菊川     500円   2023年05月

好み:★★★☆☆

イーストコモンズの1階にあるお肉屋さんです。ガラスケースで精肉販売もしていますが、惣菜・弁当の販売もしています。注文を受けてから調理開始。作りたてのかつ丼をすぐ近くの駐輪場脇のベンチでいただきました。卵は完全に熱が通った仕上がり。大きめにカットされた玉ねぎは染み込み度浅め。肉はサイズ自体は小振りも1センチ以上はある厚さ。脂身は少なく筋張った所もありましたが全体的に柔らかい歯応えで、あっさりとした風味でした。衣はしっとり滑らかで溶けていくような舌触り。割下は後味ではそれなりの塩気を感じるものの食べている時は薄味でパワー不足が否めない印象。割下の量も控えめなのでお米に潤いがないのが浮き彫りになってしまっていて少々残念でした。しかしながらそれでも、このレベルの豚肉がこのお値段でいただけることに感謝しかありませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13138150/


457丼   とんかつ 一歩屋

新馬場    700円   2023年05月

好み:★★★★☆

旧東海道沿いにある「北品川弁当」さんのお隣、というか右半分を占めている狭小店舗です。とんかつ屋さんとなっていますが、メニュー表を見るとお蕎麦がメインの様子。ロースカツ丼900円もございましたが「かつ丼」をお願いしました。すると店員さんは横を向いて弁当屋さんの厨房に「かつどーん!」と注文を通します。10分弱ほど待つと弁当屋さんからこちらのカウンターにかつ丼が運ばれてくるシステムでした。こちらのカウンター奥にいる店員さんはお金を受け取る以外は何もしていません。カツもお米もアツアツ。割り箸二本を合わせた幅を少し超えるくらいの立派な肉。脂身は見受けられませんがとても柔らかく、さすがに旨味までは感じ取れないもののサクサク・カリカリ感が残っている衣と共になかなかのハーモニーを奏でていました。卵は完全に熱の通った仕上がり。玉ねぎは豊富で染み込み度は浅め。割下は量は少ないですが、しっかりとした塩気にほんのりとした甘さが加わったハッキリとした味付け。なるほど、時間が経って冷めても衣の食感が残るような煮込み方、お米がベチャッとならないように割下の量と味付けを調整、危ないので卵に生のままの部分を作らない、など「お弁当」として販売する際の計算がきちんと施されています。ボリュームもそれなりにあり、お腹いっぱいになって退店しようとして貼り紙を発見。「5月31日をもって閉店します。立ち食い蕎麦はそのまま残ります」だそうです。

※残念ながら閉店されたそうです(2023年)


456丼   松風

北品川    1000円   2023年05月

好み:★★★★★

環状六号線沿いにあるビルの奥まった1階にある町のお蕎麦屋さんです。「鴨そば」が推しのようですが、蕎麦をアテに瓶ビールを傾けている翁と女性2人組を除いて先客も後客も全員が「かつ丼」を注文していて驚きました。これは期待できそう。卵はカツの周りは熱が通っていて、カツの下はトロットロの生状態という仕上がり。玉ねぎは染み込み浅めで少量でした。肉は割り箸二本を合わせた幅とぴったり同じ厚さ。ジューシーさには欠けましたが柔らかく、文句のない範疇。衣は薄くてカリカリ食感。天ぷらと同じ油で揚げているからでしょう、天ぷら衣の風味をふんわりと纏っていました。肉付きは弱く、すぐに衣が剥がれていきますが、それにはこの「かつ丼」の最大の特徴が大きな要因となっているのでした。割下ダクダク。濃いめの茶色をした、塩気充分で嫌味のない甘さもしっかりとしたパンチ力のある割下がお米半分が浸かるほどかかっていました。これは衣にカリカリ感が残っているのが不思議なほどの「汁だく丼」。食べ進めるうちにお米が割下を吸っていき、そこに生卵が混ざり、極上の雑炊風になっていきました。お客さんの「かつ丼注文ラッシュ」に納得。若女将の接客もフレンドリーで心地良く、満足感の高いランチタイムになりました。

http://www1.cts.ne.jp/~masu/shinagawasoba/matsukaze.html


455丼   喜のき

浜松町    680円   2023年05月

好み:★★★★☆

ビルの地下にある台湾料理居酒屋のランチメニューです。この立地でこのお値段ですから期待していませんでしたが、ピンクから茶色がかった見た目の肉は真ん中部分は割り箸二本を合わせた幅を大きく超える厚さ。しっかりとした歯応えがあり、硬くもなければ筋張っている所もない、なんなら噛んでいると旨味すら感じました。極めて薄い衣。サクサク感は残っていないものの、クセもなく軽い衣でした。卵は熱が通った仕上がりで、玉ねぎは染み込みが浅くシャキシャキ食感。割下は薄いお味噌汁のような色合いで塩気は至ってマイルド、甘さはほぼ感じず。これは台湾流の味付けなのでしょうか。醤油のガツンと来る強い味わいだったらもっと私好みで文句なしと言ったところでした。ランチ営業終了間近の駆け込み入店で、客は私1人だけ。現地の方と思われる店員さん(店長さん?)が隣のテーブルで賄い中だったのですが、そのクチャクチャ音が気になったのと、食べ終わって箸を置いた瞬間にお盆を下げられたのが、コテコテの日本人である私からすると若干不快に感じざるを得ませんでした。しかし、お味噌汁に沢庵に超ミニサラダに超ミニ杏仁豆腐まで付いてこのお値段ですからお得感満載の一杯でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13264665/


454丼   ほそ島や

国立競技場  1050円   2023年05月

好み:★★★★☆

将棋会館の近くにあり、対局中の「勝負メシ」の出前も行っているお蕎麦屋さんです。カレーとラーメンが人気でお昼時は行列。かつ丼を注文されている方も多かったです。肉は割り箸一本の幅と同じ厚さ。薄いですが歯応えのある肉質で、筋張っている所もありましたが、端のほうには甘い脂身も存在し、見た目よりは良質に感じました。衣は分厚くてしっとり滑らか。肉付きが弱く、肉と衣の間がガバガバでした。卵はわずかに生が残る仕上がり。玉ねぎは少量で染み込みは中程度。割下は塩気も甘さも強く、まるで味の濃い豚肉の「すきやき」を食べているような味わいでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130901/13036062/


453丼   そば処 めとろ庵 後楽園店

後楽園    540円   2023年04月

好み:★★★☆☆

ガード下にある東京メトロが運営する立ち食い蕎麦屋さんです。肉の厚さは割り箸二本を合わせた幅と同じ。柔らかいけど脂身は無く、あっさりとした味わい。衣はしっとりしているけど、ザラッとした舌触り。いわゆる量産型冷凍物だと思われます。卵は完全に熱が通った仕上げ。玉ねぎは極めて少量で染み込みは中程度。割下の量も少なめでカツ・卵・お米それぞれから直接的な塩気だけを感じたり、直接的な甘さだけを感じたりとバラバラで一体感がありませんでした。お米の風味ともマッチしているとは言いがたく、全体を通して奥行きの無さを感じました。個人的には決して嫌いではないジャンキーさを有しており、以前であれば「これで充分」といったところだったかもしれませんが、数多のかつ丼を食べ歩いてきたここ数年で舌が肥えてしまいました。ボリュームも控えめ。お値段を鑑みれば可もなく不可もない一杯でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13232750/


452丼   そば処 まつしま

神谷町    950円   2023年03月

好み:★★★★☆

この街は正午を過ぎると飲食店は軒並み行列。長い行列を作る定食屋さんの隣にあるお蕎麦屋さんです。老舗のお蕎麦屋さんでは珍しく注文と同時にお支払いをする前払い制。おひとりで忙しく給仕に動き回っている女将さんが「ごめんね~、みなさんにそうしてるから~」と、明らかに一見さんの挙動を取る私にご丁寧なお断りも入れてくださいました。肉は割り箸二本を合わせた幅にちょっとだけ届かないかなぁくらいの厚さ。断面を見ると赤身と脂身が層になっていました。しっとりとしていても剥がれていかない衣。見た目は冷凍物なのに、そうではない旨味を感じました。卵はカツとカツの間にわずかに生が残る仕上げ。玉ねぎは染み込み中程度。割下は、それなりに塩気のあるお新香が良い口直しになるほど強めの塩気で、肉の脂身と合わさると重量感の出る甘さ。それでいて肉や卵や玉ねぎのそれぞれの味わいを消さない風味のおかげで、お米全体がヒタヒタになるほどかかっていましたが過剰さを感じることもなく完食。ボリューム的には控えめの部類。常連とみられる男性客から「大盛りで」とか、蕎麦とミニ丼の「セット」ではなくそれぞれを一品ずつ注文する声があがっているのに納得。ジャンキーなのに上品、そんな一杯でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130704/13024188/


451丼   よつぎや

神谷町    1000円   2023年03月

好み:★★★☆☆

267丼目に掲載した食堂「日高」さんのすぐ近くにあるお蕎麦屋さんです。もずくの入ったお味噌汁・冷奴・蕪のお新香と共に現れたかつ丼。肉は中心部分でちょうど割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さ。一口噛んだらとても柔らかくて「これはっ!」と思いましたが、味わっていると何だか生臭いような風味があり気になりました。肉の下味ではなく、肉質自体なのか油なのか割下に含まれている「かえし」がヘンな方向に作用してしまっているのか。端のほうのカツからはあまり感じなかったこともあり、正体は分からずでした。同時に、食べる部分によってモチモチしていたりザラザラしていたりと微妙に変わる食感。私の好みとはイマイチ合致しない肉でした。衣は完全にしっとりしていて口当たりまろやか。卵は熱が通った仕上がり。薄くカットされた玉ねぎは割下をたっぷり吸い込んで染み込み度は深め。割下はお蕎麦屋さんのかつ丼の王道とも言うべき、塩気しっかり強め、甘さが直接的でなく全体を包み込み、そして「かえし」がコクを出している文句の付けようがない味付けでした。

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450丼   かつ進 外神田店

末広町    1150円   2023年03月

好み:★★★★☆

とんかつ激戦区の神田界隈にあるとんかつ屋さんです。近くに神田鎌倉橋店もあります。夜営業ではメニューは変わりませんが昼営業に比べて全品200円ほどお高くなります。大盛りサービスもなくなります。また、2023年4月から価格変更のお知らせが貼ってありましたので、さらに値上がりとなる模様。世の現状の抗えない流れですね。お新香かポテトサラダかを選べました。引っ切りなしにお弁当の大量注文が電話や店頭窓口から入っていましたので、ご近所の人気店なのでしょう。カウンター越しにお重を受け取ると、そこそこの重量感。肉は2センチ近くある立派な厚さ。白寄りの色合いの断面から予測した通り、小気味の良い噛み応えがあり、硬くはないものの脂身がほとんど存在しないので若干パサパサで味わいはやや淡泊に感じました。衣は完全にしっとりしていて、細やかなパン粉を使用していましたが、その食感は感じ取れませんでした。これは「とんかつ」より「かつ丼・重」にしたほうがより楽しめるタイプのカツだなぁという印象。卵はカツに乗り上げるほど多めに使われていて、全体に熱の通った仕上がり。玉ねぎは染み込み中程度で、カツとお米の間に均等に敷き詰められているのでカツとお米を一緒に掻き込むと良いアクセントになっていました。割下は平均的な強さで優しい塩気と控えめな甘さ。なんのクドさもなく、物足りなさもなく、スイスイと箸が進みました。瑞々しいキャベツの千切りもお味噌汁もお新香も私好みの味で何ひとつ残さず完食致しました。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13008529/


449丼   とんかつ志野

新宿御苑前  800円   2023年03月

好み:★★★★☆

新宿通り沿いにある創業40年以上のとんかつ屋さんです。「いらっしゃーい!」「どうもねー!ありがとー!」と高齢男性の快活な接客。調理担当の高齢男性との注文順と調理順の違いを指摘する責め合いや、立て続けの来客を受けての「ダメだ、ぶっ倒れる前に暖簾仕舞っちゃうよ!」といった掛け合いを眺めながら待ちました。現れたかつ丼は、大きな器にびっしりと敷き詰められたカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅にわずかに届かないくらいの厚さ。歯切れはいいですが、若干硬く、ちょっとだけザラザラとした食感が少し気になりました。決して淡泊ではないけれど旨味溢れるとまではいかない味わい。衣は厚めですが全体がしっとり。かなり長めに煮込んでいましたので卵は完全に熱が通った仕上がり。それでも玉ねぎは染み込みやや浅め。割下は至って平均的な塩気と甘さでした。ボリュームも充分な域で満腹。取り立てて印象に残るような特徴はありませんでしたが、この立地でこの価格設定は素晴らしいの一言です。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130402/13113796/


448丼   岩本町スタンドそば

岩本町    580円   2023年03月

好み:★★☆☆☆

東京都内の立ち食いそばの名店に数えられ、立ち食いそば激戦区である秋葉原界隈でも昼時は行列ができる人気店です。かつ丼(単品)を注文してから前払い。年季の入った外観、入れ物にこれでもかとブッ刺さった割り箸の束、触っても大丈夫そうな場所を探るのに苦労するカウンターテーブル、不用意に座ったらお尻にシミが付いちゃう危険をはらんだイス。高級寿司を一貫ずつインスタにあげているような輩を一切寄せ付けない雰囲気にワクワクします。混雑する時間帯を過ぎ、ワンオペとなったご主人から受け取った丼は黄色い沢庵のビジュアルが映えていました。肉は割り箸一本の幅よりちょっとだけ厚い。肉質は廉価の立ち食いそば店にありがちなモチモチした食感ではなく、しっかりした歯応えで、パサパサと言うかビスケットを食べた時のように口の中の水分を奪っていく食感でした。作り置きですので衣は当然のようにしっとり。卵は完全に熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込みやや浅め。蕎麦のトッピングとなる様々な食材と一緒に揚げているからか、カツも天ぷら類と密着状態で整然とトレイの中に並べられているからか、はたまた巷で「暗黒つゆ」と呼ばれる蕎麦つゆが仕事をしているのか、一口ごとに異なる実に様々な味を感じました。割下は塩気も甘さも至ってマイルド。蕎麦のつゆを啜りながら食べると丁度良い塩梅になるのかもしれません。肉質や味付けが残念ながら私の好みとは合いませんでしたが、お米の盛りも気前よく、大きなワカメが入ったお味噌汁まで付いてこのお値段ですから「庶民の味方」であることは間違いがありません。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13074142/


447丼   かつ屋

新御茶ノ水  980円   2023年03月

好み:★★★★★

私も032丼に掲載しました一大チェーン店と同じ発音ですが、こちらは「や」ではなく「屋」。とんかつ専門店です。昼営業では200円ほどお安い値段設定。肉は割り箸二本を合わせた幅を少し超える厚さ。そして、「んん~~~」と思わず唸ってしまうほど柔らかい。さらに、とてもジューシー。端のほうは脂身多めですが重すぎない。このお値段でマジっすか?という逸品でした。衣は薄くてしっとりしていて、ラードの香ばしさを纏っていました。卵はカツとカツの間にわずかに生が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み深めで割下の塩気をしっかり吸い込んでいました。割下はストレートな塩気と、それが刺刺しくならないように優しくサポートする程度の甘さ。かつ丼ならではのパンチ力を保持していながら、まろやかさまで感じました。敢えてマイナス面を見つけるなら、お米の量が控えめ。割下の味わいにより昇華されたお米は、寄る年波で少食になりつつある私でも3倍はイケると思いました。箸が止まらず、一気に完食してしまいました。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13077854/


446丼   めし処 和來

高田馬場   1000円   2023年03月

好み:★★★★☆

早稲田通り沿いにあり、256丼にも掲載した東京を代表する老舗「ときわ食堂」の監修を受けて開店した食堂だそうです。齧り付くと一撃で口の中をヤケドする勢いのアツアツのカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。どこを食べても歯応えが心地良く、噛み切れ感の強い肉質でした。衣は一般的な存在感で優しい口当たり。所によって、ほんのわずかにサクッとしている部分もありました。卵はほぼ熱が通った仕上がりで、玉ねぎは染み込みやや深め。トッピングの青海苔は時に邪魔な風味になってしまいますが、こちらは何の風味も持ち合わせていない代物でした。割下の量は多めで、始めは丼底に少々溜まっていましたが、食べ進めるうちにお米が下から吸い込んでいき、ホカホカの雑炊風飯が見事に出来上がりました。このお米だけでも充分なご馳走になるほど、割下は適度かつバランスの取れた味わい。甘さより塩気が明確に優っているところは私好みでした。広めの店内・昼からお酒を嗜める形態・実に豊富な定食&肴メニュー・厨房ワンオペ、これらから察するに、時間や混雑状況によって料理の出来にバラつきがあるのでは?例えばカツが作り置きになったりとか?たまたま空いている時間帯に伺った私はアタリだったのかも??などと勝手に想像しちゃいました。ボリューム的にもお値段に見合う一杯でした。

https://syways.jp/shop/meshidokoro-kazuki/


445丼   親子丼 ごっつ食べなはれ

中目黒    990円   2023年03月

好み:★★★★☆

駅前にある1階はおむすび屋さん、2階で親子丼をメインにランチ営業しているお店です。国産豚ロースかつ丼をいただきました。20分以上待っての提供。肉は割り箸二本を合わせた幅には微妙に届かないくらいの厚さ。適度な噛み応えがありましたが、芳醇な旨味までは感じずといったところ。脂身の遠慮がちな存在感から言っても「それなり」な肉質でした。左端の一切れが筋張っていてまったく噛み切れなかったのが残念。衣は薄く、卵や割下がかかっていない所はカリカリしていました。どこか肉と衣が別々の料理のような印象でした。卵は全体にほぼ熱が通った仕上がりで、一部分だけ生の食感が楽しめました。玉ねぎは染み込み深めでシャキシャキ。割下はマイルドな味付けだなぁと思っていましたが、食べ進めるうちにドンドンと強くなっていく塩気と甘さ。終盤は割下を吸い込んだ卵が塩辛く感じるほどで、同時にお新香に口直しを求めたくなるほどの甘さが押し寄せました。塩気の強さは個人的に好み、甘みの強さは個人的に過剰だと思いました。カツはもう一段階上の質を求めてしまいますが、パンチ力に不足はない一杯でした。お盆が運ばれてきた時にはかなりのボリュームに見えましたが、いわゆる上げ底のお椀でお米の盛りは控えめ。大盛り無料でしたので、お腹いっぱいになりたい場合は大盛り必須です。

https://www.flavorworks.co.jp/brand/oyakodon-gottsu.html


444丼   そば処 いってつ

北品川    940円   2023年02月

好み:★★☆☆☆

旧東海道沿いにあり、土地柄の歴史から「品川宿そば」「おいらんそば」などのバラエティー豊かなメニューが並ぶお蕎麦屋さんです。揚げ立てのカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さで、衣はカリカリッとした食感。肉自体の風味が弱く、それをフォローアップすべき割下にシュッとした塩味がないため、脂身はほとんど無いのに何だか油っぽく感じるキレの鈍い味わいでした。卵はほぼ完全に熱が通った仕上がりで、玉ねぎは染み込み深め。割下は飴色に染まったお米からは後を引くほどしっかりした塩気を感じるもののカツや丼全体からはボンヤリした印象の味付けでした。甘さはあまり感じず。卵がたっぷり使われているのにガッツリと固まっているので、お米やカツを昇華させるには今一歩。こうなると普段は気にもしないのに男性従業員たちの私語までが気になっちゃう有り様。卵ですら高騰しているご時世だから致し方ないですが、お値段に見合わないなぁという感想のまま食べ終わりました。北海道のこだわりの蕎麦粉を使用したお蕎麦もいただいてみたいです。

https://soba-i.com/


443丼   ひげ虎

新丸子    1000円   2023年02月

好み:★★★☆☆

神奈川県川崎市、東急目黒線と東横線の新丸子駅の目の前にある、とんかつ・ステーキ・ハンバーグからインドカレーまでを揃えるごはん処です。厨房には東南アジア系の料理人の姿も見られました。肉は割り箸一本の幅と同じくらいのペラペラな薄さ。適度な噛み応えはありましたが味わいは淡泊。私の舌がバカなのかもしれませんが、肉の下味に何かしらのカレー用?のスパイスが使われているように感じました。衣は極めて薄く完全にしっとりとして食感がないほど。卵は半熟で、まさに「トロトロ」という表現がぴったり。玉ねぎは飴色に色付いているもののシャキシャキ食感が残っていました。割下はやや甘さが優る、シャープさのないモッタリとした味わいでした。全体としては平均的な一杯でしたが、これが千円かぁというのが正直な感想でした。

https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140504/14011316/


442丼   鎮守の森

新丸子    1050円   2023年02月

好み:★★★★☆

神奈川県川崎市は新丸子駅の近くにあるとんかつ屋さんです。ご年配のご主人が調理、女将さんが給仕されていました。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さ。噛み応えは柔らかいですが、味わいが単調で深みを感じられない印象でした。衣はとても薄くて剥がれやすく、しっとり優しい口当たり。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎは煮込み加減が弱く、割下の染み込み度は浅めでした。特筆すべきなのは、割下の味付けが絶妙。塩気も甘さもしっかりとした濃味で、塩気が前に出て甘さに奥行きあり。控えめに盛られたお米が割下によって見事に昇華されていました。それだけに、肉にもっとジューシーさがあったなら・・・と思わざるを得ない一杯でした。

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441丼   とんかつ 美濃屋

大塚     900円   2023年02月

好み:★★★★☆

北口から徒歩2分ほどにあり、いつも外に行列が出来ているとんかつ屋さんです。肉は2センチほどもある厚さ。サイズは大きいわけではありませんが食べ応え充分でした。薄ピンク色の断面からも良質な豚肉を丁寧に揚げていることが窺えました。肉汁溢れるとまではいきませんが、弾力があるのにスーッと歯が入っていく柔らかさ。脂身はさっぱりした甘さがありました。衣は極薄でやや剥がれやすく、しっとり滑らか。卵は熱が通った仕上がりで、なんとも芳醇な味わい。細くカットされた玉ねぎは染み込み中程度。そして、お米はなんと羽釜炊きでアツアツ。もちろん炊き加減も文句なし。割下は優しい塩気でもっと優しい甘さ。それでも決して薄味ではなく奥行きを感じる味付けでした。少しだけ肉の味わいが淡泊に感じてしまって「大満足」とまではいきませんでしたが、このお値段で食べられる代物でないことは確か。連日行列の人気ぶりに納得です。豚バラ肉とザク切りのキャベツが入った豚汁も体を温めてくれました。余談ですが、若いご夫婦2人で営んでいらして、ショートカットの若女将がとても美人さんでした。

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440丼   あげ太郎 高田馬場店

                       (現店名:七兵衛)

高田馬場   750円   2023年02月

好み:★★★★☆

駅前から伸びる「さかえ通り」の一番奥にあるとんかつ屋さんです。高田馬場店とありますが、現時点、1号店である当店のみの様子。味噌・おろし・デミなどなど様々な種類のかつ丼がありましたが、メニューTOPのシンプルな「かつ丼」の食券を購入。ご飯大盛り無料、デフォルトでW玉子(2個)でした。縦に7切れ、さらに横に包丁が入って計14個の一口サイズになったカツ。肉は1センチほどもある厚さ。あっさりとした旨味を感じて柔らかい。脂身もありましたが、こちらもあっさりしていて上々。衣はかなり薄めでカリカリした食感が残っていました。卵は半分が生状態でツヤツヤ光沢を放っていました。玉ねぎは染み込み中程度。割下は「やさしい甘めの出汁が自慢」との宣伝文句そのままの優しい甘さと優しい塩気・・・食べている時はそう感じたのですが、唇のペトペト感や食後の喉の渇き具合から察するに、強めに味付けられたものを出汁でまろやかにしていると思われます。汁だくなので最後は丼に乗ってきたスプーンを使って掻き込みました。たくあんが3切れ乗っているのもジャンキーさを醸し出していてオツ。お米は大盛りにすると一般的な量になるのだろうなというくらいの控えめな盛り加減でした。

※店名が「七兵衛 高田馬場店」に変わりました

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439丼   三節

大塚駅前   1400円   2023年01月

好み:★★★★☆

都電荒川線の大塚駅前駅から徒歩2分ほどの所にあるとんかつ屋さんです。大きな器にカツが1枚半びっちりと詰まっていました。肉は割り箸二本を合わせたくらいの厚さ。弾力のある噛み応えで、脂身も重たさがなくてサッパリしていました。一ヶ所だけ噛み切れない筋がありましたがご愛嬌。衣は薄くてしっとりタイプ。卵は半熟仕上げ。玉ねぎは染み込み加減にバラつきがあり、シャキシャキと素材の味が活きていました。割下はカツを口に入れるとブワッと風味が広がる強めの味付けで、塩気と甘さはどちらかが出過ぎることなく足らないこともなく、絶妙なバランスを保っていました。旨味のある肉に下味がしっかり、割下もしっかりした味付けなので全体的に濃口。お米全体が色付くほど割下がかかっていることもあって、アツアツのお米が進む進む。小サラダを合間に挟みながら完食。腹ペコペコで入店して腹パンパンで退店しました。カツが1.5倍の「上かつ丼」もありましたが、私の胃袋では返り討ちに遭うことでしょう。

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438丼   いずみや第二支店

大宮     630円   2023年01月

好み:★★★☆☆

仕事で珍しく埼玉県は大宮に。大宮駅前のシンボリック的な存在として噂をよく耳にするこちらのお店へ。本店の暖簾をくぐると15時過ぎにもかかわらず大盛況。従業員のお爺さんお婆さんたちは私が入店着席したことにも気付かず。そこら中の酔客から「すみませーん!」と追加注文の手が挙がるもまるで対応できていない、おそらくお馴染みの状況でした。これは・・・と諦め、左隣にある第二支店に移動。こちらも既にデキあがった大勢の客で賑わっているもののお爺さん店員にすぐ対応していただけました。お酒なしの食事だけでも可能かの確認だけ取って「カツ丼」を注文。待つことわずか5分ほどでの提供でした。肉の厚みは割り箸二本の幅と同じといったところ。とても柔らかいのですが、良質でジューシーな柔らかさではなく、歯応えが緩くフニャフニャした食感。衣はしっとりなのにビッチリと肉にくっついている、いわゆる量産型冷凍物でした。お米に接しているカツの下側は熱く、上側はヌルい。卵は完全に熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み浅め。繊細丁寧とは真逆の調理ぶりでした。お米もパラパラで丼内の協和感が出ていない印象。割下は至って薄口。トゲトゲしさはないけど物足りなさは否めませんでした。かつ丼の風味や味わいより四方八方から漂ってくるタバコの臭いのほうが強いと断言できました。負の点ばかり書き連ねてしまいましたが、個人的な好みとしては全然嫌いじゃありません。安い酒場の丼飯はこういうので良い。敢えてこういうのが食べたくなる時だってあります。お味噌汁はぬるかったです。貴重な大宮の一文化を経験できました。

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437丼   三忠食堂

赤羽     800円   2023年01月

好み:★★★☆☆

西口からすぐにある食堂です。「かつ重 1000円」というメニューもありましたが「かつ丼」を選択。細く7切れにカットされたカツ。肉は割り箸二本の幅とほぼ同じ厚さ。箸で持つだけで半分に千切れていき、見た目や弾力のある歯応えはロース肉のような、脂っぽさや噛み切れずにビヨ~ンと伸びるような所があるのはバラ肉のような代物でした。衣は薄く、極めて剥がれやすい仕様。所によりカリカリとしていて、油っぽさや焦げ臭さが若干気になりました。卵は完全に熱を通した仕上げ。玉ねぎは染み込み深めでも食感が残っていて、たっぷり入っているので良いアクセントになっていました。割下はお米がほぼ白いままなくらいに少量。甘さはほとんど感じず、塩気は玉ねぎが塩辛く感じるほど強めでした。腹ぺこ時にコッテリしたカロリー高めのおかずで白米をガッツリ掻き込みたい時には堪らない一品かもしれません。ただ、私としては「丼飯」にすることによるメリットがあまり感じ取れず「おかずをお米の上に乗せちゃったご飯」という印象でした。

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436丼   八幡蕎麦 赤羽屋

赤羽岩淵   950円   2023年01月

好み:★★★★★

JR赤羽駅からだと高架線沿いを北に5分ほど、駅前の喧噪から離れた場所にポツンとあるお蕎麦屋さんです。カツは割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さの肉で、箸で持ち上げると自身の重みでヘニャッと曲がるほどの大振りサイズ。口に入れるとしっかりとした、それでいて優しい甘辛さで、思わず首肯。断面がピンクがかった肉は「肉を喰らってるぞー」という気持ちの良い歯応えでした。脂身の甘さを感じる部分もあり、揚げ立てではないものの満足感アリ。衣は薄めの域でしっとり。塩気も甘みも充分、蕎麦屋さんならではの「かえし」のまろやかな風味も効いている味付けの割下が丼全体をまとめ上げていました。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎの染み込み加減はやや浅め。お味噌汁がアツアツなのは寒さの厳しい折には嬉しい限り。「お蕎麦屋さんのかつ丼が好き」という方には間違いなくオススメできる逸品でした。

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435丼   廣栄屋

蓮沼     950円   2023年01月

好み:★★★☆☆

駅から大通り沿いを西に向かった所にあるお蕎麦屋さんです。注文からものの5分ほどでの提供。濃い茶色のビジュアルから、これはお蕎麦屋さんのかつ丼らしい「かえし」の風味が効いた一杯を楽しめるかと期待を胸に箸を進めました。肉は所により割り箸一本から二本分の幅と同じ厚さ。衣も肉の上下合わせると肉と同じくらいの厚さなのですが、上部のカリカリ感とお米の接している下部のしっとり具合のコントラストを楽しめる食感でした。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深めにもかかわらずシャキシャキでした。全体的に肉より衣の主張が強く、さらにそれより「かえし」の風味を感じる隙すらもなく口に入れた瞬間からブワッと来る甘みとカツからも玉ねぎからも鋭角に迫ってくる塩気を擁した割下の味付けのほうが強い印象でした。提供スピードからカツは作り置きでしょうが、少し油っぽさが気になりました。こういったハッキリとした濃口は個人的に好きなのですが、モッタリとした執拗な甘さが包括した味わいが私の好みとは少々かけ離れていました。

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434丼   洋食おが和

蓮沼     730円   2023年01月

好み:★★★☆☆

蒲田駅・蓮沼駅・矢口渡駅のどこからもそこそこの距離にある、住宅地に佇む食堂です。開店直後にも関わらずご近所の家族連れ、おばさまや中年男性のグループで賑わっていました。肉は割り箸一本の幅より厚く、二本合わせた幅には届かないくらいのかつ丼に最も適していると思われる厚さ。衣はとても薄くて剥がれやすく、サクサクというよりカリカリとした強めの食感。肉は特に柔らかいことも硬いことも筋張っていることもない凡常な代物なので、衣の歯応えや舌触りのほうが印象に残りました。卵は半熟仕上げ。玉ねぎは染み込み深く、カツの上にまで羽振り良く乗っていて素材の風味が活きていました。割下はやや甘めで塩気は弱いほうの部類。割下が染みたお米だけを食べるとちょっと物足りない味わいでした。優しい一杯ではありましたがパンチ力は感じられず・・・といったところ。女将さんが親子鍋から煮カツを丼によそう前に余分な割下を別の容器に捨てていたのが見えました。つゆだくを嫌う人への配慮でしょうが、このくらいの薄味なら「つゆだくだく」という個性的な一杯にしてみてはいかがでしょうかと勝手に思ったりもしました。お味噌汁も若干薄口。しかしながら、冷奴も里芋の煮物も付いてこのお値段であれば「今日のお昼は近くのあの店にしましょ!」ってなる方々がたくさんいらっしゃるのだろうなぁと素直に感じました。

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433丼   食事処つとむ亭

溜池山王   830円   2023年01月

好み:★★★★☆

三会堂ビルの地下飲食店街の入口すぐにある夜は居酒屋、昼は人気の食堂です。昼時は行列覚悟。メニューのトップ、券売機の左上に鎮座する「カツ丼」の食券を買って待機。やっとカウンターに着席すると「揚げますので20分お待ちください」と女将さんからアナウンス。厨房はご主人お1人で切り盛りされていました。いい具合に空腹との戦いになったところでの提供。肉は中央部分は割り箸二本、端のほうは割り箸一本の幅と同じくらいの厚さ。それなりに脂身も存在し、硬いこともなく、旨味までは感じませんでしたが甘さが優るも塩気もしっかりとした割下の味わいにより見事に昇華されていました。衣はやや厚めで両端の一切れには強めの歯応えが残っていました。卵は口の中でトロトロを感じる半熟仕上げ。玉ねぎは染み込み深め。何か飛び抜けた所があるワケではないものの不満要素も見当たらない、ハイクオリティでもなければ安かろう悪かろうでもない、まさに庶民的な一杯でした。もし近隣に勤めていたら「気付いたら今日もまたここでカツ丼食べてらぁ~」ってなるヤツです。大盛り無料なのも嬉しい。丼類が乗っているお盆の左下隅に「一久庵」と刻印されていたので気になって調べてみましたら、元お蕎麦屋さんのご主人が開いたお店なのだそうです。

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432丼   日本橋蛎殻町 さくり

水天宮前   2300円   2022年12月

好み:★★★☆☆

人形町の名店「かつ好」さんが展開する「かつ丼専門店」です。おそらく私史上のかつ丼最高値。年の瀬の平日のお昼時、店の外まで行列の出来ている所も多々見られましたが、こちらは先客2名のみ。店中央の大きな相席テーブルに着席しているのは私1人という状況でした。メニューはかつ丼だけ、そしてこのお値段を鑑みれば致し方ないのでしょうか。ロースとヒレの2択からロースを選択。提供いただいたのは、いわゆる「かけかつ丼」でした。卵で閉じるのではなく、卵をカツの上から掛けている仕様。ここ最近、卵の上にカツを置くスタイルのかつ丼がもてはやされていますが、その逆バージョンです。実に食欲を駆り立てるビジュアル。卵はトロトロの半熟で、色合いからも濃厚な高級品であることが窺えました。玉ねぎなどは一切なし。肉の厚みは1センチ以上で、薄めの衣を噛むと「サクーッ」という効果音が鳴らされたのではないかと思うような食感。すぐに脂身の甘さがグンッと口の中に押し広がりました。割下はしっかりした塩気に、強くも上品な甘さ。脂身の甘さとも相まって私には少々重たく感じました。「とんかつにソースや塩やおろし醤油をかけるのではなく、出汁をたっぷりと含んだ卵をかけて召し上がってみては?食べづらいでしょうからお米の上に乗せておきますねー」といった代物。とんかつの良さを掻き消すデメリットはあるのに、かつ丼にすることによって生まれるべきメリットは何も感じない印象でした。しかし、ひとつひとつの味が濃いのにサラッと頂けましたし、食後の油モノによるダメージなどは皆無。つくねのすまし汁と紫蘇風味のドレッシングがかかった柔らかなキャベツの千切りは濃味かつ丼を食べ進める際のチェイサー役も立派に務めていました。さすがにハイクオリティな一杯であることは間違いありませんでした。

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431丼   とんかつ繁

有楽町    1400円   2022年12月

好み:★★★★★

JRのガード下にあるとんかつ屋さんです。いつ通りかかっても混んでいます。そして、かつ丼の仕込み数が極めて少ないのが玉に瑕。お昼のピーク前に伺っても「終わっちゃいました」と言われることがザラ。この日も期待せずに入店したら、念願叶ってやっと初対面できました。肉は1円玉の直径より厚く2センチ超えの立派な代物。程良い脂身乗りで断面の見た目も美しい。それだけ厚いのに噛み切るのに歯が要らないのではないかという柔らかさ。肉汁が溢れ出てきてなんともジューシーでした。衣は薄くてキメ細やか。カツからは割下の風味ではなく肉自体の優しい甘さを存分に感じました。割下はしっかりした強めの塩気で甘さは控えめ。それだけに肉の甘さが際立っていました。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎの割下染み込み度はやや浅め。割下をたっぷりと纏ったお米も絶品。朝から何も食べていなかったので「空腹は最高の調味料」的要素はあると思いますが「箸が止まらぬ」とはこのことでした。ご時世的に致し方ないですが値上がりしてました。

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430丼   博雅

池上     850円   2022年12月

好み:★★★★☆

年季の入った小さな町中華屋さんです。女将さんは常連のおばさまと世間話をしながら私に対して「新聞どうぞ」「お茶いる?」と昔ながらの接客ぶり。カツを揚げる音を聞きながら20分ほど待つと、ラーメン丼で出てきました。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ立派な厚み。脂身は見受けられませんでしたが、どこを食べてもとても柔らか。見た目からも味わいからも廉価な肉質なのですが、安っぽさはまったく感じませんでした。衣はしっとりしているものの所々にガリッとした硬い部分がありました。卵はほんのわずかに生が残る仕上がり。玉ねぎは浅からず深からずの染み込み具合。お米が若干硬めで丼全体の一体感が希薄だったのが少々残念でした。割下はそれなりの塩気で甘さはあまり感じない私好みの味付け。しかし、割下の風味より焦げ臭さのほうが強い印象でした。町中華ではお約束とも言える面ですが、これはちょっとばかり過剰かなと。それでもカツと割下と豊富な卵によるハーモニーは充分に楽しめました。あと、中華スープが激アツ。初手で、まずはスープを一口・・・とすすったら口の中をヤケドしました。写真にはありませんが遅れてキュウリとわさび漬けの小皿が出てきました。

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429丼   とん水

下北沢    750円   2022年11月

好み:★★★★☆

駅前の喧噪から少し離れた場所の半地下に店を構える、とんかつをメインとしつつ多種多様なメニューを取り揃えた定食屋さんです。なんと竈でお米を炊いていました。カツからもお米からも湯気が立ちのぼり、どこを食べてもアツアツ。肉は割り箸一本の幅と同じ厚さの薄切りロース肉。箸で持ち上げるとヘニャっと曲がるミニサイズのカツでした。何回か噛むと口の中から消えていってしまうので、肉の旨味を感じることは出来ませんでしたが、筋張っている所もなく、優しい歯応え。香ばしいラードの薫りを纏った衣は薄めでしっとりタイプ。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み中程度ですが割下の味わいがしっかりしているので良い塩梅に味付けされていました。割下は始めにブワッと迫ってくる甘み、そのあとにパンチ力のある塩気。カツのボリュームが寂しいので気前よく盛られたお米だけが残ってしまいましたが、たっぷり掛かった割下によって濃味の雑炊風になり、これもまた一興。「とんかつ」としては物足りなさを感じざるを得ないカツでしたが、卵・玉ねぎ・お米と共に割下によって統率して「丼飯」ならではの協和感を生み出す秀逸な匠の技が窺えました。大根のお新香がキムチ風味で面白い口直しに一役買っていました。

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428丼   イチバン 大岡山店

大岡山    430円   2022年11月

好み:★★★★★

商店街のはずれにあるワンフロアーの生鮮食品スーパーです。「大岡山店」とありますが他所で見掛けたことはなく、どうやら神奈川にある「ダイイチ」が本店のようです。弁当・惣菜の激安ぶりに思わず手が出て、かつ丼を購入。ずっしりとした重さ。レジ横でセルフレンチンして、すぐ近くの公園のベンチでいただきました。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎは溢れるほどたっぷり入っていて染み込み深く、割下と素材自体の甘さが相まって、これだけで立派なおかずになっていました。大きく4つにカットされたカツ。このお値段でこのボリュームは驚き。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ充分な厚み。柔らかくて淡泊さはまったく感じませんでした。衣も厚めで完全にしっとりして滑らかな舌触り。もちろん脂身の芳醇な旨味などは一切ありませんが、そんなのは「お惣菜かつ丼」に求めてはいません。「お惣菜かつ丼に期待するのって、こんな味わいだよねー」のド真ん中にして最上級。お米は成人男性でもお腹が満たされるくらいに盛られていました。割下はヘンな甘ったるさもない、クセのある出汁が香ることもない、愚直でまっすぐな塩気がメインで、それでいて濃すぎることもない味付け。名店のかつ丼とはまた違った魅力が凝縮された一品でした。ドリンクに口を付ける暇もなく瞬く間に完食。味・量・値段、どれを取ってもお見事。嫌いな言葉ですが敢えて使うと・・・「これ、ヤバい」。こんなのが存在してしまっては、この近所のコンビニではかつ丼はひとつも売れないんじゃないでしょうか。

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427丼   蕎麦青乃

表参道    990円   2022年11月

好み:★★★☆☆

骨董通り沿いの小原流会館の地下にあるお蕎麦屋さんです。通りかがりでは見つけづらいので空いているだろうと思ったら満席で3組待ち。人気店のようです。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さ。脂身の極めて少ない赤身肉。一口目からいきなり噛み切れずに驚きましたが、筋張っていたのはトータルで3ヶ所ほどでした。パサつき気味で淡泊な味わい。特に旨味は感じませんでした。衣は薄くしっとりしていましたが、端のほうに硬く固まった歯応えのある部分も。卵は半熟仕上げでカツを滑らかな舌触りにしてくれていました。玉ねぎは染み込み浅め。割下は塩気も甘さも決して弱いわけではないけど丼全体を包み込んで昇華するまでの力はありませんでした。お蕎麦屋さんのかつ丼に欠かせない「かえし」の風味も効いていない印象。これは個人の好みの問題ですが、お米が硬めなのもやや残念。蕎麦つゆベースのお椀は酸味が強めでした。マイナスなことも書いてしまいましたが、お米一粒も残さずあっという間に完食。このかつ丼をわざわざ遠方から出掛けてまで食べに行く人もいないだろうし、「全然ダメ」という人もいないと思える、凡庸性の高い一杯でした。

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426丼   おそば 照庵 銀座

内幸町    800円   2022年11月

好み:★★★★☆

コリドー街から少し入った所にあるお蕎麦屋さんです。以前調べた時とはランチメニューが変わっていて「かつ丼単品800円」が登場してましたので、そちらを注文。千葉県産の「いもぶた」を使用しているそうです。肉は割り箸二本を合わせた幅とぴったり同じ厚さ。噛み心地も良く、脂身はロース好きを納得させるだけの甘い風味があると感じました。衣は薄めでしっとりとしているものの、完全にはクッタリしていない絶妙な舌触り。卵は美しい半熟仕上げ、玉ねぎは染み込み中程度でシャキシャキしていました。割下の味付けは攻撃的でない、それなりの塩気で優しい甘さ。お米は控えめな盛り。「かつ丼を食べてやったぞ感」をちゃんと味わえるけど胃腸へのダメージはまったくと言っていいほど無い一杯でした。大根と人参がゴロゴロ入った豚汁もなかなか。ただ、いかんせん、カツが小さすぎました。食後にホットコーヒーも付いて、この立地で、このお値段であれば納得しなければいけませんね。店員の女性から「料理長」と呼ばれている高齢のご主人が大常連とみられる翁に促されてカウンター越しに昼から一緒にビール瓶を傾けている姿も乙でした。

http://www.ginza-syouan.com/


425丼   夏の家

浅草     1000円   2022年11月

好み:★★★★☆

「花やしき」の喚声が店内まで聞こえてくる定食屋さんです。お味噌汁にお新香にまぐろのお刺身まで付いてきました。肉は割り箸一本の幅を少しだけ超えるくらいの厚さ。断面は赤身8脂身2ほどのバランスで二層に分かれていて、味わいの違いを楽しめるロース肉でした。衣は極薄でカツを箸で持ち上げると下部はお米にへばり付いて剥がれていきました。端の方はわずかにサクサク感が残っていましたが基本的にはしっとり食感。卵は半熟というかほぼ生状態でトロトロ、玉ねぎは染み込み浅くシャキシャキ。割下は塩気も甘さも強すぎず弱すぎずの中間の味付け。掛かっている量も平均的。お米の炊き加減を含め、気になる所はまったくナシの、まさに安心安定の一杯でした。まぐろのお刺身が何ともいい味わいで、口の中をさっぱりしてくれました。柔らかな接客ぶりも心地良いお店でした。

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424丼   リスボン

浅草     1000円   2022年11月

好み:★★★☆☆

六区に鎮座する老舗の洋食屋さんです。トッピングは珍しくインゲンのスライス。肉は割り箸一本の幅と同じくらいで薄め。食べる所によって歯応えが良くサッパリしてりたり甘く芳醇だったりと、上質なお肉ではありませんが、それなりに味わえました。衣は薄めで、カリッと揚がっていて香ばしさがありました。ただ、肉付きは弱く噛み切ろうとすると肉が抜けていくこともしばしば。卵は少量で熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み浅め。さらに、かなり細かく刻まれていたので自信はないのですが、おそらく長ネギとレタスが卵と共に煮込まれていました。割下の塩気は食べている最中から水分を求めたくなるほどのしっかりとした強さ、そして甘さは他で味わったことのないまろやかさを感じました。もしかしたら野菜の甘さが活きているのかも?「洋食はスプーンで食すべし」とばかりに丼内にスプーンが置かれていましたが、必要なほど割下はかかっていませんでした。全体的なボリュームは控えめ。「意地汚く腹いっぱい食べるんじゃないよ。腹七分目くらいが小粋ってもんよ」と言われてるかのよう。1つの丼内で様々な楽しさが演出されている一杯でした。 

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423丼   タイガー

雑色     800円   2022年10月

好み:★★★☆☆

テレビ番組で紹介されていたのを観て気になっていた老舗の町中華屋さんです。駅から徒歩10分強、住宅地の中に目立つ看板を発見。店内は昼間から瓶ビールを傾ける常連客でいっぱいでした。ご主人はスローな動きで何をしているか分からず、女将さんがおひとりで切り盛りされていました。揚げ立てのカツ。肉は割り箸一本の幅以上、二本を合わせた幅未満といった厚さ。脂身のある部分はまずまずでしたが赤身部分は淡泊な味わいでした。全体的に筋張っていてギリギリとした食感。端の一切れはまったくもって噛み切れませんでした。衣は薄めで剥がれやすく、これといった主張はナシ。卵は半熟仕上げで、染み込み浅めの玉ねぎがたっぷり入っていました。割下は丼底に溜まるほどかかっていて、お米はその強い塩気と平均的な甘さでしっかりと味付けられていましたが、カツからはその恩恵があまり感じ取れなかったのがもったいない印象。お米もアッツアツの一杯でした。

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422丼   六文そば 日暮里第1号店

日暮里    490円   2022年10月

好み:★★★☆☆

浜松町など都内に8店舗ほど展開している激安の立ち食い蕎麦チェーン店です。駅前のステーションガーデンタワーの3階にある、この日暮里1号店にだけ「かつ丼」が存在するという情報を得て伺いました。カツは作り置き。肉は割り箸二本分ほどの厚さで断面は薄茶色、衣も肉の上下を合わせると肉と同じ厚さ。「はい、出たー!」廉価で作り置きかつ丼を提供するお店定番のヤツでした。やんわりとした衣に齧り付くと肉はパサパサとモチモチの間。卵は熱の通った仕上がり。玉ねぎは少量で、割下の色合いからすると染み込み度は浅めの域。割下は焦げ茶色の見た目からの想像通りにスーッとくる強い塩気で甘さはほぼ感じずといった味付けで、かなり片寄って掛かっていました。カツは、まぁ想定内。不安だったのはこういうかつ丼にありがちなカチカチなお米が出てくるパターン。しかし、ちょっと柔らかめでホカホカだったので一安心でした。揚げかすの入った蕎麦つゆのお椀は濃味。こういったジャンクの極みみたいなかつ丼は好きです。食べ巡りを始めた初期時代は、似たような一杯を「大満足なかつ丼」ページに掲載していましたが、ここまで数多くのかつ丼を食べて来ちゃうと「ま~こんなもんか」といった評価になってしまいます。でも、合間の小腹満たしで入りましたが充分に楽しめましたし、お財布にもありがたい一杯でした。

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421丼   勝楽

三河島    800円   2022年10月

好み:★★★☆☆

三河島駅からも日暮里駅からも少し歩き、大通り沿いでもなく住宅地に埋もれるように佇む親子二代で営む町中華屋さんです。出前もやっているそうで、まさに近隣住民の台所らしくメニューも豊富。卵は表面は熱が通り、カツの周りに少し生を残す仕上がり。卵で上手に丼を覆っているので分かりづらいですがカツはミニミニサイズ。肉は割り箸一本の幅にわずかに届かない薄さ。柔らか~いってほどではないですが硬くもない、風味深いわけではないけど旨味を感じないこともないという印象でした。衣はしっとりで所によりパン粉というかジャリジャリとした舌触りあり。カツのサイズがサイズなもので、カツ即完、お米だけ大量に残る状態に。ここで残念だったのが割下の量。中華スープを軸とした遠慮がちの甘さが前に出て、その後ろからソフトな塩気の割下なのですが、量が少ないためお米はほぼ白米のまま食べなければなりませんでした。それでもお新香をおかずに箸は進み、あっという間に完食。何か文句があるかと言われても何にもない。ただ、ひとつ前に伺ったお店と同料金だったから比較しちゃっての、この評価。食べ終わりにスッとお水を汲みに来てくださる配慮も有り難かったです。

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420丼   花とく

鶯谷     800円   2022年10月

好み:★★★★★

住宅地の一角にある老舗の小さなとんかつ屋さんです。ロースかつ丼定食は1200円でしたが、サービスセットの中に「かつ丼定食 800円」がありましたので、それを注文。お新香か冷奴かを選べました。1枚+1片で丼にびっしりと敷かれたカツ。割り箸一本の幅と同じくらいの厚さの肉、薄めで完全にしっとりした優しい衣、割下のスッキリとしながらも強めの塩気とフンワリと広がる控えめな甘さ。一口頬張ると「んん~これよ、これ」と首肯が止まりませんでした。肉は柔らかくも心地良い噛み応えもあり、脂身は程良い甘み。「とんかつ」としては決して上質ではなく逆に寂しい代物かと思います。しかし、かつ丼にした時にジャストマッチするお手本のようなカツ。これを巧みに質実に味付け・調理することにより全てを昇華させていました。お作りになっている女将さんがそこまで計算されているのかは分かりませんが、とにかく見事なおてまえでございました。卵は豊富に使われていて熱が通った仕上がりで、玉ねぎは染み込み深めで甘い風味が活きたシャキシャキ食感。豚汁も具だくさんで穏やかな味わいでした。お値段を鑑みても、これは掘り出し物。立地柄、常連客オンリーのお店かと思いましたが後客には「おすすめは?」「よく出るのは?」と質問した上で注文している人もいたので、もしかしたら話題・注目になりつつあるお店なのかもしれません。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131104/13044768/


419丼   赤城屋

高円寺    830円   2022年10月

好み:★★★☆☆

駅の目の前にある定食屋さんです。お味噌汁のお椀より一回り大きいくらいの丼で出てきました。女将さんから「丼自体も熱くなっているので気を付けて」とアナウンスがあったので触ってみると、確かに。肉は所により割り箸一本分から二本分くらいの厚さ。脂身が多めで私には過剰だと感じるほどコッテリとしていました。赤身部分は逆にやや淡泊な味わい。衣は薄くてしっとりタイプ。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み浅めでしっかりとした食感が残っていました。割下はパンチ力のある塩気で甘さはほんのり。私個人的に最も食が進む味付けだと思います。それにしても最後まで丼自体が熱々で不思議でした。

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418丼   光陽軒

阿佐ヶ谷   700円   2022年10月

好み:★★★★☆

駅の北口から徒歩数分、10人入れるかどうかの小さな町中華です。年配のご夫婦が常連客とカウンター越しに軽やかに会話しながらテキパキと調理を進めていました。まず、スープではなくミニラーメンが出てきました。続いて現れたかつ丼からは濛々と立ちのぼる湯気。中華鍋で揚げられたアツアツのカツ。卵は半熟仕上げで、長ネギの輪切りが少しだけトッピングされていました。厚さは割り箸一本の幅と同じといった肉が二枚重ねになっていました。特別な旨味は感じないものの脂身の乗りも良く、丼内の協和感を生み出せる最適なボリューム。衣は厚めですが全体的にしっとりまろやか。若干焦げ臭さがありましたが、これは町中華ならでは「味」と言えます。肉付きは弱く衣から肉が抜けていきました。玉ねぎはたっぷりと入って染み込み浅めで甘くてシャキシャキ食感。割下は塩気も甘さも優しく、それでいて気前よく盛られた柔らかめのお米を芳醇なものにする絶妙なバランスを保っていました。ミニラーメンも完食して満腹。本当にこのお値段でよろしいんですか?と思わざるを得ませんでした。家の近くにあったら間違いなく常連になることでしょう。

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417丼   トンカツ ツキウマ 神山町

神泉     1100円   2022年10月

好み:★★★★☆

渋谷駅からだと徒歩10分ほどの「奥渋」と呼ばれる地域にある、魚金グループが手掛けるとんかつ屋さんです。林SPF豚を一頭買いしていて、直売もやっていました。店名は月+旨=脂の意味らしいです。トッピングは青ネギの細切り。美しいピンク色掛かった肉の断面は赤身と脂身が何層にも重なっていて、厚さは2センチほどもありました。噛むと肉のすっきりとした甘さが口に広がり、ジューシーで柔らかいけど肉々しいしっかりとした歯応えも感じました。筋張っている部分がチラホラありましたが噛み切れないわけではなく許容の範疇。衣はやや厚めでしっとりとしていて繊細な舌触り。何のクドさもありませんでした。もちろんヘンな油っぽさなんかも一切なし。卵は半熟仕上げで、玉ねぎは入っていませんでした。割下の塩気は物足りなさはないもののかなり控えめで甘さが勝る味付け。全体的に優しい甘さに包まれた一杯でした。脂身もゴロゴロ入った小さな豚汁・大盛りのキャベツ・お新香も付いて、この品質でこのお値段は賞賛に値すると思います。お手頃価格でハイクオリティの甘いかつ丼をお求めの方には迷うことなくオススメできます。

http://www.uokingroup.jp/


416丼   キッチンマルシェ

用賀     935円   2022年09月

好み:★★★★☆

砧公園の北、世田谷市場の場内にある食堂です。用賀駅から20分ほど歩いて到着。レジの前で注文してお支払い。席にて待っていると運ばれてきました。カツのサイズは小さめの域ですが肉厚は割り箸二本を合わせた幅とほぼ同じ。脂身も豊富で肉自体の甘みに割下の甘さが相まって、こってりとした味わい。衣は卵が少量なのでサクサク感もあってなかなかのクオリティでした。卵はほんのわずかに生が残る仕上がり。玉ねぎはたっぷり入って染み込み加減は中程度。割下はそれなりの塩気で甘さが強めでした。多めにかかっていましたがクドくない味付け。ひとつひとつが粒立ったお米がアッツアツなのも嬉しいポイントでした。こういったタイプの食堂にしてはお値段設定がお高めに感じていましたが納得の一杯でした。

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415丼   東海楼

阿佐ヶ谷   700円   2022年09月

好み:★★★★☆

ラーメン400円、どのメニューを取ってみても800円以下という庶民の味方の町中華屋さんです。ご夫婦の連携作業で調理を進めているお姿を眺めていると突然、蓋付きのお皿に盛られていたお米をレンチン。温まったお米を炊飯器に投入して混ぜ込んでいました。足らなくなって冷や飯で補充したのかな。カツは揚げ立てで、とても小ぶり。一切れの長さは私の小指とぴったり同じのミニサイズ。肉の厚さは割り箸二本を合わせた幅に少し届かないくらいで、歯応えはやや硬め。寂しい見た目に反して想像よりは「肉を食べてる感」はありました。ただ、食べ応えはございません。衣は極薄でカリカリとした食感。卵は熱が通った仕上げで、たくさん入った玉ねぎはカツを揚げ始めた時から親子鍋で割下と煮込んでいたのでしっかりと染み込んでいました。割下は、吸い込んだ卵と玉ねぎがしょっぱく感じるほどの強い塩気。甘さは塩気に押されてすぐには感じませんでしたが後からずっしりと来る濃厚さ。量も多めにかけられているのでパンチのあるパワフルな一杯に仕上がっていました。お米はやっぱり柔らかさにムラがあったのでちょっと残念。カツの質は平均未満でしたが全体を通した味わいは平均以上、お値段を鑑みばお得感充分でした。

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414丼   くろむぎ堂

池上     1045円   2022年09月

好み:★★★☆☆

夜は蕎麦居酒屋となる町のお蕎麦屋さん。淡い色合いの肉は割り箸二本を合わせた幅を超える充分な厚さ。脂身はほとんど見受けられませんでした。ジューシーさはありませんでしたが程良い歯切れで肉々しさがありました。衣は薄くて完全にしっとりしていて、すぐに剥がれていきました。卵はカツの間に生が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み浅めで所により生の辛さを感じました。割下は塩気も甘さもそれなりにしっかりしていましたが特に印象には残らないレベルのパンチ力。だからこそ人の好みを選ばない安心感のある味付けだと言えるかもしれません。私は単品かつ丼をお願いしましたが、蕎麦とミニ丼のセットにすると蕎麦も丼も名前に反して全然ミニじゃないので大ボリュームだという噂が頷けるお米の盛り具合でした。お味噌汁ではなく長ネギとワカメの味の薄いお吸い物でした。

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413丼   わかくさ庵

池上     920円   2022年09月

好み:★★☆☆☆

小綺麗な雰囲気の町の小さなお蕎麦屋さんです。ご主人は注文を取りに来たあと即、バイクで出前にご出発。厨房は女将さんひとりでまわしていらっしゃいました。かつ丼の蓋を開けると想像と期待以上の食欲をそそるビジュアル。卵は量は少ないものの美しい半熟仕上げ、玉ねぎは飴色に煮込まれてカツの上にまで配置されていました。茶色い肉は割り箸二本を合わせた幅にちょっとだけ届かないかなという厚さ。全体的にやや硬めで赤身と脂身の境がどこも筋張っていて、旨味を感じるとまではいきませんでした。個性的だったのが衣の強さ。サクサクを通り越してガリガリとしたタフな食感。齧り付くと肉だけがポコッと抜けちゃうなんてことも。なめこのお味噌汁もお新香もかなり塩気が強いので、割下の塩気はボヤけて感じましたがそれでもなかなかの塩気。甘さも強めの部類に入ると思います。お水ではなく冷たい緑茶がサーブされましたが、なんだか生臭かったのは私の味覚の問題でしょうか…。

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412丼   宗楽

池尻大橋   1000円  2022年09月

好み:★★★★☆

L字型カウンター席の中華料理店。壁一面にご近所にある芸能事務所の所属メンバーたちのサイン色紙がびっしり。「カレーラーメン」を筆頭に担々麺・オムライス・焼豚チャーハンなどの人気メニューがズラッと並ぶ中に見つけてしまいました。「かつ丼」の文字を。ご主人にかつ丼をお願いすると訝しげな表情で「え?かつ丼?時間かかりますよ?」とのお返事。滅多に注文が入ることはないのでしょう。ネット上で調べてもかつ丼の情報は出て来ず。もちろんお待ちします。調味料を大さじ小さじでキチンと計りながら割下を作っていき、タイマー凝視で煮込む、卵を投入してタイマーを設定し直して、と実に丁寧なお仕事ぶり。はてさて、どんな一品がお目見えするのでしょうか。プルプルの白身が美しい半熟卵、大きめにカットされた玉ねぎは染み込み深く素材の甘さが活きていました。カツを一口いただくと油の香ばしい風味。肉は1センチ超えのしっかりとした厚さ。脂身は少なめでシャクッとした良い歯切れ。とんかつ屋の品と遜色のないクオリティだと感じました。衣は薄くしっとりしていて、やや剥がれやすいタイプ。特徴的なのが割下の量。塩気4・甘さ6くらいのバランスでどちらも強い味付けの割下が、お米の下半分が浸かるほどかかっていました。つゆだく好きの私としては大歓迎。ただ、完食したあとの濃味によるズッシリ感はなかなかのモノでした。常連だけどかつ丼は食べたことがないという方には是非お試しいただきたい一杯でした。

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411丼   伊勢屋食堂

大久保    850円   2022年09月

好み:★★★★★

大久保駅近くの淀橋市場内にある小さな食堂です。女将さんに初めての来訪かを聞かれ、初めてと答えると市場の休業日が記されたカレンダー付きのお名刺をいただきました。かつ丼を注文すると、「並で?」とのご確認がありましたので、メニュー表示はありませんが「上」も存在するようです。並でお願いしました。丼を提供してくださる際、一緒に様々なお漬物がのった6種の小皿が出され、その中から1つを選択できるシステムでした。私が色合いに惹かれて取ったのは胡瓜と南瓜のお漬物だそうです。これは楽しいサービス。丼を覆い尽くすように盛られたカツとわずかに半熟が残る卵とたっぷりで染み込み深めの玉ねぎ。見た目でも箸を入れてもカツが何切れあるのか判別不能。箸で持ち上げるとヘニャ~っと曲がる軟体系のカツでした。肉の厚さは割り箸一本と同じ幅。脂身はほぼありませんが、割下のハッキリとした塩気と優しくも力強い甘みにより芳醇な味わいでした。分厚いだけでパサパサしていたり硬かったりする肉よりよっぽどいい。衣は薄くて剥がれやすく滑らかな舌触り。もう途中からは、元々はトンカツだった物体が卵と玉ねぎと一緒にグチャグチャになってお米に絡んでいる状態。確かに、とんかつ定食を頼んでこのカツが出てきたらガッカリの一言でしょう。しかし、絶妙な味付けと巧みな調理工程によって、見事なかつ丼に昇華されていました。この一体感・協和感は、かつ丼ならではの魅力。お米の具合も特に気になるところもなく逸品と言える一杯。店内に流れる80年代歌謡曲を聴きながら至福のうちに完食。「雨の中、来て頂いてありがとうございましたー」のお声に送られて退店。気持ちの良いランチタイムとなりました。

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410丼   グリル千里

下神明    1000円   2022年08月

好み:★★★★☆

東急大井町線、終点:大井町駅の1つ手前の下神明駅付近で見つけた「かつ丼」第5弾。駅から徒歩5分ほどにある定食類も豊富に取り揃える町中華屋さんです。蓋を開けて思わず「おお」と声が漏れてしまった見目麗しさ。トロトロで光り輝く半熟の卵にグリーンピース。こういった町中華にしては値段がお高めに感じたのですが、このビジュアルは1000円の価値あり。肉は割り箸二本の幅をやや超える立派な厚さ。脂身も僅かに存在し、なんとも柔らかい歯応え。さっぱりとした旨味もなかなかのものでした。端の一切れは脂と筋が強かったものの全体としては納得のクオリティ。厚からず薄からずの衣はしっとり滑らか。カツの下には染み込み中程度の玉ねぎに加え、椎茸と人参と筍の薄切りが敷かれていました。割下の味付けはお米に染み付いた椎茸の香りを感じ取れるくらいのマイルドさ。でも塩気も甘さもきちんと感じるバランスを保っていました。他のお客さんは定食やこの季節ならではの冷やし中華を食べていて、かつ丼を注文してるのは私だけでしたが、もうこれは「うちの売りはかつ丼!」と打ち出しても構わないのではないかと思うレベルでした。

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409丼   品川区役所 食堂

下神明    550円   2022年08月

好み:★★★☆☆

区役所の第2庁舎の2階にある広々とした食堂です。もちろん職員だけでなく一般人も利用可能。食券を渡してからわずか15秒ほどでのご提供。おそらくですが、作り置きのかつ煮を保温ケースに入れておいて注文があったら皿から丼ご飯の上に移し替えるシステムなのではないかと。雑ではありますが、ボリューム感を含めてまずまずの見栄え。わずかな期待を抱きながらいただきました。ブヨブヨした厚い衣に包まれている平たい物体を「肉」と呼ぶのであれば、肉は割り箸1~2本分くらいの幅。柔らかいを通り越して噛み応え一切ナシ。肉も衣もニチャニチャ。見た目は卵で閉じられたとんかつなのに、食感はお麩でした。しかしまさかの、これが箸の進む味わい。クセになるというか何というか…悪くないのです。卵は完全に熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み浅め。割下は量が少なく塩気はしっかり、甘さはあまり感じない味付けでした。お米がやや硬めで風味がよろしくなく、ちょっと残念。とんかつを食べた気には全くなりませんが、不思議な食感の柔らかい丼飯を食べて、お安く満腹になれたなぁという印象。余談ですが、私は11時50分に入店。12時ちょうどに館内放送でチャイムが流れた直後から混み始め、12時10分に食器類を返却口に下げる時には広い食堂は満席&行列。そして食券機を見たら、かつ丼売り切れ。ありつくには11時のオープンから1時間以内に行く必要がありそうです。

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408丼   とん清 蒲田西口本店

蒲田     1350円   2022年08月

好み:★★★★☆

223丼で五反田にある支店に伺ったとんかつ屋「とん清」さんの蒲田本店です。「かつ煮定食」のメニューが高値のほうから順に、特上ロース・上ロース・ロース・ヒレと4種類あり、その全てに(かつ丼も可)と表記されていました。敢えて「かつ丼をお願いします」とだけ言って注文してみたところ「はい、かつ丼ですね」とのお受け応え。卓上に置かれた伝票を確認すると1350円とありましたので、ロースのかつ丼であることが判明。まぁそりゃそうか。カツのサイズは小ぶりの域であるものの、肉は割り箸二本を合わせた幅を大きく超えるしっかりとした厚さ。とても歯切れが良くて柔らかい。脂身はほぼありませんが、あっさりしすぎることもなく旨味も感じる代物でした。衣は薄く卵の量が控えめなので、しっとりとサクサクの間、ややしっとり寄りといった感じ。卵は熱の通った仕上がり。小さくカットされた玉ねぎが少しだけ入っていて染み込み度は浅め。割下は塩気も甘さも至ってマイルド。ただ決して薄味ではなく、たっぷりと割下を吸い込んだお米はいい塩梅の味わいに昇華されていました。カツも豚汁もアッツアツなのにお米だけがちょっとぬるいように思いました。つい最近、原材料高騰の煽りを受けて値上がりした旨の貼り紙がありました。以前は1000円だった様子。いまとなってはお値段相応の一品と感じますが、1000円でこれならかなりのお得感だったことでしょう。五反田(大崎広小路)の支店と比較すると、卵と玉ねぎが少量であることだけ共通していて、あとはまるで別物でした。伺って良かったです。

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407丼   福万食堂

下神明    680円   2022年08月

好み:★☆☆☆☆

都道420号沿いにポツンと佇む食堂。昔ながらの雰囲気はあるものの店内は綺麗で古めかしさはありませんでした。大ぶりなカツ。肉は割り箸一本の幅とほぼ同じでペラペラの薄さ。半分は脂身でしたが、割下の甘みがかなり強いので肉の風味は感じ取れませんでした。卵はわずかに生が残る仕上がりで量が極めて少ないため、肉の厚みをはるかに超える厚い衣はサクサクというかザクザク食感。玉ねぎは申し訳なさ程度に入っていて染み込み加減は浅め。玉ねぎからは割下のしっかりした塩気を感じましたが、甘さが丼全体を掌握している印象。お味噌汁と壺漬けの塩気で甘さを中和しながら食べ進めました。肉質・衣の質・割下の味付け、すべてが私の好みとはかけ離れていました。素晴らしいコストパフォーマンスを誇るお店ですので、他のメニューも試してみたいところです。

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406丼   鹿島

下神明    850円   2022年08月

好み:★★★☆☆

地元密着型の町の小さなお蕎麦屋さん。丼半分ほどのちっちゃなカツ。肉の厚さは割り箸一本分と同じくらい、所によってそれ未満という物足りなさを感じる薄さ。これほどまでだと肉が柔らかいとか硬いとかも感じませんでした。肉の旨味は割下の強い塩気ともっと強い甘さで掻き消されていました。衣は薄く、たまにカリッとくる部分もありましたが全体的にしっとり。卵は熱の通った仕上げ。そして、玉ねぎではなく白髪ネギが入っていました。あまり経験したことのないスタイル。特段の効果はないように思いましたが、玉ねぎとは明らかに違う食感が楽しめました。が、正直に言うと、かつ丼にこの食感は邪魔だと感じました。割下の量が少なくお米の大部分が白いままでしたが、食べ終わったら割下が丼底に溜まっていたので、かかり方がかなり偏っていたのだと思います。肉々しさも油っぽさもなく、塩分をギュッとした飯を喰らったという印象。青菜と豆腐のお味噌汁も胡瓜と沢庵と紅生姜の漬物も、割下同様に強めの塩気。味の深みはありませんでしたが、猛暑日に大汗かいた身体には染み込みまくりでした。

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405丼   錦華楼

下神明    900円   2022年08月

好み:★★★☆☆

戸越銀座商店街の東端に位置する昭和6年開業の町中華屋さん。TVロケで訪れた方々のサイン色紙が多数飾られていました。メニューも豊富。注文が入ってから豚肉と玉ねぎを切り分けている様子がチラチラと見えました。割り箸1本ほどの厚さの肉が二枚重ねになって衣に包まれていました。肉はどちらかと言うとゴツゴツとした硬めの部類。低品質とまでは言い切れませんが、旨味までは感じませんでした。薄い衣はしっとりとして主張はナシ。卵はほぼ熱が通った仕上がりで、玉ねぎは染み込み中程度。割下はお米全体が浸るほどかかっていて、塩気も甘さも優しい。甘さはほとんど無いと言ってもいいかもしれません。もっとお安くてもっと良いものをたくさん頂いて来ちゃっているので、この一杯はやや割高に感じてしまいました。猛暑の折、中華風に味付けされた冷奴が納涼感を与えてくれて嬉しい限り。また、中華スープがシンプルで懐かしい味わいだったので、次はラーメンを頂いてみたいです。

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404丼   中華 桃太郎

久が原    600円   2022年07月

好み:★★★★☆

町中華を巡る人気TV番組でも紹介されたことのある老舗店が今年の8月末日に60年余りの歴史に幕を閉じると聞き、慌てて初訪問しました。初見では暖簾をくぐるのに勇気が必要な外観、激狭の店内、まさに昭和の空気感漂う佇まい。昼間からボトルキープした焼酎を傾ける常連客を相手にご主人の完全なワンオペ。30分近く待ちますと、ラーメン丼に盛られたかつ丼が登場しました。丼にもレンゲにも屋号が入っていて、よく見れば電話番号の市内局番が3ケタという歴史を窺わせる誂え物。卵はプルプルの半熟具合。肉は割り箸二本分ほどの充分な厚さ。適度な歯応え、わずかに脂身もあり淡泊さを感じさせない代物。筋張っている所もありましたが、お値段を鑑みれば文句なんか言ってる場合じゃない。極薄の衣はさすがにサクサクとまではいきませんが、それなりにしっかりした舌触りがありました。割下は塩気がとてもマイルドで甘さが前に出ている味わい。町中華のかつ丼の王道味付けといえばコレ!という安心感がありました。町中華にとって玉ねぎはほぼ全ての料理に使われる重要食材。そんな玉ねぎが良い仕事をしていました。染み込み加減は中程度のシャキシャキで風味豊か。そして甘くて芳醇。丼底に溜まるほどかかっている割下の甘さと玉ねぎの甘さが相まり、クドさもないのでグイグイ箸が進みました。ボリューム的にもクオリティ的にも申し分ナシ。中華スープは口に合わず飲めませんでしたが、これが600円で頂けるなんてご主人に感謝しかありません。閉店までにもう1回伺いたいなぁ。ごちそうさまでした。そして長い間お疲れさまでした。

※残念ながら閉店されたそうです(2022年)


403丼   大明飯店

新大久保   850円   2022年07月

好み:★★★☆☆

韓国料理を中心にアジア系の飲食店が建ち並ぶ街にある日本ならではの町中華屋さん。珍しく電話番号まで入った誂え物の大きな器で出てきました。カツは箸で持ち上げるとヘニャッと曲がるほど薄くて柔らか。肉の厚さは中央部分でやっと割り箸一本の幅を超えるかなといった具合。歯応えは柔らかく肉自体の旨味も芳醇でした。脂身も私には甘ったるく感じるくらいの存在感。なぜか左端の一切れだけ他とはハッキリと違う別の何かの風味がありました。私のバカ舌では詳細は判別できませんでしたが、なんだったのか不思議。衣は薄くて完全にしっとり。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎは豊富に入っていて割下の染み込み度は中程度、素材の味が活きていました。割下の塩気は平均よりやや抑え気味で甘さはさらに控えめ。全体的にマイルドな味わいでした。付け合わせのスープはストレートな強い塩気のラーメンスープでしたので、これはこれで全体のバランスは取れていると思いました。ご飯はたっぷりと盛られていますが、カツのボリュームがそれなりなのでお米だけ余りました。残ったお米を楽しむためには割下のパンチ力も量も必要となってきますが、それには及びませんでした。しかし、肉の味わいと衣から来る町中華ならではの油の香ばしさにより丼全体に物足りなさはありませんでした。難クセを付ける訳ではありませんが、お米が少々硬すぎかなという印象。ふぅ、お腹いっぱい。

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402丼   とんかつ松永

高円寺    850円   2022年07月

好み:★★★★★

高架線沿いからちょっとだけ路地に入った所にあるとんかつ屋さん。近隣に立ち並ぶ飲食店舗よりは清潔感がありました。じっくり揚げられたカツはやや小振りで一口サイズに8個にカットされていました。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。口に入れるとパンチ力のある塩辛さを感じました。肉はほぼ脂身はなく柔らかい歯応えで、筋っぽさなどは皆無。衣はしっとりしていて、油の香ばしさを纏っていました。卵は熱を通した仕上げ。玉ねぎは染み込み深め。お米が水分多めのもっちりと炊かれているのが何とも私好み。割下は塩気がガツンと強く、甘さがフワっと後から追いかけてくるキリッとした逞しい味わい。人によっては、しょっぱいと感じるレベルなので注意が必要で、食後に喉が渇くこと請け合いですが、私にとっては活力の源=かつ丼を食べている!と唸らされる逸品でした。

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401丼   から好し

祐天寺    693円   2022年06月

好み:★★★★☆

すかいらーく系列のからあげ専門チェーン店。今年の春から親子丼とかつ丼がメニューに加わったとのこと。カツは揚げ立てアツアツ、お米もアツアツ。肉は1センチほどの平均的な厚さ。脂身はほぼ無く、あっさりしてますが決して淡泊ではなくきちんと旨味を感じました。サイズもそれなり。衣は薄めで香ばしい。しっとりとはしているもののパン粉の食感もありました。卵は半熟状態。玉ねぎの染み込み具合は浅めの域。割下の塩気は口に入れた時にはやや薄く感じましたが、後からしっかり来る味わい。甘さは控えめ。左利き仕様でスプーンが置かれていましたが、割下の量はそこまで多くないので使う必要なし。割下の強引な味付けで誤魔化すこともなく、このお値段でこのクオリティ。さすが大手グループの底力と敬服せざるを得ませんでした。無料でご飯を大盛り可能。卓上のキムチと漬物も取り放題なので大盛りにしても最後まで楽しめると思います。

https://www.skylark.co.jp/karayoshi/


400丼   冨多葉

神保町    900円    2022年06月

好み:★★★☆☆

キリ番の400丼目。どこに行こうかと悩んだ末、お蕎麦よりかつ丼のほうが人気と噂の創業100年を超える大老舗のお蕎麦屋さんへ。実は、これまで三度も足を運ぶもかつ丼にありつけなかった因縁がありまして。最初は地下鉄を乗り継いで向かうもまさかの臨時休業、二度目は外のメニュー表に「かつ丼売り切れました」の札、三度目は営業時間に間に合わず暖簾が扉の内側に。四度目の正直となりました。入って右側の壁に向かって並んでいるカウンターに着席。椅子ひくっ!カウンターたかっ!料理は自分の胸の高さに置かれます。まずはカツを一口。甘さが優った「かえし」の風味が広がりました。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。おや、肉がぬるいぞ… ちょっと残念。衣はしっかりと厚めで全体がしっとりヌルヌルした食感になるまで煮込まれていました。卵はわずかに生が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み浅め。肉の旨味はそこそこ、歯応えは適度、脂身の量も適度、割下の塩気も適度、甘さはやや強めといった印象でした。良くも悪くも「平凡」。だからこその安心感。「町のお蕎麦屋さんのかつ丼ってこうだよねー」と思える定番の一杯でした。ご家族経営でしょうか、妙齢の女性店員さん達の接客も柔らかく、退店時には正午前にもかかわらず近隣のサラリーマンで満席になっていました。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13068810/


399丼   むさしや

新橋     1800円   2022年06月

好み:★★★★☆

新橋の駅前ビル内に同じ屋号の人気洋食店がありますが、そちらではなく駅から南に5分ほど歩いた所にあるとんかつ屋さんです。夜メニューと土曜限定のランチには「かつ重」があります。平牧三元豚・匠を使用しているとのこと。静かな店内のカウンター席で微かな揚げ音に耳を傾けながら待つこと15分ほど。薄めにカットされて、厚さは2センチはあろうかという迫力のあるカツ。スッとした噛み心地。もう肉自体から上質な甘さが溢れ出ていました。脂身の乗りも程良く、胃腸の老化が進んできた私にも優しい味わい。衣は薄くてなんとも繊細だこと。キメ細かいパン粉のサクサク感もしっかり残っていました。卵は熱が通った仕上がり。そして、玉ねぎ等は一切入っていませんでした。まさに、煮かつとお米のタイマン勝負。割下は塩気は平均的で、甘さは控えめと言える部類。割下を纏ったお米はちょうど良い塩梅に味付けされていました。肉の風味を掻き消さず、物足りなさも覚えない絶妙さがあり、とんかつ定食ではなく「かつ丼(重)」にすることのプラスが確実にある一品と感じました。マイナス点は端の方に噛み切れない脂身部分があったことくらい。ハイクオリティであることは間違いない。しかし、突き抜けるようなインパクトがあったとまでは言えず、「このお値段なんだからこれくらいの物を出して貰わないと」という納得の範囲内に収まっちゃってる印象で、「大満足」とまでは一歩届かないのかなというのが素直な感想でした。

http://www.musashiya.net/


398丼   多久満

西駒込    950円   2022年06月

好み:★★★☆☆

町のとんかつ屋で読み方は「たくま」さん。カウンターから覗き見るに真っ黒な油でじっくり揚げていました。出てきたお盆には冷奴・お新香・南瓜の煮物・しじみのお味噌汁・そしてクッキーが2枚。さらに卓上には取り放題の小梅の壺までありました。小ぶりなカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅にやや届かない薄さ。若干パサついていて赤身部分は噛んでいると何とか旨味を感じる程度でした。端の方には噛み切れない所もありましたがご愛敬レベル。こげ茶色の衣は薄くても強く、サクサク感はまったくないのですがしっとりもしていないという食感でした。卵はほんの僅かに生の部分が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み浅めで生っぽくシャキシャキしていました。細かくカットされた大葉がトッピングされるのではなく卵と一緒に閉じられていました。避けることができず大葉が苦手な私にはちょっと残念。割下はそこそこの塩気で独特のまろやかな甘さ。しかし、割下の味付けより大葉と刻み海苔の風味や焦げっぽさのほうが勝っていました。とんかつ屋さんですが、カツの評価は渋めにならざるを得ず、バラエティ豊かで楽しいお膳であったことを加味しての評価となりました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131713/13057456/


397丼   寅寅寅

虎ノ門ヒルズ  980円  2022年06月

好み:★★★★☆

昼はかつ丼専門店となる小さな居酒屋さん。メニューはロースかつ丼とフィレかつ丼(1280円)のみ。低温で丁寧に揚げたことが窺える色合いのカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ厚みで、驚いて「うわっ」と声が出そうになったほどの柔らかさ。同時にロース肉の甘い風味が広がりました。衣は厚めの方で、しっとりとサクサクが共存する仕上がり、そして柔らかい。大袈裟でなく歯がいらないカツでした。私の胃腸には脂身がクドく感じてしまいましたが、これは上質。食べ応えも充分でした。卵の量は少なく、中央に黄身が生で残っていました。玉ねぎではなく長ねぎが入っていました。染み込み加減は浅め。カツとお米の間に海苔が1枚敷かれていました。お米はやや硬め。割下の量もそこまでなので、「のり弁」のような味わいも楽しめました。割下は塩気も甘さも、決して薄味ではないけれど肉の風味を消さない程度のまろやかな味付け。個人的には肉の風味は強いので、もっとハッキリした塩気があったら全体のパンチ力が増すのではないかと感じました。ネット上の口コミ情報とは明らかに異なる部分が多々ありましたので、日々研鑽を積まれているのかもしれません。今後も更なる期待が持てる一杯でした。

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396丼   いっぺこっぺ 新橋店

新橋     1200円   2022年05月

好み:★★★★☆

大人気店「とんかつ檍」さんが都内に数店舗を展開しているカツカレー専門店「いっぺこっぺ」。その新橋店にだけ「かつ丼」があるとの情報を得て伺いました。食券を買って7席だけのカウンターに着席。卵で閉じずに卵の上にカツを置く「あと乗せ」の対応も可能とありました。私は一貫して卵閉じ。やや半熟気味で出てきた卵は閉じるというよりカツの上にかけている、いわゆる「かけかつ丼」のような状態でした。カツは細く斜めにカットされているので肉の正確な厚さは分かり兼ねますが1センチ以上はあり、サイズ的にも申し分ナシのお値段に見合う代物。カツを頬張ると割下の甘さより先に肉の脂身の甘さが来ました。霜降りで赤身は歯応え良く噛むほどに旨味を感じ、脂身は私には重たく感じるくらいの味わい。衣はサクサク感がしっかり残っていて、薄くてもキメ細かいパン粉を感じる楽しい食感でした。玉ねぎは染み込み深め。割下は塩気が強めで甘さは平均的。割下を吸い込んだ卵は少々塩辛いくらいでした。割下の量はそれほど多くはないのですが、器がラーメン丼のように大きいので最後のほうはお米を箸で掬うのが難しく、カウンター上のケースに入っているスプーンを使って頂きました。良質な肉であることは間違いないですし、割下のハッキリした味付けも卵の仕上がり具合もお米の炊き加減や風味も、各々1つ1つの素材は私好み。しかし、その全てが相まって更なる高みに昇華しているかと言うと、逆に味の渋滞が起きて過剰となってしまって内臓にズシーンとくる重苦しさのほうが上回ってしまいました。

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395丼   とんかつ とお山

浅草     1150円   2022年05月

好み:★★★★☆

伝法院通の東端にあるとんかつ屋さん。以前は「二代目 遠山」という店名だったようです。そこまで空腹ではなかったのですが、店頭の立て看板メニューに「タレにこだわり遠山のカツを引き立てるべく試行錯誤をしたかつ丼」という文字を目にして思わず吸い込まれました。綺麗なキツネ色の衣、覗き見える白とピンクの中間の美麗な肉。割り箸二本を合わせた幅を超える1センチオーバーの厚さ。はやる気持ちを抑えて、まずはお米には手を付けずカツだけをじっくり味わってみました。あっさりさっぱり。脂身は極めて少なく、旨味やジューシーさはあまりない、変な表現ですが見た目から想像した通りのお味でした。衣は薄くしっとりで繊細さのある代物。ちなみに端の一切れは筋が強く噛み切れませんでした。卵はほぼ熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深め。こだわりの割下はきちんとした塩気と甘さ。塩気がリードしているので甘さが重たく感じませんでした。肉の控えめな風味とのバランスを取るならこのくらい濃味である必要があるかと思いますが、カツを引き立てているとまでは言えないかと。お米が平均よりわずかにパラッとしているのですが、豊富にかかった濃いめの割下が上手くまとめていました。こういった質・レベルのかつ丼は様々な所で食べてきたので特に印象に残る点はありませんでしたが、評価を下げる点も特には見当たらない一杯でした。

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394丼   康楽

浅草     650円   2022年05月

好み:★★★★☆

昭和の遺産のような佇まいの町中華屋さん。入口から左側の厨房周りと右側の客席の奥(元は小上がり座敷だったそう)は煩雑な荷物置き場となっていて、なんとも入りづらさのある外観&内観。荷物周辺には「撮影禁止」、客席には「長居無用」の貼り紙、水のおかわりは1本200円のペットボトルになるという他所では経験したことのない雰囲気の中、メニュー表のトップに書かれている「かつ丼」を注文しました。揚げ立てのカツは小さなヒレ肉。厚みはそれなりにあってヒレでも歯応えはしっかりしていました。衣は薄く、町中華らしい真っ茶色の仕上げ。多少の焦げ臭さはあるものの気にならないレベル。卵は炒り卵のような形状の半熟で、生部分はお米へと流れ込んでいてお米全体が良いトロトロ感に包まれていました。玉ねぎの割下染み込み度は中程度。おそらく煮カツの上から三つ葉を散らすのでなく、三つ葉も一緒に煮込んでいるためカツの周辺全体に三つ葉が入り込んでいました。割下は甘さ控えめで塩気はストレートな強さ。これは食も酒も進む味わい。中華スープは独特な風味で薄味でした。お値段を鑑みればかなり優秀な一杯だと思いました。

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393丼   上むら 本店

蓮沼     990円   2022年05月

好み:★★★☆☆

多摩堤通り沿いにある昔ながらのお蕎麦屋さん。蕎麦とセットなら「かつ丼」、単品だと「かつ重」になるそうです。厨房に3人、給仕は女将さん1人でやられていますが全体的に回っていない様子で、20分ほど待ってのご提供でした。カツはそれなりのサイズに見えましたが、これは衣の付け方の妙で、肉自体は小さめのヒレ肉でした。厚さは1センチを超えるもののボリューム感はイマイチ。食感は柔らかく、クセのない肉質でした。衣は薄めで完全にしっとり。小さなヒレ肉を大きく包んでいるので、とても剥がれやすくて肉と衣は別々に食べることになりました。卵はわずかに半熟加減、玉ねぎは割下の染み込み具合にバラつきがあり、シャキシャキとした食感がありました。割下は匙が必要なほど豊富にかかっていますが、塩気も甘さもパッとしないボンヤリした味わい。特に記憶に残るような要素は見つけられませんでした。お吸い物も薄味でした。

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392丼   定食 稲

西葛西    900円   2022年04月

好み:★★★★★

サニーモール西葛西の向かいにある定食屋さん。卵が見事な半熟具合のかつ丼が出てきました。サイズは大きくはないですが、ずっしりとした重量感のあるカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅と同じ厚さ。歯を立てるとシャクッとした気持ちの良い噛み応えで、とても柔らかい。脂身の量も適度で淡泊でもなくクドくもない肉質。薄めの衣はしっとりしているけどパン粉の繊細さはきちんと感じました。食べているうちに、カツやお米の熱により卵の黄身が固まってきて食感が変わります。私は卵の状態を表記する際に、正しい日本語である「火が通る」ではなく「熱が通る」と書きますが、理由はコレです。煮込んでいる時の火力だけでなく、かつ丼の卵は「蓋をすることで蒸らす」「カツやお米の熱で固める」などの技法が存在するため「熱を通す」としております。玉ねぎは染み込み深め。割下は甘さ控えめで、塩気は誰が食べても「しょっぱい」とも「薄味」とも言わないであろう、絶妙な塩梅。塩気強めの「東京風かつ丼」の味付けが好きな私でも一切不満なし。お米の風味も他のどの食材とも喧嘩していませんでした。割下がたっぷりかかっているので「おじや」みたいになっており、お米単体でも充分に堪能できました。生姜焼き定食とカレーライスが人気のお店で、ネット上でもかつ丼に関する情報は少ないのですが…おかしくない!?もしかしたら最近になって改良されたのかもしれませんが、もっと広く話題になって然るべきと思う逸品でした。

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391丼   恵亭 高島屋二子玉川店

二子玉川   1700円   2022年04月

好み:★★★★☆

高島屋のレストランフロアにある「とんかつ和幸」系列の高級ブランド店。平日のランチメニューにはかつ丼が登場します。ヒレも同額でしたがロースかつ丼を注文。豚汁かしじみの赤だしかが選べました。キャベツと漬物はおかわり自由とのこと。カツのサイズ自体はどちらかというと小ぶりの範疇でしたが肉は1センチ程の存在感のある厚さ。柔らかいけどしっかりした歯応えがあり、適度な脂乗り。高品質であることは分かるものの、旨味や肉汁が押し寄せるとまではいかない印象でした。衣は薄く、これ以上ないくらいしっとり。まるでトロッとした液体かのような舌触り。かつ丼の衣にはサクサク感を求めない私にとってはお気に入りの食感でした。卵は熱が通った仕上げ。玉ねぎの染み込み加減は深め。割下はカツやお米を口に入れた瞬間、突き刺すような塩気と全体を支配するかのような甘さがあるのに、決して濃味ではないという技アリの味付けでした。すべてのお米がビシャビシャになるほどかかっていましたが、重く感じることもなく食べ進められました。キャベツは口当たりの良い細さにカットされて瑞々しさがありました。気前よく盛られたキャベツも一緒に全部いただいて丁度お腹が満たされるくらいのボリューム。ブランド力とお家賃を考えれば妥当な価格設定なのでしょうが、かつ丼単体で見れば若干割高かなという感想でした。

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390丼   とらそば

新宿西口   550円    2022年04月

好み:★★★☆☆

歌舞伎町の入口にかつ丼の大きな看板を発見して、吸い寄せられるように入店した着席スタイルの立ち食い風そば屋さん。取り放題の漬物を小皿に盛って着席。肉の厚さは割り箸1本と同じ幅。一口いただくと衣のサクッとした食感、フワッと広がる油の香ばしい匂い、肉の柔らかい歯応えが。「おっ!これはなかなか」と思い、お米を頬張ってガッカリ。パサパサところによりカチカチ。さすがに肉の旨味までは感じず、脂身の甘さなどもありませんが、よくあるモチモチしたような安物感はありませんでした。衣は肉の倍ほどの厚さ。揚げ立てではありませんが、ここまでサクサクしていたら優秀だと思いました。卵は熱を通した仕上がり、玉ねぎは存在を見つけることができませんでした。割下は塩気も甘さも10段階で言うと4くらいの強さ。お米は前途のように丼内の協和感を乱す硬さ。場所柄、いろんな地方や外国からのお客さんを意識しての味付けなのかもしれませんが、割下をもっと濃いめに味付けにして肉と卵とお米の風味の弱さをフォローすればいいのになぁ…という印象でした。「鰻丼」750円や「とんこつラーメン(替え玉1つ無料)」500円も人気の様子です。

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389丼   南甫園

溝の口    500円    2022年04月

好み:★★★☆☆

神奈川県川崎市は溝の口駅の駅前にある町中華屋さん。普段は610円のかつ丼ですがランチタイムは500円。数年前まで400円台だったこともあり、ネット上でよく目にしていたお店にやっと伺いました。肉は割り箸二本を合わせた幅にちょっとだけ届かない厚さ。事前の勝手な想像に反して柔らかい歯応え。しかし、脂身はほとんどなくパサパサ感がやや気になり、お値段を鑑みれば当たり前なのですが風味が弱いの一言。肉への下味付けなり割下なりでカバーして欲しいと思わざるを得ませんでした。衣はしっとりタイプ。卵は完全に熱が通った仕上がり。玉ねぎの染み込み加減は中程度でした。割下は卵に強めの塩気を感じるくらいで、終始「味が薄いな~」と思いながら食べ進めました。甘さが控えめなのは個人的には嬉しいところですが、もう少しパンチ力のある塩気を欲してしまいました。しかし、食後になって後を引く塩気と甘さが押し寄せてきたので少々驚きが。もしかしたら中華スープの配合量の妙かもしれません。全体的にボリュームが小ぶりなので成人男性には物足りないかと思われますが、決して低クオリティとまでは言えず、後客全員がかつ丼を注文していたことにも納得が出来る一杯でした。

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388丼   つかんと

虎ノ門ヒルズ 1540円   2022年04月

好み:★★★★☆

当サイトの【大事なご挨拶】ページに記載してありますように、私は「豚カツを卵とじにしてある」モノだけを「かつ丼」と呼んでおります。私の概念から申し上げると、これは「かつ丼」ではありません。しかし、卵を使用しているという点では023丼に掲載した「瑞兆」さん・219丼「いけだ」さん・324丼「とんかつ旭軒」さんと同様で、かなりの変わり種ではありますが「ソースかつ丼」などとは一線を画しているため、せっかくなので掲載することにしました。虎ノ門ヒルズ・ビジネスタワー内「虎ノ門横丁」にあるカウンターのみの話題のとんかつ屋さん。逆さまから読むと…ですね。ランチの「かつ丼定食」はロースとヒレが同価格。ロースのほうをお願いしました。まずコールスロー、続いて豆腐となめこのお味噌汁が出てきて、お待ちかねの丼が。卵と出汁と玉ねぎを合わせた雑炊?リゾット?卵かけご飯?のようなお米の上にカツが乗っているスタイル。肉は2センチほどの厚さで細くカットされていて、断面は赤みがかったレア状態。口に入れるととにかく柔らかい。数回噛んだだけで溶けていく感覚。衣の上から振ってある塩と肉の甘い旨味が見事にマッチしていました。薄い衣はキメ細かく、当然ですがサックサク。肉の風味を邪魔することなく、香り付けと食感の楽しさを演出していました。とんかつも深い味わい、お米単体で食べてもしっかりとした味付けを感じますが、一緒に食べても過剰になることはなく、逆にどちらかというとまろやかな味わいに。ご提供時に「オリーブオイルと醤油で味変してください」とご進言がありましたので試してみましたが、劇的な変化は認められませんでした。「上質なとんかつを白米ではなく濃い卵かけご飯と共にいただいた」という印象そのもの。やはり「かつ丼」とは別物でした。ただ、味の好みだけで言えば速攻で【大満足のかつ丼】ページ行きのレベル。自信を持って人に「一度食べてみ!」とおすすめできる逸品でした。

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387丼   おそば天かめ 平河町店

半蔵門    510円    2022年04月

好み:★★★☆☆

現時点、都内で4店舗を展開している立ち食い蕎麦店です。店頭にはかつ丼の大きな看板が出ていました。作り置きのカツ。肉の厚さは割り箸2本を合わせた幅ほど、断面は白っぽく柔らかいけれど風味は特になし。衣は薄めでしっとり。はい、これまで立ち食い蕎麦店で幾度となく相まみえてきた「例のヤツ」でした。これをどう調理するかが腕の見せ所。卵はわずかに生が残る仕上がり、玉ねぎは染み込み深くシャキシャキとした食感がありました。割下は「かえし」のまろやかな塩気ではなく醤油のストレートな強めの塩気、甘さも食べ進めている途中から口周りがペトペトしてくるほどの味付け。カツの風味や旨味の弱さはしっかりカバーできていましたが、秀でているところはありませんでした。お米がやや硬く、生臭いような匂いを纏っていたのが少々残念。ボリューム的にはセットでお蕎麦を付けてちょうど満腹になるかなといった感じ。良くも悪くもすべてが想像の範囲内といった印象でした。どうでもいいことですが、TOKYO-FMのすぐ近くにあるお店なのに店内に大音量で流れているラジオは文化放送でした。

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386丼   山之内

千歳船橋   900円    2022年03月

好み:★★★☆☆

東京農業大学の目の前にあるとんかつ屋さん。ロースやヒレのかつ丼もありますが、農大生が安くお腹いっぱいになるようにと豚バラ肉を使った「農大かつ丼」が名物。店内にも「名物 農大かつ丼」の文字が躍っていましたので、脂身の多さに不安を感じながらも注文いたしました。豚汁かお吸い物かを選べました。お願いした豚汁はすっきりとした味わいで何杯でもイケちゃうヤツ。油から揚がったカツのボリューム感にびっくり。これは食べ応えがありそう。大きなカツが匠の技で丼の縁ピッタリに盛られていました。肉は割り箸二本を合わせた幅をはるかに上回る1センチ以上の厚さ。断面を見ると、赤身と脂身が交互に断層を形成していました。赤身のわずかな歯応えと脂身の溶けるような食感が混ざって面白い。そして脂身が甘い。バラ肉の魅力を存分に引き出している印象でした。割下は塩気もしっかりありますが甘さはもっと強め。なので丼全体がかなり甘く感じました。たくあんと青かっぱ漬けがちょうど良い中和剤に。卵は熱の通った仕上がり。玉ねぎは飴色になるまで煮込まれていました。衣は完全にしっとり。バラ肉なので肉付きが良いワケはなく、カツを箸で持ち上げるとそのまま剥がれていきます。衣自体は薄めで余計な主張がないのは、全体がこってりしすぎないための工夫なのかもしれません。懸念していた脂過多もそこまででもなく、私より明らかに年配のご夫婦が2人とも農大かつ丼を注文されていて驚いたのですが、これなら胃腸が弱くなければ大丈夫でしょう。さすがにカツの最後の一切れは重たさとの戦いになりましたが、大学生なら余裕ですね。濃味の割下がたくさんかかっているのでお米も茶色く染まり、味わい深いものになっていました。私にとっては豊富な脂身と割下の味付けが相まってちょっと甘すぎました。700円の「農大半かつ丼」で充分かな。ご主人の学生さんへの愛を感じざるを得ない一品でした。

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385丼   お山のすぎの子

三軒茶屋   940円    2022年03月

好み:★★★★☆

駅の南側の商店街にあるうどん・そば屋さん。メニューにはセットしか見受けられませんでしたが、かつ丼単品もできるとのことでお願いしました。ランチはコーヒーがサービスで付いてくるそうです。大きな器に小さなカツとボリューム抑えめのご飯。肉はちょうど割り箸2本分の幅と同じ厚さ。噛み切れずに仕方なくカツひと切れをそのまま口に入れて噛むととても柔らかいという、なんとも不思議な食感でした。脂身はなし。衣は厚めで基本しっとりしていますが、卵も割下もかかっていない端の数切れにはサクサク感がありました。相対的に立ち食い蕎麦屋の廉価なカツに似ているかと思います。卵はかなり生を残した半熟具合。玉ねぎは染み込み浅くほぼ生状態でした。割下は塩気も甘さも控えめ。京風の味付けと言えるかもしれません。肉の風味も弱いので全体的に薄味の印象。割下がたっぷりかかっていて、卵も生部分が多いので口当たりが絶妙。ここが絶賛ポイント。スルスルーっと胃に収まって、あっという間になくなってしまいました。割下のかけ方や卵のとじ方が雑、食べ終わったら即お盆をさげられてしまう給仕などが残念ポイントではありましたが、品のある味わいでした。

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384丼   ニュー王将

浅草     1320円    2022年03月

好み:★★★★☆

浅草の喧噪から徒歩10分ほど離れた静かな場所に佇む、まさに近隣の常連客のための居酒屋さん。夜営業のみですが定食類も豊富。25分ほど待ってのご提供でした。丼からモクモクと立ちのぼる湯気、丼を覆い尽くすほどデカいカツ、豪華なビジュアルと共に甘塩っぱい香りが。写真を撮ってる場合じゃない、早く喰らいつきたい。肉は割り箸2本の幅を超える厚さ。柔らかいけど気持ちの良い噛み応えがありました。衣はかなり薄め。しっとりしていて肉からどんどん剥がれていきました。卵はわずかに半熟を残す仕上げで、玉ねぎは染み込み深め。割下は塩気が強めで甘さはさらに強いガッツリ系の味付け。かかっている量も多いので、ほっかほかに炊かれたお米によく馴染んでいて、お米だけでも味わい深い。肉々しいガツンと来る濃口かつ丼を食べている!と脳が反応しているようでした。メニュー札に1200とありましたが、お会計をお願いするとよもやの外税。しかし、この立地でこのお値段?と思うなかれの納得の一杯でした。1つ前に掲載した「水口」さんでいただいたのも、こちらでいただいたのも同じ「かつ丼」。でも、まったくの別物。どちらのファンもいらっしゃるでしょうし善し悪しの話ではなく、同じ名前の食材を使ってほぼ同じ調味料を使っているのにここまで味わいも見た目も食後感も違う。「かつ丼」という料理の奥の深さを改めて痛感できました。これだから衰えていく胃腸に鞭を打ってでも食べ巡りがやめられないのです。

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383丼   食事処酒肴 浅草 水口

浅草     1080円    2022年03月

好み:★★★☆☆

テレビなどでもたびたび取り上げられる浅草の名物定食屋さん。実に豊富な種類の定食や一品料理・つまみがメニューに並んでいて、昼時ですがアルコールを頼んでいないのは私くらいかと。まさかの「お重」で出てきました。まずは、ワカメと豆腐と油揚げの入った白味噌汁を一口。うん、これは間違いないぞと思わせる味わい。期待を胸にかつ丼へ。肉は割り箸一本の幅より薄いペラペラ系。このお値段を考えると物足りなさを感じますが、硬いこともなく、肉の端にかすかに存在する脂身にはほんのりと甘みがありました。衣は薄くて剥がれやすく、所によってサクサク感が残っていました。卵は熱の通った仕上がり。玉ねぎはたっぷり入って染み込みはやや深め。割下は塩気も甘さも控えめ。割下を吸った玉ねぎから塩気を感じる程度。店構えや酒片手の客層から勝手に濃い味付けをイメージしていましたが、昆布の煮物とお新香も含めて、調味料で誤魔化さない「さすが名店」と思わせる腕前を垣間見られました。割下の量が少ないのでお米は白いままの所が多いのですが、白飯だけでも箸が進む絶妙な炊き加減。なんと言っても食事中盤までお重から湯気が立ち上り続けるアツアツぶりは嬉しい限り。肉質とお値段の兼ね合いで評価的には厳しめになってしまいました。

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382丼   代々木屋

参宮橋    950円    2022年03月

好み:★★★★☆

かつ丼と天丼が合体した「天カツ丼」が名物のお蕎麦屋さん。湯呑みも店名入りの誂え物でした。私が注文するのは一貫して「かつ丼(単品)」。カツのサイズは大きめですが、肉は割り箸一本と同じ幅で薄め。しっかりと噛み応えがありますが、筋張って噛み切れないなんてことはありませんでした。脂身も適度に存在し、肉の旨味までは感じませんが下味の黒胡椒など丁寧な仕込みは窺えました。衣はとても剥がれやすく、揚げ立ての油の匂いを感じ、部分によってサクサク、端のほうはガリッとした食感が残っていました。卵は熱を通した仕上げ。玉ねぎは染み込みがかなり深め。割下は塩気も甘さも充分。脳と胃袋に「かつ丼を食べています!」というシグナルを送り続けていました。お米がちょうどいい柔らかさになるくらいまで割下がかかっているところも私好み。きちんと丼内に協和感がありながら、それぞれの食材の風味の際立った力強い一杯をいただきました。

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381丼   滝乃家

代々木    950円    2022年03月

好み:★★★★☆

明治通りから一本入った裏道にあるお蕎麦屋さんです。カツを箸で持ち上げると真ん中から千切れて落ちたのでビックリ。柔らかいを通り越してフワッフワな食感のカツでした。割り箸一本分ほどの薄めの肉は、少しモッチリした感じはあるものの口の中で溶けて行きながら旨味を残していくような味わい。衣も薄めで全体的にしっとりしていました。卵は熱が通った仕上がりで、玉ねぎは程良く染み込み深め。割下は量はそこまで多くなく、塩気控えめで甘さのほうが僅かに立つ味付け。お米もうまく反りを合わせていました。丼自体のボリュームは控えめ。すべてが優しく尖ったところ一切ナシのソフトな印象でした。とんかつ屋のかつ丼とは完全に一線を画す蕎麦屋の代物。これも間違いなく、かつ丼の魅力のひとつと言えます。上品なお吸い物で、お新香も優しい漬かり方でした。 

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380丼   キッチンタロー

江戸川橋   750円    2022年02月

好み:★★★★☆

地蔵通り商店街を東へ歩いた先にある小さな食堂です。カウンターには珍しく灰皿が置かれていましたので紫煙をくゆらせつつ、高齢のご主人が小気味よく仕上げていくのを拝見しながら待つこと10分ほど。半熟の卵が食欲をそそります。肉は割り箸二本分ほどの平均的な厚さ。脂身も豊富なほんのり甘いロース肉。柔らかい中にも適度な噛み応えがありました。衣は割下としっかり煮込まれていてもサクサク感が残っていました。玉ねぎはカツが揚がる前から親子鍋で煮込まれていましたので染み込みも深い。割下は人によってはしょっぱいと感じるくらいのハッキリした塩気。そして奥深い甘み。「おお、罪深き料理かつ丼を喰ってるわ~」と思わせるような塩分を感じました。お米が少し柔らかめなのは私好み。アツアツのカツ、アツアツのお米、アツアツのワカメと豆腐のお味噌汁、心も体も温まる一杯でした。全体的なボリュームは控えめ。呑んだ帰りにコイツを掻き込んだら至福の時だろうなと思わずにはいられませんでした。

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379丼   立食いそば 山吹

早稲田    560円    2022年02月

好み:★★★★☆

名店に数えられる立ち食い蕎麦屋さん。本店は営業時間外だったため、歩いて数分の所にある2号店「鶴巻町店」に伺いました。肉は割り箸二本を合わせた幅とぴったり同じ厚さ。肉全体が柔らかく、歯の治療中である私でもノンストレスで食べ進められました。サイズ的にもお値段を鑑みれば充分。衣はやや厚めで割下と卵に包まれていますが、強めの歯触りがありました。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎは少量で染み込み深め。割下は塩気も甘さも「かえし」の風味もほどほどと言ったところ。過剰でも不足でもなく一歩後ろに下がった味付けでした。長ねぎのたっぷり入ったお吸い物も、卓上の青かっぱ漬け取り放題も嬉しい。それだけにお米が残念。昼時を過ぎての入店でしたので炊き立てでないのは仕方がありませんが硬すぎました。カツとお米が喧嘩しているような印象。全体のボリュームもこれひとつで満腹にはなりませんが、決して廉価量産型のカツでなかったのは好感が持てました。

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378丼   日の出屋

二子玉川   800円    2022年02月

好み:★★★★☆

セレブな地の高島屋の裏にある、町のお蕎麦屋さん。丼物もラーメンも豊富に扱っていました。割り箸二本を合わせた幅にわずかに届かないほどの薄めの肉は、適度な歯応えで適度な脂のり。お蕎麦屋さんの一般的なカツと言えました。衣はジャリッとした部分があるものの基本しっとりでモッチリした食感。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深め。割下は一口目から甘さがブワッと広がり、「かえし」の風味を感じる間もなく強い塩気が迫ってくる味わい。まさに「江戸っ子かつ丼」の武骨な味付けで、食後に喉が渇くこと必至ですが、私の好みのド真ん中でした。そんな割下もたっぷりで、お米も柔らかく炊かれているのに加えて衣のモッチリ感もあって、悪く言っちゃえば全体的にベチャッとした印象の一杯。でも、どこか懐かしさのある、ぷらっと立ち寄った蕎麦屋で食べるかつ丼ってのはこうでなきゃと思わせる一杯でもありました。

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377丼   中華料理タカノ

新高円寺   600円    2022年01月

好み:★★★☆☆

愛想の良いご主人と女将さんが営む町中華屋さん。ラーメンもチャーハンもカレーも焼きそばも500円。ちょっと入りづらそうな外観はしていますが、店内は明るく気になるような汚れなどはありませんでした。お皿に盛られたかつ丼は、この盛りで600円でいいんすか?と聞きたくなっちゃうレベル。一口では食べられないサイズの細長い一口カツが5本、星形に配置されていました。ひとつひとつがそれなりの大きさなので並べたら結構なボリューム。このお値段ですので肉は硬かったり噛み切れなかったりはしますが、部分によっては旨味すら感じて安物感はありませんでした。なによりインパクトがあったのは衣。薄い衣が細長カツをぐるりと包んでいるのですが、カリカリ、いや、ガリガリというかなり強い噛み応え。卵はカツの上にある白身だけが生。調理の工程は見ていなかったのですが、見た目と衣の状態から推測するに、おそらく鍋に卵を入れて、その上にカツを置き、さらにその上から少量の卵を、という順番を取っているのではないでしょうか。そして、玉ねぎが実に豊富。カツがなかったら「煮込み玉ねぎ丼」というメニューになると言っても過言ではない。割下は塩気は平均的で甘さがやや強め、中華出汁の風味が効いていました。割下の染みたお米に玉ねぎとトッピングされた多めの刻み海苔を混ぜて、小皿に乗った梅干しと沢庵と青しば漬けと一緒に食べると、これまた一興。中華スープは一口目から思わず頬がゆるむ優しい味わい。味付けは文句なし。ただ、肉の質と主張が強すぎる衣が私の好みとは一致していませんでした。あと、私が完食間際に上記のことをスマホにササッとメモをしていたら突然、ご主人がバンッと私の目の前に立て掛けてあるメニュー表を手で押しのけて私の手元を覗き込むようにジロジロ。思わず「えっ、なに?」と声が出てしまいましたがご主人は無言のまま持ち場へ戻り、その2分後、もう1度同じことが。なによ?私の動きに怪しい何かがあったのでしょうか?スマホ禁止だったのかな?注意書きとかは無かったけど。それなら失礼致しました。そんなワケで、最後の最後に不愉快な気分になってしまったまま退店いたしました。

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376丼   かつ源

南阿佐ヶ谷  850円    2022年01月

好み:★★★★☆

日本各地で見られるとんかつ屋の屋号ですが、こちらは青梅街道沿いにあるお店です。大きなヒレ肉が5切れにされてお重の中に鎮座していました。1センチほどの平均的な厚さ。とにかく柔らかくて旨味充分。衣は薄めでしっとりしていますが生パン粉のキメ細やかさを感じました。卵は半熟仕上がり。玉ねぎは細かくカットされ、染み込み浅くてシャキシャキ食感でした。割下は極少量で卵と玉ねぎに風味付けをする程度の塩気と甘さ。これはラードの香りを纏ったヒレ肉の旨味でお米を食べさせる一杯かと。全体のボリュームは控えめでした。飛び抜けた何か、人に伝えたくなるような何かはないですが、これがこのお値段ならお得感しかありません。豆腐とワカメのお味噌汁からも柚子の効いたお新香からも丁寧なお仕事ぶりが窺えました。次々と入ってくるお客さんの大半がテイクアウトの注文か受け取り。店員さんとの会話を聞いていると、どなたもご近所に住む常連さんで、ご家族みんなの分を持って帰っているご様子。家の近くにこんなお店があったら、そりゃ「今晩はあそこのとんかつにしよう!」となるでしょうよと納得。かつ重の注文も多かったです。

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375丼   キッチン若松

久米川    800円    2022年01月

好み:★★★★☆

まるで土地勘の無い町、夕方の中途半端な時間。営業中の文字とサンプルケース内のかつ丼を見つけて喜び勇んで入店した食堂。歴史のありそうな外観でしたが店内は整然として清潔感がありました。蓋を開けるとキレイに真ん丸に整った揚げ立てのカツと熱の通った卵。かわいらしい見た目。肉は割り箸二本分とぴったり同じ充分な厚さ。少し歯を立てるとシュッと噛み切れてしまうほど柔らかい。同時に割下のまろやかな甘さと肉の下味の黒胡椒の風味が口内に広がりました。脂身はほぼありませんでしたが、肉断面のピンクがかった色合いからして、とんかつ屋の代物ではと紛うばかりの肉質。衣は薄くて完全にしっとり。イヤな重たさもないですし、割下を存分に吸っているのに肉付きも良い衣でした。玉ねぎは染み込み浅めで申し訳なさ程度の量。割下は量少なめ、色薄め、塩気弱め、甘さまろやか。個人的には塩気のパンチ力が欲しいところですが、全体的に柔らかい印象で、薄味なのに不足感は覚えさせない一杯と言えると思いました。お米も申し分ない炊き加減。風味が喧嘩しがちの刻み海苔トッピングですが、割下がこのくらい優しい味付けであれば効果的なアクセントになっていました。これがまさに「家庭的」な味わいなのかもしれません。きっと他の定食類も優しく家庭的なお味なのだろうと想像させられました。

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374丼   とんかつ宗

学芸大学   1200円    2022年01月

好み:★★★★☆

カフェのようなスタイリッシュな内装をしたとんかつ屋さん。林SPFを一頭買いしているそうです。ランチメニューには「カツ丼」が存在。肉は割り箸を合わせた幅とちょうど同じ厚さ。適度な噛み応えで、噛んでいると歯にへばりついてくるような感触がありました。それでも旨味はさすが。脂身は少なめですがこってりした甘みを纏っていました。しっとりとした衣はかなり薄めで繊細な口当たり。卵はカツの上だけにわずかに生が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み浅くシャキシャキで、卵も割下も豊富で全体的に柔らかい印象の丼の中の良いアクセントになっていました。割下は塩気も甘さもマイルド。林SPFに対してはこのくらいの甘さが正解だと思われますが、塩気はもっと芯の強さがあったほうが個人的には好みです。かつ丼は「ガッツリ系の男飯」の代表格に挙げられますが、こちらはソレを感じさせない小洒落た優しい一杯でした。

※残念ながら閉店されたそうです(2022年)



373丼   伊勢屋

星川     900円    2022年01月

好み:★★★★☆

神奈川県横浜市の星川駅近くにある、124丼目に掲載した「角平」さんと『神奈川の肉厚かつ丼の双璧』と称される町中華屋さんです。ネット上には『これを食べずして、かつ丼を語るなかれ』という煽り文句も見かけます。しかし気軽には行けない、難易度の高いお店。理由は、開店前から並んでも注文から1時間以上待たされるという点。満を持して訪問してみました。開店15分前の11時15分に到着。既にお一人いらっしゃる。その方の背後に立って寒風に耐えながら開店を待ちました。女将さんから「どうぞー」のお声掛けがあった時には9人が行列を作っている状態。狭い店内はあっという間に満席。かつ丼をお願いすると「30~40分かかります」とのことでした。ちなみに9人中、かつ丼は3人。開店直後に入ってきた10番目のお客さん(かつ丼注文4人目)は「1時間以上かかっちゃうけど」と言われていました。おそらく同時に調理できるのが3食分までなのでしょう。カウンター密集、アクリル板なしでの相席と感染防止対策は一切取られていないのでマスクのまま黙ってジッと待ち続けます。ご主人が豚肉にパン粉をまぶしていますが、その手に持っているのはレンガですか?ってくらいの大きな肉塊。これを超低温でじっくり揚げていきます。親子鍋から丼に移すのも大変そうでした。きっちり40分でのご提供。肉は3センチを超える厚さ。「角平」さんを上回り、確実に私史上での最厚記録を更新。大きく口を開けて齧り付くと、柔らかーい!歯応えが想像と違いすぎて脳がバグるレベル。そしてジューシー。これは感動モノ。お値段からして、そこまで高品質な豚肉ではないでしょうが肉全体がほんのり甘みを纏っていて、脂身はさらに甘みが増していました。衣は皮のように極薄。卵は半熟。玉ねぎは染み込み浅めでシャキシャキ食感、嫌な辛みもなくこれだけでもご馳走。割下をたっぷりと吸い込んだお米はまさに「すき焼きの後のおじや」。肉や野菜や卵の旨味が凝縮した味わいでした。醤油と砂糖だけでは絶対に出ない深みに加え、豚肉の風味を邪魔しない穏やかさも兼ね備えていました。中華スープも生姜が効いたコクのある味付けで、このかつ丼にピッタリ。残念な点を挙げるのであれば、終盤に差し掛かるとカツが冷めてきてしまうところと、血合いがキツい部分があったところ。胃腸の老化も著しい私にはかなりハードな一杯ではありましたが、人生に一度は食べるべき代物であることに間違いはありませんでした。

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372丼   近定

小川町    935円    2022年01月

好み:★★★☆☆

威勢も愛想も良いご主人と柔らかい物腰の女将のお2人で切り盛りされているとんかつ屋さん。お値打ちの「日替わりランチ」や「ソースかつ丼」が人気の模様ですが、私は一貫して卵とじの「かつ丼」をオーダーしました。肉はサクッとした多幸感を呼ぶ歯切れ。厚さは割り箸二本を合わせた幅をわずかに超えていました。しかし味わいは淡泊。衣は薄く剥がれやすいタイプで、しっとりして余計な主張がないところが私としては好みでした。卵は丼の頂点付近にちょっと生が残る仕上げ。玉ねぎはどちらかと言えば染み込み浅めで素材の味が活きていました。刻み海苔のトッピングは吉とも凶とも出る場合があるのですが、こちらは海苔の風味が控えめで、あってもなくても変わらないといった印象でした。割下は薄味ではないけれど塩気も甘さも優しい味付け。かかっている量が少なめなので、丼全体の味わいをまとめて持ち上げるほどのパワーは感じられませんでした。割下でビシャビシャのかつ丼はイヤ、千円未満でがっつり肉に齧り付きたいという方には重宝される一杯なのでしょう。ちなみに、371丼に掲載した青新軒さんと同じくネットを探っても定休日や営業時間が見つからないのでお会計時に軽く伺ったところ、日・祝休みで19時頃までの通し営業の模様です。

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371丼   青新軒

小川町    1000円    2022年01月

好み:★★★☆☆

小川町駅と神保町駅の中間に佇むとんかつ屋さんです。厨房には女性2人。恰幅のいい女将が調理、大女将が給仕を担っていらっしゃいました。「ヒレかつ丼」も同じお値段でしたが「かつ丼」を注文。三つ葉の彩りも鮮やかで、卵遣いも食欲をそそります。肉は割り箸二本を合わせた幅を上回る厚さで立派な存在感がありました。食感はちょっとパサパサしていて、味わいもあっさりし過ぎかなという印象。端の方は脂身たっぷりですが、筋張っていて全く噛み切れませんでした。肉以上に存在感があるのが衣。とても剥がれやすく、全体的にしっとり。重くダルい衣ではありませんでしたが、ラードの風味より焦げ感のほうが若干上に感じました。ここまで強い衣なので、とんかつ定食よりかつ丼に適したカツなのではないでしょうか。卵は熱の通った仕上がりで、玉ねぎはそれなりに染み込んでいるけれど生っぽさを残していました。割下は少し硬めに炊かれたお米を真っ茶色に染め上げているので濃口かと思いきや、塩気も甘さも出過ぎないバランスの取れたマイルドな万人受けするであろう味付け。ただ私にとっては、ややパンチ力に欠けていました。先客後客6人中5人が「かつ丼」を注文していましたので、かつ丼の評価が高いとんかつ屋さんなのだと思います。ちなみに、ネットを探っても定休日や営業時間が見つからなかったので事前に電話で伺ったところ、金・土・日・祝休みのランチ営業(13時頃まで)のみとのことでした。

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370丼   信州そば 本陣

新宿     430円    2022年01月

好み:★★☆☆☆

ルミネエスト新宿にある立ち食い蕎麦屋さん。番号札をもらって5分も経たずに運んで来てくださいました。残念極まりないビジュアル。2022年初のかつ丼がこれかと後悔の念。コロッケのような小っちゃいサイズのカツが3切れにされていました。ちょうど割り箸二本分の厚さの肉は、まさにパサパサで口の中の水分を持っていかれる感覚。さらに汚れた油の匂いも。まぁ、これもジャンキーかつ丼の醍醐味だったりもしますが「これが良い」と思えるものではありませんでした。衣は薄めでジャリジャリとした歯茎を攻撃してくるような歯応え。卵は半熟とも完全に火が通っているとも言えない熱の通し方。玉ねぎは染み込み深く、味わいがありました。割下は塩気も甘さも強めで、キリッとした塩気が甘さに勝っている味わい。もし甘さのほうが強かったらモッサリと重い代物になってしまうので、これは正解かと。このお値段の立ち食い蕎麦屋さんのお米に文句を垂れるのもどうかと思うものの、お米もパサパサすぎ。割下が半分に片寄ってかかっているというガッカリするほど雑なお仕事なので、かかっている所はそれなりに楽しめますが、そうでない所は「う~ん」といった感想でした。

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369丼   喜道庵 神保町店

神保町    920円    2021年12月

好み:★★★★☆

神泉と神保町に店舗を構える蕎麦処です。先に提供いただいた蕎麦茶をすすりながら待つこと10分弱。大きめにカットされた肉は割り箸二本分ほどの厚さ。口の中で溶けていくという表現とは逆で、噛んでも噛んでも少し残る感触がある肉質でした。脂身も適度に存在しますが、これと言った甘みなどはありませんでした。しかしながら、なんと言っても割下の味わいが抜群。薄くてとても剥がれやすい衣、熱の通った卵、染み込み深めの玉ねぎ、粒立った炊き加減のお米、これらすべてとジャストマッチング。すべてを昇華させていました。塩気はしっかりあるけど塩辛くない、甘みはあるけどスッキリしてクドくない、カツやお米を口に運ぶたびに「かえし」の深い風味がふわっと広がる教科書のような味付け。お味噌汁には小さく切られた蓮根がたくさん入っていて食感も楽しい。それぞれの食材は平均点そこそこと言ったところなのですが、、、割下の秀逸なる統率力、コップが空になったら秒速で水を注ぎに来てくれる若女将さんの接客ぶりも加味して高評価とさせていただきました。

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368丼   味処いちむら

豊洲     1000円    2021年12月

好み:★★★★☆

精肉店直営の定食屋さん。最近、ビルの建て替えにより店舗が新しくなったそうで清潔感がありました。肉は1センチ以上あり、割り箸二本を合わせた幅よりわずかに厚い。肉自体の旨味、胡椒の下味、ラードの風味が見事に三位一体となっていて、一口目の衝撃はかなりのものでした。適度な噛み応えもあり、さすがは精肉店の代物と頷けました。端の方は脂身多めで、すんなりとは噛み切れないけれど、ほんのりとした甘み。しっとりした衣は極薄で肉の旨味に影響を及ぼさない謙虚さがありました。卵は一部の白身に生が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み中程度でシャキシャキ食感。割下は塩気も甘さもしっかりしていますが、バランスが取れているのでクドさのない味わい。お米が若干柔らかめに炊かれているのが私好みで嬉しいところ。肉の旨味が強いが故にカツと他との一体感が不足気味な印象でした。お味的にもボリューム的にも「かつ丼」は申し分なし。ただ、しらす入り切干し大根ともやしナムルの小鉢は特筆するものではなく、大きな豆腐の入ったお味噌汁はぬるい。回転率・作業効率重視の給仕も致し方ないとはいえちょっと引っ掛かる。あとひとつ何か「おっ」と思わせるものがあれば大満足となる一杯だけになんとなく惜しいと感じました。

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367丼   和食れすとらん天狗 雪谷店

雪が谷大塚  878円    2021年12月

好み:★★★☆☆

関東圏を中心に展開している居酒屋チェーンです。グランドメニューに「三元豚のロースカツ重」を発見。世の中がこんなことになる前はよく呑みに行ってましたが、その頃にはメニューになかったハズ。最近になってランチやテイクアウトのメニューを充実させる一環として生まれたのではないかと思います。肉は割り箸2本を合わせた幅と同じくらいの厚さ。めちゃくちゃ柔らかくてビックリしました。しっかりと熱が通った卵がカツの周りと下に配置されているため、薄めの衣はサクサク感が残っていて香ばしい。見た目はどこか手作りではなく機械仕込みの雰囲気を感じさせる代物ですが、とんかつ本来の味わいは楽しめました。玉ねぎは染み込みが浅く、特に風味はありませんでした。一部分の卵にはしょっぱさがありましたが全体的に優しい味付け、というか、薄味。上品でもなくジャンキーでもなく、パンチ力の足りないボンヤリとした印象。そんな割下もほとんどかかっていないので、カツがなくなった後はただの白飯を掻き込むことに。これより100円も200円もお安くて絶品のかつ丼に巡り会ってきた身としては満足度は低めとなってしまいますが、居酒屋チェーン店の一品だと割り切れば、肉質は充分に納得のいくものでした。

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366丼   日本そば あけの蕎

荏原中延   1380円    2021年11月

好み:★★★★★

駅前の商店街にあるお蕎麦屋さん。「麦豚ロースのかつ丼」を単品で注文。三つ葉と刻み海苔がWトッピングされていました。肉は2センチほどもある驚きの厚さ。一口目で割下の味わいでもラードの香りでもなく、とんかつ自体の風味を感じるのは珍しいこと。「これはそんじょそこらの蕎麦屋のかつ丼のカツじゃないぞ・・・」と思いながら食べ進めました。とても歯切れのよい旨味たっぷりの肉。脂身の多いところは強めの甘さがありました。衣は薄めで完全にしっとりしていますが香ばしさが際立っていました。卵は半熟仕上がり。玉ねぎはしっかり割下を吸い込んで、これだけで立派なおかずになっていました。割下は塩気も甘さも過不足なく、カツの風味の邪魔もせず、上手に丼全体をまとめる役を勤め上げていました。七味と黒七味が添えられていたので終盤は順番にかけながら頂きましたが、黒七味との相性はなかなかでした。お米のボリュームもかなりのもので、このお値段に納得。満腹満足。実はすぐ近くの超人気ラーメン店に行く予定がタッチの差で昼営業の整理券がゲットできず、彷徨った末にたまたま見つけたお店でした。逆にラッキーだったと思わずにいられません。

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365丼   一兆

入谷     870円    2021年11月

好み:★★★★★

ラーメン類もご飯類も実にメニュー豊富、まずは餃子に瓶ビールでしょー!とお店が語りかけてくるような佇まいの町中華屋さん。カウンターに座り、かつ丼を注文。目の前で調理されているので覗いていたら、揚げ立てのカツを中華鍋で煮込み、中華ヘラで卵を掻き混ぜるように器用に掬ってご飯の上に乗せていました。食欲をそそるとはこのことと言わんばかりのビジュアル。見事な半熟具合。卵とお米だけを食べると、ほんのり甘い卵かけご飯の絶品の味わいでした。丼の表面を覆い尽くすサイズのカツ。肉は割り箸二本分相当の充分な厚さ。とても歯切れが良く、赤身のさっぱり感と適度な脂乗りの芳醇さを両方とも楽しめました。衣は薄くてしっとり。玉ねぎは細くカットされ染み込み深め。衣が強すぎて丼内のバランスを崩しているかつ丼や、玉ねぎが味とアクセントの変化以上の主張をしてしまっているかつ丼も多いですが、この衣と玉ねぎは一切何の邪魔もしてこない徹底した脇役ぶり。それだけに、とにかくカツ・卵・割下・お米の調和が素晴らしいの一言。割下の味わいは塩気4甘さ6くらいのバランスで濃口。カツを口に入れた瞬間に少々感じる町中華屋のお決まりとも言える油臭さ(焦げ臭さ)にだけ目を瞑れば大満足な逸品。中華スープは醤油ベースに生姜の効いたド真ん中の味わい。塩分過多を気にしつつもレンゲが止まらず完飲。ちょっと小腹が空いた程度の空腹具合だったので完食できるか心配しながらの入店でしたが、まったくもって杞憂に終わりました。

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364丼   中華・洋食やよい

三ノ輪    1000円    2021年11月

好み:★★★★☆

東京メトロの三ノ輪駅から徒歩10分強、男の歓楽街「吉原」を突っ切った先にある町中華屋さん。ドラマ『孤独のグルメ』に登場したことをキッカケにメディアにも数々取り上げられ、一時は大行列が出来たとのこと。お店のメニューも『孤独のグルメ』で紹介されたモノに特化した品揃えとなっていました。そんなワケで「かつ丼上」はありますが「並」はありません。自宅でこのかつ丼が食べられるように「たれ」が販売されています。宣伝文句には「鶏・豚・かつお・こんぶの4重奏の合わせ出汁」とありました。揚げ立てのカツを煮込み、ご飯の上に乗せて蓋をして・・・そのまま1分ほど放置。これが蒸らし効果を狙ったものなのか、ただ手が回ってないだけなのかは不明。蓋を開けると思わず「芸術品かよ」と心の中で呟いてしまったほどの見事な卵遣い。口に入れ一噛みすると、まろやかな甘さ、優しい塩気、魚介の風味、下味の胡椒、ラードの香りが一気にまとめて味蕾と鼻腔を直撃。これは唸りモノでした。肉は割り箸二本を合わせた幅に足らない、やや薄めの厚さ。丼内の協和感を出すためには、このくらいの肉の厚さがベストなのかと思います。ちょっと淡泊でパサつくかなと思ったら、たまに脂身のほのかな甘さを感じたり、端の一切れは全部脂身だったりと楽しい食感でした。衣は薄くて全体的にしっとり。サクサク感はありませんでした。玉ねぎは程良い染み込み加減でいいアクセントになっていました。割下がたっぷりなので、カツがなくなった後のお米もきちんと堪能。最高級の一品を求めて訪れると拍子抜けなのかもしれませんが、絶対にハズさない一品を味わえるお店であることは間違いないと思いました。

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363丼   要

上町     850円    2021年11月

好み:★★★★☆

世田谷通り沿い、馬事公苑の近くにあるメニュー豊富なとんかつ屋さんです。肉は割り箸2本を合わせた幅とぴったり同じ厚さ。バランス良く脂身のついたロース肉は歯応えも気持ち良く、旨味も充分。卵が少量なのでほぼ原型を留めている衣はしっかりと割下を吸い込んで全体がしっとり。薄めですが粗めのパン粉を感じることができました。卵はカツの上は熱が通り、カツの脇は半熟といった仕上がり。中程度に割下が染み込んだ玉ねぎがたっぷりと入っていて、シャキシャキした食感も楽しめました。割下は塩気も甘さもハッキリした味付け。面白いことに、ここのカツを食べると甘さがフワッと、こっちのカツを食べるとスキッとした塩気を強く感じるといった味わいの変化がありました。この現象が玉ねぎにもお米にも。偶然の産物かとは思いますが狙ってやっていたら相当な手練れ。大根いっぱいの豚汁は優しいお味でした。上から評価しているような表現になってしまいますが、丼全体のボリュームも含めて特に目立つ所はなし。しかし全てが水準かそれ以上。このかつ丼を食べて「ヘタ掴まされた」と思う人は一人もいないのではないでしょうか。高級感などなくても、まさに「これでいいんだよ、これで」の一言。卵の量を多くして口当たりと風味が加味されたらパーフェクトな一杯でした。

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362丼   兆峰

巣鴨新田   770円    2021年10月

好み:★★★★★

JR大塚駅からだと勾配のキツい道を1キロほど歩いた、中低層マンションが立ち並ぶ中にある町中華屋さん。卵トロトロで三つ葉の彩りもよろしくカワイイ見た目のかつ丼でした。一口いただくと割下のしっかりとした強い甘塩っぱさがブワッと広がり、どこか懐かしい味わい。カツのサイズがどうだとか、肉の質がどうだとか、割下の味付けがどうだとか、いろいろスマホにメモする前に食べ終わっちゃいそうな勢いで食べ進めてしまうくらい、とにかく丼内の協和感・一体感が素晴らしい。ひとつひとつの具材は高品質でなくても職人技によって数段階ランクアップさせていました。細かに記しますと、カツは小ぶりなものの1枚半が丸いお重にびっしりと敷き詰められていて、厚さも割り箸二本分はあるので不足感はまったくなし。適度に脂身のある肉は歯切れ良く旨味すら感じました。衣は薄くしっとりしているけれどパン粉の食感を残していました。玉ねぎは染み込み深めで素材の甘さが活きていました。お米は柔らかめでアツアツ。これが豊富な割下と卵の生部分と相まり絶妙な口触り。駅から遠い、出前や注文が立て込むとかなり提供まで時間がかかる、ランチの営業時間が短い、町中華屋でかつ丼を注文する人が少ない、といった理由なのかネット上での高評価が少なすぎる印象。まさに穴場の逸品と出会うことができました。

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361丼   黒豚トンカツ さつまや とんとん

都立大学   1200円    2021年10月

好み:★★★★☆

竹炭を練り込んだパン粉による黒いトンカツが特徴のとんかつ屋さん。「ランチ限定10食」で「黒とんヒレカツ丼」というメニューがありましたので入店しました。まさに餃子みたいな大きさ・形状の鹿児島黒豚のヒレカツが4つ。口に入れると独特な甘みを纏っていました。ヒレでもしっかりとした歯応えがあり、噛むごとに肉の旨味が溢れ出て来ました。衣は薄めでしっとりしているけれど、衣だけを味わうとサクッとした繊細な食感が残っていました。これが竹炭の効果なのでしょうか。肉付きは弱めで中の肉がスポッと抜けちゃうことも。卵は一部だけに生が残る仕上げ。玉ねぎは染み込み深めでもシャキシャキ食感でした。割下は塩気充分、甘さはかなり強めで、かつ丼では出会ったことのないタイプの甘みでした。具体的な例が出てこないバカ舌でもどかしいのですが、何か別の料理で何度も出会っている味わいでした。具だくさんの豚汁もなかなかの代物。2人連れの後客が「ヒレカツ丼」と「上ヒレ(3000円)」を注文した際に、小麦粉のトレイに取り出されたヒレ肉を目の前で見ましたが、色合いも形状も全くの別物でした。当然ですが。見た目の楽しさと他メニューとの価格比較においてのお得感を含めての高評価です。

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360丼   とんかつ大和

神田     850円    2021年10月

好み:★★★★☆

高齢のご夫婦と恰幅のよい息子さんが営む活気ある年季の入ったとんかつ屋さん。並々と注がれた「おわん(豚汁)」が人気のようで自分以外の客は全員が注文していました。肉は1センチ以上の厚みがありボリューム充分。そこまでハイクオリティな肉だとは感じませんでしたが、適度な噛み応えがあり、脂身は嫌味のない芳醇な甘さがありました。脂身の強い部分がちょっと筋張っていたのが残念。しっとりしているけど口内でパン粉を感じ取ることができる粗めの衣。ラードと熟練の揚げ業が見事な仕事をしていました。卵は熱が通った仕上がり。玉ねぎは染み込み深く、これだけで立派なおかずになっていました。柔らかめに炊かれたお米もアツアツ状態。これは嬉しいポイントでした。割下は塩気ほんのり甘さはほぼ無しなのに全然薄味ではなくカツやお米の味わいを昇華させているという絶妙なバランスを持った味付け。もちろん食後の胃もたれ感はゼロ。飛び抜けた何かはないけれど、万人にお薦めできる一品でした。これがこのお値段ならありがたいの一言。夜メニューでは「かつ重」となって1200円だそうです。

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359丼   食事処 楡木

都立大学   1200円    2021年10月

好み:★★★☆☆

開業したばかりのお蕎麦屋さん。「もち豚カツ重」をお願いしてスタイリッシュな木製のカウンター席で待つこと15分程。カツを口に入れるとブワッと甘辛い、これぞかつ丼という味わいが広がりました。肉は薄めで割り箸一本分くらいの厚み。脂身の甘さはありましたが特別な何かはなく、肉の風味は刻み海苔の香りに負けていました。衣はとても剥がれやすく、カツを箸で持ち上げると下側の衣はそのままお米に貼り付いている状態。食感はサクサクがしっかり残っていました。卵はお見事な半熟具合。玉ねぎは大きめにカットされ染み込み浅く存在感あり。割下は直球な塩気と甘さの後にほんのりと「かえし」の風味を感じました。それほど濃味ではありませんが、お蕎麦屋のかつ丼というよりとんかつ屋のかつ丼に近い味付け。お米はそれなりの量が盛られているもののカツのボリュームがいまひとつなのでお米だけがお重に残る結果に。決して納得できない一品ではないけれど「これが1200円かぁ」が正直な感想でした。

※残念ながら閉店されたそうです(2022年)


358丼   とんかつ皆川

西馬込    1700円    2021年10月

好み:★★★★★

都営地下鉄や東急線のどの最寄り駅からも徒歩で10分以上離れている場所でご夫婦が営むとんかつ屋さん。「かつ重」はロースで2500円、「かつ丼」はヒレで1700円という立地を考えればなかなかのお値段設定。カウンターの一番奥に着席して「かつ丼」を注文しました。「東の匠SPF豚」を使用しているそう。真ん中でカットされたヒレカツが3つ。とても柔らかくてジューシー。それでいて肉肉しい舌触り。なんとも私好みで恐るべし。しっかり味わいたいのでワインの時のチェイサーよろしく、カツを一口食べるたびにお冷やで口の中をリセットしては楽しみました。衣は薄くしっとりしていながらもパン粉をしっかり感じ取れる食感でした。卵はわずかに半熟が残る仕上がり具合で白身遣いが巧み。玉ねぎは大ぶりにカットされ、染み込み浅くシャキシャキ。玉ねぎ半個くらい入っているのでは?という量でした。割下は塩気も甘さも極めてマイルドでも卵にはいい塩梅の風味が纏われていました。お米全体が浸るほどたくさんかかっていてお米や具材のお味を昇華させるに充分、かつ、芳醇な肉の風味を邪魔しない絶妙な味付け。食後もまったく胃にダメージの来ない、引きずるようなクドい膨腹感にも襲われない逸品。ご夫婦の自然体な接客も含め、わざわざ食べに来た価値ありだと思いました。ただ、個人的にはもう少し力強い塩気を求めてしまう江戸っ子の性。あと、お店のせいではないのですが換気対策でカウンター奥の勝手口の戸が開けっ放しになっているのですが、隣にあるインドカレー屋から香草の匂いがプンプン漂ってきていたのが残念。入口の近くに座るべきでした。

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357丼   とんかつ ごりこ 自由が丘総本店

自由が丘   1320円    2021年09月

好み:★★★★☆

様々な飲食店を運営している「ゴリラソース」さんによるとんかつ屋です。総本店と銘打っていますが、現状は当店だけの模様。ランチメニューのかつ丼は「ヒレかつ丼」のみでした。キャベツ・味噌汁・ご飯はおかわり自由とのこと(ご飯をおかわりしたら丼にお米だけ足してくれるのかは不明です)。ふたつにカットされたヒレカツが3つ。揚げ立てアツアツの火傷注意なカツ、揚げ立てとは思えない程しっとりフニャフニャの衣。「もちぶた」を使用した肉はまずまずのサイズですがそれほど柔らかいわけではなく、味わいも濃厚とは言えず旨味の面ではもう一歩といったところでした。見るからに粗めの生パン粉を使っていることが分かる衣は前途の通りサクサク感は一切残っていませんでした。卵は完全に熱が通った仕上げで、玉ねぎは染み込み中程度でやや少なめ。割下は塩気も甘さもそれなりにあるのですが、前に出てこないのでどちらかと言うと薄味に感じました。肉の風味を邪魔しないけれど、そこまで肉自体に風味はないので個人的にはもっとストレートなパンチ力を求めてしまいます。でも、さっぱりしていて後を引く味わいなのも事実。しじみの赤だしはありがたい。キャベツは繊細さが今一つでしたが、赤だしをおかわりして、お米一粒残さず完食。大きなマイナスはないけれど目立ったプラスもない一品だなという印象でした。

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356丼   熟かつ亭

蒲田     1000円    2021年09月

好み:★★★★☆

グランデュオ蒲田の西館7階にあるとんかつ屋さん。かつ丼は同値段でロース(70g)・ヒレ(75g)・メンチ(チーズのせ)の3種類。セットの1品として生卵か小鉢かを選べました。ヒレと小鉢を選択。冷奴・わかめのお味噌汁・巾着の小鉢・お新香・おかわり1回可能のキャベツと一緒にご提供。それにしてもお盆のド真ん中に七味という配置を初めて見ました。豚肉は「やまと豚」お米は「あきたこまち」を使用しているそうです。三つ葉がたくさん散らされていて見た目は美しい。二口サイズのヒレが3切れ。柔らかいのですが味が薄い。衣は薄めでしっとりしていますが、たまにパン粉のキメ細やかな食感が残っていました。卵は熱が通った仕上がりで味わいに深さがない。玉ねぎは染み込み浅く、こちらは素材の風味が活きていました。大変良かった点はお米が私好みの柔らかさ。塩気も甘さも控えめな割下が豊富にかかっているので優しく滑らかな口触りでした。そして不思議な現象が。肉も衣も卵も割下も全てがマイルドでクセがないからなのか、食べ進めるごとに丼全体が味わい深く感じて来ました。確実に、1つ目のヒレカツは「うーむ」といった感じでしたが、3つ目は「うんうん」といった満足感がありました。小鉢類やキャベツ込み&駅ビルのレストラン街という立地込みでのお値段なのでしょうが、せめて3桁ならもう少し満足度も上がるかなと思っていましたが、終盤の旨味の追撃で評価が1つ上がりました。ごちそうさまでした。

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355丼   五大

桜新町    1375円    2021年09月

好み:★★★☆☆

国道246沿いにある焼肉屋みたいな造りの広めのお蕎麦屋さん。テーブルは半分ほどしか埋まってないように見えましたが3組待ちでした。注文してからご提供までは10分足らず。カツには割下の強めの甘さとお蕎麦屋さんならではの「かえし」の独特な風味がありました。肉はちょうど割り箸二本を合わせたのと同じ厚さ。歯応えや脂身の甘みは決して低クオリティではないのですが特に旨味などは感じませんでした。衣は全体的にサクサクというよりカリカリな食感。剥がれやすいこともあって、なんだか肉と衣が別の料理みたいな味わいでした。見た目は品の良いカツに思えましたが、筋切りされておらず噛み切れない部分も多く少々残念。卵はわずかに生が残る仕上がりで、たっぷりと入った玉ねぎは飴色になるまで煮込まれて染み込み深く、かなり強い塩気を纏っていました。割下自体の塩気が強く感じるのではなく、玉ねぎだけが塩辛いという印象。お店の雰囲気とお品書きに並ぶ値段に惑わされ、それ相応の一品に思っちゃいそうですが、かつ丼のベテランである私は騙されません。しっかり完食しましたし、向かいも両隣のお客さんも蕎麦とかつ丼のセットを注文していましたので人気メニューなのかもしれませんが、このお値段に見合う代物とは個人的には思えませんでした。

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354丼   とんかつ 末吉

赤坂     1300円   2021年09月

好み:★★★★★

百名店にも選ばれているTBS近くの老舗とんかつ屋さん。ロースとヒレが同値段でした。このケースでは私は従来ならヒレを選択するのですが「このお店のかつ重はヒレよりロース」という情報を信じて「ロースかつ重」を注文。10分弱でのご提供。「かつ重」と銘打っていますが蓋付きの丸い器でした。蓋を開けると三つ葉の彩り鮮やか、食欲をそそるビジュアル。カツを口に入れると優しい甘さが広がり、直後に肉の芳醇な旨味が押し寄せて来ました。これぞ、かつ丼の最大のセールスポイントだと思います。肉は割り箸1本から2本分ほどの、丼内の一体感・協和感に最も適した厚み。淡泊でもなければ重くもない絶妙な脂のり。衣は厚すぎず薄からず、たっぷりの卵と割下で煮込まれているのに所によってサクサク感が残っていて、しっとりとサクサクのコントラストを堪能できました。卵はわずかに半熟、玉ねぎは程良い染み込み加減でシャキシャキ食感でした。割下はしっかりした濃口。吸い込んだ卵と玉ねぎが上級なおかずになる強めの塩気に、ストレートでなく奥からじんわり来るような存在感のある甘み。それが柔らかめに炊かれたお米全体を包み込むまでかかっているので箸が止まりませんでした。ずっしりとしたボリュームであるにも関わらず、あっという間に完食してしまい「ああ、もうなくなっちゃった」と悲しい気持ちになりました。若い頃の胃袋だったらホントにもう一杯お願いしたいところ。そぼろ状の豚肉がゴロゴロ入った豚汁もそれなりの味わい。肉からも衣からも卵の閉じ方からも煮カツの乗せ方からも、さらに「ご飯よそって」「味噌汁を用意して」の指示のタイミングからも、こうだからこそ、ここまでの逸品を生み出せるのだと思わせる丁寧なお仕事ぶりが窺えました。

https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13013454/


353丼   寅

虎ノ門    900円   2021年09月

好み:★★★☆☆

ランチも人気の居酒屋さんのランチメニューです。一口目から上顎をヤケドするほどアツアツ揚げ立てのカツ。肉は割り箸二本を合わせた幅よりやや厚くボリューム感がありました。端の脂身が多い部分は肉の赤さが残る揚げ加減で、筋張っていて噛み切れませんでした。中央部分は柔らかく、わずかに旨味も感じました。衣は薄めですがザクザク・ガリガリとしたかなり強い食感を楽しめました。卵は少量で半熟仕上がり。玉ねぎは探さないと見つからないレベルで味わいなどは不明。割下は塩気も甘さも至って平均的。割下の味わいよりカツから発せられる「様々な食材を揚げまくった油」の風味を感じました。お米は割下が浸透しているところは具合がいいのですが、かかっていないところはパサパサ過ぎ。丼を空にしてお水を飲んでいたら横から店員さんの腕が伸びてきてお盆を下げられました。全然混んでいるわけでも暖簾間近でもないのに。また、私は苦になりませんが全面喫煙可。かつ丼自体は納得のできるクオリティーですが、食事における総合評価としてはあまり高得点は付けられないかなという印象でした。

※残念ながら閉店されたそうです(2024年)


352丼   恵比寿かつ彩 本店

恵比寿    1380円   2021年09月

好み:★★★★☆

チェーンのかつ丼弁当の最高峰だと思っている「新宿さぼてん」(011丼に掲載)が展開するとんかつ専門店です。それだけに期待を胸にアトレ恵比寿の6階へ。ロースとヒレが同じお値段。悩んでメニュー表に大きく載っていたロースにしました。肉は割り箸二本を合わせた幅をちょっと超える充分な厚み。赤身と脂身が半々に分かれてといったロースではなく全体に適度な脂のり。とても柔らかかったり噛み応えがあるところがあったりの楽しい食感で、豚肉の旨味をしっかり感じ取れました。そこはさすがのとんかつ屋のかつ丼。熱の通った卵は少量で両端の衣はそのままの見た目で残っていました。サクサク感はそこまで残っていませんでしたが、貴重な「こめ油」で揚げているとのことでキメ細やかな衣でした。玉ねぎは染み込み深く素材の風味が活かされていて過剰な塩気は感じませんでした。割下は優しくマイルドな塩気で、コクのある甘さ。小洒落た煮凝りの小鉢・あおさのお味噌汁・柚子の効いたお新香に手の伸びる余裕がないくらい夢中で食べ進めてしまいました。しかし、基本、塩気にパンチ力があり甘さに奥ゆかしさがある味わいを好む私にとっては、ロース肉から来る甘みと割下の持つ甘みが合わさって僅かながら甘さが強すぎるように感じました。また、卵の使い方などにとんかつではなくかつ丼にすることのメリットを感じさせる部分がなかったのが惜しい。それでも駅ビルのレストラン街でここまでの一品に出会えたのは儲けものでした。キャベツを一回おかわりして満腹になりました。

https://shinjuku-saboten.com/katsusai/


351丼   ローソン まちかど厨房

全国     598円   2021年09月

好み:★★☆☆☆

166丼にローソンのかつ丼は掲載しましたが、こちらはローソンの店内キッチンで調理された「まちかど厨房」ブランドの一品です。商品名は「とろーりたまごの三元豚厚切りロースカツ丼」。なんといっても卵が特徴的。細くカットされた少量の玉ねぎと一緒に割下で煮込まれて味付けされた「あんかけ」のような形状。それがカツの上からかけられていました。ふわふわ食感で甘さが際立つ中華出汁のような味わい。カツのサイズは小ぶりですが1センチを超える厚さで、歯切れのよい柔らかさ。脂身の甘さはないけれど肉の旨味は感じました。衣は薄く全体的にしっとり。ここはローソンの従来品との大きな違いかと思います。卵に味付けがされているので割下はかかっていなく、お米は白いまま。お米もふっくらしていますし、大食いの方でなければ満腹になるボリュームでした。しかし、個人的にはもっとストレートな塩気が欲しいところ。このお値段を出して弁当を食べるくらいなら、とんかつや立ち食い蕎麦の有名チェーン店にもっと安くてもっと満足感が得られるかつ丼が存在するからな・・・といった印象でした。

https://www.lawson.co.jp/recommend/original/machikadochubo/


350丼   大むら

石川台    800円   2021年08月

好み:★★★★☆

蕎麦屋の一大屋号「大むら」。しかしこのお店は町中華屋さん。「大むら」の看板に「中華そば」と書かれた赤暖簾はどこか不思議でしたが、王道の町中華メニューが並んでいました。肉は割り箸二本を合わせた幅を超える立派な厚さ。具体的な例が思い浮かばず口惜しいのですが、とんかつではなく別の豚肉料理のような味わいで、肉本来の旨味がある歯切れの良い肉でした。衣はとても薄く歯触りすら感じない繊細さ。卵はしっかり熱の通った仕上がりで、玉ねぎは染み込み浅め。割下は甘さが前に出ていました。猛暑の折、大汗をかいた状態で食すると塩気が鈍るものですが、それでも塩気を感じましたので強めに味付けされていることが窺えました。中華屋さんらしい味付けではないのが逆に親しみのある安心安定の一杯になっていました。

※残念ながら閉店されたそうです(2024年)


349丼   中華料理 味楽

高円寺    500円   2021年08月

好み:★★★★☆

メニューは豊富でも最高値が750円、しかもボリューム満点と噂の町中華屋さん。ご高齢のご主人がデキパキと調理、女将さんが黙々と給仕されていました。昼時を過ぎても客足が途絶えることなく、後から入ってくるお客さんが横並びのカウンターにディスタンス無視の至近距離で次々に着席。かといって、それで退店するのも憚るので、そこは黙って目の前のかつ丼に全集中することにしました。肉は1センチに満たなく薄め。横から断面を見ると、衣・肉・衣の三段層がすべて同じ幅。肉には胡椒の下味がしっかり効いていて、柔らか食感。揚げ立ての衣はしっとりしていて剥がれやすいのですが、所々歯応えの強い部分がありました。驚くのはお米の盛り。カツを一切れ持ち上げると、丼の縁までギッシリとよそられたお米が姿を現しました。卵は熱が通った仕上がりで、玉ねぎは染み込みが浅く少々辛い。割下はきちんとした強めの塩気と甘さ。後味のまろやかさは中華出汁によるものかもしれません。カツの肉自体は小振りサイズですので、どうしてもたっぷりのお米が残る形に。剥がれ落ちた衣をおかずにしようとするも、衣だけを味わうと若干焦げ感が。付け合わせの沢庵で程良く割下をまとったお米をすべて攻略。ワカメのお味噌汁は味噌の風味が原因なのでしょうか、私には生臭く感じて飲めませんでした。いろいろとマイナス面も挙げてしまいましたが、それが恥ずかしくなるくらいのコストパフォーマンス。これがワンコインって。ご主人の腰痛のため長期の休業を経ての営業再開だそうですが、懐と胃袋を支える名店としてこれからも頑張っていただきたいと思わずにいられませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13109475/


348丼   ふじもと

北参道    1600円   2021年08月

好み:★★★★☆

お隣にある同じ屋号のうなぎ屋さんはご兄弟が営んでいる姉妹店で、こちらはとんかつ屋さんです。ロースとヒレの「かつ丼」「かつ丼ライト」がラインナップされていました。「ライト」は肉の量が少ないそうです。「ロースかつ丼」を選択。ネギは玉ねぎか長ねぎかを選べるとのこと。玉ねぎでお願いしました。混んではいませんでしたがご提供までは20分ほど。じっくりと揚げられていました。蓋を開けるとドーン!と存在感のある実にご立派なビジュアル。肉は1センチを軽く超えるほどの厚さ。肉の柔らかさといい、脂の乗り方といい、これだけのお値段であることを納得できる高クオリティのカツでした。脂身は私にはかなり重く感じるほどの甘みがありました。衣は薄く剥がれやすいですが、粗めなので煮込まれてしっとりしていてもサクッとした歯触りが残っていました。カツの脂身がこってりだから衣がこのくらい軽いと全体のバランスが取れている印象でした。卵はカツの間に僅かに生が残る熱の通し方。玉ねぎは偏った配置で敷かれて染み込み浅めでシャキシャキ食感でした。塩気も甘さもやや強めの割下にたっぷりと包まれているので、ソースで食べるロースカツ定食とはまるで異なる上級料理になっていました。残念点を挙げればカツのボリュームに比べてお米の量が少ないこと。それでも食べ終わったあとはお腹にズシッとくる一杯でした。写真には写っていませんが、途中でちくわとコンニャクの小鉢が出てきました。

https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130901/13118531/


347丼   やぶ森

等々力    1030円    2021年08月

好み:★★★★☆

駅前のお蕎麦屋さんで昼時は満卓。しかしながら、注文から3分経ったかどうかという驚きの提供スピードでした。カツのサイズは小さめでも肉は割り箸2本を合わせた幅を超える厚さ。肉の断面は鈍い茶色で見栄えはしませんが適度な噛み応えがあり、肉本来の旨味も充分感じられました。端の脂身が多い部分は少々筋張っているものの、まぁ許容範囲。衣はかなりのボリュームで全体的に柔らかくモチッとした食感が作り置き感を増長してしまってあまり冴えませんでした。卵は熱が通った仕上がりで、玉ねぎは染み込み深め。割下はしっかりとした塩気で甘さは控えめ、「かえし」の風味にクセもなく、スキッとした味付けでした。これはご飯が進みます。お米の炊き加減も申し分なし。このお値段を出す価値はあると思いますし、これだけの数のかつ丼を食べ巡って来たが故に他所の高クオリティーの一品と比べてしまいますが、食べ巡りを始めた当初にこのかつ丼に出逢っていたら「大満足のかつ丼」のページに掲載していたことでしょう。 

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131715/13003095/


346丼   どどん

下高井戸   700円    2021年07月

好み:★★★☆☆

デカ盛りで知られる丼物のお店。大盛り以上で注文すると完食できない場合は罰金だそうです。メニュー表に並ぶ「ブッチャー丼」「ラリアッ丼」などの名称を見るに、かなりのプロレスファンでいらっしゃるご様子。肉は1センチほどの平均的な厚み。まったく噛み切れないのでそのまま口に放り込むことに。そこまで硬くはないですが旨味やジューシーさは感じませんでした。衣は完全にしっとりしていて、ヌメヌメした食感。なによりカツから漂う汚れた油のような匂いが気になりました。卵は熱が通っていて、玉ねぎは中程度の染み込み具合。「普通盛り」で400gあるというお米がパサついているのが残念でした。割下は塩気「そこそこ」、甘さ「そこまで」といった印象。特徴はないものの、ご飯が進む風味でした。それだけに、お米の量を考えると卵も玉ねぎも不足感があり、割下ももう少し潤沢にかかっていて欲しいところでした。ワカメのシンプルなお味噌汁は家庭的な味付け。クレームでも何でもなく事実として、お米の中から短い髪の毛が2本出てきました。その周辺のお米だけ残して完食。満腹。味わいを楽しむのではなく、腹一杯にすることを目的とした食事になりました。このボリュームでこのお値段は良心的としか言いようがありません。

https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131809/13048948/


345丼   星月

国領     1380円    2021年07月

好み:★★★★☆

狛江通り沿いに上品に佇むお蕎麦屋さん。特筆すべきは特徴的な衣の食感でした。しっかり煮込まれていて剥がれやすく割下も卵もかかっているのですが、サクサクと言うかカリッカリッとしたクリスピー食感。硬いわけでもなく適度な歯触りは他では経験したことのない感覚でした。肉は厚い所で割り箸二本を合わせたのと丁度同じ厚さ。脂身も多めに存在していて甘みがあり、サイズ的にも平均を上回る代物でした。卵は少量で半熟仕上げ。玉ねぎは染み込み浅めでシャキシャキしており、カツの脂っぽさを和らげる役割を担っていました。割下は過不足のない塩気で控えめな甘さ。「かえし」の風味に変な主張もなく、ほっこり安心の味わいでした。お米はわずかに硬めに炊かれていて潤沢にかかった割下との相性もなかなか。カツが無くなった後も優しい塩気のお新香と楽しみ、一粒残らず完食しました。ご主人たちの爽やかな接客、客が入れ替わるたびの徹底的な除菌作業、こういったことも含めてのこのお値段と捉えれば納得のいく一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1326/A132601/13051476/


344丼   松月

東長崎    600円    2021年07月

好み:★★★★★

ラーメンが350円という抜群のコストパフォーマンスと味・盛り付けの良さでここのところ噂を呼んでいる町中華屋さん。14時過ぎなのに満席でした。手際よく黙々と次々に調理をしていく年配のご夫婦が切り盛りされていました。カツを一切れ持ち上げると2センチはあろうかという驚きの分厚さ。脂身は極めて少なめなので歯応えが強く、まさに肉の塊に齧り付いているような感覚。ジューシーさは無くさっぱりしていますが、噛み締めていくと肉本来の旨味がありました。ただ、最後の方は単調な淡泊さにやや飽きが来てしまいました。薄くて剥がれやすくキメの荒い衣は、丼内の脇役に徹しており軽めの仕上がり。卵は熱が通り、玉ねぎは染み込み中程度で素材の甘さが活きていました。割下は薄口とまではいかないまでも塩気も甘さも前に出ていないマイルドな味わいで、誰にも受け入れられるタイプではないかと思いました。お米の炊き加減もかつ丼にジャストマッチ。中華スープは味わい深く、お新香は優しい味付けでした。高品質なカツではないですが、この食べ応えでこのお値段は衝撃的。噂が噂を呼んでいるのにも納得のお得感満載な逸品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1321/A132101/13022794/


343丼   巌窟王

武蔵小金井  950円    2021年06月

好み:★★★★☆

駅からは1キロ以上と遠く、都道沿いにある長い横一列のカウンター席のみのとんかつ屋さん。注文時に支払いをする前金制でした。特徴的な見た目のかつ丼で、ニラとニンジンの細切りがカツと一緒に卵で閉じられていました。完全に熱の通った卵はふんだんに使われていて、中のカツがどうなっているの分からないほど。横に4切れ縦に1切れ配置されたカツを口に入れるとなんとも香ばしい風味がありました。肉はとんかつ屋さんの一品としては薄めで1センチに満たない厚さ。とんかつ定食のカツと比べると少し見劣りしました。端の方は脂身もあって甘みを携えた味わい深さがありましたが、赤身部分はやや淡泊な印象。衣は薄くて剥がれやすく全体がしっとり。玉ねぎは少量で染み込み深めでした。割下は豆腐とワカメのお味噌汁や漬物のほうが強く感じる程度の塩気で甘さは控えめ。それでもカツや卵やお米を昇華させるには充分な、まさに箸が進む味付け。多く盛られたお米も一粒残らず完食し満腹になりました。

※残念ながら閉店されたそうです(2023年)


342丼   富士見屋 本店

桜新町    920円    2021年06月

好み:★★★★☆

「本店」と名が付くも他でよく見掛ける屋号でもなく、サザエさんで有名な桜新町の駅から少々離れた住宅地に佇むテーブル5つの小さなお蕎麦屋さんでした。昼時を過ぎた時間でしたが前にも後にも客は私1人。立地から推測するに(コロナ禍の影響もあるのか)、出前が主力なのかもしれません。木のお箸とイチョウ切りされたじゃがいもの入ったお味噌汁と優しい味付けのお新香と一緒に出てきた「かつ丼」は見目麗しい。揚げ立てのカツを一口頬張るとふわっとまろやかな甘さが広がりました。これは当たりの代物だと確信。しかしながら肝心の肉は箸1本分くらいの薄さ。サイズ的にはそれなりも、脂身もなくやや物足りなさが否めませんでした。衣は肉と同程度の厚みで強めのサクサク感が残り、楽しい食感。卵は見事な半熟具合。玉ねぎは染み込み浅めで、これだけでおかずとしても充分な役目を果たしていました。なんと言いますか・・・肉の下味の付け方、衣が纏う香り、お蕎麦屋さんならではの「かえし」の効いた割下の風味、そのすべてが相まって、残念極まりないクオリティーの肉を絶品の豚肉料理に押し上げているといった印象。カツのボリュームが少なめなので、最後は割下のしっかり浸透したお米だけを食べることになりましたが、塩気も甘さも過不足なくバランスの取れた味わいの割下のおかげで堪能できました。お味には何の文句もないものの、肉の質を考えるとちょっとだけ割高かなと感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131707/13073952/


341丼   中村麺兵衛 渋谷店

渋谷     790円    2021年05月

好み:★★★★★

全国に数店を展開する生そば屋さん。現時点では都内に唯一のこちらの店舗が「かつ丼」を売りにリニューアルされたとのことで伺いました。「厚みかつ丼」というメニュー名の通り、1円玉の直径以上2センチ超えの厚さのカツ。野球ボールを3つにカットしたような形状でした。半熟部分が残る卵にしっかり閉じられているのではなく、033丼に掲載した「鈴新」さんで言うところの「かけかつ丼」のような仕上がり。うっすらピンク色の肉は脂身が霜降り状態で微かに存在する程度なもののとても柔らかく、下味の黒胡椒も適度に効いていて芳醇でした。ボリューム的にも充分。5分とかからない提供スピードから揚げ立てではないのでしょうが、衣は薄く繊細で卵が触れていない所はサクサク食感でした。割下は塩気控えめで甘さほんのりといったマイルドな味付け。各素材の味わいを活かしていました。玉ねぎは薄くスライスされて染み込み浅く風味豊か。お米はやや柔らかめに炊かれ、私好みの噛み応えでした。揚げ油の甘い香りと卵の黄身がお米全体に浸透しているのもGOOD。蕎麦つゆベースのワカメスープも優しい塩気。個人的な好みで言えば、もう少し向かってくるような塩気と、もう少し卵とカツの協和感さえあれば最高評価の逸品でした。この場所は昔から新しいお店が出来ては消え出来ては消えを短期間で繰り返している難しい立地。コロナ禍の厳しい中でもなんとか頑張って欲しいものです。

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13208541/


340丼   十割蕎麦 嵯峨谷 浜松町店

浜松町    650円    2021年05月

好み:★★★★☆

現時点で都内に6店舗展開しているコスパ優秀のお蕎麦屋さん。時期や店舗によって「かつ丼」がメニューに現れたり消えたりしている模様で、この浜松町店も去年までは「かつ丼」は存在しておらず、久しぶりに訪問したら出現していました。揚げ立ての天ぷらが売りひとつですがカツは作り置き。それでも調理担当は1人なので多少時間がかかりました。調理工程を席からぼんやり眺めていましたが、卵の溶き方や火の入れ具合・割下の量などなど店内の混雑状況によって出来が変わりそうな気配がプンプンしていました。さてさて提供された一品は・・・。たっぷりの三つ葉に彩られたビジュアルは申し分なし。肉は厚さは1センチを軽々と超え、衣も合わせれば2センチはありました。脂身はなく、とても柔らかで食感はロースじゃなくてヒレ。しっかりと旨味も感じました。クオリティとしては、チェーンの立ち食い蕎麦屋さんの中では021丼に掲載した「小諸そば」に匹敵、いや、それを凌ぐ最高峰だと思います。衣は当然しっとり。卵は贅沢に2個使われ、ほぼ完全に熱の通った仕上がり。玉ねぎは少量で染み込み深め。割下は塩気が程良く甘さはかなり控えめで、飽きることもモタれることもなく食べ進めることができました。唯一残念だったのは、お米が少々硬すぎること。割下もそれなりにかかっていますが、それでも補いきれないパラパラ感。相当な空腹だったから完食しましたが、そうでなかったらお米だけ残してしまっていたかもしれません。日によってお米の炊き加減も変わるでしょうが、もう少し柔らかくカツや卵との協和感があれば大満足な一杯でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13123798/


339丼   丸亀製麺 六本木ティーキューブ店

六本木一丁目 520円    2021年05月

好み:★★★★☆

大手うどんチェーン「丸亀製麺」の一部店舗限定で提供されている裏メニュー的な存在の「かつ丼」。都内にはこの店舗にあるとの情報を得て来店しました。カツは作り置きですが揚げてから20分経過したものは廃棄するとの噂を証明するように、ぬるいことはありませんでした。肉は1センチほどのしっかりした厚みで、サイズもそれなり。脂身は見受けられないものの柔らかくて淡泊さのない味わい。衣はしっとりとして肉付きが良く、余計な主張はナシ。卵は熱が通っていて、玉ねぎの染み込み具合は中程度。共に惜しみなくたっぷりと使われているところに、一大チェーンの心意気を感じました。玉ねぎが豊富に入っていると「かさ増し」として低評価を付ける方もいらっしゃるけれど、私にとってかつ丼ってのはカツと卵と玉ねぎを割下の染みたお米と一緒に味わう料理。一杯の中で様々な味覚が楽しめつつ、その全てが協和しているため、これは高評価です。割下はガツンとくる濃味。甘さはそこまででもないですが塩気はかなり強め。肉の風味の弱さを見事に昇華させていました。お米を一粒残らず茶色く染め上げているほどかかっているので、食後は喉が渇くこと必至。でも、それだけに全体のボリュームは少なめなのに食べ応えを感じました。お椀のスープは、まさに丸亀製麺のおつゆの味でこちらも濃口。かつ丼は手間が掛かるだけに全店舗での提供は難しいとは思いますが、少しでも多くの店舗で食べられるようになることを願わざるを得ませんでした。

https://stores.marugame-seimen.com/110736


338丼  とんかつ工房 アコルデ代々木上原店

代々木上原  600円    2021年04月

好み:★★★★☆

小田急グループが展開しているとんかつ屋さん。カナダ産の豚肉を使用しているのは有名チェーン「かつや」さんと同じ。割り箸二本分くらいの厚さで、ピンク色の綺麗な肉はサイズも立派。しっかり歯応えもあり、脂身の多い部分は甘くジューシーでまさにお値段以上でした。衣は卵が少ないのでサクサク感が程良く残っていました。卵はカツとカツの間にわずかに生が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み深く、素材そのものの味が活きていました。国産米のお米は、最初は割下の味わいとお米の風味が喧嘩しているように感じましたが、食べ進めるうちに気にならなくなりました。お米がやや硬めかと思いましたが、これは個人の好みの問題。このぐらいの硬さ加減が一番人気なのかもしれません。割下は決して薄口ではないけれど、しょっぱさも甘さも特に感じない優しくマイルドな味付け。私としてはもう少しパンチ力が欲しいかなという印象でした。この価格帯のチェーン店の一品としては最も「とんかつらしさ」を持っているかつ丼でした。

※残念ながら閉店されたそうです(2023年)


337丼   かつてん 浜松町クレアタワー店

大門     548円    2021年04月

好み:★★★☆☆

札幌発祥で北海道・東北に多く展開している天丼・かつ丼のチェーン店。現時点、都内唯一の店舗です。肉は、このお値段なのを忘れるほどの厚み。割り箸二本分はありました。さすがに肉質は味わいが単調で特段柔らかいわけでもない、ありがちな代物。衣も厚めで、卵の量が少ないこともあり、生パン粉のサクサク食感がしっかり活きていました。卵は熱が通った仕上がりで、玉ねぎはかなり色濃く割下が染み込んでいました。割下は甘さが前に出てはいるものの甘さも塩気もやや弱め。札幌かつ丼の定番の味付けなのでしょうか。東京かつ丼のガツンと来る味付けに慣れているからかインパクトを感じない印象でした。塩気を求めてお漬物に箸をのばすもお漬物も甘めの味付け。わずかに存在するロース肉の脂身の質感と衣から来る油っぽさで、私にはちょっとだけ重く感じました。しかし、この立地でこのお値段なら昼時はサラリーマンたちが行列を作るのにも頷けます。

※残念ながら閉店されたそうです(2023年)


336丼   遊旬 こだま

目黒     1080円    2021年04月

好み:★★★★☆

カウンター席の京料理屋さんのランチメニューです。「かつ丼定食」とのことで、惣菜2品・漬物・お味噌汁が付いていました。スマホよりも一回り小さいくらいのかわいいサイズで、1センチ弱の平均的な厚さのカツ。脂身が少なく、割下の味わいの影響もあって、どちらかというとあっさりいただけるタイプでした。その割下はマイルドな甘さが先に来て、角の取れた塩気がほんのりと追いかけてくる優しい口当たり。多めにかかっていますが、かけ方が偏っていてお米がヒタヒタになっている所と白米のままの所がありました。私としては丼内の一体感に欠けるように思いましたが、これぞ適切なかけ方とする人もいらっしゃるので、そこは評価の分かれ目になるのかもしれません。衣は薄くて肉付きが良く、端の方にわずかにサクサクが残っていました。卵は半熟仕上がり、玉ねぎは少量ですが染み込み加減も良く甘い風味が活きていました。味付けも量もお店の雰囲気も、まさに「お上品」な一杯。それにしても、蕎麦類に付け足す「ミニ丼」の域のボリューム。メニュー表に明記されていた「全メニューご飯大盛り無料」は、「お米を残されるくらいなら小盛りで提供するから、たっぷり食事したい人は大盛りにして」という意味だと理解しました。味わい自体はクセもなく問題はありませんでしたが、満足感は惜しくもいま一歩という印象でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13090370/


335丼   一膳

高田馬場   650円    2021年04月

好み:★★★★☆

昼間から酔客のいるタイプの定食屋さん。小振りなサイズで、割り箸二本を合わせたのと丁度同じ厚さのカツが2枚乗っていました。肉は脂身はほとんど無いですが柔らかく、衣は薄くて割下や卵がかかっていない所でもあまりサクサクしていない仕上がりでした。卵はほぼ完全に熱が通っていて、玉ねぎは厚切りで染み込み浅くザクザク食感。衣から放たれる油の香ばしさ、肉の下味の塩胡椒、塩気は平均的で甘さがやや強めの割下が相まって、なかなか楽しい味わいでした。ただ、食べ進めるうちに油気と甘さによりだんだん重く感じる一面もありました。お米が少々パサついていたのも気になりましたが、お値段を鑑みれば優秀な一品だと思えました。

https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13010857/


334丼   蕎麦源

反町     700円    2021年04月

好み:★★★★☆

神奈川県は横浜の隣駅にある、昼は食券制のお蕎麦屋さん・夜は居酒屋さんという営業形態のお店。全品大盛り無料とのことでしたが普通盛りで注文。カツを一口頬張ると、お蕎麦屋さんの品らしく「かえし」の芳醇な風味が広がりました。これはタレかけご飯で何杯もイケるやつです。薄めの肉に、それと同じくらいの厚さの衣はとにかく柔らかい。全体的にふにゅふにゅした食感でとてもまろやかでした。決して上質とは言えない出来合いのカツでも調理法と味付けでここまで昇華できるのだと感服。割下の塩気と甘さもしっかりとしつつ出過ぎることのない味わい。卵はわずかに熱を通しただけの半熟加減。玉ねぎは染み込み浅く、シャキシャキ感が残っていました。あえて難点を挙げれば、お米の風味と割下の風味の協和感が少し足りないくらい。これが俗に言う「家庭では出せない味」なのかなと思いました。

https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140205/14012527/


333丼   ほかり食堂

石神井公園  850円    2021年03月

好み:★★★★☆

325丼に掲載した辰巳軒さんと共に「坂口安吾ライスカレー100人前事件」の舞台となったことで知られる老舗食堂。背中の大きく曲がったご主人と恰幅の良いお姉さんがゆった~りと切り盛りされていて、先客は2名だけでしたが35分も待ちました。カツは脂身少なめの肉で、中央部分は割り箸2本を合わせたくらいの厚さ。やや淡泊な味わいではあるものの柔らかくて食べ応え充分でした。衣は薄くて繊細。黒く焦げている所もありましたが、特に焦げ臭さはありませんでした。揚げてから随分長いこと放置されていたので(厨房内がよく見える席だったのでしっかりチェックしてました笑)、カツが全体的にぬるいのが残念。卵は熱がしっかり通り、玉ねぎは染み込み浅く半生状態の仕上がりでした。割下を吸い込んだ卵がしょっぱく感じるほど塩気は強め、甘さはまろやかで程良く、まさに食欲をそそられる風味。咀嚼している途中でさらに口に放り込んでしまうほど箸が止まりませんでした。上品じゃないけど雑味のない一杯。石神井公園の二大老舗食堂の「かつ丼対決」は、こちらのお店に軍配を上げました。

※残念ながら閉店されたそうです(2023年)


332丼   二八庵 さらしん

自由が丘   2100円    2021年03月

好み:★★★★☆

私の中で史上最高額の一品。055丼目に掲載した「藪伊豆」さんと並び、この地の二大老舗蕎麦屋さんだそうです。食した感想の結論から申し上げますとお値段の4割はショバ代かと。黒豚を使用したカツは平均より少しだけ上くらいの厚さ。サシの入った肉は特段柔らかいわけでもなく旨味溢れるわけでもなく筋張って噛み切れない部分もありましたが、脂身は適度な甘さを纏い、それなりの味わい深さはありました。衣は端のほうにジャリっとした食感が残っているものの全体的にはしっとり。卵は熱が通ったタイプで、玉ねぎは染み込み深く綺麗な色合いでした。割下は甘さが際立ち、塩気も充分。お蕎麦屋さんならではの「かえし」の風味とコクを感じました。これだけでご飯何杯でもいける、「蕎麦屋かつ丼」の「濃いほう」の王道の味付け。それだけにお米の盛りが上品だったのは少々残念でした。はまぐりのお吸い物とお新香は優しい味わい。これといった不満はありませんが、このお値段に納得はできませんでした。

※駅の反対側(世田谷区)に移転、店名が「さらしん」になりました(2023年)


331丼   さかえや

旗の台    550円    2021年02月

好み:★★★★☆

個人経営のお弁当屋さん。ガラスケース内のお惣菜を一品選べるとのことで、ひじきや切干大根などが並ぶ中、マカロニサラダを選択。揚げ立てを提供しているため10分待ちの旨がメニューに記載されていましたが、そこまでは待たずに受取完了。近くにあった公園のベンチでいただきました。カツは大きさも厚さもこのお値段のお弁当だと考えれば申し分のないクオリティ。肉は脂身はないもののパサつくこともなく柔らか。厚めの衣はしっとりしていて滑らかな口触りでした。カツの間に卵の白身が生で残る仕上がり。玉ねぎはたっぷり入っていて染み込み浅めでシャキシャキ食感。割下はやや刺激のある塩気、マイルドで後から来る甘さといった印象。どれだけ食べても飽きることのない味わいでした。お米の炊き加減も見事にフィットしていました。器に入れてお湯で溶かすタイプの「しじみ汁」まで付いていました。実力派のお弁当屋さんに出会えました。

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330丼   とんかつ ひびき

等々力    1500円    2021年02月

好み:★★★★★

最寄りである東急大井町線の等々力駅からも1キロ以上、住宅地の中で遭遇したとんかつ屋さん。ネットで調べたら高評価でしたので入店してみました。豚肉は林SPF。低温揚げのため提供まで時間がかかる旨がメニューに表記されていました。ご飯のサイズを聞かれたので大盛り無料のようです。昼時を過ぎていてお客さんは私一人のみ。耳を懲らしても油で揚げる音がまったく聞こえてこないので相当な低温調理のご様子。注文から15分で提供頂きました。カツは、サイズは大きくはないけれど厚さは割り箸二本を合わせた幅を軽々と超えていました。カツの断面は美しいの一言。ピンク色の肉と澄んだ脂身が半々のグラデーション。端のほうのカツは筋張っているのが気になりましたが中央付近は歯切れ良く柔らかく、脂身に過剰な甘みがないので重たさを感じずに食べ進めることができました。衣はしっとりしているのにキメ細かいパン粉の食感が絶妙。卵はほぼ熱が通った仕上がりでほんのり甘く良質な品を使っていることがうかがえました。玉ねぎは少量で染み込み浅め。割下はトゲのない塩気で甘さは控えめ。これが功を奏していました。これまでの経験上、林SPFの脂身は甘さが強めなので割下も甘いとクドさばかりが前面に出てしまい、正直なところ、「お値段ばかり張ってかつ丼との相性が悪い豚肉」だと思っていました。こちらは林SPFを使用したかつ丼の中で最も私好みの味付け。カツの風味と旨味だけで充分お米を堪能できました。お米は熱々なのはいいのですがカツとの一体感はもう一歩足らない印象。豚肉がゴロゴロ入った豚汁は抜かりなく、唐辛子がまぶされた白菜のお新香が口の中をさっぱりしてくれました。贅沢を言えばキャベツの千切りが付いていたら文句なし。わざわざ出向いてこの金額を払うだけの価値のある逸品でした。

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329丼   はや川

鵜の木    520円    2021年02月

好み:★★★★☆

早川製麺所が店舗の裏手で直営している極狭のお世辞にも綺麗とは言えない立ち食い蕎麦屋さん。かけそばが210円という驚きのお値段設定。かつ丼を注文すると従業員のおばさまが作り置きの天ぷらや揚げ物が入れられたカウンター上のトレイからカツを取って調理開始。ちなみに、カツはそれが本日最後の1個。危なかった…。小さめの器に盛られたかつ丼を見てビックリ。とてもこのお値段の品とは思えない肉厚ぶり。1センチを軽く超えていました。しかもカツ2切れを食べないと下のお米が顔を出さないほどのサイズ。肉は脂身はなくやや淡泊だけれど柔らかく、安価のカツにありがちな変なモチモチ感もありませんでした。作り置きのカツがちょっとぬるかったのが少々残念と言った所。卵は硬く熱が通ったタイプで、玉ねぎはたっぷり入って染み込み浅く、シャキシャキ食感でした。割下はふんわりとした甘さが立ち、醤油そのものではなく蕎麦つゆの「かえし」の味付けを活かした優しい塩気。食べている最中より後味のほうが強く思えました。割下がたくさんかかってビシャビシャになっていても柔らかすぎにはなっていないお米の炊き加減もお見事。腹ペコなら、かけそばも追加でいけちゃうくらいのボリュームですがコストパフォーマンスは優秀の極みでした。もし、カツが揚げ立てのアツアツだったら、コスパ部門において都内トップクラスの一杯でした。

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328丼   一二三屋

矢口渡    800円    2021年01月

好み:★★★★☆

目当てのお店に伺うも「今日はかつ丼終了」とフラれてしまい、アテもなく街道沿いを歩いている途中にあった住宅地の中のお蕎麦屋さん。メニューが実に豊富で、かつ丼類だけでも、かつ丼・ヒレカツ重・特上カツ重の3種類が並んでいました。せわしなく店内外を往き来する店員さんと女将さんの「お店!かつ丼!」という注文の通し方から出前フル回転のご様子。丼と一緒にお盆に乗ってやって来たのは、しめじのお味噌汁・大根などの煮物・辛みの効いたお新香、そしてピルクル。こういった心遣いがニクい。肉は1センチほどで、衣も含めると割り箸2本を超える厚さ。断面はこれまで何度も遭遇してきた「廉価のがっかりカツ」と同じような真っ茶色のビジュアルでしたが、歯応えはあるものの硬くはない、それなりのクオリティを持った代物でした。脂身は端の一切れにのみ存在。衣は全体的にしっとりなめらか。卵はほんの少し白身が生で残る仕上がりで、玉ねぎは染み込み深くキレイに色付いていました。割下はしっかりした塩気でクドくない甘さ。割下を吸い込んだカツと卵と玉ねぎは、まさにご飯が進む味わいでした。ちょうど良い硬さに炊かれているので多めに盛られたお米もあっという間に完食。飛び抜けた部分はないけれど、週3で食べても飽きが来ないであろう一品でした。

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327丼   楓庵

大井町    850円    2021年01月

好み:★★★★☆

同じ屋号の飲食店が全国で散見されますが、こちらは大井町駅から少し離れた立地にある酒肴からラーメンまで幅広いメニューが並ぶ町のお蕎麦屋さん。運ばれてきた瞬間からお蕎麦屋さんのかつ丼らしい出汁の良い香りがしました。茶色い肉は割り箸二本を合わせた幅を超える所もある厚さ。脂身部分は気になるほどではないけどやや筋張っていました。ロースを継ぎ接ぎしたような肉で、箸で持ち上げるとカツが真ん中から2つに折れることも。肉の旨味を感じるとまではいかず、まぁまぁのクオリティと言ったところでした。薄めの衣は全体的にしっとりしていましたが部分によってはガリッとした食感がありました。卵は熱が通っていて、玉ねぎは染み込み深く、素材の味も残っていました。割下は塩気も甘さも「かえし」の風味も量も過不足なく、とてもバランスが取れた安心安定の懐かしい味わい。あさりのお味噌汁も優しい味付けでした。

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326丼   大天

中村橋    620円    2021年01月

好み:★☆☆☆☆

店先で天麩羅や揚げ物を売っている地元密着型居酒屋さんのメニューにあった一品。仕事中でしたのでお酒は我慢して「かつ丼」のみを注文。お値段的にもさほど期待はしていませんでしたが、出てきてびっくりな本格ビジュアル。卵の閉じ方は雑(?)ですが生に近い半熟具合の卵は食欲をストレートにそそり、肉は優に1センチを超える厚さでボリューミー。これはとんでもない掘り出し物を見つけたかと期待を膨らませて食べ始めましたが…トンカツと言うより、スーパーで大安売りされている低品質ローストポークのような食感の肉で、硬いわけではないのに噛んでも噛んでも噛み切れないゴムのような部分もありました。こんな肉のかつ丼に出逢ったのは初めてでした。味わいも淡泊すぎる印象。衣は完全にしっとりを超えて食感すらありませんでした。玉ねぎはたっぷり入って染み込みは浅く、半生といった状態で少々辛い。割下は塩気も甘さもボンヤリとした薄口でした。確信はありませんが、ソースが入っているような気がしました。身体には優しそうですが、深酒の酔客が締めに頼んだら何の味もしないのではないかと心配になってしまいます。私にとっては言葉は悪いですが「見かけ倒し」の典型でした。スープカップに盛られた豆腐のお味噌汁もかなりの薄味。山菜とシラスとゴマのおひたしは、お酒を呑んでいたら良いおつまみになるだろうなとは思いました。

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325丼   辰巳軒

石神井公園  750円    2021年01月

好み:★★★★☆

ラーメン類も豊富な歴史ある洋食堂です。揚げ立てのカツはサイズは小振りの域も、肉の中央付近はちょうど割り箸2本を合わせたくらいの立派な厚さ。脂身も充分でとてもジューシーな口触りでした。衣は薄く全体的にしっとりしているものの、たまにガリッとくる硬さも持ち合わせていました。卵は半熟で玉ねぎは染み込み深め。割下は甘さが先に来て塩気が後からしっかり押し寄せる味付け。特に割下を吸い込んだ卵と玉ねぎは塩気が強く感じ、お米のおかずとして適度な味付けとなっていました。ただお米が柔らかすぎるのがやや残念。中華スープはまろやかな薄味。きゅうりのお新香は独特な風味でした。個人的な好みとしては★3に近い4といったところでした。https://tabelog.com/tokyo/A1321/A132103/13082505/


324丼   とんかつ 旭軒

神田     1150円    2021年01月

好み:★★★★☆

2021年の「かつ丼初め」は、外観がお洒落なご家族経営と思われるとんかつ屋さん。若い男性(息子さん?)がピリピリしたムードで次々とカツを揚げていらっしゃいました。卵とじにするのではなく、割下と一緒に煮込まれた卵と玉ねぎをお米にかけ、その上にカツが乗り、さらに青海苔が丁寧にトッピングされていました。023丼に掲載した「瑞兆」さんや219丼「いけだ」さんに似たスタイル。私の理論からすると、これは「かつ丼」ではないのですが、食べてみると味わいも食感も「かつ丼」そのものでした。そうと言うのも…カツ・卵・お米を別々に味わうような「カツ乗せご飯」とはまったく違い、割下と卵の巧みな使い方によってきちんと協和感が演出されていました。薄く繊細さのある衣は、上側がサクッとしていて、下側は割下を含んでしっとり。これまでにない食感を楽しめました。特に卵の柔らかな仕上がりは素晴らしいの一言。玉ねぎは染み込み深めでもシャキシャキが残り、これまたもう1つの食感を演出。肉は1センチほどの充分な厚さ。脂身も豊富で柔らかで肉汁たっぷり。私には脂身の甘さが少しだけ重く感じましたが、これは完全に年齢のせいだと思われます。ここまで旨味のある肉なら青海苔は必要ないかなという印象。彩りや味変の効果があるのは確かですが肉の風味を消してしまっている気がしました。割下は優しい甘さがあり塩気は控えめで、どちらかと言えば薄口。量もそこまで多くないものの、素材ひとつひとつの味が活きているので物足りなさなどは一切感じませんでした。ワカメと豆腐のお味噌汁はアツアツ。お新香はすっきりした味付け。極寒に震えながら入店したのが嘘のように、退店時には額に汗が浮かぶほど身体の温まる一杯でした。

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323丼   弁けい

西新宿    890円    2020年12月

好み:★★★★★

新宿駅から徒歩10分ほどにあるとんかつ屋さん。先に一味と七味、お新香にポテトサラダにお味噌汁が出てきました。私は丼が到着するまでは何も箸をつけない性格なので、お味噌汁が冷めてしまうことを危惧していましたが、そんな心配ご無用とばかりにすぐに提供いただきました。他のお客さんも注文からカツが揚がるまでものの5分ほど。高温で一気に揚げているご様子。熱々のカツはサイズ的にも重量感がありました。肉は割り箸二本を合わせたくらいの厚さでとても柔らかく、脂身はほんのり甘く赤身部分とのコントラストが素晴らしい。衣は薄く、所によってサクサク感が残っていました。もちろん焦げ臭さなどは皆無。卵の生の白身・肉汁・衣と肉のわずかな隙間から溢れ出てくる割下が相まって、まさに瑞々しい口触りでした。卵は半熟仕上げで、玉ねぎは中程度の染み込み加減でシャキシャキ食感。素材の風味が活きていました。割下はしっかりした塩気と、それを下支えする適度な甘み。お米全体が飴色に染まるほどかかっていて、丼内を見事にまとめ上げていました。脳と胃袋を同時に満たせる、お値段と照らし合わせても秀逸な一杯でした。

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322丼   いち川食堂 本店

八王子    700円    2020年12月

好み:★★☆☆☆

以前、八王子駅前にあった支店は閉じてしまったため本店のみ営業中。お昼時を少し過ぎた時間に伺うと、私の後ろのテーブルでは年配の常連客たちが将棋を指し、前のテーブルでは店員のおばあちゃん2人が仲良く並んでお食事中でした。メニュー表に定食類・丼類・ラーメン類などが並ぶ中、トップに書かれているのが「かつ丼」。これは期待が膨らみます。しかし。肉は1センチ弱でやや薄め。衣も薄く剥がれやすい。そして、どちらもヌメヌメした食感であまり箸が進みませんでした。カツ全体から香る油臭さも気になりました。卵は熱が通った仕上がりで、玉ねぎは割下によって濃く色付いていますが染み込み自体は浅めで量多め。割下は丼底に溜まるほどかかっていてお米全体が真っ茶色になっていました。味付けは塩気より甘さがクドく強い。さらに酸味を感じました。この酸味が私の好みとは随分かけ離れていました。豆腐たっぷりのお味噌汁に冷奴も付いていましたのでお腹いっぱいにはなりました。店構えから昭和感のあるほっこり系のかつ丼を想像していましたがクセの強い一杯でした。

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321丼   ちとせ

八王子    600円    2020年12月

好み:★★★☆☆

八王子ブラックと称される黒いスープのラーメンが有名な町中華屋さんです。かつ丼と一緒に出てきたスープも黒い。大豆と小麦の発酵熟成による色で塩分控えめであるとメニューに表記されていましたが、味の感想は「しょっぱい」の一言。カツを頬張ると今度は「甘辛い」の一言。直接的な醤油の塩気に直接的な砂糖の甘みを強く感じました。カツはこのお値段なのが信じられないくらいの大きさ。肉は割り箸一本より少し厚いくらいで脂身は少なめ。衣は厚めでしっとり。モチモチした食感のカツで特に旨味などはありませんでした。熱の通った卵も甘辛く、玉ねぎは染み込み浅め。通常、玉ねぎはカツとお米の間に配置されているものですが、当店はカツの上に玉ねぎを置き、その上から卵とじにしてありました。割下の量は少なめでボリュームたっぷりのお米はカツと接している上層部以外は白いまま。カツの食感と割下の濃味で途中からモタれてきてしまいました。七味の付いた白菜のお新香は私好みの味で、口の中をさっぱりさせてくれました。間違いなく言えるのはコスパは抜群だということです。

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320丼   来福亭

人形町    1000円    2020年12月

好み:★★★★☆

1階は4人掛けの細いテーブルが2つ、2階にお座敷があるこぢんまりとした洋食屋さん。10分強待って蓋付きのかつ丼、お新香、海苔と豆腐のお味噌汁、そして「お好みでどうぞ」と七味を提供いただきました。カツを口に入れるとほんのりとした甘さと玉ねぎの風味。一口目に玉ねぎの風味を感じたのは初めてかもしれません。肉は1センチ弱の平均的な厚さで脂身の分量も程良く、旨味が凝縮されていました。衣はしっとり。薄く剥がれやすいタイプでした。卵はわずかに半熟を残した仕上がりで、玉ねぎは染み込み浅め。割下は全体的に優しく、甘さが先に来て、不足のない塩気が後ろから追いかけてくる印象。カツ一切れだけ七味をかけて食べてみましたが、それで丁度良いパンチ力を持った味わいになりました。お米も豊富な割下によって、かつ丼にジャストマッチする柔らかさに炊かれていました。特別に記憶に残るものはないけれど、どこを取っても水準かそれ以上でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13018136/


319丼   味の一番

自由が丘   1540円    2020年12月

好み:★★★★☆

半世紀以上の歴史を持つとんかつ屋さんです。センターテーブルではコロナ禍にも関わらず日曜の昼間から地元とみられる方々の大宴会。その隣でアクリル板と向き合いながら「かつ丼」をいただきました。注文時に豚汁か豆腐のお味噌汁かを選択可能。刻み海苔と三つ葉がダブルトッピングされたカツは、やや小振りのサイズで割り箸一本分くらいの薄さでした。とんかつ屋さんの代物としては残念な見た目でしたが、肉は柔らかく脂身はないものの味わい深さがありました。衣は薄めで完全にしっとり。卵はほんのわずかに生を残した熱の通し方、玉ねぎは薄く染み込みは中程度。割下は出汁の風味豊かで控えめな塩気、後を引く甘さを感じました。丼全体がジューシーという印象。味自体は好みでしたがお値段に見合うかと言うと少々疑問を抱きました。 

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131703/13083013/


318丼   東急ストア

中目黒    538円    2020年12月

好み:★★★★☆

東京・神奈川を中心に展開するスーパーマーケットのお弁当です。現時点の商品名は「四元豚のロースかつ重」。カツは厚く見せるためか斜めにスライスされていますが、それでも1センチほどの充分な厚みでサイズ的には文句の無いレベルでした。スーパーのお弁当らしくしっかりとしつつ行き過ぎていない塩気と甘さを持った割下は個人的に好みの味付け。肉は少々パサパサ感が否めず、四元豚のロースと名乗る割には脂身は右端の一切れに少しあるだけ。しかし、そこは旨味を感じました。衣は完全にしっとり。衣自体に特徴などはないものの、肉の歯触りと蕩けるような衣の食感のコントラストを楽しめました。卵は当然ながら強めに熱が通り、玉ねぎは綺麗な飴色に仕上がって味わいがありました。お米の量は大きめのおにぎり1個分くらいと控えめ。全体のボリュームや肉の淡泊さは不満点と言えますが、味付けなどのトータルポイントとしてはちゃんと及第点にあると思いました。スーパー・コンビニの大量生産型「かつ丼弁当」をこれまでも幾つか掲載して参りましたが、その中では価格はトップクラス、味の好みは上位にランクインする一品でした。

https://www.tokyu-store.co.jp/


317丼   日正カレー

南千住    850円    2020年12月

好み:★★★★☆

東京のドヤ街と称される町並みに溶け込んだ雰囲気のカレーとラーメンが人気のお店。お耳が少し遠く、なかなか注文が通らない高齢のご主人のワンオペでした。卓上の調味料類は触れるのに少々抵抗が・・・。誂え物で店名が記された丼、さすが老舗店。蓋の上にたくあんの小皿を乗せてご提供くださるところがなんともオツでした。カツは口に入れた瞬間に甘い風味が広がりました。肉は厚めで1センチ以上はあろうかと。柔らかくモッチリした食感で程よい脂乗りでした。衣はしっかりしていて、所によりサクサク感が残っておりクドさ等は感じませんでした。卵は半熟。トロッとした黄身で卵かけご飯のようになっている部分も。玉ねぎは豊富で染み込み浅く半生状態。辛さを少し感じました。割下は塩気がマイルドで、わずかに甘さが立つ味付け。中華スープも同様に薄口で優しい味わいでした。ちょっとだけ残念だったのは、割下がそこまでかかっていないにも関わらずお米が柔らかすぎた面でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132401/13099598/


316丼   ひら井

両国     750円    2020年12月

好み:★★★★☆

建物は古いですが清潔感のある大衆食堂です。揚げ立てのカツ。肉は割り箸1本分くらいの厚さでやや薄めなのに、脂身部分は芳醇で私にはわずかに重く感じるほどの甘さがありました。赤身部分も適度に噛み応えがあり旨味を感じました。薄くてサクサク感が残る衣は、多少揚げ過ぎなのか油の匂いを纏っていたのが若干気になりました。卵は熱が通っていて巧みな白身使い。玉ねぎはたくさん入って染み込みは中程度、素材の風味が活きていました。たっぷりかかった割下は塩気も甘さも非常にバランスの取れた過不足のない味付け。好みの分かれない王道の味わいと言えるのではないでしょうか。あさりのお味噌汁も含めて、心も体も温まるという表現がぴったりな一杯、そんな印象でした。間違いなくお値段以上の価値があると思いました。

https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131201/13054163/


315丼   グルメハウス薔薇亭

高円寺    900円    2020年11月

好み:★★★★☆

テレビに登場することも多い洋食屋さん。狭い店内には常連さんからの手紙や写真がいっぱい飾られていました。メニュー表には「カツ重900円」とありますが、店先のサンプルケースには「かつ丼」があったので「かつ丼」を注文。どうやら器が違うだけの様子。名物とも言われるお元気で笑顔の女将さんに「キャベツいる?」と聞かれましたのでお願いすると、まずキャベツの千切りが出てきました。こちらも癒やしの空気を纏ったご主人からカウンター越しに手渡しでかつ丼を受け取ります。カツはサイズは小ぶりでも厚さは充分。肉は少々淡泊に感じるも、ザクッとした食感のしっかりした衣と割下のおかけで味わい深いものがありました。衣からは油っぽさを感じましたが気にならない範疇。卵は熱が通っていて、玉ねぎはたくさん入ってシャキシャキ。割下はあっさりした味付けでした。それだけに、ボリュームのあるお米も飽きずに食べ進められました。お味噌汁は柚子の香りが強く漂っていました。食べている途中でご主人が「忘れてたー」と遅れて沢庵を出してくれました。他の常連客との会話を聞いていたら、何か少しでも残したら女将さんからいろいろツッコまれそうな雰囲気だったので、どれもキレイに完食。お会計の際には「そこにある飴、好きなだけ持ってってー」「忘れ物なーい?」と女将さんのお声掛け。特別じゃないけど胃袋も心も満たされる一杯でした。

※残念ながら閉店されたそうです(2021年)


314丼   司亭

赤羽橋    680円    2020年11月

好み:★★★★☆

飲食店の少ないこの界隈では有名なお弁当屋さんだそうです。注文カウンターから厨房が見えますが、あまり細やかに見ないほうが食欲のためにはいいかと思います。作り置きしないお店ですので、道ばたで10分弱待って受け取り。少し歩いた先の公園でランチタイム。しっかりした1センチ近い厚みのあるロース肉は所によって甘さを感じました。衣もしっかりしていますが食感はしっとりやわやわ。特徴的なのは口に運ぶたびにふわっと感じる出汁のほんのりとした風味。私の舌では詳細は分かりかねますが、牛丼チェーン店の「つゆ」のような割下で塩気も甘さもトゲのない優しい味わい。個人的にはもう少しパンチがあっても良いかなと思いました。卵は表面は熱が通っていて、カツとお米の間には生が残り卵かけご飯のようになっている所も。玉ねぎは豊富で染み込みはそこまで深くなく、素材の風味は生きていました。お米はお弁当ですとベチャッとなりがちだったり、それを防ぐために硬すぎであるパターンもありますがとても粒立ちよく炊かれていて、まだアツアツでした。カツにそれなりの量があってもお米の盛りも充分なので、最後のほうは桜漬けや卵・玉ねぎ・割下でお米を食べることになります。ただ、それも存分に楽しめました。お弁当でもこのお値段に納得の一品でした。

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313丼   京町

京成立石   650円    2020年11月

好み:★★★★★★

入店するとテレビの大音量に迎えられ、ご主人は下を向いたまま。着席してからもしばらく放置状態。「すみません」と声掛けするもご主人は無心にニンニクを剥いている。再び立ち上がり大きめの声で「すみません!」と話しかけるとビックリしたようにお顔を上げ、「いらっしゃ~い」とニッコリ。どうやらご主人、お耳が遠いご様子。テレビの大音量の理由も判明。ワイドショーの音声と油で揚げる心地良い音を聞きながら10分ほど待ちました。蓋を取るとアツアツの湯気。肉は厚すぎず薄すぎず、割り箸二本を合わせたくらいの一般的な厚さ。脂身は少なめですが柔らかくとてもジューシーで筋など一切なし。これが、薄くパン粉の際立ったサクサクの衣と相まって、どこから出てくるのかと思うほど噛めば噛むほど旨味が溢れてきました。高温で一気に揚げたように見える色合いでしたが焦げっぽさなど皆無。卵はわずかに半熟仕上げ。玉ねぎはたくさん入っていて染み込み深く、これだけでご飯が進む立派な料理になっていました。割下は丼底に溜まるほどかかっていて、強い塩気がバーンと来て、後から甘さがブワーっと来る、まさに濃味。食べているそばから喉が渇いてくるけど決して嫌味のない味わい。白菜のお新香は、これが家にあったら毎晩深酒になること確定の絶妙なニンニク風味。カツの大きさやお米の量はやや控えめなものの、これが税込650円。信じられない。駅から徒歩20分はかかる下町の一角、入るのに勇気がいるほどの年季の入りまくった店構えと店内、黙々と一人で調理・給仕・会計をこなすご主人。激戦区でも高級店でも肩書きのある職人でもない。このお値段だから豚肉も油もお米も卵だってそこそこの品質なハズ。なんでこんなところにこんな最上級のかつ丼が存在するんだ?不思議でなりません。しっかりした濃味が好みの分かれる所かもしれませんが私にとってはとんでもない逸品。2年ぶり、約200丼ぶりに特例の★6を付けました。

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312丼   さぬきや

荏原町    600円    2020年11月

好み:★★☆☆☆

小さなうどん屋さんです。店内には出汁のいい香りが漂っていました。かなり小ぶりで肉も薄めのカツ。肉はやや硬めで味わいは貧弱。衣は完全にしっとりしていて存在感なく、箸を入れる前から肉と分離していました。剥がれた衣の裏側には下味の黒胡椒が点々と見受けられるものの特に風味はありませんでした。卵は熱が通ったタイプで、玉ねぎは染み込み浅めでほんのり甘さを感じました。小松菜の切れ端が2枚入っているのが珍しい。割下は量少なめで全体的に薄味。きのこのお吸い物のほうがしっかりとした味付けでした。うどんに使う出汁は活きていない印象。お米自体に問題はないのですが丼の中でそれぞれが孤立していました。お値段がお値段ですし、うどんだけでは物足りない時のセットとしては充分なのかもしれませんが、かつ丼を食べた気もトンカツを食べた気も肉を食べた気もしないまま食事終了となりました。 

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131712/13067166/


311丼   喜楽亭

下丸子    950円    2020年11月

好み:★★★★★

ツタが絡まる外壁、店頭の食品サンプルケースも色を失っており、さすがに入るのに抵抗を感じる店構え。店内も新聞紙や段ボールなどでテーブル2つが潰されている状況。決して不潔ではないですが清潔感を求める方にはここで食事を取るのは難しいかと。それでも、駅から徒歩10秒、創業95年(後述するご主人との会話内で判明)の老舗食堂。先客が2組いました。高齢のご主人のワンオペ。「かつ丼を」と注文してからメニュー表をちゃんと見たら、同じお値段で「ロースカツ丼定食」と「ヒレカツ丼定食」がありました。待つこと10分ほど。出てきたのは「ロースカツ丼」でした。肉は割り箸二本分にわずかに届かない一般的な厚さ。脂身少なめですが柔らかく旨味がありました。一ヶ所だけ筋張っていた以外は何も文句なし。衣は見た目は揚げ過ぎではという色合いですが油っぽさや焦げ臭さはまったくなく、薄くてサクサク感が残っている所もありました。卵は半熟仕上げ。そして、玉ねぎ類は入っていませんでした。割下は醤油強めで甘さはほんのり。よく「東京風のかつ丼」と評される味付けだと思います。この鋭さを持った濃味は私の好みのド真ん中。カツとはもちろん、お米との協和感が素晴らしい。ミニサラダ・お味噌汁・高野豆腐の煮物・4種のお新香、さらに「冷たいけど、どうぞ」と小さな肉じゃがまでサービスしてくださいましたので、これらを挟みながらゆっくりと楽しもうと思っていましたが、箸が止まらない。止められない。客が私1人になったタイミングでご主人から「こっちには仕事で来たの?」とお声掛けが。お店周辺の寺社仏閣には外国からの観光客も来るなどのお話を伺いながら、何一つ残さずに完食。このお味なら、入りづらい外観・内装のままでいい。キレイにして誰でも入りやすくしちゃったら連日行列が出来てご主人倒れちゃうから。飾り気のない武骨な一品に出会えました。

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310丼   そば処 長岡屋

狭間     900円    2020年11月

好み:★★★★☆

大盛り・特盛りで注文した際のデカ盛り具合が界隈で人気を集めているお蕎麦屋さん。「かつ丼(並)」を普通盛りでお願いしました。ちなみに(並)はロース、(上)は1300円でヒレだそうです。注文を受けてから揚げる旨がメニュー表に書かれていますが、10分弱でのご提供でした。デカい。そして、卵のとじ方が芸術作品のよう。混ぜすぎない溶き方で絶妙な火の通し方。まさに匠の技。肉は1センチに少し届かないくらいの厚さで、赤身のあっさりと脂身のこってりが同居していました。衣はやわやわしっとり。箸で触れるだけですべて剥がれていきました。肉と衣を別々に食べることになりますが、落ちた衣を噛み締めると所によってサクッとしていて、これだけでもおかずになる味わい。玉ねぎは中程度の染み込み加減。割下はかえしの優しい風味をわずかに鼻腔に感じ、塩気も甘さも至って平均的。だからこそ普通盛りでも相当なボリュームのお米を飽きること無く堪能できました。これは、割下によって斑に色付けされたお米を肉と衣と卵で楽しむ丼と言えるでしょう。きちんとしたミニサラダまで付いているので、最後は満腹中枢と戦いながら完食。ごちそうさまでした。

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309丼   一力 上池台店

洗足池    950円    2020年11月

好み:★★★☆☆

駅前のお蕎麦屋さん。カツはお値段に見合うサイズで割り箸二本分の厚さ。作り置きですので、お米のほうが熱いくらいでした。肉は柔らかいながらも歯応えもあり、赤身部分も脂身部分もそれぞれの旨味がありました。しかし、わずかに生臭さを感じました。衣は薄くてしっとりしていて、若干、油切れが悪い印象。卵は熱が通っていますが、割下を吸って甘く芳醇。玉ねぎは染み込み浅めでした。割下は少なめで塩気も甘さも控えめでホッとする味わい。重さやクドさがまったくないのでスイスイ食べ進むことが出来ましたがインパクトはイマイチでした。

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308丼   多摩川

武蔵新田   1040円    2020年10月

好み:★★★☆☆

町の老舗のお蕎麦屋さん。メニューにあるのは「ヒレかつ丼」のみで「ロースかつ丼」はありません。揚げ立てで1センチを超える厚さの丸いヒレかつが2つ乗っていました。さすがにヒレ肉ですので柔らかいものの、そこまで旨味は感じませんでした。衣はザクザクで存在感強め。肉の柔らかさと衣の強い歯応えのコントラストは良いのですが、剥がれ落ちた衣は重たくて残してしまいました。卵はわずかに半熟が残る仕上がり。染み込み浅めの玉ねぎと長ねぎが少量入っていました。肉と衣の間からも溢れ出てくるアツアツの割下は、塩気も甘さも至ってマイルド。お蕎麦屋さんならではの「かえし」の風味も特に感じませんでした。「かつ丼食ったー!」という多幸感はない反面、「かつ丼食べっちゃった」という罪悪感もない、すっきりとした一杯。お味噌汁もお新香も優しい味付けでした。

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307丼   キムカツ亭 有明ガーデン店

有明テニスの森  550円  2020年10月

好み:★★★★☆

本家「キムカツ」さんは「ミルフィーユとんかつ」で大人気のお店ですが、メニューに「かつ丼」は無し。しかし「有明ガーデン」のフードコートの中にあるこの業態の店舗には存在することを知って訪問しました。オーダーしたのはミルフィーユとんかつが1枚乗った「カツ玉丼(スモール)」。(レギュラーはカツ2枚で880円)閑散としたフードコートの席で10分ほど待ちました。揚げ立てのカツは衣がサックサクのザクザク。ミルフィーユ状の肉はとにかく柔らかく、箸で持ち上げただけで千切れそうでした。卵はフードコートの代物と侮れない技巧派の美しい半熟仕上がり。カツとお米の間に玉ねぎなどはなく、上に長ネギがトッピングされていました。なんと言っても特徴的なのが割下。おやっ?と思うくらい薄味でした。お米全体を潤すほどにかかっていましたが、優しい風味を感じる程度の味わい。これは、カツ自体の旨味を、卵とほんのり味付けされた割下を纏ったご飯で楽しむことを目的に作られた一品。意外なほどさっぱりといただけました。食後の余韻で一番残ったのは油っぽさでも塩気でも甘さでもなく、長ネギの味。そのくらい優しいお味でした。基本的に、パンチ力のある割下でクタクタになるほど煮込まれたかつ丼が好みの私ですが、真逆のポジションに位置するかつ丼にここまで満足できたのは初めてかもしれません。レギュラーにしておくべきでした。

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306丼   そば処 福島屋

駒場東大前  950円    2020年10月

好み:★★★★☆

夜は酒肴類が充実していて居酒屋使いされている地元で人気のお蕎麦屋さん。カツを揚げる音を聞きながら待ちました。子供の手のひらくらいのサイズで平均的な厚さのカツが二枚乗っているので、全体のボリューム自体は控えめでも食べ応えは充分。肉は端のほうに脂身が少しあるだけですが淡泊さは感じず、柔らかい部分と歯応えのある部分が共存していて飽きが来ない。下拵えの丁寧さが窺えました。過度な油っぽさのない衣はサクサク感が残っていました。卵は少なめでしっかり熱が通っていて、玉ねぎは染み込み深く風味豊か。割下は塩気も甘さも「かえし」の風味もヘンな主張がなく、まさに安心安定の懐かしい味わい。ここ最近、汁だくのかつ丼に連続して巡り会って来たからか、割下の量にちょっと物足りなさがあった所と、お米が柔らかすぎで風味も強いため丼内の協和を乱していると感じた所だけが惜しかったです。もやし・わかめ・ニラが入ったお味噌汁は我が家の味噌汁に似ていてとても好みでした。

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305丼   上野毛更科

上野毛    1650円    2020年10月

好み:★★★★☆

お店の佇まいもお値段も少し高級感のあるお蕎麦屋さん。「更科」の看板を掲げるお店の「かつ丼」はどこも似たり寄ったりの印象があるのですが、こちらは地元の方々の「かつ丼」の評判が良いとの噂を聞きつけ伺いました。小鉢類は、なめこと豆腐のお味噌汁、しらすおろし、お新香、小さな冷やかけそばでした。揚げ立てのカツ。肉はちょうど割り箸2本を合わせた厚さで、歯切れ良く柔らかい中々の品質でした。「かえし」の風味と強めの甘みが口に広がります。左端の一切れは脂身で筋張っていて、それ自体の甘さと割下の甘さが合体してクドく感じました。衣は薄くしっとりしていますが、噛み終わりに歯の上でサクッとする楽しい食感。すぐに剥がれ落ちてしまうのがもったいない。割下は過剰ではないものの強い甘さの後から、これも強めの塩気が押し寄せる味付け。お米がまだらに色付く程度にかかっていました。卵は熱が通っていますが見た目も舌触りもなめらかでまろやか。そして特筆すべきは、カツの下には玉ねぎではなくキャベツ。煮込まれたキャベツは意外なほどマッチしていて、いいアクセントになっていました。お米の量は他のお店なら「大盛り」扱いでしょう。カツの大きさ、お米の量、濃味が合わさり存在感を持った一杯でした。最後に小さい冷や蕎麦が重たくなった口の中を見事にさっぱりさせてくれました。

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304丼   銀座ホール

西大島    950円    2020年10月

好み:★★★☆☆

どの駅からも1キロ以上も離れているのに常に賑わっている砂町銀座商店街に鎮座する歴史ある食堂です。軒を連ねる惣菜店の店先には鶏肉などのボリューム満点の手作り弁当が290円で売られている「物価破壊型商店街」にも関わらず、当店は自信の現れといえるお値段設定。厨房からは時々、名物とされているご主人の大きな掛け声が響いてきました。小さなカツが3切れにカットされて3枚乗っていました。厚くはないが薄すぎることもない肉は脂身ナシで適度な噛み応え。質自体は高くないものの、それなりの風味は楽しめました。衣にはクセがなく、わずかにサクサク感が残っていました。割下は味わい深さがあるので濃味に錯覚しそうになりましたが、実は塩気も甘さもどちらかというと控えめの部類に入り、少し酸味を感じました。卵は半熟仕上げ。玉ねぎは染み込み浅めでシャキシャキ食感が良いアクセントになっていました。お米がやや硬めのため、丼内の一体感に欠けている印象。かぼちゃまで入って具だくさんの豚汁は薄味でさっぱり、お新香も塩分控えめでした。12時半に入店した時は空席がありましたが、13時に退店する時には満席で外に行列が出来始めていました。

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303丼   中村屋

築地     850円    2020年10月

好み:★★★★☆

築地駅と新富町駅の間にある大衆食堂。「○○ライス」と名付けられた多種の定食がメインで丼物はあまり出ないのか、ご高齢のご主人と女将さんが「出汁がないから持って来てー!」などとモメていらっしゃいましたが、空いていたとはいえ注文からわずか3分ほどでのご提供。蓋を開けると色彩鮮やかな姿がお目見えしました。先に述べますと、一緒に並んだお味噌汁・お新香・大根の煮物はどれも評価できる所はございませんでした。そして、カツがぬるい。肉は割り箸一本分くらいの薄さで、一目で高級品でないことを察します、だがしかし。食べる部分によって柔らかかったり歯応えがあったり、脂身の旨味を感じたり肉本来の旨味を感じたりと実に楽しい代物でした。作り置きですから衣はサクサク感は一切残っておらず完全にしっとりしていますが、割下の甘さを充分に吸っているためすぐに剥がれ落ちるものの、その風味でそれだけでも立派なおかずになりました。割下はお米全てに浸透しつつ、カツの上にも浮くほどかかっていて、築地で働く男達のガッツリ飯らしく塩気が強めで、衣から感じるほど甘さは強くない印象。卵は熱が通っていて、玉ねぎはそこそこの染み込み具合で素材の甘さを感じ取れました。食べ進める内に右肩上がりでドンドンと評価が上がってくる一杯。こう言ったら失礼かもですが、下ごしらえから調理工程において特別なことを何もしていないから特別になる、といったような不思議な魅力を持っていました。食後にホットコーヒーまで出てきました。

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302丼   そば処水元やぶ

北綾瀬    1000円    2020年10月

好み:★★★★★

テレビ番組で「かつ丼の名店」と紹介されてからSNS上で垂涎の写真を見掛けることが多くなり、ハードルは高いけどいつかは行きたい・・・と思っていたお蕎麦屋さん。と言うのも、私の生活圏から北綾瀬駅までは1時間以上、さらに駅から徒歩で35分はかかるという驚愕の立地。もしかしたら23区内で駅から最も離れた飲食店なのかも。提供いただいた「かつ丼」は、一口目で、ここまで来て大正解と思わせる逸品でした。熱々なのに箸が止まらない(あとで口の中ヤケドしまくりでした)。ラードとお蕎麦屋さんならではの「かえし」の効いた味わい。割り箸3本分くらいの厚さの肉は適度な噛み応えがあり、がっしりとした見た目の衣は割下を吸い込んで柔らかく滑らかで、まるでしつこさがない仕上がり。この立地で1000円というお値段設定は強気だなと感じておりましたが、このカツは三桁では出せない。卵はたっぷり。てっぺんは生の白身でキラキラ、周りはしっかりと熱を通してありました。玉ねぎはキレイな飴色で風味豊か。割下の塩気と甘さは何一つ飛び出した所も凹んだ所もない、お手本のような味付け。お米の炊き加減もボリュームも申し分ナシ。気付いたら一瞬で全部胃袋に収まっていたといった感想です。する必要もない粗探しをするなら、肉の赤身部分が柔らかさに欠け淡泊でここだけ独立した味わいに感じたことくらい。次々に入ってくるお客さんほぼ全員が、かつ丼を注文されていました。納得です。また40分近くかけて駅まで歩きながら、このお店にふらっと立ち寄れる環境にいる方々が、ただただ羨ましく感じました。

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301丼   トンカツX

田町     1980円    2020年10月

好み:★★★☆☆

駅前の「ムスブ田町」の中にあり、ブランド豚「東京X」を使ったとんかつ屋さん。ランチの「かつ丼」は安めですが別の肉とのことで、ディナータイムに伺い、「東京Xロースカツ丼」を頂きました。「東京Xロースカツ定食」が倍近くの3850円ですから如何ほどのものが出てくるのか期待と不安で厨房を眺めながら待ちました。若い男性が女子店員2人と楽しげに話しながら調理。老舗店の厳かさも高級店のスタイリッシュさもなく、フレンドリーな雰囲気。ワカメとネギのお味噌汁、塩気の強いお新香、おかわり自由のキャベツの千切りと共に出てきた「かつ丼」は、三つ葉と小さな焼き海苔がトッピングされていました。卵はしっかり熱が通っていて、玉ねぎは焦げ茶色になるまで煮込まれていましたが、どちらもあまり風味を感じない仕上がりでした。肉は割り箸二本を合わせた幅より厚く、さすがに脂身は甘い。やや筋張っているのが気になりました。赤身部分はまさに噛めば噛むほど溢れてくる旨味。衣はカツの端の方は厚く、中心部は薄い仕様で、全体がしっとりしてサクサク感は残っていませんでした。衣だけを食べてみても特に感じることはナシ。東京Xから取ったラードで揚げているそうですが、その風味よりも割下のストレートな塩気のほうが勝っていました。割下の甘さは強すぎず弱すぎずで良いバランス。お米すべてが濃い茶色に染まるほどかかっていましたが、お米が少々パラパラ気味に炊かれているせいもあり一体感に欠けていました。分不相応に偉そうに言うと、手順通りに作っているだけで、卵の閉じ方や割下のかけ方、お米の盛り方や温度に巧みさが無く、もったいない印象。これだけの金額をお支払いしていますから評価はシビアになってしまいます。確かにトンカツは上級品、でもこのかつ丼を誰かにお薦めするかといえばNOかなという感想です。私が伺った時点で、まだ開業したばかり。今後に期待の一店だと思いました。

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300丼   丸信中華そば

谷保     810円    2020年10月

好み:★★★★☆

記念すべき300丼目。初めて23区以外の都内のお店に行ってみることにしました。以前から気になっていた国分寺市のお蕎麦屋さんに伺うも、店頭には8月をもって閉店しましたとの張り紙が。どうしようか悩んだ末、そこから徒歩で行けるこちらの町中華屋さんに決めました。「丸信」と名入れされた蓋を開けると丸く可愛らしいビジュアル。肉も衣もガッシリしていて、合わせて軽く1センチを超える厚さのカツは、甘く香ばしい「これぞ町中華のかつ丼」と言える風味でした。肉は脂身少なめで淡泊だけど割下と掛け合わさって丁度良い味わい。衣は完全にしっとりとして、パン粉の存在感は皆無。卵は熱が通っていました。玉ねぎはたくさん入っていて見た目に反してシャキシャキとした食感がある仕上がり。割下は塩気も甘さもハッキリとしているものの過剰ではないバランスの取れた味付け。お米全体が炊き込みご飯みたいな色になるほどかかっていました。カツのクオリティの低さを卵と割下が上手く補っている印象。お味噌汁には里芋が入っていました。

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299丼   好養軒

御徒町    740円    2020年09月

好み:★★★★☆

大正時代に旅館を買い取って開業したという大老舗の洋食店。外観からは旅館の名残を感じ取れます。提供されたかつ丼は、蓋を開けた瞬間から油のいい香りに垂涎。小さめのお椀にぎっちりと盛られていました。てっぺんの衣が剥がれているのはご愛敬でしょう。カツは1枚半乗っていて、肉は平均的な厚さ。脂身はほぼなく、カツの中心部はあっさり、端の方は甘みがある味わいでした。肉からもごま油の風味がしたのは初めてかもしれません。それだけに丼内の一体感は素晴らしいものがありました。衣は剥がれやすく、優しいサクサク感が残っている部分も。甘さが前面に出てしっかりした塩気が追いかけてくる割下を吸っている所はそれだけで立派な料理になっていました。卵は量が少なくわずかに半熟部分が残る仕上がり。玉ねぎは割下が染み込みつつも素材の甘さが引き立っていました。お米には全体がひたひたになるほど濃味の割下がかかっていました。ひとつの小さな丼の中でいったい何種類の味が楽しめるんだ・・・かつ丼ってすげぇと改めて痛感。葉物・エノキ・もやしなどの具だくさんのお味噌汁は家庭的かつ濃いめの味付けで、お新香も塩気はかなり強め。全体としてビールでもひっかけながら頂くと丁度良いのかもしれません。お値段を鑑みてもお見事な一杯でした。

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298丼   とんかつと釜炊きご飯 ゆきひら 

                        イオンスタイル碑文谷店

学芸大学   529円    2020年09月

好み:★★★★☆

テイクアウトメニューにのみ「かつ丼」が存在しました。店内での類似メニューは「かつ鍋御膳」の模様です。ゆっくり飲食するつもりでしたが急遽、弁当を注文。商品と割り箸をそのまま渡されたので慌ててエコバッグを広げて持ち帰りました。蓋を開けると少し独特な香りが。食通の方だったら油の秘密などが分かるのでしょう。このお値段ですからカツは小ぶり。口に入れると強めの塩気と甘さが広がりました。肉は1センチ弱ほどの厚さで脂身はほぼなくあっさり。ややパサパサしていますが、噛むたびに肉の風味を楽しめました。衣は薄めでしっとり。卵は弁当だけに熱が通っているものの食感はトロッとしていて、巧みな技術を感じました。玉ねぎはしっかり染み込み系。卵も玉ねぎも割下を吸ってかなり強めの塩気を纏っていました。ただ、それだけに箸が進みます。お店こだわりというお米はやわらかめに炊かれていました。濃すぎるかもと思う味付けに関しては、私ここ1ヶ月半、食事制限で薄口のモノばかり食べてきたためそう感じただけで、普段なら「ちゃんとパンチ力がある」と評していたかもしれません。ボリューム的にはやや少なめですが、店内メニューと比べると異常と言えるほどの安さ。大きなイオンの7階の一番奥にあるので、フラッと立ち寄るにはハードル高めですが、この「かつ丼弁当」は見逃せないと思いました。 

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297丼   七面鳥

高円寺    780円    2020年07月

好み:★★★☆☆

名店の呼び声も高い昭和の時代が薫る町中華屋さん。大きなコの字型カウンターにはきちんと清潔感がありました。調理場が覗ける位置に座り、高齢のご主人と若い男性のお仕事ぶり拝見。ご主人は中華鍋を華麗に操りながら次々に野菜炒めや当店の名物であるオムライスを仕上げていきます。若い男性(息子さん?)はその横で寡黙に揚げ物やカレーなどを担当。私のかつ丼が出来上がるまでに、ご主人は6品を完成。改めて、かつ丼は手間がかかる料理であることを感じ、それをこのお値段でご提供いただけることに頭が下がりました。出てきたかつ丼の第一印象は、デカい!ボリューム自体はそこまででもないのですがラーメン丼に入ったかつ丼は迫力があります。中華スープかと思ったらお味噌汁が付いてきました。平均的な厚さの肉はやや硬めで、筋張っている部分もチラホラ。肉と同じくらいの厚さの衣はクドさや重たさはなく、しっとりしているのに強い歯応えがありました。卵はこれでもかと食欲をそそる芸術的な半熟ぶり。玉ねぎは染み込み浅め。割下はまずフワッと甘さが広がり、そのあとに中華スープの風味とほのかな酸味、カドの取れた塩気が奥からやってくるという、なんとも特徴的な味付け。お米との相性もなかなかでした。繊細さはない、しかし、これが町中華の王道かつ丼であると言えるでしょう。肉質と割下の味わいが私の好みとは少しだけズレていました。

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296丼   つるや

池ノ上    1600円    2020年07月

好み:★★★★☆

カウンターに客は私だけという状況でしたので、目の前のご主人のお仕事ぶりを拝見しながら待ちました。丁寧に時間をかけてカツを揚げたあと、縦に4回・横に1回包丁を入れてカット。それを親子鍋に入れて、かいわれ大根を乗せ、その上から卵を投入。蓋をして、長い時間じっくり煮込んでいました。充分に煮込まれたカツをご飯の上に乗せ、仕上げに刻み海苔をドッサリと投下。ご提供いただいたお重からは、私のヘタな写真でも分かるほどアツアツの湯気が立ち上っていました。厚さは1センチ弱といったところですがボリューム感のある肉。ピンクと薄茶の中間の色合いで歯応えもあって旨味を感じ、程よい脂身はいいアクセントになっていました。衣は全体的にしっとり。クセのない柔らかな衣でした。きっと「ロースかつ定食」などでいただくとサクサクした衣なのでしょうが、それを割下で煮込み、卵でとじることによって別次元のとんかつに昇華させるのが「かつ丼」の魅力であり醍醐味であると改めて感じます。あれだけ煮込んでいましたから当然、卵は完全に熱が通っていて、玉ねぎはかなり多めに入っていますが染み込み良く、素材の甘い風味も生きていました。割下は塩気4甘さ6くらいのバランスでトゲのない味わい。お重にぎっしり詰められたお米すべてに浸透するほどかかっていましたが、優しい味付けのおかげで飽きずに最後までいただけました。一級品であることは間違いありませんので、評価の分かれ目はこのお値段。だったら、もう少しカツが大きくてもいいかなぁ・・・卵は二段階で投入して硬軟を演出してもいいのかなぁ・・・刻み海苔はいらない風味なのかなぁ・・・などと思いを巡らしました。豚汁は驚くほど具だくさん。きっと、この豚汁のファンの方もいらっしゃるでしょう。ご主人がお1人で切り盛りされているので、他のお客さんのカツを集中して揚げている最中にお会計の声掛けをするのは気が引けてしまい、ゆっくりと冷たい麦茶を飲みながらタイミングを窺っちゃいました。とても元気に愛想良くご挨拶くださる年配のご主人、飲食店にとっても厳しい社会情勢が続いていますがこれからもずっと頑張っていただきたいです。気持ちの良いランチタイムでした。

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295丼   和幸

下丸子    700円    2020年07月

好み:★★★★★

ネットで見掛けた際にとんかつの一大チェーンの店舗だと思いスルーしちゃっていましたが、実際には同じ屋号でも関係性はなく、ご家族経営の落ち着いたとんかつ店でした。「本日のサービスランチはかつ丼」とのことでこのお値段。普段は750円みたいです(ほかに「かつ重」800円、「上かつ重」950円がありました)。しっかりとした厚みのある肉に薄い衣。肉は噛み応えがあり、さっぱりとしつつ旨味を感じました。脂身部分はやや筋張っていましたが問題のない範疇で上品な甘みがありました。衣はしっとりしていて過剰な存在感はなく、脇役に徹している印象。卵は半熟、玉ねぎは程々の染み込み具合で割下と相まって甘く芳醇でした。割下はお米全体が浸るほどかかっていて、塩気も甘さも出過ぎていない・欠けてもいない絶妙なバランスが取れた味わい。お米一粒も残さず瞬間完食でした。ここまでの上物であればトッピングの刻み海苔の風味は不必要ではないかと思いました。丼内のボリュームは多くはありませんが冷奴の小鉢やお新香まで全ていただいて丁度満腹くらい。食後のモタレ感も一切なし。倍くらいのお値段で首をひねってしまう品に何度も出会ってきただけに、感動すら覚える素晴らしい逸品でした。

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294丼   揚物専科 とんかつ かわい

蓮沼     750円    2020年07月

好み:★★★★☆

1枚のカツが一口ジャストサイズで10切れにカットされていました。とんかつ屋さんにしては肉は小さく薄いですが、このお値段ですから贅沢は言えません。肉はほぼ脂身なしであっさりした味わい。場所によって下味の黒胡椒に強弱がありました。厚く大きい衣は剥がれやすく、食感はサクサクとしっとりが共存していました。余計な油っぽさや重たさは感じず上手に揚がっている印象でした。卵はわずかに半熟が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み浅めでシャキシャキしていました。割下は甘さが少し前に出ていて塩気は控えめ。多めにかかっていますが、お米の味を昇華させるほどの風味はありませんでした。刻み海苔は邪魔にはならない程度のアクセント。冷奴の小鉢も付いて食後にホットコーヒーまで出てきました。ランチは全メニューがこのお値段。神コスパと言えるでしょう。余談ですが、元バレーボール選手でタレントの川合俊一さんのご親族が営まれているお店だそうです。

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293丼   えどや食堂

長原     890円    2020年07月

好み:★★★☆☆

かなり薄めの肉で脂身はほぼ無し。衣が特徴的なので、そちらに打ち消されて肉の旨味は感じませんでした。その衣は、箸を入れた時はカリカリ、口に入れると滑らかと言うかヌメッとした食感になるという不思議な代物。剥がれやすい上に肉が小ぶりなので衣だけが余りがちでした。こういった衣は油っぽさが強く重たいことが多いのですが、こちらはクドさがなく軽やかで、風味のある独特な甘さを持っていました。卵は熱が通っているタイプ。玉ねぎは丼の一方向にまとまって配置されて染み込み浅め。割下は塩気も甘さもマイルド。物足りなさはありませんが悪く言えば印象に残らない味付けでした。お米が柔らかすぎるのも丼全体のネットリ感に拍車を掛けていると感じました。様々な定食メニューが並ぶ中、丼物は「かつ丼定食」のみ。定食に合わせたお米の炊き具合なのでしょう。それなりのミニサラダも付いていますし、価格設定も分かりやすい地元密着型の食堂。他の定食も試してみたいと思いました。

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292丼   とんかつ吾妻

旗の台    1030円    2020年07月

好み:★★★★★

1センチ弱のかつ丼に適した厚さの肉はなんのクセもなく柔らかで噛むほどに旨味を感じ、脂身部分はとても甘さがありました。衣は薄めでキメ細やか。剥がれやすいですがサクサク感も、卵と割下を纏った部分は滑らかさも、両方楽しめました。卵はわずかに半熟、玉ねぎは少なめでしっかり割下を吸っている仕上がり。割下はたっぷりとかけられ、尖らずきちんとした塩気。そして、ほんのりとした甘さ。それだけに脂身の甘みが引き立ち、最後までまったく飽きが来ませんでした。割下が充分に染み込んでもべちゃっとしない硬さに炊かれたお米。「割下かけご飯」としても満足できるものでした。実に3ヶ月ぶりの外食&かつ丼だったため、終始トランス状態で食べ進めておりましたので多少の割引は必要だと思いますが、間違いなく極上の逸品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131712/13106678/


291丼   イオン 

御嶽山    537円    2020年04月

好み:★★★☆☆

国内外で事業展開する業界最大手グループの総合スーパー。現在の商品名はシンプルに「ロースかつ重」。サイズ的にも厚み的にも不満はないカツ。肉は端の方は少しだけ筋張っていますが柔らかい食感。肉自体に甘い風味が施されていました。衣はカツの上部が厚く下部が薄い構造で完全にしっとり。卵がわずかに半熟を保っているのは科学の力なのでしょうか。玉ねぎはしっかり素材の風味が引き出されていました。割下は塩気はマイルドで甘さがやや強め。割下の浸透したお米も卵も玉ねぎも甘さを纏っていました。289丼に掲載した「まいばすけっと」は同じイオングループですが、その一品とは違う味わいで添え物も紅ショウガではなく大根の桜漬け。お値段が100円ちょっとお高い分、クオリティもその分だけ高い印象でした。

https://www.aeon.com/


290丼   オオゼキ 

大森     498円    2020年04月 

好み:★★★★☆

東京・神奈川に展開する食品スーパー。現在の商品名は「熟成三元豚の厚切りロースカツ重」。カツは大きさも厚さも文句なし。肉からはわずかに自然界のモノではない風味を感じましたが断面のビジュアルは本格派で噛み応えもあり、まさに肉々しさがありました。このお値段でカツのこのクオリティは正直驚愕。衣は完全にしっとりとはせずに、なんとか存在感を保っている仕上がり。玉ねぎはしっかり染み込んでいて、卵は当然硬く熱が通っていました。割下は塩気が強め。お米の大部分が飴色になるくらい豊富にかかっているのでお重全体が強めの塩気に包まれている印象でした。それだけに食べ応えがあり満足度は高め。もちろん、とんかつ屋さんのカツの旨味やお蕎麦屋さんのかつ丼の芳醇さと比べてしまえば一歩二歩及びませんが、ワンコインで楽しめる代物としてはお見事の一言でした。

http://www.ozeki-net.co.jp/


289丼   まいばすけっと

浜松町    429円    2020年04月

好み:★★★☆☆

関東ではお馴染みのイオングループの小型食品スーパー。現在の商品名は「三元豚のロースかつ重」。レンジで温めると紅ショウガの強い匂いだけが立ちのぼります。なにせこのお値段ですから、どれほどのものか不安もありましたが、カツのサイズはそれなりにあり、肉はさすがに旨味は感じないけれどとても柔らかい。衣も低品質のカツによくあるヌメッとした食感はそこまでありませんでした。程よい加減に染み込ませた玉ねぎにはほんのりと味わいがあり、卵と割下はお弁当の賞味期限を考慮してか少量で特に風味は感じませんでした。割下は甘さがやや前に出ているものの塩気はマイルド。お米の量が少なめなのでこれひとつで成人男性のお腹が満たされるのかは疑問ですが、かつ丼欲はそれなりに満たせるのではないかと思いました。可能な限りコストカットと大量生産ができる仕組みを構築した末のこのお値段でこのクオリティ。なんとか「カツ重」と名乗れるモノにしたのかと思ってましたがお見逸れ致しました。

https://www.mybasket.co.jp:12443/


288丼   立呑み とんかつ まるや 新橋店

新橋     500円    2020年03月

好み:★★★★★

新橋周辺で数店展開しているとんかつ屋さん。こちらの店舗だけランチタイムは「かつ丼専門店」となります。メニュー表の筆頭にある「ロースかつ丼」をいただきました。とんかつ屋さんのカツならではの旨味を纏い、脂身はほとんどないものの程よい柔らかさの肉。衣は薄めでサクサク感もわずかに残っていました。卵は熱が通っていて、玉ねぎは染み込み浅めの仕上がり。割下は塩気も甘さもしっかりとした味付け。特筆する特徴などはないけれど、カツのサイズもお米の量も含めてボリュームに不足はなく、なんといっても驚愕のこのお値段。ワンコインで食べられるかつ丼の中では間違いなく最高級レベルだと思いました。

http://maruya08.co.jp/shop.html


287丼   梅好そば

雪が谷大塚  1000円    2020年03月

好み:★★★☆☆

これはと期待が膨らむ見た目。カツは大きなサイコロのような形状の肉が厚めの衣に包まれて3切れ。肉は脂身が一切ないのでヒレだと思われますが噛み応えがあり、ヒレ特有の柔らかさや芳醇さを感じるとまではいきませんでした。衣はすぐに剥がれていきますが、パン粉の食感も残っていてかなりの存在感。卵は熱が通っていて、玉ねぎは染み込み浅めで玉ねぎ本来の辛みがありました。割下は多めにかかっていて塩気がやや強めで嫌味の無い甘さ。卵からもしょっぱさを感じました。豚肉入りのお味噌汁・ミニサラダ・漬物は平均的な味わいでした。端の方はガリッとくる強い衣が私の好みに合わなかったのと、ビジュアルから過度に期待してしまったため評価を少し下げましたが、ガッツリとかつ丼を喰らいたい時にはピッタリの一杯だと思いました。

※残念ながら閉店されたそうです(2022年)


286丼   安信屋

御嶽山    950円    2020年03月

好み:★★★★☆

店内の掛け声も元気な町中華屋さん。カツの上には「なると」が卵とじにされていました。サイズは小さいけれど1センチはあろうかという厚さのカツ。高温で一気に揚げたと思われる若干の焦げ臭さと油の匂いが気になるもマイナスとまではいかない印象でした。肉は脂身は少ないですがパサつき感もなく、適度な歯応えもあって楽しめました。衣は薄くサクサクが残る仕上がり。卵は半熟。玉ねぎは豊富に使われていて染み込み加減は中程度。割下を吸って甘く芳醇でした。割下は塩気も甘さも尖った所がなく飽きずに食べ進められる味付けでした。中華スープはやや濃口も深みのある味わいでしたので、これが割下に加わることにより丼全体のまろやかさに繋がっているのかなと思いました。お米はボリューム良く盛られており、カツがなくなった後も卵と玉ねぎと割下に混ぜて堪能。まさにこれもかつ丼の醍醐味であると改めて感じました。お冷やもすぐに注ぎ足しに来てくれて気持ちの良い昼食タイムを過ごせました。

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285丼   東京グル麺

東京     590円    2020年03月

好み:★★★★☆

ネットでかつ丼を検索した時にたまに見掛けてずっと気になっていた立ち食い蕎麦屋さんです。せっかく近くまで来たのだからと思い切って伺ってみました。というのも・・・このお店があるのは、東京駅の、構内の、、東海道新幹線の、、、18・19番線のホームの上。私は新幹線を利用することも少なく、利用しても発着は品川駅という環境であるため縁がありませんでした。140円の入場券を購入してホームへ。ついにこちらのかつ丼に巡り会えました。作り置きのカツは厚さも大きさもお値段を考えれば充分。肉は深味こそないものの柔らか。端は衣だけで肉が入っていませんがご愛嬌でしょう。衣も厚めでしっとりというかクタクタの食感。パン粉の風味など一切無いですが、割下を吸ってこれだけでちょっとしたおつまみになる味わいでした。卵は少なめで熱が通っていて、閉じ方には丁寧なお仕事ぶりが窺えました。玉ねぎも少なめで染み込みも浅め。割下は塩気も甘さもマイルド。蕎麦つゆベースのお椀もそうでしたがとてもシンプルな味付けでした。言葉は悪いですが低クオリティのカツで作られたかつ丼の中では万人受けする一杯だと感じました。それだけに、、、お米が硬すぎるのが極めて残念。ネット上の感想を見る限り、カツが硬いとかお米が柔らかいなどの評価もあるため、日や時間帯によってバラつきがあるようです。業務形態や店舗仕様を考慮すれば回転率重視でしょうし、仕込みに限界があるのは致し方ないのかもしれません。ボリュームもありましたしトータルの感想としては、新幹線に乗る前に飛び込んだ立ち食い蕎麦屋さんでこのかつ丼にありつけたら「当たり」だと思います。

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284丼   とんかつ かつ味

東新宿    1000円    2020年03月

好み:★★★★☆

丸いお重に隙間なく乗せられたカツは、端のほうは厚く脂身が強めでクドさがあり、中央部分は薄めであっさりとした肉でした。食べ進めながらいろんな味を楽しめる面はありますが、バランスが悪いとも言えました。衣はサクサク感がしっかり残る仕上げ。町の精肉店のコロッケを彷彿とさせるような食感の香ばしい衣でした。卵は少量でわずかに半熟。玉ねぎはお重の片側に寄って盛り付けられていて(たまたま?)、染み込み具合はほどほど。割下は塩気も甘さも優しい味わい。肉からの甘さや衣の香ばしさのほうが印象に残りました。カツ自体に文句はありませんが、卵が少なかったり割下に訴えかけてくるようなインパクトがないため、かつ丼にすることによる昇華は特に感じられない一杯でした。

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283丼   三友軒

洗足     750円    2020年03月

好み:★★☆☆☆

一昔前まで都内各地で展開していた町中華屋さんの屋号で、現在は目黒区・世田谷区の周辺に数軒残っている程度だそうです。こちらのお店の近くに行くたびに覗いてみるも、いつもシャッターが降りていたのでお店を辞めてしまったのかと思っていました。老夫婦が営んでいらっしゃるので、定休日の金曜以外にもいろいろとご都合もあるのでしょう。油で揚げているいい音を聞きながら待つこと15分弱。お茶碗によそわれたお味噌汁と共に提供いただきました。カツは厚さも大きさも、それなり。脂身はありませんが淡泊さを感じさせない肉には黒胡椒の下味がしっかり付いていました。衣は剥がれやすくしっとりとした食感で、噛んでいると硬くまとまってくるタイプでした。卵は熱が通っていて、玉ねぎは豊富で染み込み浅く素材の風味が堪能できる仕上がり。感想を一言で言うならば、とにかく甘い。割下の過剰な甘さで、カツも玉ねぎも甘くなっていました。しかも、丼底のお米がヒタヒタになるほどかかっている上に塩気もそこそこあるので、中盤からややモタれてきました。お米のボリュームも充分でお腹一杯にはなりますが、この甘さが好き嫌いを分ける肝だと思いました。

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282丼   あらき

旗の台    800円    2020年03月

好み:★★★★☆

揚げ立てで薄めで小ぶりのカツでした。衣は剥がれやすく、卵が少量のせいかサクサク食感が残っていました。少し油臭さが気になりましたが、肉からはしっかりと旨味を感じました。卵は半熟、玉ねぎは小さくカットされて中程度の染み込み加減。割下は最初は少なめかなと思いましたが丼底にたっぷり溜まっていました。塩気強めの甘さ控えめといった味付け。味わい自体は何の問題も無いのですが、卵の閉じ方や割下の丼への移し方、お米の上のカツの乗せ方などが雑に感じました。これが町の老舗の定食屋さんの「味」というやつかもしれませんが、もったいなく惜しい印象。全体的なボリュームも含め、大満足となるにはもう一歩足りない感が否めませんでした。

※残念ながら閉店されたそうです(2022年)

 

281丼   増田屋

駒沢大学   950円    2020年02月

好み:★★★★☆

都内いろいろな場所でお見掛けするお蕎麦屋さんの一大屋号。増田屋さんはどこも「かつ丼」は置いていないのですが、ここにはありましたので早速注文。揚げ立てのカツは、やや薄めで断面が茶色いタイプ。肉は硬いとまではいかないものの歯応え強めで、衣は全体がしっとりなめらかでした。卵は熱が通っていて、玉ねぎは程よい染み込み加減。卵も玉ねぎも割下もたっぷり使われていました。割下は「かえし」の風味は穏やかですが、塩気も甘さも充分に感じ取れる濃いめの味付け。たまに無性に食べたくなる、まさにクセになる味わいでした。お米との相性も申し分なし。このお値段ならもう少しカツのクオリティを求めてしまいますが、豆腐となめこのお味噌汁も具だくさんですし、総合力は高いと感じる一品でした。

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280丼   そば由々 森もと

洗足     1000円    2020年02月

好み:★★★★☆

厚めで重量感のあるカツ。肉は脂身とのバランスも良いですが一部分に筋張って硬い所があったのが残念でした。薄く優しい衣は完全にしっとり。卵は熱が通っていますがカツの切れ目には半熟の白身が光っていました。卵も玉ねぎも割下を吸って強めの塩気を纏っていました。そんな割下は塩気が前面に出ていて甘さは目立たず、お蕎麦屋さんの一品らしい「かえし」の風味が効いていました。お米はやや硬めながらも口当たりまろやかに炊かれていて、かつ丼にピッタリ。秀でた部分はないけれどお蕎麦屋さんの「王道かつ丼」といえると思いました。キュウリとカブのお漬物、マカロニサラダがシンプルな味付けで私好みでした。

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279丼   中華料理高楽

洗足     800円    2020年02月

好み:★★☆☆☆

年季の入った町中華屋さん。薄く軽いカツを口に入れると、フルーツの甘いエキスが感じ取れる中華スープの風味がフワッと来ました。肉からは独特なクセのある匂いが。柔らかめではありますが、ジューシーさがまるでありませんでした。スープ単体だと塩分過多に思える濃さですが割下として使うとちょうどいい塩気。甘さは強めでした。しっとりしていて主張のない衣。卵は熱が通っていて、玉ねぎは豊富で染み込み浅めでした。カツのクオリティの低さがもったいないと感じた一杯でした。それにしても、カウンター越しにいらっしゃる女将がずっと無言で無表情。やっとお声が聞けたと思ったら、モノの置き場所を巡って調理中のご主人と辛辣な口喧嘩。居心地の悪さが否めませんでした。常連になれば気にならなくなるのかな・・・。

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278丼   双見軒

荏原町    650円    2020年02月

好み:★★★☆☆

常連さんとの会話も軽やかな町中華屋さん。揚げる音、玉ねぎを切る音を聞きながら待つこと10分ほどでご提供いただきました。薄めで細くカットされたカツは、揚げ過ぎなのか油が汚れているのか、焦げ臭さが終始気になりました。肉は芳醇さはないものの柔らかく、衣はサクサクがしっかり残っていました。卵は熱が通っているタイプ。玉ねぎはたっぷりで染み込みは浅めですが甘さが際立っていて、これだけで充分なおかずになっていました。割下は塩気も甘さもマイルドなのでクドくもならず飽きることもなく食べ進められました。お新香も熱々のお味噌汁も塩分控えめの印象。チキンライスより50円安いという驚きのお値段設定。素晴らしいお手頃感でした。

※残念ながら閉店されたそうです(2021年)


277丼   ミニマートトツカ

祐天寺    500円    2020年02月

好み:★★★★☆

コンビニに取って代わられた昭和の遺産とも言える住宅地の中にあるミニマート。店頭に貼られた掠れた写真メニューに「かつ丼弁当」を見つけて入ってみました。商品棚はスカスカ、お世辞にも衛生的とは言えない店内でした。お弁当は作り置きではなく、注文を受けてから奥の調理場で作るスタイル。店内の椅子で10分ほど待機していましたが、先にも後にも客足ナシ。ご主人の接客も丁寧ですし、なんとか生き延びて欲しいと願うばかりです。近くに小さな公園を見つけてベンチで昼食タイム。まず、少しクセのある甘みが来ました。肉はさすがに質は低いですが柔らかく、サイズもこのお値段ならお得感すらありました。全体的に厚めでしっとりしているものの揚げ立てを思わせる食感を持った衣。卵は白身部分が生状態の仕上がりで、玉ねぎは染み込み浅めで素材の風味が活きていました。割下は少量で塩気も優しく、どちらかというと薄口。お米はかつ丼に合う柔らかさでボリューム的にも物足りなさは感じず、漬物と一緒にドンドン箸が進みました。気取ったところが一切無い家庭的な一杯。もちろん高級感の欠片もないですし、若干油っぽさを感じる味わいでしたが、コスパを考えても優秀だと思いました。

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276丼   蕎麦たかね 雅

浜松町    620円    2020年01月

好み:★★★☆☆

汐留ビルのレストランフロアにある食券制のお蕎麦屋さん。13時~14時半の短い時間帯だけ「かつ丼」があることを発見して突撃してみました。一口食べるとまず醤油の香りがガツンと来ました。出来合いのカツはサイズも厚みもそこそこ。柔らかいけれど、ややモチモチした食感が残念でした。衣は卵も割下もかかっていない所でもしっとり。噛んでいると纏まって硬くなってくる不思議な衣でした。卵は熱が通っていて、玉ねぎは少量で程々の染み込み加減。割下はストレートな塩気で甘さは弱め。トッピングの刻み海苔の風味が勝ってしまっていて蕎麦出汁の深みなどは感じませんでした。蕎麦つゆベースの椀物・しば漬けも含めて全体的に濃味。割下が多めにかかっていますがお米が若干パサパサ気味でした。それでも、お米のボリュームは充分でしたし、まぁこのお値段なら文句は言えないなという感想でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13222150/


275丼   山喜

浜松町    950円    2020年01月

好み:★★★☆☆

串揚げを中心とした居酒屋さん。ランチタイムにはちょっとお得なお値段で定食や丼を頂けます。かなり薄くてホロホロした柔らかい食感の肉。肉を食べている!という感覚はあまりありませんでした。見た目的にも期待薄だったのですが、そこそこの旨味は感じました。衣はしっとり。はじめにこってりした甘さが来て、直後に口内がピリッとするような強めの塩気を感じる味付けでした。卵は熱が通っていて、玉ねぎは染み込み浅めで素材自体の甘みがありました。濃味の割下はお米全部に浸透するほどかかっていました。個人的にパンチのある味付けは歓迎なのですが、これは少々しょっぱすぎるかなという印象でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13032813/


274丼   有楽庵

九品仏    1100円    2020年01月

好み:★★★☆☆

厚みのあるずっしりとしたカツは、端が脂身の典型的なロース肉でした。淡泊というか薄味といった印象。衣は薄くしっとりしていて、端で持ち上げると剥がれ落ちていきました。卵は半熟部分がわずかに残る熱の通し方。玉ねぎは染み込み中程度。割下は塩気も甘さも控えめに感じますが、割下を吸った卵や玉ねぎにはしっかりと味が付いていました。お蕎麦をいただいていないので何とも言えませんが、「かえし」に独特な特徴があるのでしょうか、他のかつ丼では感じたことのない爽やかな(?)風味がありました。ジャンキーでもなく上品でもなく一般的でもない、でもマイナス面もない珍しい味わいでした。お米の量がとても多く、これ一杯で満腹必至。わかめと豆腐のお味噌汁・大根と昆布の煮物が付いて、お茶は蕎麦茶。ひとつ格上の蕎麦屋を演出しようとしている姿勢には好感を持てました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131715/13021968/


273丼   太平楽

尾山台    880円    2020年01月

好み:★★★☆☆

カウンターに座り、注文を告げると元気な女将さんから「かつ丼は一番時間かかるよ!いいの?」とのお返事。もちろんお待ち致します。先客が2人のみでしたので所要時間15分ジャストでのご提供でした。やや薄めで小ぶりのカツは揚げ過ぎなのか少々油の匂いを感じました。肉は上質ではないもののそれなりの旨味がありました。肉と同じくらいの厚さで強めの衣。熱の通った卵の量が少ないのでサクサクとした食感が残っていました。玉ねぎは染み込み浅め。割下は良く言えば町中華のかつ丼にありがちな過度な甘さや中華スープの過剰なクセのない、マイルドな味付け。悪く言えば何の特徴もない味付け。お米の量も含めて全体的なボリュームには物足りなさを感じました。町中華屋さんですがスープではなく家庭的なお味のお味噌汁、お新香は柚子が効いていました。お値段と照らし合わせるとちょっと割高かなぁという印象でした。

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272丼   桃園

矢口渡    930円    2020年01月

好み:★★★★★

揚げ立てのカツは1センチくらいの平均的な厚さで大きさも充分。脂身はありませんがパサつきはなく、胡椒の下味もほんのりと効いて噛み応えもあり、口が幸せを感じました。衣は薄めで余計な主張がないタイプ。サクサクとした食感が楽しめる部分もありました。卵は半熟。玉ねぎは丼からはみ出るほど入っていて、染み込みつつも素材の風味を感じる仕上がり。割下はしっかりと味付けされていても過剰な塩気や甘さは存在せず、中華スープのコクが強すぎることもない、口当たりの良い味わいでした。柔らかめに炊かれたお米がボリューム良く盛られていました。カツがなくなったあとも半熟の卵と大量の玉ねぎとたっぷりかかった割下でグイグイ箸が進みました。お米の上には黒い小さな粒々が。黒胡椒かと思いきや(おそらく中華鍋などから落ちた)「焦げ」であることは町中華の「あるある」ですので何の問題もなし。突出したところはなくても圧倒的な安定感のある滑らかな逸品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131716/13062190/


271丼   銀座木屋 渋谷新南口店

渋谷     1210円    2019年12月

好み:★★☆☆☆

大きさも厚みも申し分ない作り置きのカツ。脂身はなく少々淡泊さが否めないものの柔らかめで食べ応えがありました。衣は薄く完全にしっとり。卵は半熟で、割下の甘さを吸ってなんとも芳醇。そして、269丼に掲載したお店と同様、玉ねぎや長ねぎの類いはまったく入っていませんでした。割下は塩気も甘さも充分に感じますが口当たりはまろやかな味付け。しかし・・・。食べていると終始、生臭さを感じました。お行儀が悪いと思いつつ食材ひとつひとつを嗅いでみると原因はお米。過去に☆ゼロを付けたお店でも出会った油臭のようなものを放つ臭いお米でした。もともとお米の量は少なめだったのに半分ほど残してしまいました。お米が一般的なレベルならこのお値段でも許容範囲のクオリティなのにもったいないの一言でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13023405/


270丼   二月堂

五反田    500円    2019年12月

好み:★★★☆☆

座席ありの立ち食い蕎麦屋さん風のお店。「かつ丼」というメニューは存在せず、「かつ丼セット(そば)」か「ミニかつ丼単品」を選ぶことになります。そこまで空腹ではなかったので「ミニかつ丼」を選択。まさに、手のひらサイズの丼。カツは作り置きですが、出来合いのものではないオリジナリティがありました。肉は適度に脂身が乗って柔らかく、衣は所々カリカリとした食感。卵は混ぜすぎていないので白身と黄身の味を楽しめる半熟仕上げ。玉ねぎは染み込み強めでした。食べ進めると柚子が一切れ入っていました。割下は塩気も充分ですがそれを上回る甘さ。私の舌では詳細は分かり兼ねますが、カツからこれまでのかつ丼では感じたことのない独特な風味を感じました。お蕎麦屋さんなので独自の「かえし」から来るものなのか、何かの調味料なのか、油が原因なのか、、、かと言って、決して嫌な感じではありませんでした。正直、このような形態のお店ですので仕方がないけれどお米にブロック状に固まったところがあるなどしますし、目の前で調理している東南アジア系の男性は割った卵を手のひらに乗せてから丼に流し込み、そのままの手でいろんな食材を触っているので若干不快に感じますが、ボリューム的にも味付け的にもお酒を飲んだ帰りの小腹満たしに最適かと。カツの質を考えるとコスパは良いと感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131603/13157553/


269丼   とんかつ まるき

五反田    1130円    2019年12月

好み:★★★★★

カツを口に入れると食欲がそそられまくる甘塩っぱい風味が一気に広がりました。やや揚げ過ぎなのか、油の匂いも感じられます。1センチに満たないくらいの厚さでサイズは大きめのカツ。肉は脂身のバランスも良く、特級品ではないもののジューシーで旨味を感じる代物でした。衣はしっとり。卵は半熟でたっぷり使われていました。そしてなんと、玉ねぎが入っていない。もちろん長ねぎも何もない。カツと卵とお米と割下だけで勝負している潔さを感じ、物足りなさなどは一切ありませんでした。割下は塩気も甘さも平均的。まさに過不足のない調合で多めにかかっていてもクドさはありませんでした。こういった味わいのかつ丼は散々食べてきましたが、その中でもまったくブレのないド真ん中の味わい。かなり満足度は高かったです。豚汁に豚肉は入っていませんでしたが、そんなことはどうでもいいと思うくらい優しく馴染みのある味。実はかつ丼の食べ巡りを始めた当初からリストアップしていたお店で、当時はネット上の書き込みが低評価だったので足が向きませんでした。最近になってクオリティが上がったのか、単に私の好みにハマっただけなのかは分かりませんが、早く行けばよかったと後悔しました。

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268丼   鶏龍軒

広尾     1000円    2019年12月

好み:★★★★☆

肉厚でサイズも大きなカツ。衣が極薄なのもあってズッシリ感がありました。脂身がないので真ん中部分は少しパサパサしているのが気になりましたが、割下の甘さと肉自体の甘さが相まって旨味を感じました。町中華のカツとしてはかなりの高水準。衣はサクサクが残っていました。卵は少なめで半熟。玉ねぎはたくさん入って染み込んでいるのにシャキシャキ食感。割下はクセのない風味で優しい塩気と甘さ。このかつ丼のように卵と割下の量が多くない場合、肉のパサパサ感が際立ってしまうことがあるのですが、お米が水分多めの柔らかめに仕上がっているため、これが肉の淡泊さを上手に中和していました。もしすべてが計算尽くなのであれば見事なバランスだと思います。お味噌汁はぬるく、ポテトサラダは独特な味付けでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13093522/


267丼   日高

神谷町    800円    2019年12月

好み:★★★☆☆

夜は居酒屋、昼は定食屋さんの様相の老舗店。注文から2分ほどでご提供いただきました。立ち食い蕎麦屋さん等で何度もお目に掛ってきたモチッとした食感の出来合いのカツでした。肉は旨味までは感じられないものの柔らかく、衣は完全にしっとり。やや甘みの勝った優しい味付けの割下が低クオリティのカツをなんとか昇華させている印象でした。卵はわずかに半熟、玉ねぎはほどほどの染み込み具合。お米が若干硬めに感じました。ご飯は大盛・特盛無料なのでボリューム的には大盛にしたほうが満足感は得られると思います。しかし、カツや卵の量を考えるとご飯が余って漬物をおかずに食べるしかなくなるかも。薄めのお味噌汁とミニサラダが付いているので、このお値段でも納得できる範囲と感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130704/13023034/


266丼   マルゲン商店

中目黒    700円    2019年11月

好み:★★☆☆☆

「玄米ランチ」の看板を掲げている小さなカウンター店。平均的な厚さ大きさのカツは甘みがあって香ばしい。肉は柔らかく、しっかり旨味も感じられました。衣は卵と割下がかかっているのにサクサク食感が残っていました。卵はわずかに半熟部分がある程度の熱の通り方。玉ねぎは少なめで染み込みは深め。割下は塩気も甘さも過不足なく、とんかつ屋さんともお蕎麦屋さんとも違うまろやかな風味と味わいでした。そして、最大の特徴がお店の売りでもある玄米。玄米が苦手(と言うより白米至上主義者)な私は、さすがに「かつ丼」は白米使用なのではという淡い期待を持っておりましたが、当然のように玄米。正直、かつ丼にはまったく合わない印象でした。カツや割下の味付けなどはハイクオリティなだけに、もったいないの一言。ボリュームも不満なく、ジュース・アイスコーヒーなどがセルフで飲み放題、温泉たまごもサービスでたくさん籠に入って置いてあって、このお値段設定。ランチ激戦区を生き抜く気概を感じましたし、横目で見た唐揚げや生姜焼きも食欲をそそるモノでしたので、玄米好きな方には強力プッシュできる一店だと思いました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13077935/


265丼   東都グリル

築地     850円    2019年11月

好み:★★★★★

やや薄めの肉は噛み心地良くしっかり下味が効いているので、上級品ではないものの噛むごとに旨味を感じました。脂身のバランスも良い塩梅。衣からは食欲をそそる油の香りがしました。卵や割下がかかっていない部分はサクッとして全体はしっとり。薄めで嫌味がまるでない衣でした。卵は半熟、玉ねぎは染み込み浅めで素材の風味が活きていました。割下は充分だけど行き過ぎていない塩気とわずかな甘み。すべてのお米に浸透していました。お米は少しだけネトッとした食感が気になりましたが許容範囲。ただの彩りでカツや割下と味が喧嘩してしまう傾向のあるトッピングの青海苔ですが、このかつ丼にはぴったりハマっていました。カツのサイズもお米の量もさほど多くないので、まさに瞬殺で完食。食べ応えという面ではイマイチでも、私にとってはどこか懐かしさを感じさせてくれる味わいの逸品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13040870/


264丼   つるとんたん 六本木店

六本木    1380円    2019年11月

好み:★★★★☆

うどん屋さんですので丼物には小うどんが付きます。名物とも言える大きな器。それだけにカツが小さく見えましたが実は平均的なサイズで綺麗な長方形をしていました。程よい厚みの肉は柔らかく、脂身はないけれど旨味が溢れ出てきました。衣は薄くしっとり。卵はビジュアルもよろしく半熟仕上がりで、玉ねぎはたくさん入っていて染み込みは浅め。卵の味わいが深いので玉ねぎの風味は感じられませんでした。割下は塩気も甘さも尖ったところのないマイルドさ。関西系のうどん出汁からなのか、少し酸味をカツの衣から感じるのが個性的。その酸味が私の好みとはわずかにズレがあったものの、最後は割下と半熟卵に浸ったお米を匙で一粒残らず掬って完食。小うどんもさすがの安定感。場所代・雰囲気代・ブランド代込みのお値段設定ではありますが「つるとんたんに行ったら、かつ丼でしょ!」という評判が聞こえて来てもおかしくないクオリティでした。

http://www.tsurutontan.co.jp/shop/roppongi-udon/


263丼   巴屋

恵比寿    800円    2019年11月

好み:★★★★☆

作り置きのカツは優しい出汁の風味がありました。肉は1センチほどの厚さで脂身はほぼ無し。歯触りの良い食感ですが、わずかに淡泊さを感じる代物でした。衣は極薄で、しっとりしているもののカリッと来るところもありました。卵は豊富に使われて熱が通っているタイプ。玉ねぎは染み込み加減がやや浅めでシャキシャキしていました。割下は角の取れた塩気で甘さは控えめ。割下を吸い込んだ卵はしっかりした塩気を纏っていてご飯のおかずとしても楽しめました。ある程度の量がかかっていましたが、お米と一体となっていない印象。お米の品質が合っていないのだと思われます。お味噌汁が付かないのが少々残念。コレと言った特徴はないですが物腰柔らかで温まる一品でした。 

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13021014/


262丼   双葉家

大岡山    850円    2019年11月

好み:★★★★☆

注文からあっという間のご提供。作り置きのカツは、肉はそれなりの厚さで柔らかく、衣は厚めでしっとり滑らか。お蕎麦屋さんのかつ丼でよく見掛けるタイプの代物でした。このタイプには、やけにモチモチした食感で旨味を感じないモノもありますが、こちらは下味もしっかり効いて旨味を感じるモノでした。卵は9割方熱が通っていました。玉ねぎは多めに入っていて染み込み系ですがシャキシャキ感も残っていました。割下は量は少なめで塩気も甘さも不足ない範囲で優しい味付け。お米もやや柔らかめで全体的に「口当たりまろやかなかつ丼」でした。取り立てて特徴はないけれど誰も裏切らない安心安定の一品と言えると思います。お味噌汁はぬるかったです。付け合わせにはお新香と蕎麦の巻き寿司風。お寿司ならシャリの部分がお蕎麦になっていて、きゅうりとカニカマが巻かれており、そばつゆに付けていただくもの。何というか予想通りのお味でしたが、初めていただきましたのでちょっと得した気分になりました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131711/13022580/


261丼 博多うどん酒場イチカバチカ

             恵比寿別邸

恵比寿    935円    2019年11月

好み:★★★★☆

店先の看板に「福岡県大野城市のアノ伝説のうどん屋のかつ丼を完コピ!」との文字を見掛けて、詳細も分からぬまま飛び込んでみました。サイズは小さめですが厚みのあるカツを一口頬張ると濃厚な甘さが広がり、しっかりとした塩気と肉の旨味が直後から押し寄せてきました。豊潤にある脂身も含め、硬すぎず柔らかすぎず噛み応えのある食感。衣は部分的にカリッとしますが全体的にはしっとり。熱々ではなかったですし、ご提供のスピードを考えても作り置きでしょう。卵は半熟仕上がり。玉ねぎは少なめで濃味の割下が染み込みつつも素材の風味が残っていました。かなりの濃さの割下がたっぷり掛っていました。ただ塩辛いのではなく嫌味のない九州の醤油らしい味付け。それだけに、決して小盛りではありませんがもっとお米が欲しくなりました。まさにパンチ力のあるお味で食べ応えも感じました。

https://ichikabachika.com/

※残念ながら閉店されたそうです(2020年)

※恵比寿店は営業中です


260丼   あげもんや

高円寺    1100円    2019年11月

好み:★★★★★

060丼に掲載した「豊ちゃん」。市場移転に伴い閉店してしまったのですが、そこで長年働いていた方が営んでいる店があると知り、伺ってみました。カツは縦にも横にもカットされて一口サイズ。口に入れた瞬間にラードの香りがふわっと漂ってきました。平均よりやや厚めの肉。脂身はほぼありませんが、パサパサ感はなく旨味を感じました。衣も重量感があり、肉からはすぐに剥がれていきますが、サクサクが残っていてなんとも香ばしい。肉から剥がれ落ちた衣も掬い上げて全部いただきました。卵は少量で半熟。玉ねぎも少量で、しっかり飴色になっているものの素材の風味は残っていました。割下は優しく深みのある甘さ、申し分のない塩気。たっぷりかかっていて、柔らかめのお米との相性も抜群。随所に豊ちゃんを思い出させる味わいでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13176997/


259丼   大久保だんご

不動前    900円    2019年10月

好み:★★★★★

店先で団子や大福を販売しているお団子屋さん。ランチタイムだけ店内で食堂を営んでいるのを知り、伺ってみました。実は以前訪れた際に「カツが終わってしまいました」と言われ断念した事があるのですが、この日も既にカレーが売り切れ、単品のかつ丼は私がラストでした。目の前で調理工程が見られましたので覗いていると、カツの煮込み時間がとても長い。そして卵は時間差で二度入れ。最後に割下を少し捨てて微調整した上でご飯に乗せるという丁寧なお仕事ぶりでした。肉は平均的な厚さでサイズは小さめ。適度な噛み応えがあり、脂身はなくさっぱりしていました。衣は肉と同じくらいの厚さで衣付きは弱め。主張の強い衣が苦手な私でもまったく苦にならないしっとりまろやかな舌触り。カツを口に入れた瞬間に甘く深い風味が広がりました。お蕎麦屋さんの「かえし」ではなく、町中華の味付けに近いように感じました。玉ねぎは豊富に入っていて染み込み加減は中程度。素材の味もしっかり残っている仕上がりでした。割下は塩気も甘さもしっかり。パンチ力はあるけど出過ぎておらず、お米全体に浸透するほどたっぷりかかっていてもクドくないどころか、生部分の卵とも混ざり合ったお米は絶品の味わいでした。カツのサイズがもっと大きくて、肉にもう少し旨味があれば、私の中で五指に入る逸品になる得ると思うほど私好みのお味でした。

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258丼   麻布 布袋家

広尾     980円    2019年10月

好み:★★★☆☆

それなりの厚さの肉は必要以上の硬さはなく脂身はほんのり甘い、なかなかの代物でした。衣も厚めでしっとり。衣からは、お蕎麦屋さんの一品ならではのコクと風味を感じましたが、少々重たい印象。カツに噛み付くと肉がスポッと抜けます。厚めの肉と厚めの衣の一体感はイマイチ。卵は少量で熱が通っているタイプ。玉ねぎは染み込み系でした。割下は甘さがやや強めで塩気も過不足なく良いバランス。丼底に溜まるほどかかっていましたが食べ進めてもクドさは感じませんでした。決してクレームの類いではありませんが、カツの下から小指の爪ほどの大きさの固い焦げカスが出てきてちょっとビックリ。カツのボリュームは充分だし、素材一つ一つは良いし、丼内の協和感もある・・・しかし、衣が私の好みではなかったため、満足度は限りなく★4に近い★3としました。お吸い物は優しいお味。コップの水がなくなったらすぐに汲みに来てくださいました。さすが戦後まもなくから続く老舗の接客ぶりでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13039931/


257丼   みゆき

中目黒    700円    2019年10月

好み:★★☆☆☆

カツを揚げる音を聞きながら待つこと10分弱。提供されたかつ丼には、たくあんが6切れ乗っていました。肉は薄くて硬い。衣は存在感があり、しっとりしているものの、所によってガリッと来て、全体的にネチョネチョした珍しい食感でした。カツを箸で持ち上げると衣と肉がバラバラになり、さらに千切れていきます。卵は熱が通っていて、玉ねぎは小さくカットされて染み込み浅め。共に特に風味はナシ。お米や器に黒胡椒がたくさん付いていましたが、舌ではその味は感じませんでした。割下は塩気も甘さも弱く、THE薄味。「とんかつ」も「焼肉定食」も600円というお値段。近隣にお住まいの方や働いている方にとっては有り難いお店でしょう。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13146563/


256丼   浅草 ときわ食堂

浅草     1100円    2019年10月

好み:★★★★☆

雷門のすぐ横にあり、下町の人気店「ときわ食堂」の総本店です。一般的な厚さのカツ。真っ茶色の肉は見た目に反して柔らかく旨味がありました。衣は端の方に少しサクサクが残っている程度で全体はしっとり。厚めですが余計な主張はありませんでした。卵は熱が通っていてたっぷり使われており、割下の塩気を吸い込んでかなりの濃味。玉ねぎもたっぷり入っていて染み込み加減は中程度。割下は塩気がやや強めで甘みも量も過不足無く安心安定の味付けでした。カツのサイズがさほど大きくないのでお米が余ってしまいましたが、卵と玉ねぎをおかずに最後の一粒まで楽しめました。

http://www.asakusa-tokiwa.com/


255丼   弁天

浅草     1100円    2019年10月

好み:★★★★☆

近くに同じ屋号のもんじゃ焼き屋さんもありますが、こちらはお蕎麦屋さんです。ご提供まではかなり待たされました。途中から急に「お待たせしています」とのお声掛けが度々あったので、注文が放置されていたのかもしれません。20分以上待ってやっと有り付けました。1センチを超えるかという厚さのカツ。歯応えは柔らかく、脂身の乗りも適度でほんのりとした甘さも伴っていました。揚げ立てですが衣はしっとり。卵は半熟仕上がり、玉ねぎは少なめで染み込み具合も平均的で、共に脇役に徹していました。割下はそばつゆの風味がバッチリ。お蕎麦屋さんのかつ丼は、ならではのコクや風味の強いものが多くありますが、ここまでつゆ出汁が効いたかつ丼は初めてかもしれません。塩気も甘さもどちらかというと薄味なのですが、お米全体を覆うほどかかっているので物足りなさなどは一切感じませんでした。後で上顎をヤケドしていることに気付きましたが、食べている最中はそれに気付かないほど夢中で完食。お味噌汁が付かない、肉にわずかにパサパサしている部分がある、かなり待たされた、というマイナス面を差し引いても満足度は高めの一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13012246/


254丼   六花たべりゃんせ

大門     580円    2019年9月

好み:★★★☆☆

写真を撮っている段階から鼻腔に強い味付けをアピールするような香りが立ち上って来ました。お値段の割にちゃんとした厚さのカツ。肉は柔らかくモチッとした食感。ややクセがあり飽きの来る下味が施されており、さすがに旨味は特に感じませんでした。衣は全体的にはしっとり、部分的にガリッとしていました。卵は少量で半熟。玉ねぎも少量でしっかり割下が染み込んでいました。割下は塩気も甘さもフルパワー。それだけに食べ応えはありました。すぐ近くに027丼に掲載した燕楽さんがある立地。こちらのほうが優れている点は「お値段設定」と「入りやすさ」だと思います。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13030776/


253丼   徳仙

浅草     850円    2019年9月

好み:★★★★★

浅草の町並みに見事に溶け込む、天麩羅や寿司がメインの老舗店です。あの萩本欽一さんも愛したというかつ丼だそうです。高温で一気に揚げたことが窺える揚げ色のカツ。1センチほどの厚さがあり、歯応えはあるが歯切れの良い肉。サクサク感が残る薄い衣。まさに「ジューシー」という表現がピッタリの代物でした。私のバカ舌では分からなくてもどかしい限りなのですが、肉の下味に何かの調味料が使われていました。よく食べ慣れている味だけど、かつ丼ではこれまで感じたことの無い味。これによってメリハリの効いた味わいになっていました。カレー粉かなぁ・・・。卵はわずかに半熟。玉ねぎは染み込み系で風味も豊かでした。割下は塩気も甘さもしっかり。これぞ東京の味付けと言えるでしょう。米粒全てが茶色になっているほどたっぷりかかっていました。気取ったところのない王道の逸品。お味噌汁は子供の頃から嗜んできた親しみのあるお味でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13061441/


252丼   そば 町田や

自由が丘   900円    2019年9月

好み:★★★★☆

注文してから3分ほどの早さでご提供されました。大きくカットされたカツは平均的な厚さで、しっかりしたボリューム感。肉はわずかに淡泊さがあり、旨味は感じないものの柔らか。一口目からお蕎麦屋さんならではの甘さとコクが広がりました。衣はクドくない厚みで所々カリッと来ましたが揚げ立てではないので基本的にはしっとり。卵は熱が通っていて、玉ねぎは少なめでそこそこの染み込み加減でした。割下は甘みが強めで塩気も良い塩梅に存在する味付け。表面上の見た目ではほとんどかかってないように見えましたが、食べ進めると丼底にまで浸透するほどかかっていました。お値段分の満足は得られたと思いました。豆腐のお味噌汁は優しいお味で私好みでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131703/13101610/


251丼   満月

信濃町    1080円    2019年9月

好み:★★★★☆

2階に同じ屋号のお寿司屋さんもある和食処です。ロースは存在せず「ヒレかつ丼」のみ。衣の見た目はサクサクしているようなのに食べてみたらサクサクはほとんど感じませんでした。肉はヒレなのでさっぱり頂けて、柔らかく旨味も感じました。カツのサイズは中ぶりで、このお値段でこのヒレなら納得。最初の一口と最後のほうに若干、揚げ油の匂いを感じましたが、それほど気にならない程度でした。卵は量が少なめでわずかに半熟が残る仕上がり。玉ねぎは染み込み浅めでした。割下は甘みが前に出て塩気は強すぎず弱すぎずで、お米にマッチする飽きの来ない味付け。小鉢の中にあった梅味の搾菜が私好みでした。失礼ながら店構えからあまり期待せずに入りましたが、いい意味で裏切られました。

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250丼   そば処 兎月

信濃町    800円    2019年9月

好み:★★★★★

古くから、すぐ近くにある某政党御用達のお蕎麦屋さんだそうで、党職員さん達が「東京一のかつ丼」と称えるとの記事をネットで見掛けたので伺ってみました。住宅地裏道の奥手、調べて行かないと発見するのさえ難しいような立地に佇んでいます。提供されたかつ丼はアツアツで湯気が立ち上っていました。大きくはないけれど厚みのある肉は脂身も適度で旨味も充分。下味も嫌味の無い範囲でしっかり付いていました。衣は薄く軽やかで、しっとりとした口触り。揚げ立てではないようですが香ばしさがありました。割下は塩気ほどほどで甘さは控えめ。とてもいいバランスだと感じました。卵は熱が通っていて甘い風味。たくさん入った玉ねぎは割下がしっかり染み込んでいてもシャキシャキした食感が残っていて、素材の味を楽しめました。敢えて惜しい点を言えば、肉に筋張っている部分が少々ある、玉ねぎの主張が強め、全体的にボリュームが少なめ、といったところですが、どれも目を瞑れるレベルであり、相当満足度の高い逸品でした。

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249丼   福招庵

代官山    900円    2019年9月

好み:★★★☆☆

どちらかというと薄めの肉で脂身はほぼ無し。肉自体の風味は特になく下味も弱め。かといって淡泊すぎるわけでもなく、クセのない代物でした。衣は厚めのヤワヤワしっとりで、箸で持ち上げている途中に肉から分離していきました。卵は熱が通っているタイプ。衣の具合とわずかにパラパラ過ぎかなという印象のお米を考えると、もう少し卵を半熟に仕上げたなら全体的なまろやかさが出るのにもったいないのではと感じました。玉ねぎは豊富で染み込み系。風味は強いほうでした。割下は塩気やや控えめで甘さはもっと控えめですが、物足りなさは感じない程度の味付け。人によって好みがハッキリ分かれるような突っ張った所のない優しい一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130303/13012485/


248丼   兵隊家

田園調布   1130円    2019年8月

好み:★★★★☆

日本屈指の高級住宅地の中に隠れるように佇み、お蕎麦屋さんの配達用バイク(スーパーカブ)が全国に普及するキッカケを作ったとしても知られる、100年近く続く老舗です。かつ丼に適した厚さのカツ。肉は食べる所によってあっさりしていたり脂身の甘みが口に広がったり。上質とまでは言えませんが芳醇な旨味がありました。衣は主張無くしっとり。割下は少量で各食材の風味を引き立たせるためか塩気も甘さもマイルドな仕様。割下を吸った卵からわずかに甘さを感じる程度でした。卵は熱が通っていて、玉ねぎは染み込み浅めでシャキシャキ食感。卵と玉ねぎとお米だけでも充分に楽しめました。そして、カツとお米の間には大判の海苔が一枚挟まっていました。難点を挙げるなら、この海苔の風味がお重全体を占めて、「かつ煮の乗った海苔弁」を食べているように感じるところでしょうか。かつ丼としての協和感はイマイチかもしれません。ひじきの煮物、大根や南瓜などの煮物、四種のお新香、わかめと大根のお味噌汁と小鉢類も充実。どれも品のある味付けでした。何一つ残すことなく完食。「店の雰囲気で食べさせる」だけではない、お値段に見合う一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131704/13017672/


247丼   蕎麦季

武蔵小山   970円    2019年8月

好み:★★★☆☆

小さめですが1センチほどの厚さがあるカツは歯応えがありました。肉自体の旨味はあるものの脂身はなく少々パサパサ感が否めない印象でした。存在感のある衣は剥がれやすく全体が完全にしっとり。衣に何か秘密があるのか、揚げている油が理由なのか、独特な香りと風味を感じました。卵は熱が通っていて、玉ねぎは染み込み浅め。割下は控えめの味付けで、衣からの風味のほうが強いくらい。割下は少なめなので、かかっていない部分のお米は若干硬さがありました。使われている三つ葉はとても濃い苦みを持っていました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13023401/



246丼   橋本家

祐天寺    700円    2019年8月

好み:★★★★☆

厚みやサイズはお値段に沿ったカツでしたが、全体的にとにかく柔らかい。肉は脂身はまったくないけれどジューシーな食感でした。衣もしっとり滑らか。しかし所々、歯に突き刺さってくるような硬い部分もありました。熱は通っていてもフワフワな卵、少量で中程度の染み込み加減の玉ねぎ。共に風味を感じました。割下は濃味。まず甘さが押し寄せてきて、しっかりした塩気とお蕎麦屋さんならではのコクが追いかけてくる味付けでした。私にとっては甘さがやや過剰でしたが、たっぷりの割下がカツ・卵・お米を見事に包み込み、一体感と協和感のある料理になっていました。

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245丼   バチェラー

目黒     950円    2019年8月

好み:★☆☆☆☆

レンガの壁にアンティークな調度品が飾られ、ムーディーな洋楽が流れるレトロでお洒落な洋食カフェでした。店内の雰囲気に反して、メニューには日替わりの鯖定食まで並んでいます。カレーライスが800円、カツカレーが900円。玉子重が850円、かつ重が950円。カツのお値段100円。良心的設定なのかそれ相応のカツが出てきてしまうのか半信半疑で待っていると、10分弱でド定番なお重に入った「かつ重」が提供されました。ハムのような食感の肉、さつま揚げのような食感でパン粉を一切感じさせない衣。脂身は皆無、断面は肉と衣の境が分からないほど白一色。旨味も芳醇さもなく、重たさだけを感じました。これは100円。卵は玉子焼のように熱が通っていて、割下を含んで甘い味わいでしたが生臭さもありました。玉ねぎはあまり煮込まれておらず素材の風味はあるものの少々辛い。さらに、玉ねぎと一緒に小松菜が入っているのが特徴的でした。しかし小松菜の酸味が強くカツや割下にまったく合っていませんでした。割下は先に甘さ、後から塩気。口当たりは優しいですが後味は強めの味付けでした。あくまで人の嗜好の話なので、このかつ重のファンもいらっしゃるでしょうが、私個人としては居心地の良いお店に似つかわしくない残念な代物でした。食後にはコーヒーか紅茶が付きました。

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244丼   丸屋

戸越銀座   950円    2019年8月

好み:★★★★☆

各地様々な業種で見掛ける屋号ですが、こちらは戸越銀座商店街にあるお蕎麦屋さん。肉がやや筋張っていて硬く「これはハズレを引いてしまったか」と思いましたが、よく味わってみるとお蕎麦屋さんのカツにありがちな「柔らかいだけで風味がないモノ」ではなく、割下の塩気と甘さを纏ってそれなりに旨味を感じるカツでした。衣は薄めでわずかにサクサクが残っていました。卵は熱が通っていて、玉ねぎは染み込み系なのにシャキシャキ食感。たっぷりかかった割下は甘さは控えめも塩気は強く濃味。それだけに、卵と玉ねぎと割下を絡めたお米だけでも楽しめました。少しだけ水分多めに炊かれたと思われるお米は口触りが滑らかで私好み。お値段に鑑みても、カツのクオリティがもう少し高ければかなりの満足感を与えてくれる一品だと思いました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131712/13067631/



243丼   こづち食堂

蒲田     710円    2019年8月

好み:★★★★☆

適度な厚さの肉は柔らかく、脂身はないですが淡泊さは感じない代物でした。衣はサクサクが残っていて剥がれやすいものの肉と衣のバランスが絶妙。ほんのりと香ばしさと甘さも感じ、「とんかつ」としては物足りなくても「かつ丼」にはぴったりのカツだと思いました。卵はわずかに半熟。玉ねぎは割下をよく吸い込んでいて風味がありました。お米の具合も問題なし。割下はしっかりした塩気を伴ったパンチ力のある味付けでした。給仕役の男性は入店時に「っしゃい」、退店時に「どーもー」とのお声掛け。お支払いの際も値段も言わず無言でお金を受け取り無言でお釣りを渡してくる接客ぶり。いかにも地元サラリーマンを中心とした常連客相手のご商売という感じでしたが、特に不快でもなく、お味は確かでした。

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242丼   さかえや

武蔵小山   650円    2019年7月

好み:★★★★☆

平均的な厚さの肉は脂身がなく若干淡泊。しかしながら衣に独特な香ばしさがあるので、それなりに味わいのあるカツでした。そんな衣は薄くサクサク感が少し残っていました。卵は半熟で量は少なめ。玉ねぎは豊富に入っていて染み込みは浅めですが甘く風味がありました。お米がパラパラ気味で、全体に浸透するほど割下がかかっていますが丼内にまとまりがなくシャバシャバした水っぽさを少々感じました。割下は薄味。塩気控えめで甘さはほとんどありませんでした。ジャンキーでも上品でもない、どこかホッとするよう味付け。お新香は優しい漬かり具合でした。駅から遠く離れ住宅地にポツンと佇むお蕎麦屋さんですが、この界隈でこのお値段は驚異的。この価格帯のかつ丼としてはかなり優秀なクオリティでした。

※残念ながら閉店されたそうです(2023年)


241丼   新華楼

西太子堂   850円    2019年7月

好み:★★★★☆

ラーメン王と呼ばれる某氏が著書で紹介したという町中華屋さん。注文するのはラーメンではなく、もちろんかつ丼。揚げたカツを親子鍋ではなく中華鍋で煮込み、器用に丼へと移していました。カツを口に入れた瞬間、まろやかな甘みが広がりました。適度な厚さの肉は歯切れ良く歯応え強め、ジューシーで旨味を感じました。衣は薄くしっとりしていますが香ばしさは残っていました。割下は甘さが強めで刺々しさがない塩気。卵は少なめで半熟仕上がり。玉ねぎは程よく染み込み、アクセントになっていました。さらに、タケノコが入っているのが何とも珍しい。かなり薄切りで割下を含んでいるので素材自体の風味はありませんが、食感の変化は楽しめました。実は、「お米がなくなってしまって、30分掛ります」と言われたため、一度退店して30分後に再訪したのですが、そんな炊きたてのお米の具合も文句なし。個人的には全体的な甘さとわずかな焦げっぽさが少しだけ気になりましたが、食べている最中から食欲を刺激してくる一品。中華スープはしっかりした深みのある味わいでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131706/13062327/


240丼   多け乃

築地     780円    2019年7月

好み:★★★☆☆

実に様々な魚介を時価で提供している大人気店。隙間を狙って夕方に訪店してみました。厨房に女将さん、カウンターとテーブルに先客の男性3人、と思ったら全員店員さんでした。カウンターの端っこに着席してたった1人のかつ丼タイムを楽しませていただきました。カツは揚げ立てサクサク、所によってはカリカリ。衣は薄いですが硬さがありました。1センチはある肉は端の方以外は脂身がなく、わずかにパサパサしていました。塩胡椒の下味はハッキリスッキリ付いていますが、旨味溢れるとまではいきません。卵は熱が通っていて、玉ねぎは染み込み系ですがシャキシャキ食感で風味がありました。割下には独特な香りがあり、いい具合の塩気で甘さは控えめ。他の定食類には付いている貝汁は、かつ丼には付いていなく欲しければ別料金とのことでした。一定水準にはある一品でしたが、やはりこちらでは刺身や煮魚を頂くべきなのかもしれません。

https://tsukijitakeno.owst.jp/


239丼   パラタン

浜松町    1000円    2019年7月

好み:★★★☆☆

感想を一言で言ってしまうと、カツの「ボリューム」だけはお値段に見合うといったところでした。肉と衣の形状から店内で揚げていない出来合いのカツであると思われます。モッチリとした食感で、柔らかく程々に脂身もありますが旨味は特にありませんでした。衣は完全にしっとり。卵は少量で熱が通っているタイプ。玉ねぎは染み込んでいて、それなりに風味がありました。割下は先に甘さ、後から塩気が来て、どちらかと言えば薄味でした。お値段の割に高級感は決してなく、カツの質に問題はありますが、駅構内の喫茶店で食べられるかつ丼としては及第点だと思いました。

※残念ながら閉店されたそうです(2020年)


238丼    大鳳飯店

不動前     850円    2019年7月

好み:★★★★☆

なんといっても、甘い割下が特徴的でした。砂糖の直球的な甘さというよりは甘口醤油?中華出汁?のようなコクのある甘さを纏っていました。大きめのカツは適度な厚みもあり、肉は柔らか。衣はしっとりしていますが揚げ立ての歯触りはちゃんと感じる仕上がりでした。卵は絶妙な半熟具合。玉ねぎは少量で染み込み浅め。中華スープは塩気は薄く奥深い味わいでした。全体のボリュームも文句なし。とにかく、丼全体を包み込むこの甘さが好みに合うかどうかがポイントでしょう。私の好みとは若干異なっていたので大満足とまではいきませんでしたが、甘めのかつ丼がお好みの方にはぜひお薦めしたい一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13092796/


237丼    美楽

不動前     750円    2019年7月

好み:★★★★☆

まさに「隠れ家」という表現がピッタリな町中華屋さんでした。店先の赤い暖簾をくぐると狭い玄関。そこで脱靴。右が台所で左が小さな居間。居間にはローテーブル2つに座布団8つ。壁にはカレンダーと演歌歌手のポスター。そして畳の上に直にテレビが置かれていました。知り合いのおばちゃん家の昼飯に呼ばれたような雰囲気。女将さんに「かつ丼をお願いします」と告げると「だけ?」との返し。「はい」と答えると、「ネギもなんも関係ない?」。おそらく、玉ねぎ抜きだとかツユダクだとかお好みの注文はございますか?という意味だろうと理解し、「はい」と答えました。丼には壺漬けが一緒に乗っていました。小さいけれど厚いカツ。横3センチ、縦1センチといったところ。ピンク色の肉は硬めではありますがそれなりに旨味もありました。衣は薄くしっとり。卵は熱が通っていて、玉ねぎは染み込み浅め。割下は目立った所のない優しい味わいでした。味付けにパンチ力はありませんが、カツのクオリティも良いですし、お値段を考えれば充分すぎる印象。お会計時に「のど飴」をくれました。

※残念ながら閉店されたそうです(2021年)

236丼    志ら井

駒沢大学    800円    2019年7月

好み:★★★★☆

揚げ立てのカツは口に入れた瞬間、お蕎麦屋さんのかつ丼らしい甘い風味が広がりました。しっかりした厚みの肉。赤身部分は硬くはないですが下味が効いていないので淡泊さがあり、逆に脂身部分はややクドい濃さでした。衣が見事。薄いのにわずかにサクサク感が残っていて、香ばしさがあり、これが肉の力不足を補ってカツ自体の旨味を演出していました。パン粉か揚げ油に一捻りあるのではないかと思われます。卵は熱が通っているタイプ。玉ねぎは豊富で程よく染み込んでいました。割下はたっぷり。甘さが少し前に出ているものの過剰さのない平均的な味わいでした。特に推す要素はありませんが、特に不満も感じない安心の一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131707/13074131/


235丼 名代とんかつ かつくら 新宿高島屋店

新宿      1740円    2019年7月

好み:★★★★☆

京都を拠点に全国展開している「かつくら」さん。席に着き注文すると、アレルギーの有無、白味噌のお味噌汁に山椒を入れるか、普通盛りでよいかを聞かれました。やはりこのお値段のお店ですので、配慮が行き届いている印象。15分ほど経って提供されたかつ丼(ロースカツ重)。まず特徴的なのが、干し椎茸・しらたき・青ネギが入っているところ。逆に玉ねぎは入っていませんでした。まさに、すき焼きの味わいでした。肉は歯切れ良く芳醇で、脂身もクドさがなく甘い。衣は端にだけサクサク感が残り、全体的にはしっとり。良質な揚げ油とパン粉の香ばしさがありました。たっぷり使われた卵は半熟のふわふわ。割下は甘さが前に出ていて、角の取れた塩気。難点を挙げれば、カツのサイズが小さいので食べ応えとしてはやや物足りなさを感じるぐらい。しかし、残ったお米をすき焼き風味の卵と混ぜれば、それはそれで立派な料理になっていました。里芋・人参・大根など具だくさんのお味噌汁もハイレベルで、しかもおかわり自由。おばんざいの湯葉も京都らしさを演出していました。

 http://www.katsukura.jp/index.html


234丼    麦まる 大森イトーヨーカドー店

大森海岸    470円    2019年7月

好み:★★☆☆☆

お手軽なうどん屋チェーンを数多く展開しているグルメ杵屋さんのブランドの1つ。233丼と同じくフードコート内の一店です。大量生産型のモチモチした食感のカツでした。柔らかいですが肉の旨味はありません。衣は何の食感もないほどしっとりしていました。卵は半熟で、割下を吸ってしょっぱさ強め。玉ねぎは染み込みにバラつきがあり、生っぽいところは辛い。お米はパラパラ過ぎの印象でした。お米に強めの香りというか匂いがあるため、割下の風味と喧嘩していました。その割下は塩気が前面に出た濃味。そのせいで甘さはさほど感じませんが食べている途中から口がペタペタしてきたので、それなりの量の砂糖が入っているものと思われます。実際に低価格なのでこんな事を言うのは不躾ですが、全体的に安っぽい匂いや後味が気になりました。しかし、このお値段でかつ丼が食べられて空腹が満たせるのですから有り難い存在であることは間違いありません。

https://www.gourmet-kineya.co.jp/brands/35/


233丼 とんかつ大學 イトーヨーカドー大森店

大森海岸    637円    2019年7月

好み:★★★★☆

長崎ちゃんぽんのリンガーハットグループが展開するとんかつ店。フードコートに軒を並べる一店です。時間帯的に閑散としたコート内で、注文待ちをしているのは私1人だけでしたが、揚げ立てを提供するためなのか、かなり待たされました。カツはそれなりの肉厚で下味も効いていて、衣はわずかにサクサク感が残っていました。筋張っている所も少々ありましたが、この価格でこのクオリティは企業努力の賜物であると思いました。卵は半熟で風味があり、玉ねぎは申し訳程度にしか入っていませんが染み込み浅めで薄い割にシャキシャキしていました。割下は尖ったところはなく優しい味付け。一般的なとんかつ屋さんともお蕎麦屋さんとも違う風味がありました。失礼ながらまったく期待していませんでしたが、充分楽しめました。

https://www.tonkatsudaigaku.jp/


232丼    甲州屋

三軒茶屋    850円    2019年7月

好み:★★★★☆

いろんな所でたまに見掛けるお蕎麦屋さんの屋号ですが、こちらは三軒茶屋駅から少々離れた場所にあるお店。カツは注文が入ってからパン粉を付けて揚げていました。肉は噛み応えがあり、吸い込んだ割下の甘みと肉本来の甘みが相まった風味。剥がれやすい衣は薄くしっとり。卵は硬すぎない程度に熱が通っていて、玉ねぎは染み込み浅めで少量ですが味わいを感じました。割下は塩気も甘さも強すぎないながらもパンチがある味付けで、お蕎麦屋さんならではコクもありました。最後は、サービス良く盛り付けられたお米が少し残ってしまいましたが、たっぷりの割下が絡んでいるので問題なく楽しめました。ボリュームはあっても即完食。万人を虜にするような何かを持った一品ではないけれど、もし家の近所にあったら私は通っちゃうことでしょう。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131706/13054059/


231丼    君塚食堂

浅草      972円    2019年6月

好み:★★★★☆

かなり薄めのカツ。食べ応えはないものの肉には程よく脂身もあり、下味も効いているので旨味を感じました。衣はしっとり。卵は豊富で熱が通っているタイプ。そして、玉ねぎと長ねぎが両方ともたくさん入っていました。染み込みは浅く、終始シャキシャキとした食感が楽しめました。割下は丼底に溜まるほどたっぷり。マイルドな塩気で甘みはほぼ感じないくらいの味付けでした。お味噌汁が付かずにこのお値段は観光客相手の設定に思えますし、とんかつ好きには決して勧められないカツですし、お新香は水っぽいですし、何か強いインパクトがあるわけでもないけれど、かつ丼に求められる要素はきちんと凝縮されている、どこか魅力を感じる一品でした。

http://kimizuka.tokyo/


230丼    弥生

浅草      1300円    2019年6月

好み:★★★★☆

テレビ番組「ビフォーアフター」でモダンに改装されたことが話題になったとんかつ屋さんです。断面が美しいピンク色で厚めの肉。脂身がないので歯触りがわずかに淡泊ではありますが芳醇な風味を纏っていました。衣は極薄でしっとり。上質なラードを使っていることが窺え、油っぽさのないあっさりで上品な揚げ具合。卵は半熟でお米にまで浸透して全体を滑らかにしていました。カツの下に敷かれているのは玉ねぎではなく長ねぎ。少量ですので特に風味や食感に変化はありませんでした。割下は塩加減が絶妙で甘さは控えめ。お米の量が少ないため、最後はお米がなくなってカツが一切れ残るという珍現象が起きました。溶き卵が入ったお味噌汁に冷奴付き。このお値段でも納得の高品質でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13060027/


229丼    寿々木家

高田馬場    800円    2019年6月

好み:★★★★☆

ずっしりと重量感があるカツは、私の舌では詳細は分かりかねますが独特な風味がありました。肉は柔らかく、適度な脂身により淡泊さを感じさせない味わい。衣は厚くしっとりしていました。卵は熱が通っていて、割下を含んでしょっぱいお味。玉ねぎは少量ですが染み込み系でした。割下の量は少しだけで、味付け自体は薄め。お蕎麦屋さんの割下にしては香りやコクをあまり感じない仕様でした。お米がややパサパサしていて丼内の一体感が不足気味の印象を持ちました。しかし、食べている最中の高揚感と食べ終わった後の満足感は確かにあり、この独自の風味は人によっては随一の存在になり得るポテンシャルを秘めていると感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13048358/


228丼    立喰そば きうち

人形町     560円    2019年6月

好み:★★★☆☆

やや薄めの肉にその倍はある厚手の衣というカツ。少し酸っぱさを感じる味付けが施されていました。立ち食い蕎麦さんですが、店内で揚げているらしいので衣にザクッとした食感が残っている所もありました。少々揚げすぎかなという印象。調理工程をカウンター越しに眺めていると、卵を2つ割って溶き入れていました。半熟で豊富な卵がカツを包み込んでいて、このお値段にしては贅沢な仕様。玉ねぎは染み込み浅めですが芳醇でした。そして珍しいことに、野菜炒めに入っているような形状をした小さなキャベツも少量敷かれていました。割下は塩気も甘さも主張なく全体的にボンヤリした後味。この割下と衣の強さが私の好みではありませんでしたが、コストパフォーマンスは抜群だと思いました。つぼ漬けのお新香は取り放題になっていました。

https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13120693/


227丼    三友

人形町     1280円    2019年6月

好み:★★★★☆

10月~4月はカキフライ専門店となり、1時間以上の行列は当たり前の人気店。その時期を外せばメニューにかつ丼が現れます。先客1人で後客なしという状況でした。肉も衣も厚いカツからは、ほんのり甘い風味を感じました。揚げ加減が秀逸。脂身も豊富で旨味がありました。ただ、肉には筋が気になる所があり、脂身のこってり感に最後のほうは飽きが来てしまいました。衣はしっとりを通り越してふんわりした口触り。卵は熱が通っているタイプ。玉ねぎは細く千切りにされていて、それだけに割下を充分に吸い込んでいました。「玉ねぎは甘み添えだからトンカツの邪魔をしないように細く切る」という店主のこだわりだそうです。食べ進めるうち、お米にかなり硬い部分が少しだけありました。割下はとても穏やかな塩気に上品な甘さのある味付け。レベル高めの一品であることは間違いないのですが、ちょっと割高かなと感じました。

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226丼    ひふみ亭

駒沢大学    800円    2019年6月

好み:★★★★★

住宅地にポツンと佇む町中華屋さんです。揚げ立てのカツ。サイズは小さいですが1センチほどの厚さがある肉は歯応えがあり食べ応え充分でした。衣は薄くしっとり。卵はいい具合の半熟で、割下の染み込んだ玉ねぎがたくさん入っていて、甘い風味がありました。割下はたっぷりかかっていますが、控えめな味付けなのでクドさはなく、中華スープのほうが塩気を強く感じるほどでした。一級品のカツや食材を使っているわけではないのに、丼全体の協和感により、見事な料理になっていました。実力派のかつ丼に出会えました。

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225丼    かつ銀

新宿三丁目   810円    2019年6月

好み:★★★★☆

ほどよい厚みで柔らかくも噛み応えのある肉。割下と相まって甘く旨味がありました。剥がれやすい衣はサクサクが残り生パン粉の食感。卵は半熟、玉ねぎはそれなりの染み込み具合で共に割下の塩気を含んで芳醇な風味でした。割下自体の味付けは過剰なところはなく、とてもバランスが整っていると感じました。まさに、人の好みに影響されない優秀な一品。この立地でこのクオリティであれば良心的とも言えるお値段ですし、2人で切り盛りされている年配のご夫婦も朗らかですし、評判が高いお店であることは当然だと思えました。

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224丼    山田うどん食堂 五反田TOC店

大崎広小路   600円    2019年6月

好み:★★★★☆

人気うどん屋チェーンさんの食堂コンセプトの店舗です。立ち食い蕎麦屋さんなどのかつ丼でよく見掛ける大量生産型のカツは、クオリティは高くないのにとても柔らかく旨味を感じました。ボリュームも申し分なし。もちろんその場で揚げているわけではないので衣はしっとりしていました。卵は熱が通っているタイプで、玉ねぎは染み込み浅めですが風味がありました。割下は尖ったところがなく塩気も甘みも意外なほどマイルド。これでこのお値段なのですから充分すぎだと思いました。

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223丼    とん清

大崎広小路   950円    2019年6月

好み:★★★☆☆

細くカットされ、1センチ以上の厚さがあるカツ。食べ応えはあるのですが、脂身もなく淡泊でパサパサした食感でした。衣は薄くしっとり。卵は少量で熱が通っていて、玉ねぎは綺麗な飴色をしているもののわずか5切れほどしか入っていなくて少々残念。割下はやや甘さを感じる程度で優しい味付け。お米はとんかつ定食にはぴったりでしょうが、かつ丼には若干柔らかすぎるかなといった印象でした。不満はないけれど飛び抜けた何かはない一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131603/13080630/


222丼    多吉

東銀座     1050円    2019年6月

好み:★★★☆☆

銀座は歌舞伎座の裏手に鎮座するお蕎麦屋さんです。胡椒の下味がかなり強いカツ。平均的な厚さの肉は肉質も風味も淡泊なので、それを補うためにこの下味なのかもしれません。衣は薄めですぐに剥がれます。衣からは鶏の唐揚げのような香りがしました。卵は硬くなりすぎない程度に熱が通っていて、玉ねぎはそこそこの染み込み具合。割下は塩気も甘さもほどほどと言ったところで、肉の下味のほうが強く感じました。店内も混んでいるのですが出前の電話がひっきりなしにかかっていました。それに対応するためなのか、とにかく料理の提供スピードが速い。私のかつ丼も注文から3~4分ほどでのご提供でした。クオリティとお値段を比べると「銀座価格」であることは否めないと思いました。

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221丼    三宝楼

西小山     750円    2019年6月

好み:★★★★☆

「汚いけど美味い店」としてテレビ取材されたこともある老舗町中華店。しかしながら店内は汚くも不潔感もありませんでした。メニューは麺類から飯類まで豊富。「かつ丼ください」とお願いすると女将さんが「え?」と二度聞き。女将さんが調理するご主人にオーダーを通す際もご主人が「え?」と二度聞き。かつ丼の注文が入るのは珍しいのかもしれません。チャーハンを盛るような大きな器によそわれ、横には紅ショウガとたくあんが2切れ乗っていました。肉も衣も薄めのカツ。肉は筋張っていそうに見えましたが実際は柔らかく、旨味はないものの脂身のバランスも良好でした。衣はサクサクを通り越してザクザクとした食感。私は主張の強い衣は苦手なのですが、これはあっさりしていて嫌味がありませんでした。卵は熱が通っていて、玉ねぎは程よい染み込み加減。全体の茶色いビジュアルから想像した通りに割下は強めの塩気で、甘さはそれほど感じず、まさに食欲を刺激される味付けでした。ボリュームは平均よりやや少なめなので即完食。中華スープはコクがありました。掘り出し物を見つけた気分になりました。

※残念ながら閉店されたそうです(2020年)


220丼    よし田

半蔵門     1050円    2019年6月

好み:★★★★☆

柔らかく脂身が少なくモチッとした食感、お蕎麦屋さんのかつ丼のようなカツでした。しっかりとした味付けがされているので、肉質自体はやや淡泊ですが旨味を感じました。衣はしっとり。卵は熱が通っていますがふわふわで滑らかな舌触りが絶妙。玉ねぎは染み込み系でした。甘みのある割下は上品な風味で飽きることなく食べ進められました。小鉢には沢庵と煮豆が。久しぶりに煮豆が頂けて嬉しかったです。「おでん居酒屋」さんのランチ限定メニューでしたので、さほど期待もしないで訪れたのですが、お見逸れ致しました。

https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13026103/


219丼    とんかつ いけだ

半蔵門     1150円    2019年6月

好み:★★★☆☆

カツの上から卵で閉じるのではなく卵を敷いた上にカツを乗せる形で煮込まれていました。023丼に掲載した神泉の「瑞兆」さんに似たスタイル。割下をカツの上から掛けているのでしょうか、そこまでサクサクしていなく剥がれやすい衣でした。卵は割下と絡まって甘く、玉ねぎは少量で割下の風味をよく吸い込んでいました。肉は平均からやや薄めくらいの厚さで柔らかいのですが芳醇さはあまりなく、脂身は多いものの特に旨味や甘みは感じませんでした。割下は塩気も甘さも控えめ。クドさのない優しい味付けではありますが少々インパクトに欠けた印象を持ちました。見た目よりも全体的なボリュームはなく、このお値段は少々お高いのではと感じてしまいました。

https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13040721/


218丼    とんかつ八千代

不動前     850円    2019年6月

好み:★★★☆☆

同じ屋号の有名店もございますが、こちらは東急目黒線の不動前駅の近くにある家族経営の一店です。甘い風味の不思議な下味が施されており、薄い肉を2枚重ねたように見える部分やミンチ肉のように見える部分があるなど不思議な形状をしたカツでした。とんかつ屋さんのカツにしては相当小さいサイズですが、柔らかい歯応え。衣は厚く、見た目は揚げすぎかと思いましたが食べてみるとそんなことはなく、割下のかかっていない所はサクサクしていました。卵は半熟気味。玉ねぎは染み込みにバラつきがありました。たっぷりとかかった割下は、前に出てくる塩気や甘さはないものの舌にピリピリくる不思議な後味を感じました。お米はやや柔らかすぎかと思います。何かと不思議な一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13163898/


217丼    光月

学芸大学    830円    2019年5月

好み:★★★★☆

どこの駅からも遠く離れている立地ながら創業50年とのこと。町に愛されているお蕎麦屋さんといった雰囲気でした。大きめのカツは柔らかくモッチリ食感。下味も効いていて私好みでしたが、端の一切れが完全に筋まみれで噛み切れなかったのだけ残念。衣はしっとり系。女将さんが親子鍋に卵を投下するところを覗き見る限り、無造作に掛けているように見えましたが、わずかに半熟部分を残した綺麗な閉じ方。まさに円熟した腕前と言えるでしょう。甘めの割下がたっぷりかかっていて、カツ・卵・染み込んだ玉ねぎ・お米全体を包み込んでいました。お米の炊き加減も申し分なし。お味噌汁・お新香も含め味が濃いので、一汗かいた昼下がりに掻き込むのにはぴったりの一杯でした。

※残念ながら閉店されたそうです(2023年)


216丼    福室庵

宮の坂     970円    2019年5月

好み:★★★☆☆

豪徳寺すぐ近くのお蕎麦屋さん。芸能人のサイン色紙なんかもたくさん飾られています。大きくカットされていて箸で持ち上げると重量感がある、お蕎麦屋さんのかつ丼の中ではボリューミーなカツでした。脂身とのバランスも良いのですが両端は筋が強く噛み切れませんでした。衣も厚めでザクッとパン粉を感じる仕上がり。存在感があり過ぎて、肉から剥がれ落ちた衣は少し残してしまいました。卵は熱が通ったところと生なところが共存。たっぷりかかった割下とよく絡んで甘く芳醇でした。やや大きめの玉ねぎは染み込み浅めで風味がありました。割下は塩気強めで程よい甘さ。ほんのり出汁の香りを感じました。味付けもしっかりしていて、お米の量は控えめでも食べ応え充分であるため、このかつ丼を絶賛する人がいても何らおかしくありませんが、私にとっては「少々重いかつ丼」でございました。

http://www.fukumuroan.com/


215丼    中華 こばやし

不動前     900円    2019年5月

好み:★★★★☆

1965年創業の老舗町中華屋さん。高齢のご夫婦で営んでいらっしゃいます。脂身が少なくあっさりとした肉、薄く繊細でしっかりと肉に付いた衣。サイズは小さめですが嫌味のないカツでした。卵は柔らかさが残る程度に熱が通っていました。面白いのは、玉ねぎと長ねぎが両方入っているところ。丼の左側に玉ねぎ、右側に長ねぎが豊富に入っていました。ねぎ自体の風味は弱いものの逆に味の喧嘩や邪魔にはなっていません。割下は塩気も甘さも控えめですが、コクを感じました。あっさりとしたカツとコクのある割下がきちんと協和。熟練の技を垣間見られました。全体的にパンチはなく、ラーメンが500円という価格設定の中でやや高値かなとは思いますが、店内に貼られた長年に渡る営業に感謝する店主の言葉を眺めていると、マイナス面を探すのも野暮だと思い直します。中華スープは優しい味付け、きゅうりのお新香はまさにおばあちゃん家の味でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13115537/


214丼    ゆたか食堂

巣鴨      850円    2019年5月

好み:★★★★☆

小ぶりでちょうど良い厚さのカツ。やや揚げすぎなのか少し焦げた匂いがしました。カツにはフライドチキンのような下味が施されていて、とんかつ屋さんのかつ丼とは一線を画し、これまた一興。肉に筋張っているところがあったのがちょっと残念。衣はしっとり系でした。卵は全体的に熱が通っていて、玉ねぎは大きめにカットされ染み込みは浅め。ともに風味はイマイチでした。割下は塩気も甘みもしっかりとしていて塩気がやや強め。行き過ぎないパンチ力があり、とても私好みでした。野菜多めの豚汁、ミニサラダ、茄子の煮浸し、冷奴、お新香と小鉢類も充実していて好感が持てました。

https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132301/13088824/


213丼    動坂食堂

田端      900円    2019年5月

好み:★★★★★

高級ではありませんが薄めで柔らかい肉、繊細さを感じさせる衣は所々サクサクが残って、まさにかつ丼にぴったりのカツ。過剰な味付けのない割下と絶妙に絡み合っているのでドンドン箸が進んでいきました。卵は熱が通っているタイプで量は平均的。玉ねぎは染み込み浅めで風味がありました。玉ねぎと一緒に、なんとニンジンが入っていました。味や食感のアクセントになっているとまで行きませんが、見た目にも面白さがありました。割下はたっぷりかかっているのでお米の最後の一粒まで堪能。お新香は浅く漬かっていました。衝撃を受けるような突き抜けたものはないですが確実に間違いのない良品。それなりの食材達を調理技術によって昇華させていると思いました。都内で有数の人気大衆食堂であるのが頷けます。わざわざ足を運んで食べに行った甲斐がありました。

https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132301/13008505/


212丼    更科丸屋

芝公園     980円    2019年5月

好み:★★★☆☆

第一印象は「甘い」。かつ丼にするカツとしては平均的なやや薄めのカツ。淡泊ではありませんが芳醇さはなく、僅かにある脂身部分にも旨味はありませんでした。滑らかな舌触りとガリッとくる歯応えから、かなり強めの衣を割下で長く煮込んだことが窺えました。卵の閉じ方は美しいですが量自体は少量。玉ねぎも少量で染み込み浅め。どちらも特に風味はありませんでした。割下は甘さが強く塩気はそこそこといったところで、コクは感じませんでした。上から見える部分のお米が白いままなので割下の量が少なめなのかと思ったら丼の底のほうに溜まっていました。硬めに炊かれたお米が要因なのだと思いますが丼内の一体感には欠けていました。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13067812/


211丼    志波田本店

大岡山     900円    2019年5月

好み:★★★★★

昼は小さな温or冷蕎麦の付いたセットのみ。夜はかつ丼単品で1000円します。適度な噛み応えがありつつも柔らかい肉は旨味が凝縮されていました。それなりに厚みもありボリューム感も充分。少しだけある脂身もクセがありませんでした。衣は薄くしっとり系ですが微かにサクッとした食感も残っていました。卵は半熟部分がわずかにある程度の火の通りで、玉ねぎは少量で染み込んでいました。卵からは割下のしっかりした塩気と甘さを強く感じたのですが、カツやお米を食べる際には過剰な味付けはまったく感じず、実にまろやかな風味。セットのお蕎麦もツルツルした喉ごしで安心安定のお味。ピーマンの冷たい炒め物(?)にも一手間を感じられました。これまで頂いてきた「お蕎麦屋さんのかつ丼」の中では最高クラスに私好みの逸品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131711/13040465/


210丼    日の出食堂

荏原中延    650円    2019年5月

好み:★★☆☆☆

カツは箸を付ける前から衣が剥がれ肉がむき出しになっていました。頬張ると焦げた匂いを少し感じ、丼内には黒いコゲカスもチラホラと見受けられました。肉はそこそこの厚みがあり、硬くはないけれど旨味もありませんでした。衣はしっとりしていますがガリッとくる所も。肉の薄いカツが一切れだけあったので、もしかしたら一枚肉ではないのかもしれません。狭く静かな店内に油で揚げる音は聞こえなかったので、作り置きなのかもしれません。玉ねぎはたくさん入っていて染み込み浅めでシャキシャキ食感、卵は半熟で閉じ方に匠の技を感じるものの、共に風味はなくどこか生臭さがありました。割下は塩気も甘みも弱く、薄ボンヤリした味付け。これぞ地域密着型大衆食堂の個性とプラスに捉えるべきでしょう。お値段的にもありがたい。年配のご夫婦だけで切り盛りされていて、女将さんの明るい物腰とあたりの良さは特筆モノでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131712/13082787/



209丼    別館かつ茶寮

自由が丘    1296円    2019年5月

好み:★★★★★

開店してからまだ数日とのことでしたので、このさきメニュー名などが変わる可能性もありますが・・・、「カツ重」と「大盛りカツ丼」というメニューがあり、お値段は同じ。違いを伺うと「お重に入っているか丼に入っているか。丼の場合はご飯が大盛りになります。」という謎設定でしたので、「大盛りカツ丼」をお願いしました。いろんな店舗でよく見掛ける、定食類はご飯とお味噌汁がおかわり自由なのに、重・丼だとおかわりNGという謎ルールが採用されていました。1センチを超える厚さのカツ。肉はまさに芳醇で脂身はとろけるように甘い。衣は薄く繊細で香ばしさがありました。きれいな油で揚げていることが窺い知れます。このお値段で出しているカツとしては、かなりの高水準だと思いました。卵は、表面は熱が通っていて生の部分はお米の中に溶け込んでいました。たっぷりの割下と混ざり合って旨味倍増の絶妙な味わい。割下自体はマイルドな味付けで過剰な塩気や甘さはありませんでした。玉ねぎは少量で染み込み浅め。お米が私の好みからするとやや硬かったですがまったくもって許容範囲内。肉に一カ所だけ筋張って噛み切れない所があったのと、玉ねぎの風味が足りなかったのと、お味噌汁がぬるかったのだけが惜しいと感じました。それ以外は素晴らしいクオリティで、カウンター横一列にズラッと並んでいた先客全員を抜いて一瞬で完食。大盛りだったのにもっと食べたいと思える逸品でした。

※残念ながら閉店されたそうです(2019年)


208丼    萬来軒

荏原中延    800円    2019年5月

好み:★★★★☆

「なると」が1枚乗っていてキュートな見た目。カツはやや揚げすぎで、焦げ臭さを感じました。肉は、サイズは小さいものの1センチ近い厚み。硬いとまではいきませんが歯応えがありました。衣は薄くしっとりしながらもザラザラした舌触りが残っていました。卵は少なめで熱が通っているタイプ。玉ねぎは多めでよく染み込んでいて甘さを楽しめました。割下は「町中華のかつ丼」特有の風味を感じましたが、かかっている量も少ないので特別な主張はありませんでした。カツの下味の塩のほうが強かったくらいです。それだけに、お米のボリュームがあっても最後までモタれずに食べ進められました。中華スープもお新香も強すぎない味付けでした。「萬来軒」という屋号は私が幼少の頃は至る所にあったイメージでしたので調べてみたところ、大正13年に初代が創業。昭和20年代には40店舗以上に拡大。しかし現在は閉店が相次ぎ数店舗ほどに。当店とここの近くの戸越銀座、そして半蔵門などで見掛けるぐらいになってしまいました。メニューや価格は店舗によって違いがあるようですね。

※残念ながら閉店されたそうです(2020年)


207丼    とんかつのげん田

代官山     1026円    2019年5月

好み:★★★☆☆

お茶の温冷、小皿キャベツの有無、ご飯の量を聞かれました。大盛りにしても同じお値段の様子。なんといっても特徴的なのが、かつ煮の上にソースがかかっていることでした。カツは、薄めで柔らかい肉と肉と同じくらいの厚さでしっとりした衣。卵は熱が通っていて、玉ねぎはほぼ生で厚めにカットされていました。割下は極少量。肉・衣・卵・玉ねぎ・割下、それぞれの風味や味付けはソースの強い味でまるで感じ取ることができませんでした。すべてがソース味。とは言っても、いわゆる「ソースかつ丼」ではなく、やや辛めのソースで味わう「かつ丼」と言えます。女将さんに「七味をかけてくださいね」とお勧めされましたので途中で掛けてみたところ、確かに味がしまり、一段階昇格しました。かつ丼を食べ巡る以前は激辛料理を食べ巡っていたほど唐辛子が大好きな私。しかし、かつ丼と唐辛子の相性は悪いと感じていまして、普段はかつ丼に七味(一味)はかけずにいただくのですが、このかつ丼と七味の相性は抜群でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130303/13019799/


206丼    駒沢 そば蔵

駒沢大学    972円    2019年4月

好み:★★★☆☆

2~3枚に薄くスライスしたロース肉を重ねてあるカツでした。柔らかく、脂身は少なく、芳醇さはありませんでした。衣はボリューム感がありしっとり系。卵は少なめで半熟部分がわずかにありました。玉ねぎは染み込み浅めで食感あり。トッピングされた刻み海苔の風味と喧嘩しない優しい味付けの割下は、飽きの来ない甘さを纏っていて私の好みでした。お米が粒立っていて良い硬さ具合なのですが、使っている品種の問題なのか強めの風味があり、かつ丼には合っていない印象でした。

http://www.sobakura.com/sobakura/komazawa.html


205丼    洋食 入舟

大森海岸    860円    2019年4月

好み:★★★★☆

先に小さなカップに入ったポタージュスープが出てきました。お店の一角にあるコーヒーと紅茶は無料でおかわり自由・持ち帰りも可能。かつ丼の蓋を開けると、半熟の卵がキラキラと光り、適度に染み込んだ玉ねぎが丁寧に配置されていました。素晴らしいビジュアル。カツの肉は一般的な厚みでやや硬め。衣は厚めで端のほうはサクサクが残っていました。卵にはそれほど風味はありませんでしたが、玉ねぎは甘く旨味を感じました。珍しく、カツとお米の間に少量の千切りキャベツが敷かれていて食感の変化を楽しめます。割下は直接的な醤油の辛さや砂糖の甘さはまったく感じないのに、丼内の協和感を生むのに充分な味わいがあり、やや芳醇さに欠けたカツも見事に昇華されていました。エビフライなどの定食が人気の老舗洋食店で、私以外にかつ丼を注文している方はいらっしゃいませんでしたが、もっと注目されていい一品だと思いました。

https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131502/13003330/


204丼    あざみ

不動前     880円    2019年4月

好み:★★★★☆

カツを頬張るとまず強めの甘さが来て、後から塩気が来ました。作り置きですが、厚めで柔らかくクドさのない肉。私の舌では下味の詳細までは分かり兼ねますが、何か別の豚肉料理に感じる微々たる味付けが施されていました。衣は卵も割下もかかっていない所でもしっとり。卵は半熟で少量、玉ねぎは染み込みつつもシャキシャキした食感があり、共に割下の風味によって甘く仕上がっていました。お米が柔らかいわけではありませんが、全体的にベタベタした口触りが残りました。お米の割下のかかっている部分とかかっていない部分のコントラストが良く、最後まで飽きずに楽しめました。週末の正午に伺ったこともあり、店内は家族連れで大盛況。安心して食べられる「お蕎麦屋さんのかつ丼」という印象でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13067059/


203丼    柳屋

祐天寺     900円    2019年4月

好み:★★★☆☆

駅から離れた住宅街に佇む清潔感のあるお蕎麦屋さん。完全にしっとりとした衣は剥がれるというより箸で触れると即時に肉から分離します。分離した衣だけを食べるとモチモチした食感でした。肉は味気ないといった印象。綺麗に閉じられた卵は熱が通っていて、玉ねぎは程々の染み込み加減で甘い風味がありました。割下はほんのりと甘みを感じる程度で塩気はかなり薄かったです。健康面では優しいけれど物足りなさは否めませんでした。ビジュアル優秀、お味は平凡。お昼時を過ぎてからの入店でしたので先客も後客もなし。BGMも調理音も一切ない静寂の中で黙々と頂いていると、突然隣のテーブルに座った女将さんが爆音でお蕎麦をすすり出したので思わず笑ってしまいました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13068968/


202丼    六角亭 串揚げと和食

代官山     1000円    2019年4月

好み:★★★★☆

夜は串揚げ屋さんのランチメニューです。メニューはどれも「山形そば」がセットになっていました。かつ丼には「紅花たまごを使用」「卵を溶かずに仕上げています。よく火を入れて欲しい方はお声掛けください。」という但し書きがありました。3分ほどでご提供。この早さですからカツは作り置きでしょう。卵は2つ、別で作った目玉焼きを乗せているのではなく、宣伝文句通り卵を溶かない状態で「卵とじ」にしてあります。小ぶりなヒレカツは柔らかくクセのないものでした。玉ねぎはほぼ生。卵の黄身は色が濃く半熟で、潰せば濃厚な卵かけご飯が出来上がります。お米の上には小さな刻み海苔が敷いてありました。カツはすぐになくなっちゃいますが、残ったお米は卵と海苔を絡めて最後まで問題なく楽しめました。こだわりに対して申し訳ないのですが、卵はそこまで風味を感じませんでした。割下からは蕎麦つゆの香りがして、卵の風味を活かすためか上品な薄味。お蕎麦は弾力があり、最後には蕎麦湯も出てきました。いろいろこだわっているのは伝わってきましたが、飛び抜けた何かはないかなと。満足感はそれなりにありました。ランチ営業終了の1時間ほど前でしたが、ほぼ全員のお客さんが「かつ丼」を注文されていて、あと1食で売り切れになるとのことでした。

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201丼    とんかつ 勝泉

品川      900円    2019年4月

好み:★★★★☆

カウンターに座り注文してほどなく、お米がよそわれたお重がカウンター上にポンと置かれました。カツを揚げて煮ている間、ずっとお米が空気に晒されています。調理をしている2人の男性は「ふー」「ふー」とため息じみた声を出したり、頭上の棚から食器を取るときに「あ~」とダルそうな声で唸ったり。これはヤバい店に入ってしまったかもと不安がよぎりましたが・・・、出てきた一品はそんな心配無用。存分に楽しめるモノでした。ロースかつ定食などを横目で見る限り、かつ丼(メニュー名は「かつ重」)に使われているカツはやや薄めの様子。肉は少々淡泊で噛みちぎれないような部分もあり、芳醇さはなかったのですが脂身は優しい甘さを持っていました。卵はその場で1個割って溶いて入れていたので量は少なめ、割下の量も少ないので厚めの衣はサクサクしているところが残っていました。箸で持ち上げるとすぐに剥がれ落ちます。卵にはしっかり熱が通っていて、玉ねぎは煮込み時間が短かったのにちゃんと染み込んでいました。割下はストレートな風味ながら、かなりの濃味。お重の中心部分に重点的にかかっているので、そこは塩辛さと甘さを強く感じました。ひとつひとつのポイントを列挙すると、良い点があまり無いように見えてしまうかもしれませんが・・・割下の強い味付けが「かつ丼としての一体感」を生み出しており、上手に各食材をまとめ上げて確実にランクアップさせている、見事な料理になっていました。豚汁もマイルドでいいお味でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131403/13041198/


200丼    いわさき

日比谷     900円    2019年4月

好み:★★★☆☆

記念すべき200丼目をどこにしようかと悩みましたが、テレビで特集されていたお店の前をたまたま通りかかったので飛び込んでみました。ふわっと独特な香りが口に広がりました。長年に渡る独自の注ぎ足し方法で作り上げられた割下によるものらしいです。(親子鍋でカツを煮る際に割下をわざと多めに入れ、煮た後に半分ほどを元の容器に戻すという方法。カツから煮出た成分が熟成されていくそう。)薄めの肉は柔らかいところ・筋張っているところ・脂っぽいところが共存。衣はしっとりしていましたが硬くザクッとした部分もありました。カツとお米の間に大判な海苔が一枚挟まっているのも特徴のひとつ。卵は半熟、玉ねぎは食感残しの仕上がりでした。お米はやや柔らかすぎかなという印象。塩気も甘みもかなり強く、味わいも深いのですが、不思議とさっぱり頂けました。カツとお米、卵と玉ねぎとお米、海苔とお米、などお重の中のどこの部分を食べるかでいろんな味が楽しめますが、それぞれがバラバラではなく割下の風味により統率されていると感じました。一般的な「かつ丼」というよりは「変幻自在なガッツリ系の風味を味わう丼飯(お重飯)」といったほうが適しているのかもしれません。お味噌汁には珍しく揚げ玉がいっぱい入っていましたが油っぽさやクドさはありませんでした。

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199丼    武井食堂

新御徒町    810円    2019年4月

好み:★★★☆☆

そこそこの厚みがある肉は、脂身は少なめでやや硬くてパサパサしている印象でした。衣はしっとりですぐに剥がれます。卵は熱が通ったタイプでわずかに白身に生部分が残っている程度。玉ねぎは少量で染み込み浅めなものの風味を感じました。割下はマイルドな甘みが際立ち、優しくもしっかりした味付け。かつ丼自体のお味に特筆するところはありませんでしたが、お米のボリュームも良く、飲食店街から離れた立地にもかかわらず男性客で賑わっているのにも頷けました。足元がおぼつかない歩みで給仕を担う女将さんの物腰と明るさは気持ちよかったです。

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198丼    いい菜&ゼスト

池袋      430円    2019年4月

好み:★★☆☆☆

関東各県に展開している惣菜・お弁当チェーンです。池袋ショッピングパーク店で購入。かつ丼はリニューアルを重ねているようで、見た目や器の形状がよく変わっている印象です。この商品は「かつ丼(竹)」という名前でした(梅や松は売っていませんでしたが)。お弁当ですからカツの衣にサクサク感はありませんでした。肉は脂身のない淡泊なタイプ。卵は上から閉じているのではなくカツの周辺や下に遠慮がちに配置されていました。もちろん鮮度の問題がありますのでしっかり熱が通っています。玉ねぎは豊富に入っていますが染み込みも味わいもありませんでした。全体的に汁気が少なく、割下もほとんどかかっていませんので割下の味付けもよく分かりませんでした。わずかに出汁の風味がしたような・・・。お米も含め、かつ丼特有の芳醇さを感じさせる要素は皆無。カツと卵と玉ねぎをお米の上に乗せたから「かつ丼」でしょ?といったところでしょうか。とは言っても、決して「食べられたものじゃない」というわけではなく、このお値段でこれ以上の質を求めるのが贅沢ってやつなのであろうと思いました。

http://zestcook.net/


197丼    浅草うまいもん あづま

浅草      1050円    2019年4月

好み:★★★☆☆

厚さはそれほどでもないですがサイズは大きなカツでした。完全にしっとりした衣はクセがなくあっさりしていて、すぐに剥がれ落ちます。そのため、肉の表面・衣の裏面にある胡椒の黒いツブツブがよく見えました。しかし、下味の胡椒の風味はまったく感じませんでした。卵は半熟の仕上がり。玉ねぎは綺麗な飴色ですが味わいはありませんでした。割下は甘さが強め。使っているダシに独特な香りがありました。お米の盛りが控えめなので珍しくカツが余ってお米がなくなるという現象が起きました。クオリティが低いわけではないという前置きをした上で、「名代かつ丼」と謳い、メニュー表には「自信作!」という文字が躍っているわりには平凡な一品という印象。お値段的には少々お高いかなと思いました。

http://aduma.tokyo/


196丼    食事処 まえ田

浅草      850円    2019年4月

好み:★★★★☆

親指の先くらいの大きさの一口カツが8個ほど並んでいるスタイルでした。脂身のない肉は適度な歯応えがあり、衣は柔らかくしっとり滑らか。見た目は残念だったのですが、これは悪くない。芳醇とまではいきませんが旨味をきちんと感じました。割下は色は濃くないものの強めの味付け。先にガツンと塩気が来て、後から甘みが押し寄せてきました。卵は半熟、玉ねぎは少量でしたが割下を吸い込んで煮込まれていました。お米はやや硬めでかつ丼にぴったりの仕様。刻み海苔がトッピングされていましたが、食べている最中ずっと海苔の香りがしていてちょっと邪魔に思えました。立地的な土地柄やお店の雰囲気から、お酒と一緒に召し上がる方を意識しているのか、お味噌汁もかなりの塩気があり、全体的に濃味でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13037225/


195丼    ロッジ赤石

浅草      1050円    2019年3月

好み:★★★★☆

テレビゲームの筐体がテーブルになっている席もある、THE昭和レトロな喫茶店です。昼時を過ぎていたのに満席。カツは胡椒の下味がしっかり付いている薄めの肉に、わずかにサクサク感が残っている薄めの衣。柔らかいですが歯応えがあり、それが食べ応えに繋がっていました。卵は半熟で閉じ方に匠の技を感じます。玉ねぎはやや染み込み系で風味は弱め。割下は甘さが少し前に出ているもののクセのない味付けでした。カツ自体に胡椒が効いているのでちょうどいい塩梅。お米は硬すぎず柔らかすぎずで割下がそんなにかかっているわけではありませんが丸いお重のせいか箸で掬いにくく、最後は添えられたスプーンの出番となりました。お味噌汁もお新香も懐かしいお味でほっこり。カウンター内にはエプロン姿のおばさまが3人。その左奥ではご主人が黙々と調理をこなしています。おばさま達は順番にカウンターに座りお食事タイムを取ったり、3人で血液型の話で盛り上がっていたり。でも、私のコップが空になるとすぐに気付いてお水を注ぎ足しに来てくれました。キッチリでもなくユルくもない、古き良き昭和の接客ぶりも心地よかったです。

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194丼    二天門やぶ

浅草      1000円    2019年3月

好み:★★★★☆

平均的な厚さ・大きさで、端のほうは脂身が強く全体的に柔らかいロースカツでした。衣は厚めでしっとり。揚げ立てでアツアツでした。割下は優しい甘さを感じる味付け。半熟の卵と大きめにカットしてシャキシャキ食感を残した仕上がりの玉ねぎが、その優しい甘さに包み込まれていました。割下がたっぷりかかっているのにお米はベチャッとせず、薄褐色に染まっている所と白いままの所のバランスが上手に取られています。まさに「お蕎麦屋さんのかつ丼」の中の上級品であると思いました。

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193丼    かつ丼 天下星

新宿御苑前   880円    2019年3月

好み:★★★★★

入店したらカウンターにて前会計をするスタイル。「厚切りかつ丼」を名物と謳っていますが、一番お安い「天下星かつ丼」を注文しました。着席して調理過程を眺めていると、揚げたカツをカウンター手前に置かれた卓上カセットコンロで煮込み加熱&卵とじにしていました。その様子には正直、不安がよぎります。。。しかし10分弱でご提供いただいたかつ丼は、いい意味で完全に予想を裏切られました。卵の閉じ方が素晴らしい。外周は熱が通りカツの上は半熟の状態。見た目で一気に食欲が沸いてきました。もちろん食感も絶妙。カツは薄すぎず一般的な、かつ丼にはこのくらいの厚さがちょうど合うであろうモノでした。これは「厚切り」にしなくて正解なのかも・・・と勝手に思えるほどでした。「もち豚」を使用しているそうですが、肉の断面に赤い部分がわずかに残る揚げ具合で多少筋っぽさはあるものの脂身部分のバランスも良く旨味を感じました。衣はサクサクとしっとりが見事に共存。香ばしく油っぽさが一切ない仕上がりでした。割下は優しい味ですが塩気も甘さもきちんと感じ、決してボンヤリした薄味ではなく、研究の末の味付けであることを想像させます。お米の炊き具合もかつ丼にマッチしていました。玉ねぎは染み込みが浅く食感重視の仕様。もう少し玉ねぎが染み込んでいて、もう少し全体的なボリュームがあったら文句の付け所のない逸品だと思いました。きんぴらごぼう、キャベツのお味噌汁も優しい風味で侮れませんでした。

※千駄木に移転されました(2023年)

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192丼    みやぎ

西馬込     720円    2019年3月

好み:★★★☆☆

どこの駅からも遠く、住宅街にポツンと佇む町中華屋さん。作り置き(もしくは冷凍モノ?)のカツは、薄いものの歯切れ良く柔らか。衣はしっとり滑らかでした。上質とはとても言えませんが私好みの煮カツではありました。玉ねぎは少量で特色無し。カウンター席から調理工程がよく見えたので拝見していると、あらかじめ溶いてステンレス容器に入れられている卵を二段階で投入していました。風味は感じませんでしたが確かに熱が通っている部分と生の部分が共存していて食感を楽しめました。さらに、煮ている最中の割下をお玉ですくい、丼によそったお米に先に一回かけていました。この割下がかなり強めの塩気。カツも卵も全体的にしょっぱく仕上がっていて水をおかわりしてしまったほどでした。カツを煮る際にカウンター上のボウルに入った塩をひとつまみ入れていましたが、それが余計なのかもしれません。お米の硬さ具合は文句なし。中華スープはそれほど濃味ではありませんでした。

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191丼    池上食堂

池上      700円    2019年3月

好み:★★☆☆☆

昭和感が漂う大衆食堂です。カツは肉が薄く小さめで衣が厚め。肉は筋張っていて噛み切れず、衣だけが口に入ってくることもしばしば。ですが、肉単体で食べるとそこまで硬くはありませんでした。衣は完全にしっとり。卵はわずかに半熟部分が残り、玉ねぎは染み込み浅め。共に特に風味はありませんでした。割下はたっぷりとかかっていますが全体的に薄味でわずかに甘さを感じる程度。お米は平均的な量なのですがカツ・卵・玉ねぎは早々になくなり、残ったお米はお新香と一緒にいただきました。割下に浸ったお米にお新香の塩気が加わるとちょうどいい味付け具合になるかなと感じました。豆腐や大根がこれでもかと入ったお味噌汁には満足。かつ煮が400円、お米とお味噌汁のセットが250円。かつ丼は700円。何がどう違うのかは不明ですがちょっと不思議な価格設定でした。

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190丼    光栄軒

荒川区役所前  750円    2019年3月

好み:★★★★☆

デカ盛りで有名な町中華屋さん。ラーメンどんぶりにカツが2枚という大ボリューム。揚げ立てのカツは油の汚れが窺い知れる揚げ色ですが、焦げ臭さやエグみは一切なし。肉は程よく脂身があり赤身部分も芳醇さはないけれど、もっさり感も変な硬さもありませんでした。卵が少量なので衣はサクサクというよりザクザクとした食感が残り、かなり強め。剥がれ落ちた衣は少し残してしまいました。玉ねぎは染み込みが浅くシャキシャキしていましたが一部には黒くなるほど染み込んでいるものもありました。割下は、割下というよりカツを煮た汁の残りが少しかかっているといったイメージ。ソースのような甘い味付けが施されていました。お米の硬度は見事な加減でした。中華スープもお漬物も優しいお味。写真の上部に見切れているのはサワーと無料のおつまみ。おつまみは、注文したメニューに被らない一品料理を出してくださるそうですが、私にはチャーシュー2切れとキャベツを敷いた目玉焼きが2つでした。これだけでもお店によってはいいお値段を取るというのに無料・・・。どこに行っても「かつ丼単品」しかオーダーしない私ですが、このお店に来たからにはこのサービスを・・・と思った次第。全てで税込1130円なり。驚愕です。注文を伝える女将さんたちの声、それに対するご主人の返事、決して喧しいのではない心地よい活気を感じました。常連客との会話も一見である私が聞いてもまったく嫌味なく朗らかな雰囲気。どこぞの居酒屋やラーメン屋の店員に学ばせたい。かつ丼自体のクオリティは高いほうではないけれど、それを凌駕する良さをいくつも感じ、数多くの方から支持される名店であることに納得しました。完食で満腹。ごちそうさまでした。

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189丼    レストラン喫茶タクト

小岩      980円    2019年3月

好み:★★★☆☆

提供されてまず驚くのが、横から見ると蓋が閉まらず山のような形になっているほどの大盛りぶり。蓋を開けると1センチを超える厚さのカツが鎮座していました。肉は濃い茶色をしていて脂身はなし。柔らかいけれど淡泊でパサパサしていました。衣は薄く食感はありません。カツを2切れ掴むとやっとお米が見えてきました。卵は少なめで半熟。玉ねぎは染み込み系で甘く芳醇な風味を感じて絶妙でした。生姜焼き・カレー・ハンバーグ・焼きそばなど、当店の人気メニューほぼ大半に使う食材ですのでこだわりがあるのではないでしょうか。お米は柔らかく丼内にぎっしり入っていました。割下が満遍なくかかっているので少々ベチャベチャした印象。割下は塩気も甘さも控えめ。見た目とボリュームにはインパクトあれど味付けにはインパクトなしといった一品でした。しかし、それだからこそ飽きることなくデカ盛りを食べ進められるのだと思います。割下もカツも旨味が足りないのでトッピングの刻み海苔は功を奏していました。普通盛りなら完食できる範囲でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131204/13050324/


188丼    福よし

明治神宮前   1510円    2019年3月

好み:★★★★☆

同じ屋号のお店は多数ありますが、こちらはネット情報によるとエリック・クラプトンのお気に入りというとんかつ屋さん。しばしの休業のあと移転再開されましたが、とにかく場所が分かりづらい。細い螺旋階段の下に小さな看板をやっと見つけて入店しました。分厚くしっとりした衣は箸で持ち上げると完全に剥がれ落ちますが、この衣の舌触りやほんのりと甘みを感じる風味が絶品。衣をおかずにお米を食べても楽しめるほどでした。肉は厚みも柔らかさも脂身の量・質もそこそこといったところ。卵は上にかけて閉じるのではなくカツの周りにやや半熟で配置されていました。玉ねぎは染み込み具合が良く風味もありました。割下は塩気と甘さのバランスが良く過不足なし。かかっている量も過不足なく、まさに優等生的一品でした。割下やカツの味わいが深いのでトッピングされている刻み海苔は相性が良くないと感じました。薄めのお味噌汁は小さな豆腐が2~3欠片のみ、平凡なたくあんが2切れ。立地を考えれば致し方ないのでしょうが、さすがにこのお値段は割高かな・・・というのが正直な感想です。

https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130601/13227305/


187丼    究極の塩だし そば助

池袋      850円    2019年2月

好み:★★★★☆

塩だしそばが看板メニューのチェーン店。池袋西口店。しっかりとした肉厚で衣にサクサクが残っているカツ。脂身は無し。旨味はありませんがパサパサ感もありませんでした。入店したタイミングでたまたまかもしれませんが揚げ立て。店舗形態からすると価格設定がお高めだと思っていましたが納得できるものでした。割下は甘さが前に出ていて、たっぷりとかかっているため、最後のほうは塩辛さを感じてきました。卵や玉ねぎに特色はありませんでしたが、なんと言っても上に乗っている冷たい温泉たまごが特徴的。これがかつ丼をランクアップさせているとまでは言えませんが、カツに絡めたりお米に混ぜたりするといろいろな風味が味わえて面白かったです。

https://soba-suke.com/


186丼    きそば 柏屋

北千住     800円    2019年2月

好み:★★★☆☆

厚みがあって大きなカツは脂身も少なく、食べ応え充分でした。衣はしっとり系で、すぐ剥がれ落ちます。割下は甘さはそれほどないけれど塩気が強く、さらに、「かえし」に特徴があるのか酸味を感じました。塩気がやや淡泊な肉をしっかり助長していましたが、酸味が熱の通った卵・染み込んだ玉ねぎの風味に勝ってしまっているのが残念でした。割下の量はかなり少なめ。それでも割下のかかったお米だけを食べるとすっぱさを感じました。お味噌汁にはしじみがいっぱい入っていました。

https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132402/13021086/


185丼    幸楽

北千住     700円    2019年2月

好み:★★★★☆

蓋を取ると現れる丸いビジュアルが堪らず食欲をそそります。わずかに半熟加減の卵と割下によって作られた滑らかな衣が絶品でした。これぞ、とんかつとの違いであり、かつ丼の魅力のひとつだと思います。カツは薄めで肉と衣が同じくらいの幅。口に入れた瞬間、甘さがふわっと来ました。肉は少々硬め。玉ねぎは染み込み浅めでシャキシャキ食感。卵も玉ねぎも素材の風味はさほど感じませんでした。割下は醤油と砂糖をストレートに感じる甘さ強め・辛さ控えめの味付けで、かかっている量は多くはありません。食材自体は決して上質ではありませんが、腕によってかつ丼という上質料理に昇華させている印象を持ちました。町中華には暴力的に濃味のお店もありますが中華スープもお新香も優しい味わいで楽しめました。

https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132402/13062984/


184丼    きこり食堂

祐天寺     800円    2019年2月

好み:★★★★☆

衣はサクサク、肉はやや硬めで脂身は少なく、ちょっと筋っぽいものの旨味があるカツでした。卵は熱が通っていて甘みを感じ、玉ねぎは染み込み系ですが食感が残り風味がありました。割下は塩気も甘さもしっかり感じますが決して強すぎない味付け。お米全部に浸透するほどかかっていました。お米はかなり柔らかめですが割下との相性が抜群なので何の問題もなく、最後の方は「おじや」みたいな味わいで楽しめました。豆腐・わかめ・油揚げがたっぷりのお味噌汁はまさに家庭的。お新香は優しい漬かり具合でした。食べ終わりを見計らって女将さんがコーヒーを出してくださいます。それでこのお値段。一級品とまでは言えないかもしれませんが人に勧めたくなる魅力を持っている一品に出会えました。

※残念ながら閉店されたそうです(2021年)


183丼    ゑびす屋食堂

京成立石    750円    2019年2月

好み:★★★★☆

薄く脂身多めのカツはホッとするお味でした。芳醇な旨味が・・・とまではいきませんが、このお値段であれば充分。衣は揚げ立てなのでほんのりパン粉の歯触りを残しつつも割下によってしっとりとしていました。卵はしっかり熱が通っていて風味を感じさせる仕上がり。玉ねぎの染み込みは浅めでした。辛さも甘さも出過ぎていない割下が豊潤で、丼内の一体感を見事に演出していました。カツが小ぶりなのでお米が余ってしまいましたが、割下を纏ったお米だけでも絶妙な味わい。お米の柔らかさもちょうど良い具合でした。大根の入った白味噌汁は沸騰していましたので、冷ましてから頂きました。

https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132403/13098025/


182丼    倉井ストアー

京成立石    425円    2019年2月

好み:★★★★☆

弁当惣菜屋さんと食堂が並んでいる、お洒落に言えばイートイン形態です。正午過ぎでしたが8卓ほどのテーブルは年配の酔客でいっぱいでした。思いのほか提供までは時間が掛かりましたのでカツは揚げ立てでしょう。肉も衣もしっかりとした厚みで1センチ以上ありました。口に入れると甘みとしょっぱさが一気に来ます。肉は柔らかく、衣も過剰な主張はありませんでした。卵は熱が通っていて量はたっぷり。卵とカツを一緒に頬張るとほんの少しだけ生臭さを感じましたが気になるほどではありません。玉ねぎは一切入っていないという珍しい一品。皆さん、お酒を飲んだ後のシメで注文するのでしょうから、塩気が強く、カツも小さめでお米のボリュームも少ない仕様。2枚添えられた沢庵も味が濃い。かつ丼としてのパンチ力は満点で、終始笑みを浮かべながらの完食でした。こんなお値段で頂けることが信じがたいの一言。味噌汁・サラダ・漬物・生卵などを付けて500円と600円の2種の「かつ丼定食」にもできるようです。多種多様の他のメニューも全部食べてみたいという衝動に駆られました。紫煙が立ちこめ、そこかしこでの両者とも呂律が回っていない口喧嘩をBGMにしながらの食事が大丈夫な方にとっては間違いなく「下町のオアシス」だと思います。

https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132403/13022526/


181丼    蕎菜 目黒店

目黒      1080円    2019年2月

好み:★★★☆☆

三つ葉と小さくカットされた生の玉ねぎがトッピングされています。「甘くて柔らかい四元豚を使用」だそうです。確かに、脂身が甘いのではなく肉全体から甘みを感じました。卵も割下もかなり少量なので衣はサクサク。玉ねぎは染み込み浅めでしたがバラつきがあるので意図的ではなく単に雑なのでしょう。カツ自体の甘みが強いので割下は塩気だけで甘さは特に感じない味付けでした。芳醇で良質なカツであることは間違いないのかもしれませんが、かつ丼との相性は決して良くないと思いました。お米のボリュームは控えめ。丼物には小さなお蕎麦か減塩みそ汁が付きます。温かいお蕎麦をいただきました。モチッとした食感で薄味のお蕎麦はレベルが低いわけではありませんが、これ無しで100円安くしていただいたほうが有り難いと感じてしまいました。

http://kazokutei.co.jp/maps/kyosa_265.html


180丼    濵かつ ヨドバシAKIBA店

秋葉原     1285円    2019年2月

好み:★★★☆☆

九州を中心に展開するとんかつチェーン。秋葉原にあるこの店舗だけ他より100円高く価格設定されています。家賃の問題なのでしょうか。ご飯は白米か麦入り飯か、お味噌汁は白味噌か赤味噌か選べました。出てきたかつ丼は厚みはありますが淡泊で、ありがちなカツが乗っていました。脂身部分は少なく筋っぽさがやや気になりました。これはそのままでいただくより、かつ丼やカツカレーにしたほうが合うカツだと思います。衣はとても滑らかで口当たりが良く、これは私の好みでした。卵は熱が通っているタイプ。玉ねぎは量もちょっとで染み込みも浅め。割下は塩気も甘さも薄く、東京のお蕎麦屋さんで出てくるようなガツンと味が効いたかつ丼を食べ慣れている私にはワンパンチ足りなく感じました。そんな割下は量も控えめで、スプーンが添えられている意味が分かりませんでした。場所柄、外国人のお客さんが多い故の配慮なのかも??一言で表せば「クセのない一品」と言えるかもしれません。キャベツ・お味噌汁・漬物はおかわり自由。腹ぺこだったので、キャベツを2回おかわりし、お味噌汁も白味噌・赤味噌ともにいただきました。クオリティとお値段を考えると評価は辛めになってしまいました。

https://www.hamakatsu.jp/


179丼    利久庵

三越前     1200円    2019年2月

好み:★★★★☆

程よい厚みのカツは脂身なしで柔らかく、コショウの下味がほのかに効いていました。卵は量は少ないですが半熟加減が絶妙で、カツの断面や肉と衣の間は生の黄身で黄色く染まっていました。玉ねぎも風味豊か。割下は塩気も甘さも上品で、お蕎麦屋さんのかつ丼ならではの深い味わいでした。カツの両端部分の衣が強すぎるのだけが残念。それ以外は一級品だと感じました。お新香は優しい味付け。お汁はこちらも上品なお吸い物でした。

http://www.rikyu-an.com/


178丼    ときわ

水天宮前    950円    2019年2月

好み:★★★★☆

注文から5分とかからない提供スピードの早さなので、カツは作り置きでしょうが、かつ丼全体はアツアツに仕上がっていました。肉は薄めで脂が強め。噛むたびに甘みを感じて楽しめました。所々ザクッとする衣はすぐに剥がれ落ちます。卵はカツの上だけ生で他はしっかり熱が通っており、芳醇な風味。玉ねぎは量も染み込み具合もバランスがいいと思いました。割下は適量で味の濃さは控えめ。割下のかかったお米だけを食べると味気ないと感じるほどでした。食後に唇や口内にペトペトする感覚が残りました。わずかにお米が柔らかすぎる印象。お蕎麦屋さんですがかつ丼を「名物」として打ち出していて、お客さんの大半がかつ丼、ほかはカツカレーを注文している不思議なお店でした。存分に堪能は致しましたが、お味噌汁もお新香も平凡でしたし、遠出してまで追い求める一品かと言われると疑問です。

https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13032270/


177丼    とき和

志村坂上    850円    2019年2月

好み:★★★★☆

小ぶりなカツは口に入れると微かに独特な風味と優しい香りを感じました。その正体は掴めませんでしたが、肉の下味付けか油に秘密があるのかもしれません。カツの断面は少しピンク色。芳醇とまではいきませんが適度な歯応えを楽しめる肉でした。衣はしっとり系。細くスライスされた玉ねぎがたくさん入っていて、染み込み度は軽く食感が残っていました。熱が通った所が8割・半熟な所が2割といった卵は特に風味を感じませんでした。割下は塩気も甘さも強くなく、とんかつ屋さんのかつ丼としてはスタンダードな味わいで誰が食べても裏切られたと思うことはない一品だと思います。大根おろしの小鉢が付くのはとても珍しいですね。

https://tabelog.com/tokyo/A1322/A132205/13044921/


176丼    福田屋

不動前     1080円    2019年1月

好み:★★★★☆

このお値段でも納得できる厚みがあり、旨味が溢れ出すほどではないけれどハズレ感はないカツ。サクサクというよりザクッとした強めの衣で食べ応えがありました。卵の量は少なく、熱が通ったタイプ。玉ねぎは染み込み浅め。割下は辛さも甘さも感じないマイルドな味付け。どこが良かったかと聞かれても答えに困りますが、どこも悪いところはありませんでした。お味噌汁は細く切った大根がたっぷりで肉なしの豚汁のようでした。白菜のお新香は柚子の風味が強め。どの駅からも離れた立地にもかかわらず強気の価格設定ですが、ご近所さんや近隣で働く方々で満席でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13035192/


175丼    とんかつ にいむら 本店

西武新宿    880円    2019年1月

好み:★★★★★

歌舞伎町のド真ん中にあり何度も前を通っていたものの、知人たちの評価がそれほどでもなかったので未訪だったお店。ランチのかつ丼を頂いて、改めて思ったのは「人の好みはそれぞれなのだな」ということ。私の好みにはドストライクでした。歯応えはあれど硬くはなく芳醇さを感じさせ少しだけある脂身は甘い肉、サクっとまではいかないが存在感を消さない程度に仕上がった衣。かつ丼に最もマッチするカツだと思います。割下は上品ではありますがはっきりした塩気があり甘さはほどほどで、この濃さ具合・加減がたまりませんでした。そんな割下はお米が泳ぐほど入っていますが、最後まで重く感じることは一切なし。半熟の卵と相まってかつ丼の風味を昇華させていました。玉ねぎは少量で生っぽさが残っていました。人によっては飛び抜けた所のない平凡なかつ丼なのかもしれませんが、私は存分に楽しませていただきました。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13010847/


174丼    とん竹

新宿      900円    2019年1月

好み:★★★★☆

昼時は常に満席。注文を告げると掛かる時間を教えてくれました。かつ丼は20分、ヒレ定食は30分、チキンカツは早いですよ…といった具合でした。これだけで1つ1つ揚げていく丁寧な仕事ぶりが伺えます。私のかつ丼は早めの12分後にご提供でした。厚くも薄くもなくバランス感のあるカツはちょっとパサパサしていますが、肉から感じる旨味の方が勝っていました。衣は歯触りや食感を楽しめる揚げ具合。玉ねぎは飴色に染み込み、玉ねぎ自体の風味もありました。卵はカツの上にある白身以外はしっかり熱が通っていて、割下との相性もとても良かったです。割下はほんのりとした甘さが鼻腔に広がる優しい味付けで、たっぷりかかっていました。丼内の協和感がお見事。お新香が酸っぱ過ぎること以外は文句の付け所が無いかと。ディナータイムにはサシの多い上級肉などを使った「スペシャルかつ丼」があるようです。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13012820/


173丼    とんかつ すみ田

錦糸町     880円    2019年1月

好み:★★★★☆

錦糸町楽天地ビル店です。実は、私の知人が「人生最高のかつ丼」としてオススメしてくれたお店。確かに、全体的にかなり平均点が高く、これといって悪いところが見当たりませんでした。カツは肉厚で若干淡泊ですがパサパサ感はなく、衣は余計な主張のないしっとり系。生の白身がカツの上でプルプルしていて食欲をそそります。割下は、甘さはそこまでではないもののやや濃いめの味付け。それが卵の風味と混ざり合い絶妙な味わいを醸し出していました。お米のボリュームはしっかり多め。お米と割下の量のバランスも良く、お米の硬さとの相性も素晴らしいと感じました。とんかつ定食は頂いてないので言い切れるわけではありませんが、かつ丼にしたほうがハイレベルになるカツだと思います。遅めの朝食がまだお腹に残っている中での昼食でしたが瞬間完食。ちなみに、キャベツもしじみのお味噌汁もおかわり自由でした。

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172丼    きっちん 浜家

錦糸町     900円    2019年1月

好み:★★★★☆

その日のメニューはホワイトボードに書かれて掲示されています。伺った日のメニューには「かつ丼」の文字は無し…。諦めきれず、お1人で切り盛りされているご主人に「かつ丼はありますか?」とお聞きしたところ、顎をクイッとホワイトボードに向けて「書いてねぇだろ」。一拍の間のあとニカッとした表情を見せて「やってやるよ、暇だから」。なんでしょう、職人気質ってやつですかね。個人的にはあまり得意な接客ではないですが。。。カツは思わず唸ってしまいました。肉は程よい柔らかさで噛むたびに旨味と優しい甘みが溢れ出し、薄い衣はわずかにサクッと感が残る仕上がり。卵は半熟で量は少なめ。割下は久々に出会った強力パンチの塩気満載タイプ。甘さはほぼありませんでした。少量入っている玉ねぎもこげ茶色に染み込んでいてお味が濃い。そんな割下がお米がひたひたになるほどたっぷりかかっているので、塩分の摂り過ぎやこの後のノドの渇きが心配になり少しだけ残してしまいました。ここまで醤油が強いとダシ文化の関西の方々には受け入れられないかもしれませんが、まさに「かつ丼食ってる!」と脳で感じる一品でした。お会計時に「わがまま言ってすみませんでした」とお礼を伝えると「金をもらえれば何でも作るからよ」と笑顔で送り出してくださいました。

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171丼    食堂 伊賀

中野      850円    2018年12月

好み:★★☆☆☆

昭和感溢れる大衆食堂で、卓上の調味料周りは埃を被っていて手が出しづらい。。。存在感の強い衣は、薄く若干硬めの肉を噛み切っている最中に剥がれ落ちていきます。割下は口にした瞬間に甘みを感じるものの、かなり薄味。染み込みが浅くシャキシャキの玉ねぎがたくさん入っていました。卵も割下も量は少なめ。刻みノリと青海苔のWトッピングでしたが共に風味はありませんでした。割下と卵のかかっていない白飯部分は付き出しの沢庵で楽しみました。ご高齢のご主人ひとりで切り盛りされていました。先客も後客もなしでしたが、油に火を入れるところから調理開始でご提供までは20分ちょっとかかりました。メニューの種類も豊富ですし、混んでいる時はどうなっちゃうのかと。お会計時は、こちらが上着を着終わるまで待ってお釣りを渡してくださるなど、愛想良く送り出していただきました。クオリティとお値段を秤にかけ、少々割高だと感じて評価を下げました。

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170丼    みやこや

鷺ノ宮     980円    2018年12月

好み:★★★☆☆

私の撮る写真に珍しく湯気が写り込むほど熱々。カツはいい香りを纏っていて、肉はやや薄めでも歯ごたえがあり芳醇さを感じました。衣はサクサクしていますが歯に刺さってくるような硬い部分もあったのが少し残念でした。卵は少量でしっかり熱が通っており、玉ねぎは染み込みつつも素材の味が活かされていました。割下はやや塩気強めの甘さ弱めで量はたっぷり。全体的なボリュームは控えめで成人男性にはちょっと物足りないかも。お味噌汁はぬるく、お漬物は食べ慣れないお味の菜っ葉でした。

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169丼    まるやま食堂

蒲田      1200円    2018年12月

好み:★★★☆☆

林SPF豚肉を使用、断面を見るとピンクかがった色合いでツヤツヤしていました。すぐに剥がれる衣は少しだけサクサクが残っています。味わい深さや脂の甘さが人気の林SPF豚肉ですが、私にとっては風味も脂身も強く重く感じました。口の中を中和したくなって付き出しのサラダに箸が伸びます。最大のポイントは長ネギでしょう。玉ねぎではなく長ネギが大きめにカットされて煮込まれていますが、とにかく辛く主張が強すぎました。卵は熱が通っている部分とほぼ生の部分が半々。卵自体に特段の風味は感じませんが、生の部分をお米に混ぜ込み「卵かけ出汁ご飯」のように食べてみるとまた一興でした。しかし、その際も如何せん長ネギが邪魔。割下はしっかりとしたパンチ力はありますが塩気控えめで甘さは平均的だと思いました。コの字型のカウンターに次々と運ばれてくる「ロースかつ定食」などと見比べると、かつ丼のカツはかなり小ぶり。すぐになくなっちゃいました。お味噌汁は何気に珍しい白味噌のしじみ汁でした。

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168丼    双葉食堂

蒲田      750円    2018年12月

好み:★★★★★

カツはヒレ肉でした。メニュー表には「かつ丼」とシンプルな表記のみでしたし、このお値段でしたので正直びっくりしました。とても柔らかくさっぱりいける肉で衣は口当たりまろやか。かつ丼にすることによってヒレカツが確実に昇華されています。割下は肉の旨味やシャキシャキした玉ねぎの風味をきちんと感じ取れるほど優しい味付け。余分な甘みなどはありません。卵や割下の量もちょうどいいと思いました。厨房のカツを投入する油周りは年季を感じさせる汚れ具合で少々不安でしたが、油臭さや焦げっぽさは一切感じませんでした。強いてマイナス面を挙げれば、青海苔は風味が喧嘩するので不必要かなと思うのと、お米に安っぽさがあるのと、カツが小さめなのでお米があまる点くらいかと。ただ全体のクオリティやお値段から言ってまったく問題ない範囲。もやしのお味噌汁は家庭的、というか我が家の手抜き味噌汁そのもののお味でした。私はこれだけでご飯二杯いけます。駅前からしばらく歩いた住宅地の中にポツンと存在する地元密着型の食堂。意識してかつ丼を食べ巡っていないと決して出会えなかったであろう逸品でした。

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167丼    ファミリーマート

全国      550円    2018年12月

好み:★★☆☆☆

<コンビニ3社 食べ比べ>

グリーンピースがトッピングされています。昆布と鰹節が使われており、独特な風味が口に広がりました。食べ比べていると、これだけ異質に感じます。味付けの甘さも他と比べると強めでした。カツは3社の中で一番厚く大きい。どうやら最近リニューアルされてボリュームアップした模様です。卵は一番生っぽく、玉ねぎは申し訳程度にしか入っていません。全体的にネトネト感がありました。

だし香るファミリーマートは、この独特な風味の好き嫌いでしょう。絶対的1位評価の人と最下位3位評価の人に分かれると思います。私個人の好みでは総合3位です。


166丼    ローソン

全国      550円    2018年12月

好み:★★★☆☆

<コンビニ3社 食べ比べ>

卵は3社の中でもっとも硬めで量も少ないため、カツに卵がかかっていない部分が結構ありました。衣にサクサク感はありませんが、かつ丼も食べたいしトンカツも食べたいし…という方にはオススメかもしれません。セブンイレブンと比べるとわずかに尖った味付けでした。付いている七味をかけると、より顕著になります。玉ねぎはシャキシャキ食感で玉ねぎ自体の味を一番感じました。お米はやや硬めでした。

1つ1つの具材による素材勝負ではローソンに軍配が上がると思います。カツと玉ねぎの旨味はトップ。ただ、それらが卵・割下・お米と一体となった時に一段階上の「かつ丼」を形成できているかというと疑問を感じざるを得ません。総合2位です。


165丼    セブンイレブン

全国      498円    2018年12月

好み:★★★★☆

<コンビニ3社 食べ比べ>

青ネギが少しだけトッピングされています。カツは3社の中で一番薄く小さい。これは意外でした。なんといっても特徴なのが半熟の卵。トロっとまろやかでたっぷり。これは素晴らしい。そのおかげもあり、全体的にトロみを感じ、口当たりが優しく繊細でした。お米は一番水分を含んでいました。

「かつ丼」としての協和感があり、立派な料理に仕上がっていると感じました。安心安定のクオリティで、まさに万人受けする定番の味付けと風味。それでいて3社の中で最安値。カツの大きさには多少物足りなさがありますが、私の中では総合1位です。


164丼    とんかつ うちの

市ヶ谷     980円    2018年12月

好み:★★★★★

カツの脂身が甘いと感じるお店はいくつもありましたが、こちらはカツ全体からほんのりとした甘みを感じ、何とも言えない旨味でどんどん食欲が湧いてきました。肉自体は上質とまではいきませんが、まさに職人の「技あり」を感じます。卵がかかっていない所は衣がサクっとしていました。卵は少なめ。玉ねぎは食感残しに仕上がっていました。割下はクドさがなくやや甘さが前面に出ていて、量は少なめですがカツとの相性はバッチリだと感じました。豚汁とお新香は優しい味付け。ちなみに、大盛無料。ディナータイムでは豚肉の種類が変わりお値段も増すようです。サラリーマンからまだあどけなさの残る高校生グループまで大盛況の店内。人気なのが頷ける逸品でした。

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163丼    志満金 支店

曙橋      700円    2018年12月

好み:★★★★☆

そこそこのボリューム感があるカツは、パサパサしている部分・筋っぽい部分・柔らかく芳醇な部分が共存していました。衣は見た目に反し完全なしっとり系。提供された瞬間から割下の香りが強めに立ち上っていましたが、食べてみるとどちらかと言うとマイルドな味付。途中から気にならなくなりましたがカツからは油の臭みを感じました。半熟の卵と茶色くなった玉ねぎは味が濃すぎず食材の風味を楽しめましたが、欲を言えば共にもう少し量が欲しいところ。割下の量も少ないので丼の下半分はほぼ「ただの白米」状態でした。本店は有名な鰻屋さん。支店のこちらは鰻がメニューから消え、かつ丼・親子丼・玉子丼のみでした。

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162丼    さ和長

溜池山王    1050円    2018年12月

好み:★★★☆☆

蓋を開けると卵の香りが立ち上りました。肉厚で、薄くしっとりした衣をまとったカツは、これまでにない不思議な食感でした。もちもちとした歯切れで味わっていくと歯ごたえがあり、下手に例えるなら「つくね」のような食感。提供時間も早く熱々でもないので作り置きだと思われます。玉ねぎは千切りみたいに細く、きちんと割下が染み込んでいました。卵は半熟で甘く豊富ですが、そこまで風味は感じませんでした。割下は薄味。塩気が控えめで少々甘さがあり、食べている最中から甘ったるさとねっとり感が口内に残りました。割下と卵の相性が良くないのかもしれません。添えられたスプーンが必要なほどはかかっていませんでした。それでも、飽きのこない味付けで、相席の先客を追い抜く勢いで完食させていただきました。

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161丼    大村庵

西小山     800円    2018年12月

好み:★★★☆☆

カツもお米も熱々。胡椒の下味が丁寧に効いた厚みのあるカツはなかなかの妙味でした。薄くてすぐに剥がれる衣はサクサクしていますがやや硬すぎなのが残念。卵でとじられているというよりはカツの周りに卵が配置されている形。割下の味付けは、こげ茶色になった玉ねぎに強い塩気を感じるくらい濃いですが甘さはほとんど感じませんでした。お米が少し柔らかすぎかなという印象でした。

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160丼    大門食堂

西小山     750円    2018年12月

好み:★★★☆☆

地元密着型の昭和感あふれる大衆食堂。揚げるのが逆に難しいのではないかと思うほど薄く小さいカツでした。やや油臭さもありました。割下は薄味なので物足りなさを感じ、濃味の中華スープとお新香についつい箸が伸びます。カツが小さい分、器を満たすためにお米は多めでした。こう書くと「いいところなし」のようですが、玉ねぎはしっかり染み込んでいてカツを包む卵は半熟具合で甘みを醸し出し、丼全体が上手にひとつにまとまっている一品。ご主人の老獪な調理テクニックを感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13082490/


159丼    ほっともっと

三軒茶屋    470円    2018年11月

好み:★★★★☆

ご存知、全国チェーンのお弁当屋さん。近くの公園のベンチで頂きました。安価の立ち食いそば屋さん系で多く使われているタイプのカツでしたがパサパサ感はなく、衣に異常に硬いところもなく柔らかでした。卵はいい具合に半熟部分がありました。よく染み込んだ玉ねぎは少なめに配置。割下は何気に深味のある濃いめの甘めで、食べ終わったあと唇にベトベト感が残りました。割下も卵も不足なくかかっていて、テイクアウト商品ですから時間経過によりそれがよく馴染んでいるため「かつ丼」としての協和は充分だと思いました。さすがに芳醇さを感じるとまではいきませんが、このお値段であればありがたいの一言です。

https://www.hottomotto.com/


158丼    なか野

御茶ノ水    900円    2018年11月

好み:★★★★☆

カツは食べやすいサイズにカットされていて1つ1つが分厚い。それがこれでもかと10個くらい乗っていました。お重の高さの上60%がカツ、下40%がお米といった配分。カツの中はほんのり赤身が残っていて、とても柔らか。所々、筋張った部分もありましたが気になるほどではありません。調理過程を見ていたら肉の外周の脂身部分は包丁で丁寧に切り落として揚げているラードの中に放り込んでいました。衣は薄く優しいですが初めの何口かは少しだけ焦げ臭さを感じました。玉ねぎはしっかり染み込んでいて卵は硬めのタイプ。割下は特徴がないというかインパクトはないのですが、それだけに飽きが来ないで食べ続けられる風味。途中から満腹を感じているのにもかかわらずあっという間に完食でした。お新香も豚汁もボリュームがあり、豚汁は油加減や塩気が程よい私好みの味付け。黙々とカツを揚げ続ける旦那さん、接客をするのは背中の丸まった2人のお母さんたち。次々と入ってくるお客さんに何度も「お茶来てますか?」「漬物は出てる?」「お汁は?」と確認を繰り返しながらスローモーな動きで対応されていまして思わず心の中で応援してしまいました。私がもし近くに住んでいたら確実に常連になるお店でしょう

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13023451/



157丼    福与志

秋葉原     750円    2018年11月

好み:★★★★★

適度に歯ごたえがありつつも柔らかい肉は旨味に溢れていました。衣のサクサクと玉ねぎのシャキシャキが残っているので食感も楽しめます。割下はマイルドな味わいでカツの芳醇さを引き立てていて、完食した後も丼底に割下が少し残るくらいたっぷり。卵は半熟トロ~リで、その卵と割下が見事な繋ぎ役を担い、素晴らしい「かつ丼」に仕上がっていました。敢えてマイナス点を探せば、これ一杯で満腹になるほどのボリュームはないという事と、給仕と会計を1人で切り盛りしてる女将さんの忙しなさが気になるぐらいでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131001/13215979/


156丼    井泉 本店

上野広小路   1350円    2018年11月

好み:★★★☆☆

蓋を開けると割下の甘い香りと長ネギの香り。まさに、すき焼きの香りが匂い立ってきました。大人気とんかつ屋さんにしては珍しい脂身が少なく肉厚も薄めのカツ。衣はボリュームがありしっとりしていました。「お箸できれるやわらかいとんかつ」というお店の謳い文句に偽りなく柔らかではありました。割下はクドさのない味付け。卵は熱の通ったタイプで濃厚な味わいでした。長ネギの入ったかつ丼でいくつか絶品に出会ったことはありましたが、ここの長ネギはいまひとつしっくり来ない感じでした。ネギ自体の風味の主張が強くカツや割下に勝ってしまっています。クオリティ自体は高いと思いますが、全体的に控えめな量でお椀も付かずこのお値段。満足度からすると少々物足りずといったところでした。

https://www.isen-honten.jp/


155丼    おり戸そば切り やぶ

巣鴨新田    900円    2018年11月

好み:★★★☆☆

薄めでパサつく所と脂身ばかりの所がある肉、サクサクというよりジャリジャリといった食感を時々感じる衣、カツは少々残念でした。ほんのりと蕎麦粉の香りがするような気がしました。下味か衣か油に何か工夫があるのかもしれません。割下は濃いめで甘さより塩気にパンチがあるはっきりした味わいで、平均的な量の玉ねぎ&卵と協和していました。丼物には必ず小さいかけそばが付きます。塩気が強く喉越しのよろしいお蕎麦でした。

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154丼    天平食堂

巣鴨新田    680円    2018年11月

好み:★★★★☆

年配のご夫婦で営んでいらっしゃる大衆食堂。1つ1つ丁寧に調理しているため提供までは時間が掛かりました。カツは肉と衣が同じくらいの幅でやや薄め。肉は柔らかく、衣は滑らかとサクッが共存していました。たくさん入った玉ねぎはかなり強めに味が染み込んでいましたが、全体としてはそこまで濃いとは感じず、ほどよい味付けで箸が止まりませんでした。卵の風味は弱め。フライ・焼肉・魚、いろんな定食がメニューに並んでいて、どれにでも合うであろうふっくらしたお米は割下がたっぷりかかっている「かつ丼」にとってはやや柔らか過ぎかなという印象でした。とても人当りのよい女将さん。そして、このお値段。素晴らしい一店です。

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153丼    海老民

不動前     915円    2018年11月

好み:★★★☆☆

1つ前の152丼に掲載した「海老民本店」さんの暖簾分け。本店の方いわく「暖簾分けです。うちに支店はありません。」とのことでした。こちらは本店と比較して全メニューが5%安くなっています。かつ丼の蓋を開けるとトッピングされている海苔の香りが漂ってきました。カツは本店と同じく薄めで大きくカットされています。衣はしっとり柔らかですが肝心の肉が硬い…。見た目の色からもわかりますが、味付けは明らかに本店よりこちらのほうが濃かったです。玉ねぎと卵には特徴的なところはなく、割下はたっぷりかかっていました。私の好みでは、カツや食材自体は本店、かつ丼としての風味や協和感はこちらに軍配。お新香はからめでした。

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152丼    海老民 本店

不動前     950円    2018年11月

好み:★★★☆☆

味付けは薄めなのですが甘ったるさを少々感じました。カツとお米の間に大判の海苔が一枚挟まっていて、「カツとじ煮」と「のり弁」を食べているような味わいでした。カツは薄めで大きくカットされていて、噛むと衣が剥がれ箸の間に置いていかれます。衣は卵と割下で覆われていますがサクサク感が残っていました。玉ねぎの食感と風味は上質さを感じさせました。卵の表面は熱が通っていますが、カツと衣の間から生の部分が滲み出てきて芳醇。豆腐のお味噌汁に冷奴の小鉢という組み合わせ。お新香はからめでした。

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151丼    泰明庵

銀座      950円    2018年11月

好み:★★★★☆

銀座の路地裏に佇む老舗。一口目からふわっと甘い芳醇な香りが口に広がります。お蕎麦屋さんらしい濃いめで甘めの割下と全体を包むしっかり熱の通った卵と染み込んだ玉ねぎが相まってとても好みのお味でした。カツは柔らかいのですが噛み切れない筋が一箇所だけ。。。衣はヘンな主張のない仕上がりですが若干焦げを感じる部分がありました。見た目よりカツのボリュームが少なかったのか、なぜかお米が三分の一くらい残ってしまいました。お味噌汁は酸味のある味噌でした。

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150丼    福長

都立大学    1000円    2018年11月

好み:★★★★☆

厚くはないが薄すぎず「かつ丼」にしたときに最も一体感が出るタイプのカツ。衣は優しくしっとりしていました。割下は尖った部分のないマイルドな味わい。量もスプーンが欲しいくらいたっぷりで、最後は丼底に少し残ったお米が雑炊のようになって存分に楽しめました。玉ねぎは少なめで染み込みにバラつきがあり、卵は表面が硬めでカツの間から生の白身がトロッと出てくるという二面性を持っていました。青海苔は全体を邪魔していない程度の風味。肉の筋が硬いところがあるのと、個人的にはもう気持ちガツンとくる塩気があったら文句なしでした。現時点、隠れた名店と言えるのではないでしょうか。何気に浅漬けが私のツボでした。

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149丼    築地 とんき

東銀座     1200円    2018年11月

好み:★★★★☆

「20分かかります」と言われて、まさにその通りにご提供。店内が混み合っているわけではなく、低温の油でじっくり揚げているからでしょう。それでも、薄く繊細な衣は焦げ臭さや油っぽさはありませんでした。厚さ2センチはあろうかというカツ。肉は驚くほど柔らかく脂身はまろやかに甘い。カツが風味深くその芳醇さが割下に優っていて、割下自体の味付けをあまり感じないほどでした。割下は丼の底に溜まるほどたっぷりでしたが、玉ねぎの染み込みが浅めで卵の量が控えめなせいもあり、かつ丼としての協和感は演出しきれておらず、もったいない印象でした。最後の方で少しだけ重くなりました。すげぇかつ丼を食ったというより、すげぇとんかつを食ったというのが素直な感想です。過去最高レベルで自分好みのとんかつに出会えたかも。このクオリティとボリューム感で銀座であることを考えればリーズナブルとまで言えると思いました。

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148丼    そば処 満留賀

目黒      1150円    2018年11月

好み:★★★☆☆

お蕎麦屋さんや大衆食堂の一大ブランド名「満留賀」。こちらは目黒駅前のお店です。完全にしっとりした厚い衣のカツはお値段に見合うだけのボリューム。肉は少しパサパサしていました。卵は硬めで量は充分。玉ねぎはシャキシャキ系。割下は濃いめですが、しょっぱいとまでは感じず箸がすすむ味付けでした。ただ残念なのは、それなりの量の割下がかかっているにもかかわらず各食材が分離していると感じるところ。かつ丼としての一体感がなく、カツとじ煮をおかずに白いご飯を食べている感覚。使っているお米の風味なのか調理工程なのか…そうなる原因が何なのか私には分かり兼ねますが、改めて「かつ丼」って奥が深い料理だと思い知らされました。

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147丼    とんかつ藤

江古田     700円    2018年11月

好み:★★★★☆

薄すぎず柔らかいカツで衣はしっとり。割下は強めの味付けですが濃すぎず甘すぎず。割下の量は多すぎないけど、すべてのお米に浸透していました。平均的な染み込み度の玉ねぎは多めも多すぎず、卵は少なめも少なすぎない。全体のボリュームは控えめでも少なすぎない。とてもバランス感覚の優れたかつ丼でした。「かつ定食」類はどれも1200~1700円ほどの相場ですが、丼ものはこのお値段。それでいてクオリティは低くない。お得な一品と感じました。

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146丼    一久庵 サンシャインシティ・アルパ

池袋      870円    2018年11月

好み:★★★☆☆

提供スピードの速さと衣のしっとり具合からカツは確実に作り置きで、肉と衣の間に白い層があり柔らかいけど風味が少ない、立ち食いそば店でよく出てくるタイプのやつのちょっと大きい版でした。玉ねぎは染み込んでいますが玉ねぎ自体に味がなく、卵は平均的な量でしっかり火が通っていました。そして、お米のパサパサ具合が気になりました。少し甘めの割下がたっぷりかかっているのは嬉しいのですが、それでも丼全体が協和しているとは言いづらいと感じました。クオリティ自体はそこそこといったところでした。フロアを仕切っている男性店員さんがどのお客さんに対してもタメ口なのはどうかと。。。

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145丼    とんかつ 燕楽

千鳥町     950円    2018年11月

好み:★★★★☆

こちらは142丼に掲載した「燕楽」さんの暖簾分け。そこそこ厚めのカツで脂身はほんのり甘く、卵と割下に包まれることによって旨味が昇華されていました。衣はサクサクしている部分もありましたが端にはかなり硬い所もあって少し残念。玉ねぎが豊富であることと割下がちょっと甘めで上品なのは「燕楽」さん共通の特徴だと感じました。割下の量は丼の底に溜まるほどたっぷりでお米がすすみます。卵は少ないのですが、かき混ぜすぎていないため黄身・白身が残っていていろいろな食感と風味が楽しめました。お米がわずかに柔らかすぎ。割下の量も多いので余計気になりました。豚汁は優しいお味でお新香は酸味が強め。名店「燕楽」トリオを私の好みで並べると、池上→千鳥町→御成門の順でした。

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144丼    寿美吉

久我山     900円    2018年10月

好み:★★★☆☆

蓋を開けた瞬間、甘い香りの湯気が立ち上りなんとも食欲をそそられます。やや厚めのカツは衣がサクサク。肉の質はそこそこでした。玉ねぎはほとんど入っていなく、卵の白身は半分生で滑らかでした。カツからもお米からもまず甘さを感じました。私の好みからすると少し甘すぎかなと。小鉢の肉じゃがが心温まる懐かしい味付けで嬉しかったです。常連客のおばあちゃんの振り込め詐欺に引っ掛かりそうになった話を、テーブル前に立ち相槌を打ちながらずっと聞いている店主ご夫婦。その物腰は好印象でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131806/13059182/


143丼    大金

久我山     900円    2018年10月

好み:★★★★★

ちょうど良い厚みのカツは肉も衣もそれを包み込む豊富な卵もとても柔らかく堪らない舌触りでした。脂身はほぼ無し。しっかりと火が通った卵と食感を残しつつ味を染み込ませている玉ねぎは、割下がたっぷりとかかったお米との相性も抜群。割下はお蕎麦屋さんらしいしっかりとした味付けですが重さは感じず、甘さもかつ丼全体のバランスを損なわないものでした。しじみ汁・ミニサラダ・お新香もツッコミ所は見当たらず。ネット上ではお店の評価もそれほど高くはなく、かつ丼が人気のお店というわけでもないのが不思議でたまらないと思うほど秀逸な逸品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131806/13068377/


142丼    とんかつ燕楽

池上      1050円    2018年10月

好み:★★★★★

027丼に掲載した「燕楽」さんの暖簾分けのお店。ほどよい厚みのカツは、衣サクサク肉ジュワ~。上質ラードと自家製生パン粉の成せる業なのでしょう。ほんのりと甘い脂身も芳醇でクドさや重さは感じませんでした。割下はカツとお米を包み込む繋ぎ役に徹していて、わずかに甘めの味付けで余計な主張は一切なし。玉ねぎは染み込みが薄く食感重視で、カツとお米の間を隙間なく埋め尽くすほどたくさん入っていました。カツの風味を消さないためなのか卵の量は控えめ。それでも物足りなさは感じさせないくらい丼内の一体感があり、高カロリーを摂取したのに胃腸的ダメージも皆無の上品な逸品でした。豚汁は具沢山、お新香は浅く漬かっていました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131714/13034183/


141丼    亀喜

三田      950円    2018年10月

好み:★★☆☆☆

感想を一言でいえば…酸っぱい。一枚のカツをカットするのではなく、一口カツのようにブロック状の肉全体に衣をつけたものが5つほど乗っていました。肉は筋っぽく噛み切れず、衣はかなりの厚さ。そして何より、酸っぱさを真っ先に感じました。少し甘さのある割下がかかっているお米だけを食べる限り酸っぱさは感じないのでカツを揚げる油に問題というかクセがあるのでしょうか。私の好みとは大きく掛け離れていたので、もったいないと思いつつ半分近く残してしまいました。それでも最低評価にしなかった理由は、玉ねぎ。染み込み方も食感も良い玉ねぎが大量に入っており、半熟加減の卵と絡まって、それだけで立派なおかずになっていました。中華スープはかなり濃いめのお味。もやしのナムルはそこそこでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131402/13048109/


140丼    和洋食 さくら寿司

田町      650円    2018年10月

好み:★★★★★

以前はお寿司屋さんで現在は定食屋さんです。ブ厚くて柔らかく脂身の少ない肉に、油っ気を感じさせないサクサクした衣のカツ。卵はしっかり火が通ったタイプで、玉ねぎは平均的な仕様。割下は塩気も甘さも尖ったところがなく何ともいい塩梅。割下の量もたっぷりで丼の中の一体感が素晴らしかったです。正午前には満席になってしまうとの情報があったので11時半の開店と同時に一番客として入店しました。お店によっては開店直後や閉店間際には油のコンディションなどにバラつきが出ますが、こちらはそんな心配無用とばかりのお見事な逸品を提供していただきました。このお値段であることが信じられないクオリティ。厨房前まで行って注文してから着席→呼ばれたら丼を取りに行く→食べ終わった食器を厨房横に返却してお支払いというシステムに戸惑いつつ、女将さんの不愛想に戸惑いつつ…でしたが、そんなことは吹き飛ぶくらいの満足感を得られました。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131402/13112533/


139丼    ふみぜん

麹町      1490円    2018年10月

好み:★★★★☆

かつ丼だけで4種類あったため店員さんにオススメを伺いましたが「これは脂身があってこれはありません。こっちは値段が違います。」との説明しかいただけなかったので…メニュー表の先頭にある「三元豚ロースかつ丼」をお願いしました。肉はずっしり感があり脂身も程よく甘くとても芳醇。衣は厚めでしっとりしていました。もちろん、油の臭みやエグ味は一切ありません。玉ねぎは食感を残している染み込み系で甘く上質。卵と割下の量は少なめで、箸と一緒にスプーンが添えられていましたが使う必要はなし。カツの深い味わいをまったく邪魔しないすっきりした味わいの割下でした。どこを取ってもハイレベルな食材が揃っていますが、卵と割下の量が控えめなせいで、かつ丼としての一体感やかつ丼にするからこそのプラスアルファが少々物足りないと感じました。

https://www.newotani.co.jp/tokyo/restaurant/fumizen/


138丼    とんかつ はせ川

両国      1512円    2018年10月

好み:★★★★☆

一口目から濃厚な風味が広がりまくりでした。割下は濃いめで甘さも強め。なんといってもカツの脂身が甘い。卵で完全にとじられてはいませんが、衣は全体的にしっとりしていました。赤だしもお新香も上質。実によくできた一品でした。お値段に見合う素晴らしいトンカツですが、私はもう少し肉が柔らかく脂身が少ないほうが好み。強い味付けと甘い脂身が相まって重く感じ、最後のほうはちょっと食べ飽きてしまいました。こういった質のトンカツはかつ丼ではなく、塩だけ付けて味わうくらいが丁度良いのかもと感じました。

http://tonkatsu-hasegawa.com/


137丼    町役場 秋葉原店

秋葉原     650円    2018年10月 

好み:★★★★☆

店内の雰囲気やお値段からは想像もしなかった上レベルなカツが出てきました。肉の厚みも柔らかさも芳醇さも申し分なし。衣の口当たりも優しい。卵の甘さにもびっくり。玉ねぎはシャキシャキ系でした。マイナス面を探せば、割下が薄めの味付けでややインパクトに欠け、お米にかかっている量も少なめでした。青海苔は風味がほとんどなく、これだけのかつ丼には不必要だと感じました。ですが、これがこのお値段でいただけるのですからお得な一品としか言いようがありません。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131001/13024016/


136丼    今むら

新御徒町    600円    2018年10月

好み:★★★★☆

小ぶりで厚いサイコロステーキのような形状のカツがゴロゴロ入っていました。最初の何口かは汚れた(古い)油の匂いと甘ったるい風味が鼻につきましたが、不思議なことに食べ進めるとまったく気にならなくなりました。肉は柔らかく、衣は極薄で食感がないほど。玉ねぎは豊富でしっかり染み込んでいました。割下はやや甘さが前面に出ているものの塩気は控えめでクセのない味付け。お味噌汁かスープかを選べました。確実にお値段以上と感じる一品でした。完全に地元の常連さんを相手にされている雰囲気の店構えで、見掛けぬ顔の私に女将さんから「食べログを見ていらしたの?」とのお声掛けが。「私たちはそういうの出来ないから見たことないんだけど、よくお客さんに言われるの」とのことでした。足腰が辛そうに歩くご主人と満面笑顔の女将さん。この先も長く頑張っていただきたいものです。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13061906/


135丼    ホーチャン

池尻大橋    470円    2018年10月

好み:☆☆☆☆☆

立ち食いそば屋さん。薄さといい硬さといいまるでベニヤ板のようなカツでした。割下や卵の風味を味わおうと、お米と一緒に一口。うわっ…くさい!! 古いラードの味というか甘ったるく生臭さを放つお米でした。そばつゆベースの汁物とたくあんで何とか誤魔化して食べようと試みましたが無理でした。次に入って来たお客さんに「もうご飯がなくなっちゃったんで」と声を掛けてらしたので、お櫃の底から掻き集めたものだったのでしょうが、いくらこのお値段でもこれはいただけません。個人の好みの範疇を超えています。残念ながら、人の食うものではありませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131705/13028723/


134丼    松竹庵

人形町     1000円    2018年10月

好み:★★★★☆

カツは肉も衣も厚めで優しく仕上がっていました。割下は濃い味付けで卵も甘くご飯がすすみます。玉ねぎはしっかり染み込んでいて量も多め。せっかく近くまで来たから…と空腹でないタイミングで訪店してしまったのがもったいなかったと感じるくらいパンチ力のある満足感高い一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13025966/


133丼    花村

木場      880円    2018年10月

好み:★★★★★

肉の厚さはないものの脂身は甘く、衣は割下と卵で柔らかくなっていますが持ち上げても肉から剥がれ落ちることはない繊細なカツでした。玉ねぎはたくさん入っていて割下が染み込んでいるのに食感もありました。割下はほんのり甘めでまったく食べ飽きることはなく夢中で完食してしまいました。ボリュームは控えめですが全体的にとてもバランスが取れた逸品だと感じました。お新香の風味は薄かったです。

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13032129/


132丼    どん八 山下町店

日本大通り   900円    2018年10月

好み:★★★★★

とにかくボリュームたっぷりでした。カツは厚くて柔らかく脂身が少なめのロース。衣はしっかりしていますが過剰な主張はありませんでした。卵は、量は少なめもほとんど熱が通っていない部分もあるくらい滑らか。玉ねぎも多めに入っていて染み込み加減は薄いですが歯触りを楽しめました。割下は塩気も甘みも控えめなのに味わいが深く最後まで食べ飽きない味付け。カツを噛んでいると何かの香りを感じる時がありましたが正体は不明。大根・人参・牛蒡がたくさん入った豚汁はこれに白飯だけでもそれなりの食事になるかと。強いて言えば漬物がわずかに私の好みではありませんでした。大混雑の店内は私以外は全員がデカ盛りのカツカレーを注文されていました。常に大行列も納得。満腹幸せの逸品でした。

https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140104/14009494/


131丼    後楽そば 五反田店

五反田     580円    2018年10月

好み:★★★☆☆

廉価なかつ丼に定番の薄くて柔らかい(どこの部位だかも分からない)カツでした。私は嫌いじゃありません。外周の衣はかなり硬め。さすがにこのお値段ですので卵には風味を感じませんでした。割下は甘さが強めで、もう少し量が欲しいところ。そばつゆベースの汁物は相当な濃味。決して立派なかつ丼ではありませんが、空腹を満たすには充分といった感想でした。もともとは有楽町駅の改札横にあった人気店で私も若かりし頃に通っていました。やはり、後楽そばでは名物の「焼きそば」をいただくのが無難だと思われます。

※残念ながら閉店されたそうです(2021年)


130丼    蕎麦きり みさか

五反田     842円    2018年10月

好み:★★★★☆

086丼に掲載した「蕎麦きり みよた」さんの姉妹店。「肩ロース」「ロース」「合盛」が同じ値段でしたので「合盛かつ丼」にしました。調理の工程が目の前で見られます。カツは作り置き(揚げたばかりのものかもしれませんが)、卵は時間差の二段階で注がれていました。小ぶりの「肩ロース」は箸で切れるほどなのに歯ごたえはしっかり楽しめて、「ロース」はあっさりしていますが味わいは深く芳醇でした。二段階投入の卵の食感は素晴らしいと感じました。割下の風味は出過ぎたところなくとても上品。少し残念だったのが、間口の広い器に見栄え良く盛り付けるため、バイトの女の子がよそったお米をしゃもじでギューギューと押し付けるせいでお米が潰れてしまっているところ。全体的なクオリティでいえばお値段以上と思える一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131603/13217789/


129丼    加賀屋

芝公園     900円    2018年10月

好み:★★★☆☆

思い切り年季の入った佇まいの大老舗。注文してから2分後くらいにカツを揚げる音が静かな店内に響いてきました。揚げたてのカツは、「とんかつ」ではなく「豚肉と衣の盛り合わせ」かのように剥がれ分離している状態でした。肉は柔らかいのですが、衣はかなり硬めで油っぽさを強く感じました。割下はやや濃いめで甘さ控えめの味付け。お米との相性も良く私の好みにぴったりでした。卵や玉ねぎは過不足なくといった印象。お味噌汁はかなりの薄味でちょっと味のあるお湯。でも、お新香はしっかり漬かっていてなかなかの代物でした。かつ丼のクオリティ自体は決して低くはないのですが少々割高かなと思ってしまいました。

http://www.shiba-shotenkai.com/blog/product/kagaya/


128丼    とんかつNOBU

方南町     1500円    2018年9月

好み:★★★☆☆

カツの赤身部分は噛むごとに旨味が出て来て上質と感じましたが脂身部分はクセが強く筋っぽく感じました。衣は薄くて箸でカツを持ち上げるとお米にへばり付いたりして剥げます。やや薄めの割下は配合の具合なのか特別な何かを調合しているのか独自の風味があり上品でした。玉ねぎが染み込み系ではなく温かいオニオンスライスのようで、これは好みが分かれるかもしれません。赤だしの豚汁はしっかりとした濃厚なお味。まさにバーカウンターに座っているような雰囲気でマスターがカツを揚げているところを眺めることができるため、空腹であればあるほど堪能できる一品だと思います。ただ、お値段を考えると満足感はそれほど感じませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131903/13179823/


127丼    とんかつ江戸家

笹塚      1130円    2018年9月

好み:★★★★★

カツは厚くて柔らかく芳醇な味わい。衣はとても薄いのにアクセントのある食感が楽しめました。割下は優しい味付けで過剰な甘みはまったくなし。玉ねぎは柔らかく煮込まれて余計な主張はしてきません。各食材の協和感がお見事でした。ご飯のボリュームは控えめだったので米一粒残さずにあっという間にいただきました。卵の量がもう少しあればと思いましたが、カツの風味を生かすための絶妙バランスなのかもしれません。満足の逸品でございました。

https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131808/13012838/


126丼    笛家

旗の台     980円    2018年9月

好み:★★★★☆

カツを口に入れた瞬間に油の匂いを強めに感じました。肉はわずかに硬めですがボリューム的にも食べ応えあり。割下はお蕎麦屋さんらしく濃いめの甘め。しっかりに火の通った卵も甘い風味に仕上がっていました。玉ねぎは染み込んでいるのにシャキシャキとした食感。そばつゆベースの汁物とお新香の味付けは少々好みではありませんでしたが、かつ丼は割下の量も充分で一気に完食してしまいました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131712/13058111/


125丼    箱根そば

田町      600円    2018年9月

好み:★★★☆☆

三元豚のカツは柔らかく旨味がありました。卵の量は充分ですが衣がザラついた食感なのが少し残念。お米は硬いわけじゃないのにパラパラで箸ですくうのが大変。。。割下は薄めで上品な味付けでしたがお米との相性があまり良くないかもと感じました。しかし、このクオリティでこのお値段ならとても優秀だと思いました。

http://www.odakyu-restaurant.jp/shop/hakonesoba/hakonesoba/


124丼    角平

横浜      1310円    2018年9月

好み:★★★★★

カツは最大級の厚み。リアルに3cmはありました。肉は程よい柔らかさで脂身は甘い。厚くても中までしっかり熱が通っていました。逆に薄く繊細な作りの衣はかすかにごま油の風味がして絶妙。主張の強すぎる衣は食べ残してしまうこともある私ですが、肉から剥がれ落ちた衣までしっかり頂きました。卵の半熟加減もお米の硬さもちょうどいい具合。割下も濃すぎず甘すぎずのバランス感があり。カツのボリュームがあるので添え物のお新香で余ったお米を消化する必要もなく満腹満足の逸品でした。お蕎麦屋さんのかつ丼としては最高レベルの価格ですが納得というよりお得感すら感じさせてくれました。お釣りがピン札で返ってくるのもお店の質の証明になりますね。

http://www.kadohei.com/


123丼    どん松

都内     1058円    2018年9月

好み:★★☆☆☆

都内を中心に展開しているデリバリー専門店。蓋を開けた瞬間…柚子の香り。ここの売りは、この柚子だそうです。カツは厚めで脂身が多め。卵と割下がかかっていない所の衣は石のように硬かったです。デリバリー用であるからこその工夫かもしれませんが、お米がパラパラし過ぎていると感じました。なにはともあれ、食べている間ずっと口の中が柚子風味。そのせいで割下の味付けもボヤけています。柚子が苦手の私の好みには合いませんでした。配達料を差し引いても全体的に若干割高に思えました。

https://www.four-seeds.co.jp/brand/donmatsu/


122丼     登喜和

西新宿      750円    2018年9月

好み:★★★★★★

肉は厚すぎず薄すぎず、衣は強すぎず弱すぎず、卵は硬すぎず柔らかすぎず、玉ねぎは味が染み込むまで煮込まれているのに歯触りが良く、お米の量も計算され尽くしたかのようにジャストサイズ、とにかくバランスが絶妙な逸品でした。このお値段ですから、それぞれの食材はそれほどの高級品ではないでしょうが、まさに丼の中の協和感で「かつ丼」という神の料理に仕上がっていました。一口目のカツとお米を食べた瞬間、「この味好きだぁ」と感動。中華スープもコクがあるのにあっさり。浅漬けも優しいお味。とんかつ屋さんのかつ丼ともお蕎麦屋さんのかつ丼とも一味違う「町中華のかつ丼」の間違いなく最高峰レベルだと思いました。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13057711/



121丼     とんかつ まい泉

日吉       520円    2018年9月

好み:★★★☆☆

飲食店舗も多数ありますが、テイクアウトのお弁当です。カツは柔らかいけど肉がパサパサしていました。味付けはかなり濃いめ。それだけに卵にも割下が染み込んだお米にもしっかり甘い風味が感じられました。このお値段でこれだけのモノがいただけたら、ありがたいの一言です。

http://mai-sen.com/



120丼     浜田屋

武蔵小山     1026円    2018年9月

好み:★★★★☆

カツは肉が柔らかく上質で衣もクセのない仕上がりでした。味付けは薄めで上品な風味を楽しめました。甘さ控えめの割下は豊潤で半熟の卵とお米によく絡んでいて、まるで卵かけご飯を食べているようでした。和菓子のデザートまで付いて高級感がありました。ただ、かつ丼としてのパンチ力にはやや欠けていると感じ、印象に残る一品とまではいきませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13018521/



119丼     萬ち亭

戸越公園     690円    2018年9月

好み:★☆☆☆☆

調理・給仕ともに東南アジア系男性という珍しいとんかつ屋さん。「ひれ」と「ロース」が同価格でしたので「ひれかつ丼」にしました。う~ん…なんとも独特な味付けと風味。何かが入っちゃっているのか?何かが抜けちゃっているのか?…私の舌では分かりませんでしたが明らかに普段食べているかつ丼では感じたことのないお味。とても薄味のカツで肉も淡泊、衣は口内粘膜に凶暴なほど強めでした。さらにお米が柔らかすぎました。割下も少量でお米にほとんど染み込んでいませんでした。私にはこのお値段でもお高く感じてしまう一品でした。

https://r.gnavi.co.jp/nrhnu9bv0000/


118丼     おそば 高松

小伝馬町     1000円    2018年9月

好み:★★★★☆

カツの肉は厚めで良質に感じましたが、両端は筋っぽく噛み切れなかったり脂身が強かったり。割下はかなり甘めに感じました。特筆すべきは丼全体を覆い尽くすたっぷりの卵。割下の甘さに包まれ豊潤でした。カツとお米の間は玉ねぎではなく長ねぎ。辛めの長ねぎがよいアクセントになっていました。見た目から楽しませてくれる一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13067852/


117丼     外苑パーラー

神宮外苑     750円    2018年9月

好み:★★★★★

周囲のグラウンドで草野球などを楽しんだ方々がよく利用される青空食堂です。さすがにテーブルも椅子もパラソルも土砂の汚れが目立ち清潔さは欠片もありません。厨房に活気もありません。よもやレンジでチンしたようなものが出てきちゃうのでは…という予想に反して提供までは時間が掛かり、じっくりと調理されているご様子。やっとお呼びがかかり受け取りに。おっとビックリ、カツは筋っぽさや脂っぽさが一切なく旨味たっぷり、衣も優しめでキツい油の匂いなどは感じませんでした。肉にもきちんと下味がついています。割下はマイルドな味付けで飽きが来ません。卵と割下の量にやや物足りなさはありましたが充分な食べ応えでした。店舗の雰囲気や従業員のおばさま達の接客ぶりからは想像もできない上等なかつ丼をいただけました。まさにギャップ萌えです。

https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13132152/


116丼     まあまあ屋

桜新町      650円    2018年9月

好み:★★★★☆

持ち帰り専門のお弁当屋さん。近くのベンチで頂きました。カツは薄めで噛むと歯にくっついてくる食感はありましたが、それ以外は実によく出来た一品だと感じました。卵の半熟加減と割下のバランスが絶妙。もう少し玉ねぎが柔らかいと完璧クラスかと。ボリュームも適量でした。店名は「まあまあ屋」ですが「平均以上や」と思いました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131707/13171925/



115丼     一寸亭

千駄木      1050円    2018年9月

好み:★★★★☆

スープか味噌汁かを選べました。かつ丼にトッピングされているモノ第4位(私調べ)の青海苔。青海苔のかかったかつ丼に良品なし…の印象を初めて覆しました。カツを口に入れた瞬間に油のくさみが広がりますが気になるほどでもありません。衣は箸で持ち上げると剥がれるほど薄めで繊細。玉ねぎはたくさんで歯ごたえ良し。割下はカツ・卵・お米の風味を引き立てる味付け。それだけに割下の量が少なかったのが惜しい。もっとたくさんかかっていれば満点だと思いました。あれだけの数のメニューがあり「もやしラーメン」が名物なのに、これだけのかつ丼を提供してくださるのはお見事だと感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13008492/


114丼     とんかつ 豚豚

西小山      1050円    2018年8月

好み:★★★☆☆

割下の味付けも衣の具合も卵の加減も良く、全体的なバランスのとれた一品でしたが、とにかくカツがめちゃくちゃ小さいのがどうしても気になってしまいました。食べやすいものの、やはり満足感には影響が出てしまいました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13050757/




113丼     信濃路

平和島      630円    2018年8月

好み:★★★★☆

朝からお酒の飲める大衆店。平和島店です。お店の雰囲気そのままにガツンとくるほど濃いめの割下で食欲をそそられました。カツの質は高くはないですが大きめの玉ねぎによって食べ応えを感じました。ひと汗かいた後にお酒を飲みながら頂くには最適の一品だと思います。ただ、ほかのメニューと比べると飛び抜けて高価格なのが少し不満です。

https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131502/13115063/



112丼     甲斐そば

大森海岸     520円    2018年8月

好み:★★★★☆

着席スタイルの立ち食いそば風のお店です。カツの肉質も卵のボリュームも上級レベルでした。クセのない良い塩梅の風味を持った割下も私の好みでした。昼時は大混雑で落ち着いて味わうことはできませんが、お値段以上と感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131502/13095888/



111丼     御飯家

池尻大橋     1000円    2018年8月

好み:★★★★★

定食屋さんですがとても丁寧なお仕事ぶりが窺えます。カツは柔らかく、しっかりした味付けの割下が卵や玉ねぎにもきちんと浸透していました。ゴーヤの和え物の小鉢も良い箸休めになりました。ほかのメニューのほうが人気のようでしたが充分に楽しめる逸品であると感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131705/13056689/



110丼     かつ吉 渋谷店

渋谷       1600円    2018年8月

好み:★★★★★

お店の厳かな雰囲気にもちょっと尻込みしそうなお値段にも決して負けない優秀な逸品でした。カツの肉は上質ですし衣も過剰な主張はないですし卵の風味や玉ねぎの食感も申し分なし。もちろん割下の味付けも上品で箸がどんどん進んでいきました。キャベツやお新香類もおかわりできます。渋谷界隈では間違いなく最上級であると感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13004792/



109丼     うらら

新橋       1145円    2018年8月

好み:★★★☆☆

うどん屋さんなので丼物には小さなうどんがセットで付いてきます。割下の風味もしっかりしていて柔らかめのカツとお米を包み込んでいました。特に悪いところはありませんし飛び抜けて良いところもありませんでした。最後に食べたうどんのクオリティが高すぎて「かつ丼」の印象が薄くなってしまいました。

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13087974/



108丼     一休食堂

品川       780円    2018年8月

好み:★★★★☆

このお値段とは思えないほどカツも大きいですし肉質も上のレベルでした。濃いめでもクセのない割下もたっぷりで「食堂のかつ丼」のイメージそのままでした。玉ねぎがもう少し染み込んでいたら…と思いました。中央卸売市場食肉市場内の食堂だけにかなり期待していましたが平均よりやや上といった感じでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131403/13025272/



107丼     ミカド

奥沢       1400円    2018年7月

好み:★★★★★

「ひれ」「ロース」が同価格でしたので店員さんにオススメがどちらかを伺いましたが「好きなほうで」とのことでしたので「ひれかつ丼」にしました。たっぷりの卵が薄めの衣と柔らかい肉を包み、玉ねぎのアクセントも素晴らしかったです。割下もまさにご飯が進む風味があり、とても満足できた一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131711/13017735/



106丼    とんかつ 志味津 表参道店

表参道     1100円    2018年7月

好み:★★☆☆☆

優しい口当たりの一品でした。カツや卵のまろやかな風味は上質に感じましたが割下の味付けが私の好みには合いませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130602/13041494/





105丼     とんかつ 赤坂 水野

赤坂       890円    2018年4月

好み:★★★☆☆

全体的にあっさりとした風味・ふんわりとした香りの印象でした。肉は芳醇ですが、衣のザクザク感と卵&割下の柔らかさが反対方向を向いている感じがしました。混雑している店内の大半は「カツカレー」を注文されていました。確かにカレーと一緒にいただくと絶妙なバランスになるカツなのかもしれません。

https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13132446/



104丼 一間酒場1丁目1番地 神田駅東口店

神田      470円    2018年4月

好み:★★★☆☆

夜は立ち飲み屋さんのランチメニューです。カツが2枚乗ったボリュームでこのお値段。もう敬意を表します。油が悪い(古い)ゆえのエグみを強く感じ、容易く胸やけを誘発しましたが、それは人によって食べ応えに転換されますので問題ではないかと。東京を代表する「庶民の味方」だと思いました。

※残念ながら閉店されたそうです(2018年)



103丼    とんかつ 美竹

大井町      1200円    2018年3月

好み:★★★★☆

イチロー選手のご両親も常連のお店。店内にはイチローグッズがたくさん。とても上品な味付けの一品でした。肉も柔らかく、最後の米粒ひとつまで楽しめました。若干、パンチ力には欠けるかもしれません。特筆すべきはお店を2人で切り盛りされている若夫婦。とにかく心地の良い接客ぶりでした。奥様は美人。お会計直後、調理の手を止めたご主人が出入り口まで出て来て「気を付けていってらっしゃいませ~」とお見送りしてくださいました。気持ちのよい食事タイムでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131501/13040848/



102丼     夢庵

長原      755円    2018年3月

好み:★★★★☆

全国にあるファミレス。上池台店です。こういった業態ですから、奇をてらわずに万人受けするお味を目指していると思いますが…大正解です。なんの不満も感じませんでした。丼内の協和感も充分でした。

https://www.skylark.co.jp/yumean/index.html





101丼   とんかつ伊勢 新宿野村ビル店

新宿      880円    2018年3月

好み:★★★★★★

一言、大満足でした。カツの味わい深さを卵と割下でさらに格別なものとしています。玉ねぎだけもでご飯が進みます。それにもかかわらずこのお値段。倍でも払う価値ありと感じる逸品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13023264/





100丼    立教大学 第一食堂

池袋      370円    2018年3月

好み:★☆☆☆☆

記念すべき100丼目はミスタージャイアンツ長嶋茂雄氏も愛した一杯という、こちらでした。当時はもっと豪華だったのだと思います。現在もこの価格で提供しているのは学生さんを想ってのこと。大変な努力でしょう。しかし写真を通しても伝わるかと思いますがいろいろ語らずとも相当なレベルの低さです。ボリュームも少なく、学生さんたちの満足度が気になりました。

http://www.rikkyo.ac.jp/campuslife/facilities/ikebukuro/dininghall.html


099丼     更科

武蔵小山     870円    2018年3月

好み:★★☆☆☆

全体的にボンヤリした味付けで、肉を噛むと歯にくっついてくる感覚がありました。卵の量や割下がよく染み込んだ玉ねぎには好感が持てましたが、私の好みとは合いませんでした。閉店直前に駆け込み、手間の掛かる「かつ丼」を注文してしまいご迷惑をお掛け致しました。

https://retty.me/area/PRE13/ARE13/SUB704/100000105846/



098丼     ガスト

高田馬場     755円    2018年2月

好み:★★★★☆

これは少し驚きました。現代のファミレスのレベルの高さに。肉は柔らかく卵や割下の風味も良く、「かつ丼」としての完成度も申し分ないと感じた一品でした。

https://www.skylark.co.jp/gusto/index.html





097丼     とんかつ 奥三河

渋谷      850円    2018年2月

好み:★★★☆☆

卵のとじ方や玉ねぎの配置など丁寧なお仕事ぶりを感じました。肉の質感や脂身のクセが私の好みとはやや合いませんでしたが、割下の風味は文句なく優良な一品だと思いました。

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13027071/




096丼   東京高裁第一食堂 きゃら亭

霞ヶ関      550円    2018年2月

好み:★☆☆☆☆

こんな場所にも「かつ丼」は存在しました。注文してからわずか20秒弱での提供。レンジでチンより早いし、カツの見た目からも期待せずに頂きましたが、想像通りの一品でした。風味もへったくれもありませんでした。


※残念ながら閉店されたそうです(2018年)



095丼     そば処 大吉田

虎ノ門      550円    2018年2月

好み:★★★★★

いつもお客さんで溢れかえっている着席タイプの立ち食いそば風のお店です。このお値段でこれだけのものが食べられるのは感動です。決して上質なカツではありませんが、卵&玉ねぎとの食感、全体を包み込む割下。落ち着ける空間ではないのですが、大変楽しめた一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130802/13131601/



094丼     長寿

下丸子     770円    2018年2月

好み:★★☆☆☆

天ぷらがメインのお店です。味付けが薄いわけではないですが風味が薄いというかインパクトに欠けていると感じました。肉の外周にある衣の油っぽさが強めでした。割下のお味も私の好みとは一致しませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131716/13082579/





093丼     とらや

三軒茶屋     900円    2018年2月

好み:★★☆☆☆

揚げた油の匂いと主張のある強めの衣が私の好みとは合いませんでした。卵や割下の風味は良かったです。お隣のOLさんチームがカツカレーを召し上がっていましたが、確かにカツカレーにしたほうが相性のいいカツなのかもしれません。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131706/13037229/




092丼    三好弥

神保町     620円    2018年1月

好み:★★☆☆☆

取り立てるところはございませんでした。この価格ですから肉に芳醇さがないのは致し方ないとして、カツ・卵・割下・お米のバランスが雑に感じてしまいました。路地裏で地元の常連さんをお相手に頑張ってらっしゃる雰囲気のお店。それにしても椅子に置かれた座布団やテーブルがボロボロすぎです…。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13049702/




091丼  とんかつ寿々木 コレド室町2店

三越前     1150円    2018年1月

好み:★★★★☆

衣が過剰に思える部分もありましたが、一級品のカツ・卵・玉ねぎ・割下・お米のバランスが整っていて総合力の高い一品でした。ただただ満足です。

https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130202/13166548/





090丼     河金

入谷      800円    2018年1月

好み:★★★★☆

「元祖カツカレーの店」とも言われているだけあって満足感の高い一品でした。カウンターの隣から漂ってくるカレーの匂いに気持ちが少し引っ張られてしまいましたが、かつ丼も高いクオリティでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131104/13003753/





089丼    キッチンオリジン

目黒      496円    2018年1月

好み:★★☆☆☆

オリジン弁当さんの女性向け&イートイン業態です。これぞまさに「トンカツに卵をかけてお米の上に乗せただけのモノ」でした。私の求める「かつ丼」ではありません。割下の分量であるとか卵のとじ方であるとか玉ねぎの食感であるとかが冴えなかったです。日本の食卓を支えるオリジンさんですからまだまだ改良の余地があると思います。

https://www.toshu.co.jp/kitchen_origin/index.html



088丼    とんかつ まる一

上野      1200円    2018年1月

好み:★★★★★

カツは上質でボリュームがあり、割下も優しい味付けで完食まで一気に走り抜ける感じでした。お椀やサラダは私の好みには合いませんでしたが、充分に満足感をいただける一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13020088/





087丼    翁庵

上野     950円    2018年1月

好み:★★★★☆

衣サクサク系ではなく割下でビシャビシャ系の頂点クラスだと感じました。カツを箸で持ち上げると肉と衣の間から汁がドバドバと垂れてくるほど。重厚感も一体感もあり人気なのが頷ける一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13008514/





086丼    蕎麦きり みよた

表参道     830円    2017年12月

好み:★★★★☆

どの時間帯でも常に行列のお店です。肉の柔らかさや割下の芳醇な風味など、さすがと思わせる一品でした。とにかく「かつ丼」に自信をお持ちの売り文句が掲げられている店内外ですが、ほかの一級店と比べて飛び抜けている面はありませんでした。どなたでも確実に満足はできるはずです。

https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130602/13180620/



085丼    土風炉

大井町     820円    2017年12月

好み:★★☆☆☆

居酒屋チェーンのランチメニューです。大井町店。そういった形態ですから、なんのこだわりも感じない一品でした。見た目の卵の様子に期待を持ちましたが残念ながら印象に残るところはありませんでした。物足りず、近くの「牛八」でカレーをハシゴしちゃいました。

http://www.tofuro.jp/



084丼    平和軒

祐天寺     750円    2017年12月

好み:★★★☆☆

ほかにも近場に姉妹店がある中華料理店です。いわゆる町中華の典型ともいえるお味でした。突出した部分も劣る部分も特にない安定感。少し衣の主張が強めかなと感じました。

※残念ながら閉店されたそうです(2022年)





083丼    浅野屋

大船      980円    2017年11月

好み:★★★☆☆

余計なことをしないストレート勝負の一品で好感が持てます。肉の脂と衣から感じる油が強めで重たさを感じました。「お蕎麦屋さんのかつ丼」らしい甘めのお味でした。

https://tabelog.com/kanagawa/A1404/A140401/14001839/




082丼    天将

十条      680円    2017年11月

好み:★★★★☆

地元の方に愛されている大衆食堂さん。カツは油の臭みを感じますが、それ以外は私の好みド真ん中のお味でした。お酒のあとに胃袋に詰め込むと最強に幸せを運んでくれる一品でしょう。コストパフォーマンスも含め優秀だと感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132304/13054586/




081丼     まつ屋

十条      950円    2017年11月

好み:★★★★☆

ちょっと高級感のある店構えで中には地元の酔客で賑わっています。大きな器に鎮座しているお洒落なかつ丼でした。カツも卵も割下もお米も申し分なし。少しだけ甘さが強めでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132304/13012317/





080丼     朝松庵

中目黒      800円    2017年11月

好み:☆☆☆☆☆

お店に対しても「かつ丼」に対しても申し訳ないですが、これはないです。何がどうダメなのか分からないくらいお味がボンヤリしているし、カツも紙のようでした。こちらは「カレー南蛮の元祖」として知られる町のお蕎麦屋さんです。ここのカレー南蛮そばは天下逸品です。黄~茶色系のトロッとしたカレーそばがお好きの方はぜひお試しくださいませ。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13033576/



079丼     やよい軒

三軒茶屋     680円    2017年11月

好み:★★★☆☆

大手定食チェーン。三軒茶屋店です。良くも悪くもない印象でした。衣に特徴があるわけではないので、もっとしっかり卵でとじたほうが…と思ったりもしました。割下とお米の調和は充分でした。ただ問題なのは、ご飯のおかわり自由が最大の売りである店なのに、丼ものだけはおかわりできないという不条理。私には理解できません。

https://www.yayoiken.com/#index



078丼    とんかつ 三金

四ツ谷     900円    2017年11月

好み:★★☆☆☆

衣の食感も割下の風味も好きではありませんでした。いい意味で上品なのですが、かつ丼としての総合力を感じられませんでした。売り切れ御免ともなる人気店ですから、あくまで私の好みの問題です。大通りの反対側にお店があった頃は最強クラスのお味だったのを覚えています。

https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130902/13000968/



077丼     丼丼亭

浜松町      580円    2017年10月

好み:★★☆☆☆

全国にある丼ものチェーン。どこか味気ない一品でした。カツの旨味も割下の風味も感じませんでした。でも、このお値段でボリュームもそれなりにあるので決して文句は言えませんね。

https://www.gourmet-kineya.co.jp/brands/37/




076丼     こみや

新丸子     700円    2017年10月

好み:★★★★☆

しっかりした厚みのカツにそれなりの量の卵を使った満足感のある一品でした。上級とは言えませんが、まさに庶民の味の代表格だと思いました。


※残念ながら閉店されたそうです(2018年)




075丼     仙台や

渋谷      900円    2017年10月

好み:★★★★☆

大盛りで人気の中華料理店です。並盛でも横にあるコップや中華スープと比べると大きさがお分かりになるかと。量は多いけど味は大雑把という店がよくある中、ここはそんなことはありません。雑な部分は見受けられませんでした。最後のほうは満腹感との戦いでしたが飽きずに食べ続けられる風味を伴っていました。食いしん坊には迷いなくオススメです。

※残念ながら閉店されたそうです(2019年)



074丼    信州屋 渋谷店

渋谷      610円    2017年10月

好み:★★★★☆

立ち食いそばチェーン。特に良質というわけではありませんが満足感の高い一品でした。定番の味付けですが、細めに切られたカツが(かさ増しのためもあるでしょうが)食べ応え&風味増しに一役買っていました。渋谷駅に近い立地を考えると致し方ないものの、あと50円ほど安ければ…。

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13007262/



073丼  平田牧場 東京ミッドタウン店

六本木     1404円    2017年10月

好み:★★★★★★

ファンの多い「平田牧場」さん。さすがの脱帽レベルでした。カツの甘みと旨味が押し寄せ、卵も芳醇、割下の風味が全体を統括しているお見事な逸品でした。卵とじのトンカツをお米に乗せたモノ…ではなく「かつ丼」という腕のいる料理なのだと改めて感じさせてくださいました。

http://www.hiraboku.info/



072丼    お食事処 さと

等々力      900円    2017年9月

好み:★★☆☆☆

全体的に深みのないお味でした。肉は淡泊に感じ、衣もサクサクでもしっとりでもない食感で卵と割下の量が少なめのため、それをカバーできていないように思いました。等々力渓谷を散歩して汗を流していたので、身体が塩分を欲していて物足りなく感じたのかもしれません。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131715/13018489/



071丼     松月庵

武蔵小山     850円    2017年9月

好み:★★★★★

カツは小振りですがふんわり卵とクセのない割下がお米にもマッチしていてトータルバランスのとれた一品でした。「お蕎麦屋さんのかつ丼」の中では屈指の存在だと思います。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13129985/




070丼     とん吉

西小山      800円    2017年8月

好み:★★★★☆

とても好みの一品でした。食材のひとつひとつは特筆するものではないですが、私の重要視する丼ぶりの中での一体感・協和感が見事でした。おそらくですが「とんかつ」でいただくより「かつ丼」のほうがオススメかもと思います。このお値段でこの味なら満足です。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13079086/



069丼    情熱のすためし どんどん

池袋      580円    2017年8月

好み:★★☆☆☆

スタミナ丼や油そばがメインのチェーン。池袋東口駅前店。すべてが中途半端でした。衣も油っぽく、卵の風味は割下の強い味付けで消されていました。やはり、こちらに伺ったら「すためし」をいただくべきですね。

https://gardengroup.co.jp/sutameshi/




068丼     信濃屋

武蔵小山     900円    2017年8月

好み:★★★☆☆

カツの下味に黒コショウが強く効いています。とてもパンチがあり食欲をそそられ続ける一品でした。夏場は一口サイズのそうめんが付くようで、これが良い中和剤になっていました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13068180/




067丼    更科 渋谷

渋谷     1026円    2017年7月

好み:★★★☆☆

センター街の入り口付近に古くからあるお店です。お蕎麦屋さんのかつ丼の中ではやや上品な味付けに感じました。お吸い物やお新香もやや上品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13057454/





066丼    そば縁肆 さか本

大岡山     1188円    2017年7月

好み:★★☆☆☆

落ち着いた雰囲気のお店で期待は高まりましたが、肉と衣と卵との食感がベチャッと感じたり硬く感じたり…。割下もお蕎麦屋さんの定番とは一味違い、私の好みには合いませんでした。決してクオリティが低いわけではありません。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131711/13003229/




065丼    いろり庵きらく

目黒     550円    2017年7月

好み:★★☆☆☆

JRの駅ホーム上でよく見かけるお蕎麦屋さん。目黒店です。多くを望むのが間違っていますが、カツとお米と割下がマッチングしていませんでした。カツをひと切れ口に入れたら全部衣だった部分も…。こちらのお店ではおとなしく蕎麦かカレーライスですね。

http://www.nre.co.jp/shop/tabid/220/brnid/3/Default.aspx



064丼     やぶそば

武蔵小山     850円   2017年6月

好み:★★★☆☆

アッツアツで私好みの味付けだったので幸せに食べていましたが、なぜか途中で飽きがきてしまいました。肉の脂と割下の風味が理由かもしれません。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13094534/





063丼     あたりや

大岡山     770円    2017年6月

好み:★★★☆☆

悪いところはまったくないのですが、イマイチ物足りなさを感じました。理由はわかりません。いい意味で平均的なお味だと感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131711/13008216/





062丼    かのや 新橋駅構内店

新橋     650円    2017年6月

好み:★★★★☆

カツの質はそれなりですが、程よい柔らかさのたっぷりの卵と濃いめの割下で包み込むことによって完全に昇華しています。夢中で完食しました。

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13178832/





061丼    とんかつ河 本店

新橋     1580円    2017年6月

好み:★★★★☆

とても満足感を得られました。全体的に上品なのにパンチがある不思議な感覚。上手に揚がった良質なカツとトロトロ卵は絶妙でした。3人掛けのカウンターの真ん中に通されたのですが、両隣が揃って豪快に音を立てながら召し上がるおじさまでして…大急ぎで食べ終えたので存分に楽しめなかったのが口惜しかったです。

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13002726/


060丼     豊ちゃん

築地市場     1050円    2017年5月

好み:★★★★★★

これですよ、これ。求めていたかつ丼がありました。市場で汗して働く男達に合わせた濃いめの味付け。ボリュームも充分。肉と衣と卵と玉ねぎとお米と割下の協和感が素晴らしかったです。


※残念ながら閉店されたそうです(2017年)



059丼     大宝

目黒      1500円    2017年5月

好み:★★★★☆

強いて言えば、カツを少し揚げ過ぎかなぁと思ったくらいで他は文句の付け所がない一品でした。開店直後に入りましたが、出るころには外に行列が。それも理解できます。

https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13007463/




058丼     大五

白金高輪     2060円    2017年5月

好み:★☆☆☆☆

これは正直なところ残念な代物でした。とんかつの評価がとても高いお店ですので期待していた分、がっかり感が増してしまいました。「とんかつ」として提供するカツと「かつ丼」として提供するカツは別物なのではないかと感じるくらい。割下もどういう意図での味付けなのか分かりません。最高レベルのお値段でしたが…。

※残念ながら閉店されたそうです(2020年)



057丼     御喜鶴

都立大学     900円    2017年5月

好み:★★★★☆

とても味わい深く楽しめる一品でした。カツの柔らかさ・衣の食感・お米にかかる割下の量など私の好みにピッタリでした。伺った日はお持ち帰りの注文が大量に入ったタイミングだったらしく、提供されるまでかなり時間が掛かりましたが、女将さんが何度も「今日はお待たせしてごめんなさいね」と声掛けしてくださり、こういう心遣いも優しい気持ちになりました。

※残念ながら閉店されたそうです(2020年)



056丼     大戸屋

池袋      965円    2017年5月

好み:★★☆☆☆

有名チェーン。池袋西口店です。全体的にパンチが弱いというか取り上げるべき部分がありませんでした。大戸屋さんは私も大好きな人気メニューがたくさんありますが、かつ丼に関してはちょっと残念でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13041149/




055丼    自由が丘藪伊豆

自由が丘    1600円    2017年5月

好み:★★★☆☆

奥のお座敷に通していただき、贅沢なかつ丼タイムを過ごしました。卵と割下が芳醇で良質な一品だと思いますが、伺った日がとにかく暑くて…汗だくの状態では味覚も鈍りますね。お値段に見合っているとは感じませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131703/13017641/



054丼    長寿庵

自由が丘    1000円    2017年5月

好み:★★★☆☆

各地にある長寿庵さんですが、こちらは自由が丘にあるお店。まさにお蕎麦屋さんのかつ丼という甘めで濃いめの味付け。ボリュームも充分にありました。カツ自体の旨味がもう少しあれば…といったところでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131703/13068567/



053丼    大むら

祐天寺     800円    2017年1月

好み:★★☆☆☆

よく見かける屋号ですが、こちらは祐天寺駅の近くのお店です。カツも卵も割下の風味も悪い所はありません。小皿に紅ショウガというのも珍しく、よいアクセントになります。ただ、ぜひ足を運んでもう一度…と感じさせるものはありませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13068337/





052丼    とんかつ 明石

新橋    1450円    2017年1月

好み:★★★★★★

感服です。素晴らしい逸品に出会うことが出来ました。キャベツの千切りも赤だしもお新香も顔がニヤけてきます。「ひれ」と「ロース」が同価格でしたので「ひれかつ丼」を選択しました。いいものをいただいている…と口も脳も内臓も感じます。肉も揚げ具合も卵のとじ加減もお米との協和感も非の打ちどころがございませんでした。絶対に「ロース」も間違いないでしょう。

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13033663/



051丼    なか卯

東銀座     590円    2016年12月

好み:★★★★☆

大手チェーン。東銀座店。こういう安心安定の余計な主張のない味は大好きです。カツも決して高級品ではありませんし割下も直球の濃いめでしたが、どんぶりの中で融合させると堪らない一品になりますね。企業の開発力に拍手です。

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13148175/





050丼    そば新

自由が丘     500円    2016年12月

好み:★☆☆☆☆

カウンター席のリーズナブルなお蕎麦屋さんでいつも盛況です。このお値段で多くを望んではいけませんが、肉がパサッと淡泊で口に広がる風味というものが感じられませんでした。割下の味付けだけは好みでした。

※残念ながら閉店されたそうです(2020年)






049丼    三ちゃん食堂

新丸子     600円    2016年12月

好み:★★★☆☆

地元の方で賑わっている人気店です。このお値段でこのクオリティのかつ丼が食べられれば、それは満足です。私の舌では詳細は分かり兼ねますが、普段かつ丼では感じることのない独特な匂いがありました。同じ油でいろいろな食材を揚げているからでしょうか…

https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140504/14003565/




048丼    芝大門 更科布屋

浜松町     900円    2016年11月

好み:★☆☆☆☆

すぐ近くに本店がありますが、こちらは世界貿易センター店です。中心部分は柔らかく外が硬い衣と、全体的に薄くぼんやりとした割下の風味が私の好みとは掛け離れていました。多くの方から愛されている名店ですので今度は本店に伺ってみようかと思っています。

※残念ながら閉店されたそうです(2021年)





047丼    ふく屋

新丸子     1000円    2016年11月

好み:★★★★☆

上級なかつ丼だと思いました。肉も厚く脂も甘く卵も柔らかく仕上がっています。少~しだけ味付けが重たく感じましたが、とても満足させていただきました。

https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140504/14040226/




046丼    川善

三軒茶屋    980円    2016年11月

好み:★★★☆☆

トンカツの揚がり方も衣の食感も好きでした。割下の風味も水準級だと思います。お昼の混雑時に伺ってしまったため4人掛けのテーブルに他人4人がひしめき合って食べるハメに。居心地が悪いと味覚も鈍りますからね。またゆっくり伺いたい一店です。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131706/13013102/




045丼     桂庵

東銀座     700円    2016年11月

好み:★★★★☆

チェーンのお蕎麦屋さん。銀座三丁目店。さすがに高級感はないものの肉も柔らかいですし卵もフワッとしています。お米とのバランスも良いと思います。銀座価格だとは感じますが、私好みの風味でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13044874/





044丼    木挽町砂場

東銀座    1000円    2016年10月

好み:★★★★☆

江戸三大蕎麦のひとつ「砂場」。そちらの東銀座にある一店です。突き抜けた何かはないのですが、食べ応えもあり、「あ~かつ丼食った~」という満足感&充実感に浸れました。

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13042336/





043丼    美かわ家

祐天寺     800円    2016年10月

好み:★★☆☆☆

典型的な「お蕎麦屋さんのかつ丼」の中で、私の口に合わないほうのお味でした。詳しい理由は分からないので何の参考にもならずに恐縮です。。。お腹が減っていたのでこのあと、かけそばも注文しました。こちらは満足でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13068775/




042丼    たつ屋

新宿三丁目    450円    2016年8月

好み:★★★★☆

これは好きでした。手軽にパッと手軽なお値段でかつ丼を食べたい…という時には救世主のような存在でしょう。クセもなく即完食でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13025431/





041丼    長野屋食堂

新宿     720円    2016年8月

好み:★★★☆☆

大老舗のいわゆる大衆食堂です。昼間から酔っぱらっているご年配の方々で賑わっていました。汚れた油で揚げた独特の風味と肉の脂身はパンチが強かったですが、しっかりした味付けが食欲をそそります。煙草の煙が気になる方にはオススメできません。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13089386/




040丼   サウナ&カプセルミナミ

学芸大学    702円    2016年7月

好み:★★☆☆☆

この地区のかつ丼はすべて食べ尽くしたかと思いましたが、駅前にあるサウナ&カプセルホテルの食堂に未食のかつ丼が潜んでいました。もちろんカツもその場で揚げているわけでもありませんし、こういった施設内の食堂ですから大きな期待はしませんし、それをいい意味で裏切られることもありませんでした。

https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/158899/158899.html



039丼    やぶ重

学芸大学    1000円    2016年7月

好み:★★★☆☆

こちらも同じ屋号のお店があるお蕎麦屋さんですが、世田谷区下馬のお店です。見た目はかなり私好み。肝心のお味は特徴的なところはなく至って平均レベルだと感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13067447/




038丼    深夜食堂きんちゃん

学芸大学    600円    2016年7月

好み:★★★☆☆

カウンターのみで夜は飲み屋さん。ランチメニューです。店内外の雰囲気や、調理前後は煙草をふかしながらテレビを観ているご主人の様子から、失礼ながらまったく期待してませんでしたが、いい意味で裏切られました。優しい味付けで、この価格ならば充分に楽しめました。

※残念ながら閉店されたそうです(2019年)



037丼    そば処 大むら

学芸大学    950円    2016年7月

好み:★★★☆☆

同じ屋号のお店は各地にたくさんありますが、こちらは目黒区柿の木坂にあるお店です。ボリュームや肉の質感などとても食べ応えがあるように思えました。まぁまぁの一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13074055/




036丼    国田屋

学芸大学    580円    2016年7月

好み:★★★☆☆

地元の方に寄り添った雰囲気の定食屋さん。しっかりした味付けでカツもそれなりでした。これでこのお値段なら満足です。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13018308/





035丼    ゆう月 目黒

目黒     960円    2016年7月

好み:★★★★☆

デカ盛りのもりそばが人気のお店。かつ丼のボリュームも多めです。特になにがどうということはないのですが、好きな味でした。あっという間の完食でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13036654/





034丼    あさひ

半蔵門    580円    2016年6月

好み:★★★★☆

「立ち食いそば屋のかつ丼」の上級定番のようなお味でした。味付けも油っぽさも強めですが夢中で完食してしまいました。お椀は味噌汁ではなく蕎麦出汁ベース。これがちょっと残念なものでした。

※残念ながら閉店されたそうです(時期不明)




033丼    鈴新

四谷三丁目   1200円   2016年6月

好み:★★★★★

これは逸品です。文句の付け所がなかったです。混んでて着席するまでの待ち時間が長かったところぐらいかな。店主さんが目の前で調理しているので丁寧な仕事ぶりも確認できます。カツも割下もすべてが水準以上でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13027073/




032丼    かつや

池袋    529円    2016年5月

好み:★★☆☆☆

全国チェーン。池袋西口店。確かに安定のお味なのですが物足りなさを感じました。いろんなお店でかつ丼を食べて来ちゃったからでしょう、以前は大好きだったのに良くも悪くも平凡に思えました。お値段的にも庶民の味方であることは間違いありません。

http://www.arclandservice.co.jp/katsuya/




031丼    君塚

池袋    400円    2016年5月

好み:★★★★★

量は多くありませんがコストパフォーマンスは抜群すぎでした。こういう立ち食いそば屋さんのジャンキーかつ丼、大好きです。もちろん肉の質は低めなのに割下の味付けと卵のとじ方で見事に昇華しています。私が学生の時から30年、変わらぬお味でした。

※残念ながら閉店されたそうです(2023年)




030丼    とん㐂

銀座    930円    2016年5月

好み:★★★★☆

レベルの高い一品でした。甘めの味付け以外は特に印象に残るところはないのですが満足感満載でした。銀座でこのお値段は良心的だと思います。まさにお値段以上。

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13002627/




029丼    竹はし

浜松町   950円    2016年4月

好み:★★★☆☆

全体的に油っぽさを少し強めに感じました。こういうのは自分の体調などにも依りますけどね。肉も玉ねぎも卵もお米も単独では良質ですが、全体の協和感が私の好みとはわずかに違いました。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13021661/




028丼   とんかつ和幸

渋谷    500円    2016年4月

好み:★★★★☆

全国に店舗がありますが、写真はテイクアウト用のお弁当です。安定感がありますし、「とんかつ」で食べても良いが「かつ丼」で食べるともっと良いという典型だと思います。

http://www.wako-group.co.jp/




027丼   燕楽

御成門   1050円    2016年4月

好み:★★★☆☆

どこを取っても水準か水準以上だと思います。同時に飛び抜けた部分はないかなと感じました。玉ねぎの量がとても多いのが特徴。わずかに焦げ臭さがありました。熱々なのは嬉しいのですが、一口目のカツで口の中をヤケドしたので存分に楽しめませんでした。完全に自分のせいです。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13001487/




026丼   あけぼの

有楽町    980円    2016年3月

好み:★★★☆☆

長年、サラリーマン達に愛されている名店です。私も若かりし頃にはよく通っておりました。約20年ぶりに伺いましたが第一印象は「カツが小さくなったなぁ」でした。味付けも確実に変わっていると思います。以前のあの味が想い出補正されているせいもあり、絶賛の逸品…とまでは感じませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130102/13000129/



025丼   めん庵

浜松町    530円    2016年3月

好み:★★☆☆☆

立ち食いそば屋さんです。お店の見た目から、これは私好みのジャンキーなかつ丼が食べられそう…と期待していましたが、筋っぽい肉質やクセが強めの割下の味付けが残念ながら私好みではありませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13073974/




024丼   松のや

池袋    490円    2016年3月

好み:★★★★☆

牛めしの「松屋」さんが運営するトンカツ屋チェーン。東池袋店。開店時期によって「松乃屋」「松のや」と表記が異なるのですが中身は同じお店です。このお値段でこのお味ですから感嘆せざるを得ません。抜きん出た部分はありませんが、これで充分です。

https://www.matsuyafoods.co.jp/matsunoya/




023丼   瑞兆

神泉    1000円    2016年3月

好み:★★★★☆

卵でとじていないので、私の理論からいくと「かつ丼」ではないのですが…食べてみたら、これは「かつ丼」でした。口の中では「かつ丼」でした。わけわからなくてスミマセン。メニューは「かつ丼」と「ビール(中)」のみというのも自信の裏付けですね。絶品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13161530/



022丼   清水屋

池袋    865円    2016年3月

好み:★★☆☆☆

とても評価の高いお店です。柔らかく独特な味わいの衣が私の口には合いませんでした。これはもう完全に好みの話です。

https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13008961/





021丼   小諸そば

半蔵門   500円    2016年3月

好み:★★★★★

大手立ち食いそばチェーン。半蔵門店。箸で切れるほど柔らかいヒレカツを使用した絶品のかつ丼でした。立ち食いそば屋界の最高峰だと思います。あなどるなかれです。

http://www.k-mitsuwa.co.jp/komorodiv/index.html




020丼   勝漫

淡路町   1700円    2016年2月

好み:★★★★★

秀逸としか言いようがありません。丁寧な仕事ぶりを感じさせてくれる一品でした。こちらの職人さんが独立されて店舗の裏に「やまいち」を開業されたため、比較されることも多い両店ですが、どちらも最上級…これが答えだと思います。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13000380/




019丼   美やこ

学芸大学   1080円    2016年2月

好み:★★★★☆

まさに、お蕎麦屋さんのかつ丼の代名詞のようでした。少しだけ味付けにクドさを感じましたが、カツのボリュームもあり申し分のない一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13068778/





018丼   丸はし総本店

学芸大学   980円    2016年2月

好み:★★★★☆

特に上質なトンカツを使っているわけではないでしょうが、かつ丼という料理にすると こんなにも味わい深くなるのかと感じさせる一品でした。柔らかめの卵もいい具合でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13018289/




017丼   とん亭

中目黒   1980円    2016年2月

好み:★★★☆☆

カツの脂が甘~い!高級感すごーーい!      でも、「上質なトンカツを卵でとじてご飯の上に乗せた料理」であって、「かつ丼」としての完成度はイマイチでした。2000円も出す価値は感じませんでした。かつ丼にトッピングされているモノ第2位(私調べ)のきざみ海苔ですが、このかつ丼に関しては風味の邪魔でしかありませんでした。


※残念ながら閉店されたそうです(2017年)



016丼   吉乃家

麹町   900円    2016年2月

好み:☆☆☆☆☆

いつ伺っても満席の人気店。なんとか入れたのでワクワクしてかつ丼を待っていましたが、同時に着席した男性が食べ終わって退店してもまだ来ない。店員さんが「かつ丼でしたよね?」と確認にきてから数分後にやっと提供されました。食べてみると…最悪。生ゴミのような匂いに口に残りまくるカツの衣。超薄味。神の料理:かつ丼を初めて半分以上残してギブアップ。きっと注文忘れに気づいてテキトーに大急ぎで作っちゃったんでしょうね。だとしても、これはない…。


※残念ながら閉店されたそうです(2017年)



015丼   入船

学芸大学   930円    2016年2月

好み:★★★★☆

カツのボリュームもあり満足感の高い一品でした。ナポリタンの小鉢というも珍しいですね。私の舌では詳細は分かり兼ねますが、ちょっと独特な風味がありました。アツアツの時と少し冷めた時の味の違いを強めに感じました。トータルの感想としては…好きです。

※残念ながら閉店されたそうです(2022年)



014丼   さぬきや

学芸大学   1300円    2016年2月

好み:★★★☆☆

クオリティとしては、とても高いと思います。上品な一品でした。ただ…かつ丼に柚子って必要ですかね?おしゃれ先行型で、私のようなオッサンには余計な仕事を入れ込み過ぎていると感じてしまいました。モガ&マダムにはオススメかもです。死語?

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13018265/



013丼   鷹番 朝日屋

学芸大学   920円    2016年1月

好み:★★☆☆☆

カツも玉ねぎも割下もご飯も香りも後味も、どれをとっても特筆事項がないと言えます。もちろん完食しましたが、またあそこのかつ丼が食べたい!と思わせるものはありませんでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13068535/




012丼   久寿屋

学芸大学    770円    2016年1月

好み:★★★★☆

カツは薄いですし卵もしっかり火が通ったタイプ…にもかかわらず、なんとも芳醇な味わいでした。濃い目の味付けですがさっぱりといただける…といった印象。もう一杯頼もうかと真剣に悩みました。


※残念ながら閉店されたそうです(2018年)



011丼   新宿さぼてん

新宿     646円    2016年1月

好み:★★★★★

飲食できる店舗もテイクアウト専門の店舗も都内に多数あります。写真はテイクアウトの「ヒレかつ丼」。大好きです。「ロースかつ丼」も大好きです。これを上回るかつ丼が存在するのかを知りたいことが、かつ丼巡りを始めたキッカケでもあります。久しぶりに食べましたが、やはり「これだよ!これ!」でした。

http://www.ghf.co.jp/saboten/




010丼   大菊 総本店

都立大学    810円    2016年1月

好み:★★☆☆☆

地元の方々に愛されている雰囲気の蕎麦店でした。カツのボリューム感はそれなりでしたが、全体的に味が淡泊でぼんやりしていました。濃いわけでも薄いわけでも何か目立つものがあるわけでもない…といった感じでした。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13010818/




009丼   しぶそば

池袋    500円    2016年1月

好み:★★★☆☆

リーズナブルなチェーン店。池袋店。可もなく不可もなくでした。それ以外の感想がないくらい可もなく不可もなくでした。お味噌汁の風味がちょっと残念だったかな。そのくらいしか記憶に残らない一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13182621/




008丼   とんかつ 大吉

池袋    900円    2016年1月

好み:★☆☆☆☆

大変評判の良いお店です。ですが…たまたま私がそれにあたってしまっただけだとは思いますが、お米がカチカチ。2日間くらい空気にさらしていたのでは…というレベルで。他のお客さんがお米を食べている様子を見渡してしまったほど。皆さん、特に異変なく召し上がっていましたが…。もうカツや割下がどんな味だったかすら覚えていません。

https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13125799/


007丼   ゆで太郎

半蔵門   550円    2016年1月

好み:★★★★☆

大手立ち食いそばチェーン。一番町店。このお値段ですから肉の質も脂の質もそれなりですが、割り下の味が完全に好みです。食べた後、数時間は胃に居続ける感覚が残る重たさはあるものの、すぐにまた食べたくなる不思議な一品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13023035/



006丼   名代富士そば

池袋  490円    2016年1月

好み:★★★☆☆

大手立ち食いそばチェーン。池袋西口店。看板メューのひとつが「かつ丼」だけあって、安心安定の味です。富士そばさんは店舗や日によってお米の出来にバラつきがあるように思います。このかつ丼はお米が硬すぎました。つゆに浸っているとはいえ、歯ごたえ過剰。でも…富士そばのかつ丼はコストパフォーマンスも含め優秀だと思います。

https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13114385/



005丼   与志田

学芸大学  1190円    2016年1月

好み:★★☆☆☆

肉の厚みは申し分ないです。ただ、パサパサです。「かつ丼」って、どんぶり内全体の協和感ですよね。それが残念ながら欠如しているように感じました。ずっとパサパサしています。お値段の割に…と思ってしまいました。このお店は、かなり辛めに作ったカレー蕎麦を推しているようでした。


※残念ながら閉店されたそうです(2018年)



004丼   松月庵

学芸大学  900円    2016年1月

好み:★★★★☆

いたる所にある「松月庵」さん。こちらは東急東横線学芸大学駅にあるお店です。落ち着いた雰囲気、優しい物腰の高齢女性店員さん、みかんの添え物。割り下でショボショボになっていて箸で持ち上げるとカツの衣が剥がれます。これの良し悪しは別にして、全体的に文句の付け所が見当たりませんでした。肉も割下も特別なモノはないのですが、心身が温まるかつ丼をいただいた・・・と脳で感じました。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13018305/



003丼   銀座梅林 本店

銀座  1000円    2016年1月

好み:★★★★★

日本を代表する名店。これを食べて満足しない人は極めて少ないだろうと思います。まさに職人の匠の仕事だと感じます。浅すぎず深すぎず。食べてる間中、夢中です。お値段以上と感じますし、銀座に行ったらマスト級です。「スペシャルかつ丼」という卵がもう1つ上に乗ってたりする豪華メニューが人気だそうです。

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13002547/



002丼   坂本屋

西荻窪  800円    2016年1月

好み:★★☆☆☆

かつ丼日本一に輝いたことのあるお店。15分ほど並んで入店。先入観からあまりに期待が高すぎたのかもしれません…。割下の味わいや衣から発する風味が私の好みではなくガッカリ。途中で飽きてしまいました。卵の閉じ方は芸術的とまで言え、グリーンピースと織りなすビジュアルお見事ですが、揚げ加減も強めで繊細さが感じられませんでした。日によって(時間帯によって)バラつきがあるとの情報もありましたので、まっさらな気持ちでもう一度再訪すべきなのかもしれません。

※残念ながら閉店されたそうです(2023年)



001丼  とんかつ やまいち

淡路町  1700円    2016年1月

好み:★★★★★★

食べログさんでも常に1位。ネット上の評価も最高峰。値段が高いから美味いって感じるんだろ?どんだけのもんじゃい…と穿った気持ちで行きましたが…運ばれてきてから米粒ひとつ残さず食べ終わるまで、ただただ無心。退店して道端に出た瞬間、「うまかった~」とつい口に出して言ってしまい、すれ違ったサラリーマンさん達にギョッとされる始末。肉はそこまで高級品ではないと思いますが、芳醇さは元より脂身のまろやかな甘み、衣の香ばしさと程よい歯触りに脱帽。割下の優しい甘さはカツの風味と喧嘩せずにより旨味を引き立たせていて、お米との絡み具合も抜群。玉ねぎではなく長ネギが使われていますが、これがまたベストマッチング。食通ではありませんので、細やかなレシピや調理工程に、ほかと何がどう違うのかは分かりませんが、恐れ入りましたの一言。絶品でした。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13042246/